生態系を語るときによく引き合いに出される話だけれども、昔のアメリカの公園でのことである。
公園ではしばしばピューマが鹿を襲うので困っていた。そこでピューマをたくさん射殺した。そうしたら今度は爆発的に鹿が増え、公園の木や草が食べつくされてしまって、鹿が大量に餓死したというのだ。
生態系を人間が浅はかにもいじると、とんでもないことになるという寓話のような話である。
同じような例は日本にもある。ハブに困っていた人間が、ハブの天敵であるマングースを島に放した。結果はご存じのとおりである。
生態系は精妙である。変にいじると必ずどこかに弊害が出てくる。
絶滅危惧種を守れと叫ばれている。それは結構なことである。
それならば、なぜ天然痘を絶滅させたのか?WHOは根絶宣言を出した。祝杯を挙げたかどうかは知らないが、少なくともそんな勢いだった。
そこで私は考え込んでしまう。トキは絶滅させてはいけないが、天然痘ウイルスなら絶滅させてもよいのだろうか。
天然痘ウイルスだって生物である。精妙な生態系の中で何らかの役割をもっていたはずである。絶滅によって、どこか思わぬところに弊害が出てくるだろう。それが何だかまだ分からないが、アメリカの鹿のように、人間という種が大増殖することは確かである。
公園ではしばしばピューマが鹿を襲うので困っていた。そこでピューマをたくさん射殺した。そうしたら今度は爆発的に鹿が増え、公園の木や草が食べつくされてしまって、鹿が大量に餓死したというのだ。
生態系を人間が浅はかにもいじると、とんでもないことになるという寓話のような話である。
同じような例は日本にもある。ハブに困っていた人間が、ハブの天敵であるマングースを島に放した。結果はご存じのとおりである。
生態系は精妙である。変にいじると必ずどこかに弊害が出てくる。
絶滅危惧種を守れと叫ばれている。それは結構なことである。
それならば、なぜ天然痘を絶滅させたのか?WHOは根絶宣言を出した。祝杯を挙げたかどうかは知らないが、少なくともそんな勢いだった。
そこで私は考え込んでしまう。トキは絶滅させてはいけないが、天然痘ウイルスなら絶滅させてもよいのだろうか。
天然痘ウイルスだって生物である。精妙な生態系の中で何らかの役割をもっていたはずである。絶滅によって、どこか思わぬところに弊害が出てくるだろう。それが何だかまだ分からないが、アメリカの鹿のように、人間という種が大増殖することは確かである。