リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

古いCD

2007年11月27日 12時45分17秒 | 音楽系
12月1日のバロック音楽講座で演奏する予定の、アリアンナの嘆き(モンテヴェルディ)という曲を久しぶりにCDで聴いてみました。演奏はムジカ・アンティカ・ケルン、ソプラノはキャロライン・ワトキンスです。このCDはかつてLPレコードで一旦出たものをCD化したという、CDが出始めた頃によくあったパターンです。録音は1980年ですから、もう30年近い昔です。

聴いてみて、うーん、と唸りました。いえ、名演に感動したわけではなく・・・(笑)時代というものを感じてしまったからです。80年代の始め、というか70年代の古楽ってこんなんだったんだなぁ、って感じです。歌いかたが、力が入っていて、なんか一昔前のオペラ歌手の感じが残っているみたいな。

他の曲も聴いてみましたが、テナーのナイジェル・ロジャースなんか悪くはないんですけど、随分モダンっぽく感じましたねぇ。彼はダウランドなんかのLPも出していて、よく聴いたんですけど、聴いていた当時(70年代はじめ頃)は、古楽~って感じだったんですけどね。ま、当時古楽と言えるのがそれしかなかったですから。

アーノンクールのバッハカンタータシリーズなんかも、歌も楽器も時代を感じさせてしまいます。私の個人的感想ですが、声楽の分野は古楽に目覚めたのが楽器より遅かったですから、古い録音はどうも今ひとつです。楽器の場合は、30年くらい前のものでも結構いけるものもありますが、だめなのは話にならんくらいだめです。ま、後者の場合は、当時でも「なんとかならんかいな」と思って聴いていましたが。(笑)前者の例は、リュートの場合は、ホプキンソン・スミスとかナイジェル・ノースの演奏です。あ、ヤコブ・リンドベルイの古い録音もなかなかいいですね。古楽の演奏は70年代から随分変化したが、古楽における楽器・楽譜などの研究の発展状況にかかわらず昔から上手い人は上手かったということです。