サイレンと犀 (新鋭短歌シリーズ16) | |
クリエーター情報なし | |
書肆侃侃房 |
☆☆☆☆、
知らなかったのですが、今、若い人たちの間で、短歌が詠まれている。
同人誌、学生短歌、Twitterまで現代短歌の場は、爆発的に広がっている。
これは、あの、新鋭短歌シリーズの第16冊め、岡野大嗣さんの「サイレンと犀」という本。
まだ、作者や作品について、どうこう言える様な知識も持ちあわせていないので、
例のごとく、気にいった、短歌のみ、覚書きとしてあげておきます。
散髪の帰りの道で会う風が風のなかではいちばん好きだ
ともだちはみんな雑巾ぼくだけが父の肌着で窓を拭いている
ハムレタスサンドは床に落ちパンとレタスとハムとパンに分かれた
地下街は地下道になるいつしかにBGMが消えたあたりで
そうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすき
ねるまえに奥歯の奥で今朝食べたうどんの七味息ふきかえす
空席の目立つ車内の隅っこでひとり何かを呟いている青年が背負って
いるものは手作りのナップサックでそれはわたしの母が作った
助手席の無言は続きウィンカーに指を何度も伸ばしてしまう
会いたいなぁ 高架の下の自販機で買ったココアがまだあったかい
限りなく豆腐に近い脳みそに醤油をかけたような憂鬱
ユニクロの部屋着のままでユニクロへよそいきのユニクロを買う
次は、どなたの歌集を手にするのか・・・・・・私自身、興味ありますな。
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