ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ガセネッタ&シモネッタ〜米原万里

2020-02-18 06:04:02 | 本の少し
 ☆☆☆☆

同時通訳をされていた、米原万理さんのエッセイ本。
それも、ロシア語。

私たち、海外小説などその本を読んだ気になっているが、
その間には翻訳という作業があって、いかにその作業が重要性を帯びているか。

行間を読む、行間を訳す、作者の意図する、真髄を伝える。
それは、脚色ではないが、なくてはならぬ作業である。

そして、それを、瞬時に伝える、同時通訳という離れ作業でこなす。
例えば、世界エイズ会議で、会議開始直前に、「売春婦、商売女、なんて言葉、
絶対使ってはなりません。もちろん娼婦、女郎は禁句、淫売なんてもってのほかです」・・・一生懸命事前に、その関係の語彙を詰めこんだばかりなのに。

どういえばいいの
「コマーシャル・セックス・ワーカーで統一してください」と。

会議が始まると、突如「brothel」なる単語が、咄嗟に浮かぶのは
「淫売宿、女郎屋」しかない、どうしよう、どうしよう・・・
するとベテランの通訳者は「コマーシャル・セックス・ワーカーの職場」と、
通訳の基本中の基本が語られている・・・・そう思うと、
これから海外の本は、翻訳者に、注目して読まなければなりませんな。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本棚の本〜赤澤かおり | トップ | がんちゃん・備後町〜2020.02.19 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

本の少し」カテゴリの最新記事