こんにちは「中川ひろじ」です。

みんなのお困りごとが私のしごと

20241205 11月定例会一般質問 地域公共交通について

2024-12-11 12:23:40 | 長野県議会

4,地域公共交通について

【中川】会派で宇都宮市のライトラインの視察を行ってきました。ライトラインの事業スキームは公設型上下分離方式で、自治体が車両と軌道等を整備・保有し民間が事業運営を担うものです。

今年3月に開催された「第11回人と環境にやさしい交通をめざす全国大会 in 上田」において、この宇都宮市のライトラインについても発表がされたところですが、持続可能な地域づくりのためには公共交通に対する行政の一層の関与が必要との議論がされました。こうした議論も踏まえ、これまで以上に県が積極的に公共交通に関与することが必要であると考えますが、知事の見解をお伺いします。

【知事】長野県において、公共交通は社会的共通資本としての位置づけで、県としてもこれまで以上に主体的に関与していくことが必要だと考えている。

 私も「人と環境にやさしい交通をめざす全国大会in上田」に参加し、より公共交通に税金を入れるべきであり、また、地方に国から交通に関わる権限・財源を移譲すべきと主張した。そうした主張をするからには、長野県で実践しなければならないと考えているところ。

 今年6月に策定した長野県地域公共交通計画に基づいて、人材不足やキャッシュレス化の対応へ支援を行うところであり、加えて鉄道または市町村をまたぐ広域的なバス路線に、市町村よりも県が積極的に支援していくことが重要だと考えている。

 現在、様々な支援のあり方を検討しており、これまで以上に県としての関わり方や財政支援も含めて強めていき、安心して暮らせる移動の足を確保された長野県づくりに向けた取組を進めてまいりたい。

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20241205 11月定例会一般質問 有機農業の推進について

2024-12-11 12:21:38 | 長野県議会

3,有機農業の推進について

【中川】国における「みどりの食料システム戦略」の推進により、有機農業の取組が全国的に広がっている中で、11月7日第2回全国オーガニック給食フォーラムが茨城県常陸大宮市で開催され、全国から会場参加で800人、オンラインによるサテライト会場が長野県内も含めて50カ所以上という盛況ぶりでした。そこで、会派としても常陸大宮市へ有機農業推進の取組みについて調査に伺いました。

 常陸大宮市は、令和4年度に有機農業の推進を事業化し、本格的に有機農業の推進を開始しました。「子どもたちに最高の給食を届けたい」という鈴木定幸市長の強い思い入れもあり、JAも全面的に協力しています。

 きっかけとなったのは、市内の三美地区において「担い手育成型の県営畑地帯総合整備事業」が行われ、有機農家の3経営体が参入して11.5haにおいて有機農業が展開されたことです。県は、みどりの食料システム戦略に基づいて「三美地区」とともに「鷹巣地区」を特定区域に設定し、大規模な有機農業の団地化をすすめています。三美地区の有機農業の担い手の一つが、JAの子会社で株式会社JA常陸アグリサポートです。

 鷹巣地区では、慣行農業者との間で「有機農業を促進するための栽培管理に関する協定」を結び、「有機農業を行うものは、病害虫発生の抑制に努めること」「慣行農業を行うものは、農薬散布に際し、飛散防止に努めること」「有機農業を行うほ場及び慣行農業を行うほ場が隣接している場合、有機農業を行うものは一定の緩衝地帯を設けること」などを協定しています。

 販路として、学校給食のオーガニック化を、思いを同じくする自治体と連携して進めること、さらに都市部へのオーガニック農産物の供給も行っていきたいと考えています。

 こうした市町村をバックアップする茨城県としての取組みは、「有機農業のモデル団地育成事業」「地域における有機農業産地づくり支援」「荒廃農地等集約・環境整備支援」など、有機農業による付加価値向上に取り組むとして2億3500万円の予算をつけており、このうち県費で6300万円を予算化しています。

長野県でも消費者理解の醸成等に取り組んでいますが、環境に対し有機農業の果たす幅広い役割の観点からも、全国の先駆的事例も踏まえ、県として有機農業の推進をもっとダイナミックに展開していく必要があると考えますが、知事の見解を伺います。

【知事】有機農業は、とりわけ農業の中でも、持続可能な社会の実現のために、大変重要な取組だと考えております。

 本県では、これまで全国に先駆け取組を進めてきました。

 有機農業推進プラットフォームを創設して、多くの皆様方にご参加いただく中で交流、あるいは研修会を行ってきましたし、また、オーガニックアカデミーの開催であったり、有機農業の実践者から、若手の生産者がサポートを受ける有機農業推進アドバイザー制度ということで、取組を進めてきました。

 その結果、令和5年の有機農業の取組面積は、5年間で約1.5倍、634haまで増加をしてきました。また、有機農業に取り組むオーガニックビレッジ宣言をされた市町村も6市町になってきました。

