北里柴三郎(上)―雷と呼ばれた男 (中公文庫 や 32-2) | |
山崎光夫 | |
中央公論新社 |
GW前に疲れる仕事をしていて、息抜きに図書館に行き、軽い本でも借りようかと思ったんですが、手に取ったのがこれ。
科学者の伝記もの、大好きなんです。自分にカツを入れるためにも非常に有効。
北里柴三郎は誰でも知ってる通り、明治の時代にドイツでコッホに師事し、細菌学者として多大な業績を残した人です。この本は明治の活気が伝わってきて、それだけでもやる気を促されるのですが、留学していく日本人がみんな「語学に長けている」ことが本当にすごいと思いました。この時代にドイツ語が堪能って、、、。今の時代に生きる私たちなら、ネイティブ並に英語がしゃべれないとおかしいんじゃないの?というくらいの気持ちになります。つまりそれだけ真剣みが足りないんですね>わたし 本気で反省しています。北里の学ぶ意欲と努力がすさまじいです。しかし政治的な苦労と言うのは昔も今も変わりませんね。よい仕事をしている、優秀だ、というだけで難なく道が開けるのではないんです。北里が福沢諭吉の大きな支援を受けていたということも印象的です。そういう人の存在があってこそ、伝染病研究所の設立がなったわけで、人のつながりというのは昔も今も大事なことだなと思いました。もちろん北里の才能を見込んでの支援だったのですから実力をもって達成したことに違いはありませんが、その力を埋もれさせず開花させるには一人ではやはりできないことなのですよね。