リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

バロック音楽の旅17応募締切

2024年09月09日 15時01分28秒 | 音楽系

今日でバロック音楽の旅17の応募を締め切ります。ハガキ応募は本日最終便が届きました。全応募数は85名で、昨年と比べると随分増え、コロナ禍前の最多応募数に迫りました。

昨年5月にコロナが5類移行しましたが、昨年度の応募数は一昨年とそれほど変化はありませんでした。応募締め切りが今年と同じ9月でしたから、まだ行動変容が応募数に反映することはなかったようです。本年度の増加はいよいよ行動変容が応募数増加という形になってきた感じです。

応募者の年齢構成を見ますと、10代、20代は少数で30代はゼロです。40代もまだ少なく、50代から増えてきます。最多年齢層は70代で34名、60代がそれに続き28名、80代以上が7名でみなさんお元気です。89歳、92歳の方も参加されます。

少し残念だったのがこの講座が始まった18年前からほとんど休まずご参加いただいていたKさんが今年は応募いただけなかったことです。理由は伺っていませんが、来年はまたご参加いただけると嬉しいです。

今年はWebからの応募が過去最多の19名で応募数の20%を超えました。年齢層が高い本講座としては画期的とも言えますが、若い方が集まるイベントだと100%ネット応募だそうですからまだまだ底上げを期待したいところです。

本当は受講料の支払いを銀行振込にしたかったのですが、現金または銀行振込にしたのでほとんどの方が現金を選択しました。やはり高齢の方が多く銀行振り込みというとWeb上で行うのではなく、実際に銀行に出向かなくてはいけないので敬遠されたのかもしれません。

Webでの応募は本日23時59分59秒まで受け付けておりますので、興味のあるかたがぜひご参加ください。桑名市民以外の方も参加できます。

 


Pure Imagination

2024年09月08日 15時17分51秒 | 音楽系

今チェロアンサンブルの編曲依頼でPure Imagination という曲のアレンジを始めました。こういうときはYou Tube は便利です。この曲は映画「夢のチョコレート工場」で歌われる曲らしいですが、You Tubeで探すといろんなものが出て来ます。こんなものもありました。

ひとり6役ですね。ひとりでこんなに低い音域から高い音域までちゃんと出しているのはなかなかすごいことです。それにハーモニーがとても正確で美しいです。こういうハーモニーを作るのは日本人は民族的に苦手なのか、日本人アーチストでこういうレベルのハーモニーを出しているグループは聴いたことがありません。

アレンジのためにメロディの楽譜を耳コピするのですが、上のアレンジではそれはできませんので別のソロ歌手のビデオ・クリップを探してざっと採譜してみました。ソロの歌手さんは自由に歌うので本来の楽譜ではどう書かれているかを推測しなければなりません。

日本人の歌手だと、しゃくりが一杯あって音程もいったいどの音なのかが判断しづらいときがありますが、さすがにあっちの歌手はシャクリがほとんどないので音程を聞き取るという点では問題ありません。

採譜していて思い出したのが、地元のソプラノ歌手さんとリュートソングを合わせたとき、テンポがずれがちなので合わせようとしながら弾いていると、「機械的に前にすすんで弾いてください」なんて言われたことがありました。これは今のポップスとかオペラのアリアの歌い方ですよね。リュートソングの場合リュートはいくつかの声部を担当していてそのひとつをソプラノなりアルトが歌うわけですから、Pure Imaginationみたいにズレズレで歌ってはいけません。でも機械的に歌えばいいってものでもありませんが。古い時代の音楽を勉強していない人と最近はいっしょにやっていないのでもうこういうことはありませんが、昔はときどきそういうことがありました。


テレビ・ラジオ出演

2024年09月07日 13時06分29秒 | 音楽系

最近は年をとっているせいか、テレビやラジオが私に興味を向けてくれることがなくなりました。20代の頃は若いし珍しい音楽をやっているというのでよく取材されました。もっとも中には「ステージに立つのを夢見る勤労青年たち」みたいに妙にゆがめられた内容をテレビ局の意向で放送されたこともありましたが。

20代の終わり頃にはNHKの津放送局で30分の番組を作ってもらいましたが、これは事前の丹念な取材があり、途中のミニコンサートも含んだとても丁寧な番組作りでした。放送が朝ドラの再放送の次だったので反響が大きく当時勤めていた中学校に電話がたくさんかかってきて驚いたものです。中には夫婦のもめ事の相談や結婚をしたいという電話もあり当惑しました。(笑)

