リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

S.L. ヴァイス:メイキング・オブ・ミッシングパート(26)

2020年11月07日 13時43分48秒 | 音楽系
引き続き第4楽章、今回は31~37小節です。



赤で囲んだモチーフはこの曲で多くの箇所で使われています。その先35小節目にも出てきます。その35小節目からは新しいフレーズが始まります。ここからはしばらくバスがありませんが、とても印象的な部分です。このフレーズは後半の終わり部分でもまた出てきます。オリジナルのタブでは35小節目が全休符になっていますので、リュートパートの36、37小節目のフレーズを35小節目から始めて交互にこのフレーズが現れるようにしました。(青で囲んだ部分)

ただヴァイオリンパートにリュートパートをそのまま書いて上手くいくというほど甘くはありません。ヴァイオリンパートの36小節目とリュートパートの37小節目を比べてみてください。ヴァイオリンパートはソ→ファ、リュートパートはソ→ミで、少し異なっていますが、ここがミソです。このシーケンスにすると36小節目の冒頭が2度になり(緑で囲んだ部分)次に3度に解決するというパターンになりとても美しいです。