桃月庵白酒と落語十三夜 | |
クリエーター情報なし | |
KADOKAWA/角川書店 |
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桃月庵白酒が落語のキモについて、13の落語を使って解説。
例えば「芝浜」では、
あの「お前がいなくなると困る。
そしたら俺は昼間から遊んで酒が呑めなくなるから」というセリフ、
あれは本心を隠すための照れなのか、それとも身も蓋もない本心なのか。
でも泣かせる落語は野暮だと思っているのであまり白酒さんはやらないと。
泣きたいんだったら浪花節聴いた方がずっと良いと思うと・・・。
「野ざらし」では、
この頃、落語界では、ひとりキ●ガイというですが、
こういう男がひとりで妄想して騒ぐネタ、一時期完全にウケなくなったんですよ。
ある程度型ができあがってるので、ちょっと壊しようがない。
誰がやってもまあまあ一緒、というところで笑いが目減りするのかと思います、と。
おもしろいですな・・・ネタの完成度が高いと逆にウケなくなるなんて。
「明烏」では、
吉原なんて、ひやかしだけでも愉しめたんで、当時は素見が客の八割、九割。
野郎同士集まって遊べなくはないでしょうけど、女の子が一緒にいるだけで嬉しい。
吉原なんてちょっとしたテーマパークだし。
囲われた敷地内にいろいろあるという意味では、
ディズニーランドのミッキーとかドナルドに通じるものがあるでしょう。
凄い、ミッキー花魁説。
「御慶」では、
今の落語がみんな長くなる傾向があるのは・・・・・
昔よりもストーリー性が求められているのか・・・。
落語というのは本来省略系の芸なんですが、解り易くしないといけない。
筋立てが、ちゃんとしている志の輔師匠の落語は、お客さんに解りやすいし、
談春アニキの噺をある種の落語マニアの人が「くどい」と
いう意味もよくわかりますと。
こんな風に、落語論もあれば、落語家のいきざまについて、
ついには学生時代の童貞、恋愛事情まで・・・・・楽しめる13夜でおまっせ。
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