ヨーロッパに留学する年にヴィオラ・ダ・ガンバの福沢さんに手伝ってもらったリサイタルの際にテレビ愛知に入ってもらいましたが、それ以来テレビはパタッと途絶えています。最近では10年くらい前に桑名六華苑の関係でラジオのリレー放送でちょい出したくらいですか。そうそう昨年には北陸地方のローカルFMラジオ放送に出させてもらいました。丁寧な作りの番組でしたが放送エリアが狭くもっと多くの人に聞いていただきたかったです。

やはりジジイがリュートを弾いていてもそんなにマスコミの興味対象にはならないんでしょうねぇ。かくなる上は100歳くらいまで活動を続けて、さすがにそのくらいいけば必ずやマスコミの興味対象になるんでしょう。100歳のリュート奏者、演奏歴80年みたいな。(笑)でももうちょっと早く「再発見」してもらいたいところです。


志を高く(2)

2024年09月06日 12時46分38秒 | 音楽系

ついでに「ガリアルダ」も英語風にガリヤードとでもした方がよろしいでしょう。イギリスの舞曲は独自のスタイルがあり英語での呼び名も他国とは異なっています。例えばPavan, Pavin, Almain, Alman, Galliard, Corantoなどのように。ですから日本語の表記も英語読みから日本語化したほうがよろしいでしょう。ちなみに拙著「とりどりのリュート曲撰」(Robert Dowland/ VARIETIE OF LUTE-lessons 1610の日本語訳)ではパヴァーン、ガリヤード、アルメインといった英語読みを元にした訳語を使っています。

あと楽器編成ですが、イギリスのブロークン・コンソートを演奏するには欠かせないヴィオール、リュート、シターン、バンドーラ(パンドーラ)が入っていません。件のコンサートで使われる弦楽器はヴァイオリン属だけです。あとチェンバロが入りますが。本来のサウンドとは相当異なるものになるでしょう。

ここまで書いたことは古楽器演奏家にとっては知っていてあるいは実践して当たり前のことで、もはやそれを看板にする時代ではありません。

いい演奏であることが最も重要なことで、楽器云々ではないということは確かに言えます。でも古楽黎明期の50年くらい前ならいざ知らず、それからすでに半世紀です。こんなことを踏まえていないようでは古楽器の演奏団体とは言えないでしょう。いやいや今や古楽は終わった、今やHIP(Historically Inspired Performance 歴史的演奏に触発された演奏)の時代ですよ、という声もあるかも知れません。それならいろいろ面倒なバロック・ヴァイオリンなんか使わず、いっそモダン楽器で演奏するという手もあります。

ヴィオールの音とヴァイオリンの音は全く違います。リュートやバンドーラの音はチェンバロではまねができません。これで歌における英語の発音が間違いだらけだったら目も当てられません。名古屋の古楽はまだ遅れているのか?演奏には若い方も入っています。彼らにはCritical Point of Viewを持ってもらいたいものです。


志を高く(1)

2024年09月05日 18時12分11秒 | 音楽系

チラシが何枚か届きました。その中のひとつ、9月の後半に名古屋市の伏見で開催されるコンサートチラシに目がいってしまいました。演奏は2011年に結成されたプロの古楽団体とのことですが、ちょっと突っ込みを入れたくなるような内容です。

まぁ演奏はまだ聴いていないし上手かも知れないのでそれについては何も言えません。でも70年代の古楽復興黎明期からすでに半世紀たっているという視点でチラシを見ると少し違和感を感じてしまいます。

プログラムは「シェイクスピアの世界を音楽で紡ぐ」曲目です。シェークスピアよりずっと後の時代で一見シェークスピアとのつながりがなさそうな作品「パーセル/妖精の女王」からの抜粋が入っていますが、実はこの作品はシェークスピア作品との関連があるのでこれはプログラムに広がりを持たせるとてもいい選択でしょう。

でも「モーリー/蛙のガリアルダ」という曲目がありますがこれはどうなんでしょう。他にもモーリーの作品を演奏予定のようですが、これらは多分モーリーのコンソート・レッスンズからでしょう。でも「蛙の・・・」は作曲者はジョン・ダウランドです。リュートソング集第1巻のNow,O now I needs must partのリュートソロ版でとても有名な曲です。コンソートレッスンズに所収されている「蛙の・・・」はモーリーがブロークン・コンソート用に編曲をしたものです。この曲をモーリーの作曲だと本当に思っているのでしょうか、いまどき。1959年刊で私が70年代始めに手に入れた現代譜には確かに作曲者として「Thomas Morley?」とあるのでそれを根拠にしたのかも知れません。でもチラシを見た人はの「蛙のガリアルダ」の作曲者はトマス・モーリーだと理解してしまいます。


