4/8の県西おもちゃ病院だが、3件(レジスター、ラジコンカー、ラジコンヘリ)が入院となった。
そのうち、レジスターの修理が完了したので報告しておきます。
正式名称はタカラトミーの「ディズニー マジカルマート 英語と日本語! スキャンでおしゃべり☆ ドリームレジスター」です。
品物をバーコードリーダー(実際は違ったが)の上に翳(かざ)すとピっと音がして、その金額が音声アナウンス(英語と日本語切替)と液晶表示されるのが正常なのだが、これが反応しないという故障です。
分解するのだが、配線の長さがギリギリなので、結局は殆どのネジを外さなければならない。
分解してみると、商品の検出はレジ台前方にある赤外線LEDと、レジ表示下部にあるフォトトランジスタの間を遮ることで行っている様だ。
外光の影響を少なくする為、単純な直流点灯ではなく、波形を観測すると100Hz/デューティ比50%のON/OFF信号になっている。
赤外線LED側を外して、フォトトランジスタに近づけると反応するのでLEDを手持ち品に交換してみるが、現状の距離ではどれも反応しないので、フォトトランジスタも手持ち品に交換してみるがあまり変わらない。
LEDの確認だが、秋月のファンクションジェネレータで100Hz/デューティ比50%のON/OFF信号を発生させ、出力電圧を上げていくと動作距離が伸びる。
しかし製品使用のφ3mmタイプでは限界があり、製品の距離では使えないので手持ちのφ5mm(L-53F3BT)に交換すると、その距離以上でも反応する様になった。
LEDが出る穴のモールドをφ5mmに広げる。
LEDは+4Vから100Ωの制限抵抗が直列に入っておりNPNトランジスタでON/OFFさせている。このままではやはり動作しないので100Ω抵抗を並列(合成抵抗50Ω)に入れたところ動作Okとなった。
デューティ比50%なので、最大定格以内には収まっている。VF=1.2V
あと、面白かったのは、商品をどうやって認識しているかである。
バーコードラベルが付いているのだが、これを読んでいるのではなくて、商品内部にあるRFIDチップ(分解は出来ないので以下の測定からの想像だが)からの信号で読み取っている様だ。
というのは、本体側読み取り機(の形)表面にインダクタを接続したオシロプローブを当てて、読み取らせると13.51MHz付近(オシロでの値)の正弦波が観測される。
[RFID]でネット検索すると周波数13.56MHzが使われており、基板にも13.56MHzの水晶が使われており一致する。
センサー台の裏側に「Sino Matrix Technology」社名の基板があり、この社名で検索すると台湾のメーカーで、RFIDの製品も作っているので、間違いない様だ。
以上、本当の原因は調査困難なので、今回はこの様な改造で対応した。
余談だが、組み立て終わって、ちゃんと動作したので安心したら、透明アクリル部品が残った。液晶表示の保護用アクリル板だったので、もう1度全部バラシて組み立てし直しとなってしまった。