院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

極小生態系・バランスドアクアリウム

2015-06-11 17:08:28 | 環境

(水槽の中。楽天のHPより引用。)

 熱帯魚好きの人は、水槽の温度管理や酸素量管理、ガラス面の付着物の清掃など、たいへんな手間をかけている。この水槽をアクアリウム(水族館の意味もある)と呼ぶ。

 ところが、水槽内で何が育ってもよいというなら、バランスドアクアリウムが作れる。どこかの池から水もろともプランクトンや水草や魚を採ってきて水槽に入れ、日光が当たるところに置いておく。すると、その水槽内独自の生命活動が行われ、餌も要らないし掃除も酸素補給も要らない小さな生態系ができる。

 むかし、コンラート・ローレンツが紹介していた。水槽を置く場所が10センチ違うだけで(つまり太陽の当たり具合が少し違うだけで)まったく別の生態系に成長するらしい。

 一度やってみたいが、まだ実現できずにいる。


※今日、気にとまった短歌

  スイッチを切るのは男点けるのは女と書いて炎上 (福岡市)中川博明

データ入力ミスの発生頻度

2015-06-11 06:00:03 | コンピュータ

(データ入力の現場。岡崎情報開発センターのHPより引用。)

 日本年金機構がデータ入力を入力会社に依頼して、その入力会社が別の入力会社に仕事を丸投げしていたことが問題になっている。

 パソコンが出てくる前の大型コンピュータの時代、同じプログラムの入力を2人のキーパンチャーが行っていた。片方が誤入力をすると分かる仕組みだ。当時、大型コンピュータはプログラムのコンパイルにとても時間がかかったから、わずかなパンチミスでも最初からコンパイルをやりなおさなくてはならず、そのコストと比べれば2人がかりのキーパンチのほうが安上がりだった。

 そのころデータ入力を専門に請け負う会社ができた。コストを抑えなくてはならないから、2人で同じことを入力するという仕組みは消えた。その分、誤入力が発生する。

 科学的研究のデータ入力も、入力会社に依頼するようになった。学術論文だから、統計処理は厳密でなくてはならない。しかし、入力会社の誤入力は一定の%で必ず発生する。そこで研究者はどうしたかというと、元データに誤りがあることを織り込んで統計処理を行った。

 すなわち、むかしの論文は入力データの信頼性はここまでと腹をくくって、やっても信頼性が保証されない必要以上の統計処理は行わなかった。実に科学的な態度である。


※今日、気にとまった短歌

  約束の時間に遅れる君を待つ木立の中の静かな怒り (川崎市)和田美智子