BWV1006a(22)

2024年09月04日 19時41分22秒 | 音楽系

プレリュードの残り3ページです。もし実力のある方が頑張って弾けるようになり演奏を公開することがあるときには編曲者の名前をクレジットしてください。プロの方はご自分の版をお使いになるでしょうからこの編曲をそのまま使うことはないでしょうが、この編曲を元にして版を起こす場合がありましたらそのときも名前のクレジットをお願いします。

プレリュードは今回で終わり、次回からはジグに移ります。


BWV1006a(21)

2024年09月03日 12時46分06秒 | 音楽系

プレリュードの通しの楽譜を2回に分けて掲載していきます。今回は58小節までです。この連載で小出しに出していった楽譜からかなり変更しています。弾き込んでいくうちにより適切な方法を見いだしていった結果です。楽譜には2018年と2024年が編曲年としてあげてありますが、実は2000年頃にも一回編曲していますので今回で3回目、3コースをシ♭にしたのは今回が初めてです。この版で一応フィックス版としたいと思います。左右指の運指も詳細に書きました。実力と音楽性がある方ならばスムーズに演奏できるはずです。


いつのまにか・・・(2)

2024年09月02日 13時05分59秒 | 音楽系

そこで2年ほど前に購入したのがTOPPINGのD90LEでした。これにUSBで超小型Windowsコンピュータが接続されているのは以前当ブログで紹介しました。

最近新たにBlutoothで機器を接続したことも書きましたが、さらにいくつかのBluetooth機器を繋げてみました。現在ペアリングしているのは、DAP(デジタル・オーディオ・プレイヤ)のTempoTec V6とiPhone14とノートパソコンのOneMix4Sです。

まとめてみると、

アンプに直結→CDプレーヤー、レコードプレーヤ

DACを通してアンプに接続

  DACに直接USB接続→超小型Windows コンピュータ

  DACにBluetoothで接続→TempoTec V6, iPhone14, OneMix4S

いつのまにか入力機器が6つになってしまったんですね。なんかややこしくなってきました。気になるのはどれが一番音がいいのかです。Bluetooth接続だと音が悪くなる感じもしますが聴感上はそんな感じはしません。TempoTec V6とiPhone14の場合はそれぞれの機器に保存されているソースを再生しますので音質は機器の性能に依存するようです。iPhone14で再生すると少し音質が落ちます。

アンプに直結する場合はCDプレーヤーやレコードプレーヤーが音質に影響しますが、デジタル機器からの入力でキモになるのはDACだと思います。その場合だと重要なのはDAC, アンプ、スピーカーということになります。DACは1万円程度のものもあるみたいですが、そこそこの品でないといけないと思いTOPPINGのD90LEにしたのですがどうだったんでしょう?DAC経由でどのソースからもいい音で鳴っているのでまぁこんなところなんでしょう。


いつのまにか・・・(1)

2024年09月01日 14時38分19秒 | 音楽系

オーディオはまずアンプとスピーカーが重要で、音楽ソースを再生するのはLPの時代ならレコードプレーヤー、CDになったらCDプレーヤーでした。

我が家のオーディオもほんの数年くらい前まではこれだけでしたが、最近はソース入力機器が多様化してきています。時代の流れなんでしょうか。単に流されているだけのような気もしますが・・・

レッスン室にデスクトップが置いてありますが、Naxos Music Libraryのサブスクをするようになってから、TeacのAI301-DAをPCにUSB接続し、AI301-DAからのオーディオ出力(アナログです)をデンマークのスピーカーブランド、DALIのFAZONに繋いで聴いています。これがソース入力機器が多様化し始めた嚆矢です。2017年のことでした。

AI301-DAは統合型の機器で、ミュージックインターフェースにアンプが搭載されています。PCからアクセスするサブスクやYouTubeを聴くにはこういった機器を使うのがもっとも手軽でしょう。

リビングルームには旧来のシステムが鎮座しています。すでにアンプがありますので、CDプレーヤーなどの代わりに接続できる機器が必要になります。AI301-DAはアンプ内蔵なのでそれを使うとLuxmanのそこそこアンプが活用できません。昔からのオーディオシステムがある人はアンプのついていないDAC(デジタル・アナログ・コンバータ)が必要になってきます。