リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バロックリュートのための新作

2006年06月11日 22時23分40秒 | 音楽系
バロックリュートのための新作を名古屋在住の若いアメリカ人作曲家、ジェイソン・テイラーさんにお願いしていましたが、やっと完成しました。曲自体は何ヶ月か前にあがっていたんですが、運指をつけたりより演奏しやすくするための提案を何度もこちらから行ったので結構時間がかかってしまいました。

彼は大半の作曲家がそうであるように、バロックリュートを弾けません。でもギターの曲は何曲か作ったことがあるので、演奏上そんなに無理のない書き方をすることができます。それでも、何カ所かは鍵盤楽器的で、簡単な譜面なのにバロックリュートでは四苦八苦するというところがありました。そういうところはこちらから修正案を出して、彼に納得してもらいました。(もちろん無理矢理ではありません(笑))

彼の作風はいわゆる前衛的な感じとは全くことなっていて、機能的なハーモニーが響いています。某演奏家が作曲して某出版社から出ている無調のバロックリュート作品もいいんですが、私はバロックリュートにはもっと別のフィールドの方がふさわしいと考え、ジェイソンさんに作品を依頼しました。

できあがった曲は、「バロックリュートのための4つの小品(ブルーなファンタジア、ルカのおもちゃ、パズル・ピース、別れ)」です。でも、ナンですねぇ、こういった曲を弦の多いバロックリュートで弾くのはホント大変です。普段使わない指使い、ポジションのオンパレードですから。もっとも聴いている方にはそんな風には全然聞こえないでしょうけど。(笑)この4つの曲のうち2曲を今週の金曜日、(6月16日)扶桑町のロビコンで演奏する予定です。