 こうした取組を、ご指摘のとおりもっともっと広げていくことが重要だと私も考えている。有機農業を志す個人やグループ、こうした皆様方の取組をしっかり支援していきたいと思いますし、みどりの食料システム法に基づく、有機農業実践区域のゾーニングであったり、有機農業を目指す若い新規参入者の積極的な受入れ、有機給食の拡大に向けた取組支援、安定生産が可能となる技術革新などに取り組んでいきたいと考えております。

 これからも志ある農業者の皆様、関係者の皆様としっかり協力しながら、長野県において有機農業がより一層広がるように取り組んでまいります。

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20241205 11月定例会一般質問 ワンヘルスについて

2024-12-11 12:20:19 | 長野県議会

2,ワンヘルスについて

【中川】新型コロナは、完全に収束しているわけではありませんし、そもそも新型コロナがどのように発生したのかについても定まってはいないようです。しかし新型コロナが人と獣が共通に感染する人獣共通感染症であり、動物由来の感染症は森林破壊や気候変動などによって、野生動物及び媒介動物の生息する環境が変化し、もともと野生動物が持っていた病原体が、変異を繰り返しながら渡り鳥から家畜、家畜などから人にも感染可能になったことが原因といわれています。そこで、人と動物、そして自然環境を一体的に守っていく「ワンヘルス」という考え方が、極めて重要であると国際機関が指摘してきました。

1993年世界獣医師会「ベルリン宣言」の中で、2004年世界保健機関(WHO)や国際獣疫事務局(OIE)等が公表した「マンハッタン原則」の中で、2012年世界獣医師会と世界医師会の「覚書」の中で、それぞれワンヘルスの理念が記されてきました。2016年に世界獣医師会と世界医師会による「ワンヘルス国際会議」が福岡県で開催され、理念から実践への移行を目指した「福岡宣言」が発せられました。その福岡県において、2021年1月に議員提案で「福岡県ワンヘルス推進条例」が制定されましたが、時あたかも新型コロナが蔓延しているさなかであり、その危機感をとらえての制定であったともいえます。制定に向けて牽引をしてきたのは、日本獣医師会会長、アジア獣医師会会長、次期世界獣医師会会長の蔵内功夫福岡県議会議員でした。

5月に依田明善議員と一緒に、福岡県のワンヘルスの取組みについて調査に行ってきましたので簡単に紹介します。

福岡県のワンヘルス推進条例の取り組み目標は6つあります。「人獣共通感染症対策」「薬剤耐性菌対策」「環境保護」「人と動物の共生社会づくり」「健康づくり」「環境と人と動物のよりよい関係づくり」です。このうち「薬剤耐性菌対策」は、人獣共通感染症対策と共に重要な取り組みの一つです。薬剤耐性菌とは、抗生物質に対し抵抗性を獲得した細菌のことで、この薬剤耐性菌による感染症が発生した場合、これまで使用していた抗生物質が効かなくなるなど、治療が困難となります。国連はこのまま何も対策をとらなければ、2050年までに薬剤耐性によって、発展途上国を中心に年間1000 万人が死亡し、がんによる死亡者数を超え、経済的にもリーマンショック時の金融危機に匹敵するダメージを受ける恐れがあると警告しているものです。

また、県立四王子県民の森を「ワンヘルスの森」と位置づけ、生物多様性の保持やワンヘルの啓発、森林浴による健康維持などを目標とした取り組みを行っています。

人と動物の共生社会づくりでは、犬や猫、鳥などのペットは、私たちの生活に潤いや安らぎを与え、今や家族の一員となるほど重要な存在になっていますが、人と動物が共生している一方で、安易な飼養や遺棄や虐待、悪質な業者による販売などが社会問題となっているところです。また、過度なふれあいや不適切な管理により、愛玩動物を介して人獣共通感染症に感染する事例も発生しているという観点からの取組み目標が設定されています。

つまり、人の健康と動物の健康の重なり合う分野、動物の健康と環境の保護が重なり合う分野、人の健康と環境が重なり合う分野、あるいはその3つが重なり合う分野での政策展開が必要だということです。

福岡県では、こうした取り組みを推進するための県庁内組織「ワンヘルス総合推進会議」、担当部署としてワンヘルス総合推進課、研究機関としてのワンヘルスセンターを保健環境研究所と家畜衛生保健所を統合する形でつくるとともに、医師会、獣医師会、医療関係団体、ワンヘルス関係団体、県議会、市町村、研究者・研究機関などで「福岡県ワンヘルス推進協議会」が様々な事業を推進しています。

