今日が千葉での学会最終日でした。
非常に実りの多い4日間でした。
昨日は少し時間が出来たので千葉市美術館に行ったんですが、これがなかなかよかったです。
浮世絵の歌川広重と言えば「東海道五十三次」が有名ですが、
今回の展示のメインは中山道を描いた「木曾街道六十九次」でした。
風景画の最高傑作とされる「洗馬」などが代表ですが、東海道ほどは知られていませんよね?
そういう意味ではとても貴重な展示でした。
この作品のうちの24点は渓斎英泉という人の作で、残りが広重の作だそうです。
なんとか二人の作風の違いを見出そうと思って見ていたんですが、やはり違いが見られました。
英泉の方はどちらかと言うと人物に焦点を当てていて、絵の中でもその割合が大きいのです。
肌の色は男性はかなりオレンジに近く、女性は真っ白という感じでした。
一方広重の方は風景がメインでその中に人物を配置している、といった印象を受けました。
肌の色は英泉のものに比べるとずいぶん薄く、風景の中に自然に溶け込んでいるという感じでした。
もちろん例外もありましたが、全部を見終わるころには
どの絵がどちらの作なのかが大体見当がつくようになりました。
家に帰ってから調べてみたところ、英泉は美人画で有名な画家だったそうです。
だから人物が印象的だったんですね。なるほど納得、といった感じです。
以前は何も考えずに絵を見ることがほとんどでしたが、
今回のような見方をするとなかなか面白いなぁと思いました。
専門的なことはわからなくても、自分なりの楽しみ方を見つけられれば、
美術館めぐりもますます楽しくなりそうですね。
それでは。