リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

宣伝コピー

2007年11月14日 12時05分36秒 | 音楽系
○○○は疲れが溜まって抜けないとき1回1錠ですぐれた効きめをあらわします。

このフレーズはK薬品会社の宣伝コピーです。以前このブログでも扱ったことがありますが相変わらずうまいコピーですねぇ。

こういう宣伝コピーって、○○病がなおる、とか世界一だとかはいっちゃいけないんですよね。K薬品会社の宣伝コピーがうまいのは、本当に当たり前のことしか言っていないに、すばらしくよく効く薬だと思わせてしまう語彙やフレーズの選択のしかたにあります。

件のコピーでも「1回1錠ですぐれた・・・」とあると、わずか1錠飲むだけでいいなんて何とよく効く薬なんだ、と印象を持ってしまいます。でもこれは使用上の注意にある「~歳以上の人は一回につき一錠服用のこと云々」のことを言っているにすぎません。

そのあとに「すぐれた効き目をあらわします」と書いてありますが、溜まっている疲れをきれいさっぱり抜いてくれるとはどこにも書いてありません。そもそも薬ですから何らかの効き目くらいはあるでしょう。

要するに、この薬は使用上の注意を守って飲めば、大した害毒もなく、どっかの基準で優れているといわれるくらいの効き目はありますが、症状をきれいさっぱり取ってくれるかどうかはわかりません、という内容ですね。ま、大衆薬ってそんなもんでしょう。

同じ内容でもものは言いようですねぇ。世の中飲んだらたちどころに疲れが吹っ飛んでしまう薬なんてあるわけないのに、そういう言うものを渇望する庶民の心理を巧みについた表現方法ではあります。誇大広告でも何でもないのに、受け取る側は誇大気味の期待感を持ってしまう仕掛け付きのコピーですね。