(1)国にはそれぞれに「歴史観(view of history)」があるから独立して存在し、他国とは一線を画した主義、主権を持つ。国独自の歴史観は、いかなる場合でも他国の干渉を許さずに独自の価値観にもとづく唯一絶対のものだ。
世界がイデオロギー主義から経済協調主義に転化しても、イスラム世界と米欧の特色的な対立に見られるように歴史観の違いからくる対立の解決は糸口もなく、壮大な政治、経済、社会の実験のEU主義も結局は域内の「歴史観」の違いを克服できずに深刻な経済危機を迎えている。
(2)名古屋市役所を表敬訪問した南京市関係者(幹部)に対して、名古屋市長が旧日本占領軍による南京市民大量虐殺の歴史「南京事件」について、「そういう事実はなかった」とかねてからの「持論」を披露した。
どういう会談経過でそういう話に発展したのかは不明だが、表敬訪問に対する話題としてはあきらかに不適切でわざわざ相互に相容れがたい歴史観にもとづく主義主張などを展開するなどとは、市を代表する政治責任者としては余りにも無謀無知と言わざるを得ない。
本人は、「南京事件」は現実に見たものがほとんどいない、証明力のないつくり話との「持論」から前言を撤回する必要も意思もないと述べてきたが、中国メディアでも報道されて両国行政レベル、日中民間交流、現地邦人生活にも悪影響が出始めてのようやくの事の重大性に今更ながら「礼儀を欠いた(illmannered)」発言と後悔しているという。
どうも意図的な確信犯的行動ではないようで、それなら尚更に理解できない市長にあるまじき軽率ではすまない、あってはならない歴史観に対する不当干渉、国際的不利益の発言行動であった。
公式訪問会談で持論を「言って」おきながらの間もない一転「礼儀を欠いた」反省とのあまりの落差には、市長の資質、良識、良心が疑われる不始末だ。
(3)南京事件については、かねてからその実態について歴史的検証も含めて意見が両極に分かれて両国間でも物議を醸(かも)していた問題だ。市長としての公的立場の中で、一方的な持論を持ち出すなどとはまったく愚かであってはならないことだ。
仮に持論があっても表敬訪問団はその当事国の南京市関係者だ。しかも南京事件そのものの評価よりも、旧日本占領軍による中国本土侵略行為の事実は歴然としており、それだけで相手国に対する歴史的謝罪の問題でもある。
大きな軍事侵略行為の中でのその一部分、地域の問題への一方的な持論など、正当化することなど意味もないことだ。
(4)かって当時の日本首相の靖国神社参拝に端を発した、中国に拡大した日本排斥運動の激化や最近でも中国漁船長逮捕事件での外交圧力の事例を市長たるものが念頭に置いた政治理念行動を取るべきなのは自明のことだ。
舌の根もかわかないうちからの一転「礼儀を欠いた」市長発言(illmannered mayor)などの見識では、市長の主張する都構想、地域政党による国政参加への政治的アプローチにも真意、本気度が問い質されることにもなる。
世界がイデオロギー主義から経済協調主義に転化しても、イスラム世界と米欧の特色的な対立に見られるように歴史観の違いからくる対立の解決は糸口もなく、壮大な政治、経済、社会の実験のEU主義も結局は域内の「歴史観」の違いを克服できずに深刻な経済危機を迎えている。
(2)名古屋市役所を表敬訪問した南京市関係者(幹部)に対して、名古屋市長が旧日本占領軍による南京市民大量虐殺の歴史「南京事件」について、「そういう事実はなかった」とかねてからの「持論」を披露した。
どういう会談経過でそういう話に発展したのかは不明だが、表敬訪問に対する話題としてはあきらかに不適切でわざわざ相互に相容れがたい歴史観にもとづく主義主張などを展開するなどとは、市を代表する政治責任者としては余りにも無謀無知と言わざるを得ない。
本人は、「南京事件」は現実に見たものがほとんどいない、証明力のないつくり話との「持論」から前言を撤回する必要も意思もないと述べてきたが、中国メディアでも報道されて両国行政レベル、日中民間交流、現地邦人生活にも悪影響が出始めてのようやくの事の重大性に今更ながら「礼儀を欠いた(illmannered)」発言と後悔しているという。
どうも意図的な確信犯的行動ではないようで、それなら尚更に理解できない市長にあるまじき軽率ではすまない、あってはならない歴史観に対する不当干渉、国際的不利益の発言行動であった。
公式訪問会談で持論を「言って」おきながらの間もない一転「礼儀を欠いた」反省とのあまりの落差には、市長の資質、良識、良心が疑われる不始末だ。
(3)南京事件については、かねてからその実態について歴史的検証も含めて意見が両極に分かれて両国間でも物議を醸(かも)していた問題だ。市長としての公的立場の中で、一方的な持論を持ち出すなどとはまったく愚かであってはならないことだ。
仮に持論があっても表敬訪問団はその当事国の南京市関係者だ。しかも南京事件そのものの評価よりも、旧日本占領軍による中国本土侵略行為の事実は歴然としており、それだけで相手国に対する歴史的謝罪の問題でもある。
大きな軍事侵略行為の中でのその一部分、地域の問題への一方的な持論など、正当化することなど意味もないことだ。
(4)かって当時の日本首相の靖国神社参拝に端を発した、中国に拡大した日本排斥運動の激化や最近でも中国漁船長逮捕事件での外交圧力の事例を市長たるものが念頭に置いた政治理念行動を取るべきなのは自明のことだ。
舌の根もかわかないうちからの一転「礼儀を欠いた」市長発言(illmannered mayor)などの見識では、市長の主張する都構想、地域政党による国政参加への政治的アプローチにも真意、本気度が問い質されることにもなる。