いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

秘密保全法の特権。 privilege of maintain secrecy law

2011-10-08 19:33:51 | 日記
 (1)国民の中に、重要な情報を知らされずに勝手に国の意思として他国と秘密裏に交渉を進めて、将来にわたって負担増を強いられたりすることを理解、歓迎する人がいるのだろうか。

 政治が「ゲーム」なら手の内を見せることはありえないことだが、国民の利益、国益を守る政治に「機密(secrecy)」など本来あってはならないことだ。高度の機密性保持が外交交渉には欠かせないなどとは、私利私欲、権力欲、独裁独善的な政治(家)スタイルの「思い上がり」で、(成熟した)民主主義とは相容れない一部特権の政治理念、論理だ。

 ①ウィキリークスがネットで公開した米国外交文書(公電)は公開手口には不適切なものではあったが、政治が権力者の狭い了見、都合で勝手に決められていた「事実」が白日のもとになって政治の「暗部」を暴いて、国民の政治的かかわりで判断力、責任力、自立する能力の必要性を「自覚」させる効果はあった。
 表層とりつくろって、その場をしのぐ政治スタイルへの厳しい国民の目の自立だ。

 ②尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件では、現場映像がネットに流出公開されて「事実」が示されて、日本の中国船長の不起訴相当処分、帰国措置の「不当性」が初めて衆目の中であきらかとなった。
 隠すことなく政府自ら公開して外交上の対応を説明すべき事件であったのだ。

 (2)これを受けて政府が取った手は、「国家」にとって重要な情報を漏えいした者を罰則強化する「秘密保全法(maintain secrecy law)案(仮称)」の制定(次期国会の提出)だ。

 「国家にとって重要な情報」の国民共有意識の「分類」が問題だが、どう分類してみたって外交上の特権行為(privilege action)に対して、国民に対してではなく政治的権力者自らの判断に都合よく正当性を与える口実をつくっただけの法制化だ。

 (3)沖縄返還密約問題は、40年近くを経過して当時の「機密性」(密約文書公開請求)が裁かれている。政府はすでに証拠となる同文書を「廃棄」したと同裁判で推認されて、パラドックス(paradox)として政府自らが外交機密性、隠ぺいの「不当性」を証明してみせている。

 (4)国民にまで知らせることなく外交交渉を進める特権理論など、交渉手口を相手に悟られない優位性(つまり機密性)を必要悪として正当性を主張するが、その国民の支持もない外交力など政治的権力者の「思い上がり」、幻想にすぎなく、結局は強大国のペースに引きづり込まれるだけの孤立した外交力不足を歴史が示している。

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