リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

偽作

2009年04月28日 14時18分29秒 | 音楽系
イタリアンコンチェルトの低気圧は東に去り、日本列島は大陸にある偽作の1020と1022の高気圧におおわれてやっと本来の暖かな日になってきました。

1020も1022も偽作のようです。1020番はヴァイオリンまたはフルートのソナタで息子のエマニュエルの作のようです。1022番はヴァイオリンのためのソナタ、作曲者は不明のようです。

つい10年ちょっと前までは、由来がよく分からなかった1025番(ヴァイオリンとクラヴィーアのためのトリオ。オリジナルの編成によるCDが出ています。ナクソス・ミュージック・ライブラリーで聞くことができます。ヴァイオリンはエレーヌ・シュミット)は、フィンランドのリュート奏者によって原曲がヴァイスであるということがわかりましたが、1020番や1022番も何かのきっかけで本当の作者が分かるかも知れません。

ラヴァース・コンチェルトの名で有名になったメヌエットも、実はバッハの作ではなくて、ペツォールトという人の作である、というのはもはや定説ですし、オルガンでは一番有名なトッカータとフーガニ短調も実は偽作であったということになるかも。(実際に偽作説もあります。私もそう思っているんですけどね)

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2 コメント

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re (nakagawa)
2009-05-02 11:09:32
バッハ自身も晩年になるとさすがに時代の影響で少しはギャラント味が出て作風が微妙に変化しています。このあたりも話を複雑にする要因でしょうね。
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re: (kawahara)
2009-04-30 23:16:50
どこまでを偽作と呼ぶのかわかりませんが、バッハがヴィヴァルディの協奏曲を編曲したものも、BWVに入っていますが、これは原曲を知らなかったとしても、違うなとすぐわかりますね。
一方バッハが書いた、イタリアコンチェルト、フランス風序曲、どんな流儀でもとにかく真作はバッハ臭さでいっぱいですが(笑)バッハらしくない風変わりな真作はひとつもなさそうに思えてきます。
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