リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

2002年春、手紙 (1)

2004年12月06日 18時02分23秒 | 随想
 私がこのバーゼルという街の名前を初めて聞いたのは,もう30年以上前になる。多くの人にとって,観光地でもなんでもないバーゼルという街はドイツ・フランス国境の街で街の真ん中をライン川が流れている商業都市というくらいのものであろうが,私にとってはすごく思い入れのある街だ。それもBaselではなく,バーゼル。その文字を初めて目にしたのは1970年頃の現代ギターというギター専門誌のある記事の中だった。ギターの専門誌であるこの雑誌が古楽器,特にリュートの紹介に力を入れだしたのがちょうどそのころで,当時バーゼルのスコラ・カントルムで勉強していたリュート奏者の佐藤豊彦氏が盛んにリュートの紹介や自分の勉学のことについて投稿していた。当時まだ高校生であった私はそれらを読み,その音楽へのあこがれとともにバーゼルという未知の土地へも強い関心を持った。

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