『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』という本を読んだ。科学的データに基づいた極めて面白い本である。一読をお薦めする。(武田邦彦著、洋泉社刊、1000円)。
本書によると、森林はCO2 吸収しないのだという。
これまで私は、動物が消費した酸素は、植物がCO2 を吸収して酸素を吐き出すことによって、平衡が保たれていると漠然と考えていた。ところが本書を読むと、どうもそうではないらしい。
森林は成長するときに大いにCO2 を吸収して酸素を出すけれども、枯れるときにはその反対で、ふたたびCO2 を排出しながら朽ち果てていくという。だから、成長と枯死が平衡状態に達した安定した森林は、吸った分だけいずれCO2 を出すのであり、全体として見ればCO2 を減らしはしない。納得できる論議である。
ところが林野庁は「森林がCO2 を吸収する」と公言してはばからない。本書の著者は、これを「故意の誤報」と切り捨てた。林野庁が国民をだまし、税金をかすめとるために平然とウソをついていると指摘した。
ヨーロッパでは森林がCO2 を吸収しないのは常識なのに、京都議定書での交渉では、日本があまりにうるさいので、森林の面積とCO2 排出権を交換できるように、政治的配慮から認めたとのことである。(条約というものは、いつの世でも政治的である)。
そのため、日本はCO2 を吸収しもしないロシアの森林に対して、ロシアに2兆円を支払って排出権を買おうとしているのだそうだ。これが事実なら、担当者は国賊ものである。
本書によると、森林はCO2 吸収しないのだという。
これまで私は、動物が消費した酸素は、植物がCO2 を吸収して酸素を吐き出すことによって、平衡が保たれていると漠然と考えていた。ところが本書を読むと、どうもそうではないらしい。
森林は成長するときに大いにCO2 を吸収して酸素を出すけれども、枯れるときにはその反対で、ふたたびCO2 を排出しながら朽ち果てていくという。だから、成長と枯死が平衡状態に達した安定した森林は、吸った分だけいずれCO2 を出すのであり、全体として見ればCO2 を減らしはしない。納得できる論議である。
ところが林野庁は「森林がCO2 を吸収する」と公言してはばからない。本書の著者は、これを「故意の誤報」と切り捨てた。林野庁が国民をだまし、税金をかすめとるために平然とウソをついていると指摘した。
ヨーロッパでは森林がCO2 を吸収しないのは常識なのに、京都議定書での交渉では、日本があまりにうるさいので、森林の面積とCO2 排出権を交換できるように、政治的配慮から認めたとのことである。(条約というものは、いつの世でも政治的である)。
そのため、日本はCO2 を吸収しもしないロシアの森林に対して、ロシアに2兆円を支払って排出権を買おうとしているのだそうだ。これが事実なら、担当者は国賊ものである。