リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

扶桑のロビコン

2006年06月16日 23時55分16秒 | 音楽系
今日は扶桑町のロビコンでした。ロビコンとはロビーコンサートのことで、扶桑町文化会館のロビーで行われるミニコンサートです。私は、確か4,5年前にも一度コンサートをさせていただいたことがあり、今回で2回目です。

扶桑町は人口が3万人くらいらしいんですが、市の文化会館に音楽専門の学芸員がいます。前回させていただいたときはHさんという方が担当されていましたが、現在はYさんが担当されています。やはりこういった専門の方がいると、企画も違います。年間10数回の公演とロビコンを企画してしているのですからすごいです。どっかの市もこんな風にがんばってほしいですね。

Yさんに道筋をメイルで教えてもらって車で行きましたが、道は大体覚えていまして迷わずに行けました。今回は、「川柳でわかる音楽史」という訳の分からない題のコンサートでして、プレゼンをしながらトークという最近の芸風(笑)にそったものです。

ロビコンの他のコンサートは大体ライトクラシック系の曲目とかジャズ、ポップスがほとんどですが、リュートのレパートリーにはそういうのはないんですよね。だから、コテコテのリュート曲を川柳とトークとプレゼンでくるんで食べやすくしたって感じかな?

曲目だけみると、ゴーティエ「ニ短調組曲」、ガロ「シャコンヌ」、ヴァイス「変ロ長調ソナタ」、ジェイソンの新作というラインナップですけど、なかなか渋いでしょ?甘い味付けなしのガチガチのリュート曲です。(笑)

でもこれらをだまって黙々と弾いているだけだったら、なかなか良さを分かってもらえず、なんか難しい曲を聴いたという印象だけになるかもしれません。ま、何事もやりかた次第。ここは日本の伝統芸?川柳とハイテクの力を借りてリュート曲を身近なものにという戦略ですね。

会場はかなりの容積なので、例のPAも使用です。もちろんガット弦は使わず、ナイロンとナイルガットです。何かハイテク武装のリュートって感じですね。(笑)でもそのお陰で来場していただいた100名を超える方々に充分アピールできたのではないかと思います。

その聴衆の方たち、よかったですねぇ。本当に熱心に話を聞いて頂き、音楽を楽しんでもらえた感じがします。自然体ですね。音楽が日常にとけこんでいるという感じです。扶桑町のこうした地道な取り組みが音楽文化を根付かせているんだなあ、とつくづく思いました。本当にご来場感謝いたします。また、コンサートをお世話願ったHさんKさんはじめスタッフの方々にもお礼申し上げます。