読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

横山秀夫『深追い』を読む

2012年12月23日 | 読書

◇『深追い』 著者: 横山 秀夫  2002.12 実業之日本社 刊
   7編の短編を集めたもの。初出は週刊小説1999.3から2001.12まで掲載の作品。
  1998年『陰の季節』で第5回松本清張賞を受賞したが、2000年に『動機』で第53回日本
 推理作家協会賞短編部門賞を受賞している。『半落ち』で人気になったが、短編も優れた作品
 が多い。前回の短編集『』をご紹介したが、さすがに横山秀夫の作品は登場人物の人間像が
 生き生きと描かれていて安心して読める。

  7編の作品には主として某市の「三つ鐘警察署」に勤務する、いろんな肩書きの警察官及び
 警察一般職員が登場する。

  三つ鐘警察署の巡査部長(深追い)、鑑識係職員(又聞き)、盗犯第二係長(引き継ぎ)、人
 事担当警務係長(訳あり)、生活安全課少年係員(締め出し)、会計課長(人ごと)、署次長
 (仕返し)と職種も肩書も違うが、それなりにふさわしいキャラクターが設定されて、分かりや
 すい人間像として描かれている。短編ながら中身の濃いストーリーであり、これぞさすがに手
 錬れの作家である。
  
 中でも「深追い」、「引き継ぎ」、「仕返し」がよかった。

  

   (以上この項終わり)

  
 

コメント
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