今回の大田区の定額減税の補正予算と国の発言ををみると、国が、減税と言いながら、増税の準備をしていることがわかります。
物価高対策の減税と言っても、
「近い将来その付けはしっかり払ってもらいます」
と国は言っているのです。
一方で、大田区(に限りませんが)の契約議案は、物価高でも、高騰分、補助されるしくみになっていますから、どんなに物価が上がっても心配の必要がありません。
防災も、子育ても、根本的な部分に手を付けないので、「誰かに税金を払って、お仕事して、解決してもらっています」が、そうしたお仕事も、物価高には速やかに連動してもらえます。
結局、契約議案も、防災対策も子育て支援等々・・・も、リスクの極めて少ないお仕事を受けられる人たちがいますが、その負担は、税金で、最終的に請求書は区民にまわってきます。
あれもこれも買ってあげる、という国や大田区や政治の甘い言葉にその気になると、しっかりと請求書がまわってきますし、「増税」になりますから、注意が必要だと言うことです。
そんなわけで、増税前提の定額減税も、一部だけしか対策されない、物価高への契約変更、公平性に欠きますから、賛成できませんでした。その理由を述べた討論です。
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以下、討論原稿です
フェアな民主主義 奈須りえです。
第64号~67号のすべての議案について、反対の立場から討論いたします。
64号補正予算は、住民税の定額減税の予算措置です。
【財源は国債(借金)の定額減税】
減税と言っても、区の税収が減るわけでは無く、国の特例交付金と東京都を経由した地方創生臨時交付金が財源の現金給付だということがわかります。
【今年発行する国債は、社会保障サービス減と増税で回収と言ってる国】
一方、国は、2024年度と25年度発行する3.5兆円程度の国債を、つなぎ国債と名付け、そのうち2兆円は社会保障関係費を削減し、1兆円は医療保険料に上乗せして償還すると言っています。
赤字国債でも、つなぎ国債でも、国債に変わりはありません。
今年、減税や給付することで増えた支出のための国債発行は、めぐり巡って、
🔴区民・国民の社会保障サービスの削減や、
🔴医療保険料増という増税で、
付けを払ってもらうと国は言っているのです。
減税と言っても、近い将来、「増税で発行した国債分払ってもらう」と言われているのですから、それを知った区民も減税を嬉しいとは思えないでしょう。
【複雑な減税は、増税のカモフラージュ】
しかも、国の減税のしかたは非常に複雑で、
🔴6月の住民税天引きを0にして一時的に手取りを増やし、
●減税や賃上げ効果が大きいようにし、
●6月から上がる社会保険料増を見えにくくしています。
ところが、
🔴減税しすぎた分は、7月以降の住民税に上乗せして天引きするので、
●11か月にわたり一時的な増税状態になります。
【大田区の納税者義務者84%におきるカモフラージュ】
これが、大田区の納税義務者42万人の84%、35万人の給与所得者の95%を超える方たちにおきます。
【介護保険導入の時もやっていた、複雑な定額減税】
なぜこんなことをするかと調べたら、介護保険がはじまる前も、同じ複雑な定額減税していました。
保険料の天引き前に、増税状態を作ることで、介護保険料の徴収の影響を小さく見せることができるのです。
しかも、国は、最初の6か月介護保険料を1/2にしたので、より影響は小さく見えました。
【知られたら困る?増税】
納税義務者の大半を占める区民に気づかれないよう、定額減税のしくみで増税に持ち込もうとしているのでしょうか。
いま増税すれば、給与所得者の手取りが減り、消費を通じ区内の個人事業主や中小企業事業者の経営にも影響しますが、行政から仕事をもらえる事業者は売り上げも利益も確保できます。
みんなが喜ぶ増税なら、なぜこんな小細工をするのでしょう。
物価高対策の減税と言いながら増税を準備し、物価高に誘導するため、税金を公共施設等投資的経費に巨額に使い始めているのですから、知られたら困るでしょう。
【区民と物価高に速やかに対応してもらえる一握りの人との不公平】
建設工事などを担う企業の株主等と、それ以外の税負担する区民との、公平性や税の適正な再分配がなされていると区は言いますが、
🔴賃金も上がらず、🔴値上げもままならず、
🔴生活費や経費があがるけれど、
🔴区には何もしてもらえない多くの区民にとって
税の再分配は、公平でも適正でもありません。
増える工事契約等が、労務単価やインフレスライドで、物価高のコストアップに速やかに対応してもらえるのと大きな違いです。
事前に、地質の状況把握ができず、工事を始めてからの契約変更や専決処分が4件も行われましたが、地下1mさえ、やってみなければわからず、地中35mの工事も、掘り始めてからあらためてボーリング調査すると言うのですから、事前調査とは何でしょう。
リニアなどできるはずがありません。
民間の工事でも同様のことがおきているのでしょうか。
【対症療法の防災対策、子育て支援、で増える税負担】
区や都や国が、まず行うべき子育て支援は、こどもが育つ自然や住宅、経済、教育、食ほかの環境整備ですが、税金を使って物やサービスを配ることばかりです。
公園が象徴的ですが、一人当たり公園面積が世界でも日本でも最も狭い都市のひとつでありながら、公園内に、さらにお金を落としてもらえる商業施設を建設しています。
【放置される東京一極集中、良好な子育てのための自然・経済等環境整備】
防災対策は重要ですが、東京一極集中が、集中する東京・過疎化する地方、双方の災害のリスクを増大させ、災害後の影響を大きく、長期化させています。
根本的な問題を放置しているから、ここでも対症療法への税負担は、増すばかりです。
質疑の趣旨を説明したにも関わらず、東京一極集中への抜本的な対策についての質疑に、区は答弁しませんでした。
答弁を避けたことが、一極集中問題を放置する区の姿勢を表しています。だから、対症療法ばかりです。
定額減税の陰で増税と言っている国は、こども子育て支援制度と言って、子育てにかかる費用を税から抜きだし、特別会計に移し医療保険料に上乗せしようとしています。
それで縮減した税は、減税すべきですが、そこを関係づける声も聞こえません。
【知らされないから、声を上げられない区民】
国は、過去につなぎ国債を増税で回収すると言って、増税しないこともありました。
定額減税と同時進行で準備している増税を止めるためにも、区民を代弁し反対といたします。