具体的な取り組み事例を紹介すると、「ワンヘルス国際フォーラムの開催」「市町村が申請する、ワンヘルスを学び、体験できる施設を『福岡県ワンヘルス啓発施設』として認定」「県民向けのワンヘルスフェスタ」「ワンヘルス認証制度」「ワンヘルス事業者登録制度」などに取り組むとともに、ワンヘルス教育を推進しています。これは、小中高生向けに、県内全ての小学校4年生、中学校1年生、高校の全生徒と全教職員にワンヘルスについての副教材を配布しています。また現在、県立高校8校と私立高校2校、計10校において、理科や地理・歴史・公民、保健体育科などの教科に加え、工業や農業などの専門科目によるワンヘルス教育の実践を行っていることが特筆事項です。

福岡県で関係する部局は、総務部・保健医療介護部・福祉労働部・環境部・商工部・農林水産部・建築都市部・教育振興部にわたっています。その意味では、ワンヘルスはゼロカーボンと同様に総合的な政策の理念と言えます。これまで、徳島県でもワンヘルス推進条例がつくられていますが、今後東京や北海道でも制定に向けた動きがあるところです。

そこで、長野県としても、ワンヘルスについて部局横断で研究をしてみてはいかがかと思いますが阿部知事に所見を伺います。

【知事】私にはワンヘルスの研究についてご質問をいただきました。

 ワンヘルスの理念については、中川議員からご紹介がありましたとおり、人の健康、動物の健康、環境の健全性は一つという考え方のもと、それらを取り巻く様々な課題に対して関係者が一体で解決を目指そうというものであります。

 本県では、健康福祉部、農政部及び林務部が連携し、鳥インフルエンザなどの人獣共通感染症に対するモニタリングの強化や情報共有など家畜での感染拡大や人への伝播を防止する取組を行い、また、薬剤耐性菌によります健康や環境への影響を防ぐため、抗生物質等の医薬品の適正使用の啓発や、耐性菌の調査を進めてきたところであります。

 議員ご提案のとおり、各分野の専門知識を結集し、効果的な対策を見出すためにも、ワンヘルスの理念に基づく部局横断的な取組は、大変重要であると考えます。

 これまでも、関係部局等の参加する勉強会や情報交換などを行ってきたところでありますが、引き続き関係部局が連携し、ワンヘルスの視点から、研究に取り組んでいきたいと考えております。

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20241205 11月定例会一般質問その1「長野県地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例」の取り組み状況について

2024-12-11 12:17:38 | 長野県議会

1,長野県地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例の取組み状況について

【中川】最初に、長野県地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例の取組状況について伺います。景観や環境の保全及び県民の安全を確保し、地域と調和した太陽光発電事業の推進を図ることを目的として、昨年の10月に「長野県地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例」が公布され、この4月から条例が施行されています。現在までの、許可申請と設置届出、既存事業の届出及び不適切事案に関する経済産業省への情報提供の状況について環境部長にお伺いします。

なぜ、この質問をするのかというと、太陽光発電事業が法の抜け穴をぬって、例えば50kwhを超える発電施設は電気主任技術者を配置しなければならないことから、50kwh未満の発電施設を隣接して大規模に山の中に設置している案件、施工が不良で土砂災害の恐れがある案件、囲いがつくられていない等の不良案件があっても、それを確認する仕組みがないからです。

場合によっては、山火事を誘発しかねない施工不良案件もあることから、新規の設置及び過去の設置された太陽光発電施設を点検する仕組みをつくることを要望しておきます。

【環境部長】「長野県地域と調和した太陽光発電事業の推進に関する条例」に基づく設置許可申請などの状況と、経済産業省への不適切事案の情報提供についてのお尋ねでございます。

まず、許可申請及び設置届出、既存事業の届出の状況でございますが、条例では、適用区域において出力10kW以上の地上設置型の太陽光発電施設を、「土砂災害特別警戒区域」や「地すべり防止区域」などの「特定区域内」に設置する場合には「許可申請」を、その他の区域では「設置届出書の提出」を義務付けております。

 本年4月1日の条例施行後の状況でございますが、11月末現在で、許可申請が7件、うち既に許可したものが3件、設置届出書の提出が 17件となっております。なお、条例では、事業構想段階での計画を記載した「事業基本計画書」の提出を求めており、11月末現在で73件提出されていることから、今後、許可申請又は設置届出の増加が見込まれるところでございます。

 また、条例施行前に設置された既存施設については、11月末現在で1,872件の届出があったところですが、未提出の事業者が相当数存在するため、改めて文書で通知をするなど、提出を促してまいります。

次に、経済産業省への不適切事案の情報提供についてですが、条例施行後、太陽光発電事業に関して同省へ情報提供を行った例はありません。条例では、不適切な発電事業が行われることを未然に防ぐため、事業者に対し事業基本計画書の提出、住民説明会の開催等を義務付けるとともに、既存施設も含め、発電開始後も、適切な維持管理を求めております。

 今後、市町村とも連携し、パトロールによる現地確認の実施を検討するなど、条例の実効性が確実に担保されるよう努めてまいります。

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