精神文化の盆。 japanese ‘Bon’ of moral culture

　(1)盆の季節を迎えた。かっては１３日～１５日の３日間とされたが、今は前後を合わせての１週間程度を盆休みとするところが多い。世代、年令を問わずに意味も問わずに盆の季節、期間とのかかわりは深く、多く、通常なら帰省、旅行でごった返す季節だ。

　(2)先祖を迎え供養し、また送り出す季節で、強い精神伝統文化が支えている。１９４５年８月１５日は天皇が終戦を宣言した日で、日本の盆の季節、意味を意識したものか、日本の精神文化の盆と関係するものかはわからないが、８月６日には広島に９日には長崎に原爆が投下されて一瞬にして１０万人以上が犠牲になったことが８月１５日の終戦宣言につながったことも考えられるので、盆との関係は偶然性が大きいように思える。

　(3)１９８５年８月１２日は東京から大阪フライトの日航ジャンボ機が富士山山頂付近で制御不能となり、群馬県の御巣鷹山に墜落して５２０人が犠牲になった日だ。盆の季節でもあり、遺族らの故人をいたわり、しのぶ思いはあれから３６年途絶えることもなく「御巣鷹の屋根」を目指している。

　何時間もかけての山頂慰霊だが今では山頂近くまで車で移動できるインフラ整備も進み、東日本大震災などの遺族も集いさまざまな災害、事故の教訓を共有する（報道）「聖地」となっている。

　(4)盆の供養とも強いつながり、意識がみられる。最近はさすがにみられなくなったが、近所でも玄関先、門の内側で迎え火、送り火をする家庭がみられた。今年の８月１５日はコロナ感染急激拡大の中で自粛、自制、規制が求められて、それぞれ自身の心の中奥深くでしのぶ供養となるが、精神文化からすれば本来的なものでそれもいいのではないのか。

　(5)菅首相が参列した広島、長崎の原爆の日では原稿読み間違い、読み飛ばし、遅刻（１分だとか）が報道されて、菅首相の日本としての戦争責任、精神文化への取り組みの甘さが指摘されている。

　広島、長崎の原爆の日、御巣鷹山慰霊、終戦の日の日本の盆の精神伝統文化と交じり合った特別の時間、季節の宿命、重み、いたわりをこの暑さの中で、今はコロナ感染危険社会の中で東京五輪閉幕後のおかしな静寂感とともに感じ取っている。