リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

アキーラ社のローデド・ガット弦

2008年02月09日 14時09分17秒 | 音楽系
先日イタリアのアキーラという弦メーカーに弦を注文しましたが、ついでにローデド・ガット弦についてきいてみました。ローデド・ガット弦というのは、アキーラ社が考えた仮説に基づくガット弦で、ガット弦を製造するときに銅粉をまぜて作られます。以前にもローデド・ガット弦はアキーラ社からでていましたが、今回のものは改良版で完全新設計ということです。

かなりまえからHPで近日発売のアナウンスが出てましたが、なかなか発売されないのでいったいいつの近日やら、なんて思っていました。そして「擦弦楽器用のみ」ともありましたので、ちょっと残念に思っていました。

先日HPを見ましたら、「(ローデド・ガット弦登場!till 1 February: for bowed instrument only」とありまして、今までHPでずっと「擦弦楽器用のみ(for bowed instrument only)」とアナウンスされていたことや彼らが随分たよりない英語を使う(以前何度も電話をしたことがありました)ことから、この英語の「till」は「from」の間違いじゃないかなと思っていました。

でもアキーラ社のMimmoさんにきいてみましたら、リュート弦も出ているとのことです。ということはHPの英語は間違いではなく、2月1日までは擦弦楽器用のみしか出してないけど、それ以降は撥弦楽器用も出るということだったんですね。

興味のある方は是非注文されるといいと思います。但し、現在2週間待ちだそうです。ただこれが完璧なものとか歴史的に非常に忠実であるかどうかは何ともわかりません。ガット弦、特にリュートにおけるガット弦はまだ発展途上であると考えた方がいいでしょう。私見では現在の技術で使えそうなのは、バロックリュートなら3コース~5コースとオクターブ弦の中域だけで、1,2コースはよく切れて使うのが大変、バス弦はうまく響かないというのが現状です。金銭的に余裕があり、過度の期待を抱かずひたすらガット弦製造技術発展に寄与したいという人以外はやめた方がいいですよ。私自身は密かに期待してはいますが・・・(笑)