(1)歴史はくり返すものだが、いつもというわけでもなく、いつかはわからない。イラクで起きたことは、アフガンでも起きる。横浜市長選は菅内閣の前閣僚が立候補をして、菅首相が地元出身のその自らの盟友候補者を支援するという構図で首長選としては異例の注目を浴びた。
注目を集めたのは、菅首相の盟友候補が菅政権が進めるIR横浜招致に反対を表明しての立候補で、異例の展開となった。
(2)結果は当選した政治経験のないコロナ専門家の元大学教員に大差をつけられての敗北だった。当選者を推薦応援した立憲幹事長は「首相のお膝元にもかかわらずにこの結果が出たことは、菅内閣に厳しい評価が下された」(報道要約)と述べたが、敗れた自民党幹部からは「地方自治の選挙結果が国政に反映することはない」(同)とお決まりの定型句で国政と切り離してみせた。
(3)本心はそうではないだろう。09年本格的な政権交代を果した民主党は、直前の東京都議選で自民党が敗北した結果を受けての衆院選で勝利して政権に就いたものであり、今夏の都議選でも当初有利を伝えられながら自民、公明側が都議会の過半数を確保できずに都民ファーストの会の善戦にもあって事実上の敗北感を味わっている。
(4)何やら09年民主党政権誕生と同じ経路、政治構図がみえてきて、そうでなくとも今秋までには行われる衆院選は与党には厳しい向かい風の選挙が予想されている。与党にとって唯一の救いは当時と違って野党に代われる政権担当能力がみられないことだ。
自民党幹部は横浜市長選敗北が国政に反映することはないと強気の姿勢をみせているが、むしろ菅首相、総裁では衆院選を乗り切れないとする党内混乱、地方組織からの身内からの反発を招く恐れだ。
(5)菅首相は二階幹事長に党内5派閥の支持をとりつけて、閣僚からも菅首相支持の声も出て万全の再選体制を固めており、これが菅内閣支持率の低落、横浜市長選敗北結果の国民、市民の政治評価、感覚とのズレの大きさが露見して、09年に起きたことが21年にも起きるきざしをつくる、歴史はくり返す可能性は考えられる。
(6)現在の政治状況は自民党1強時代で、問題は多く抱えながらも危機感は自民党にも国民にも感じられない。政治はあきらかに後退して堕落し、自民党の長老支配政治は復活して派閥政治力学で支配されて、一時は政治家定年制も志向されたが若手の台頭もなくなし崩しになり、今回の衆院選は長老議員の引退が目につき、議員の首長選への転出も最近の傾向となり、政界図が変われる契機となる機会だ。
(7)歴史はくり返すものだが、いつまでもそうであっていいというものでもない。あたらしい歴史をつくる覚悟(preparedness of a new history)、ダイナミズム(dynamism)がなければ、もちろん未来はみえてこない。
注目を集めたのは、菅首相の盟友候補が菅政権が進めるIR横浜招致に反対を表明しての立候補で、異例の展開となった。
(2)結果は当選した政治経験のないコロナ専門家の元大学教員に大差をつけられての敗北だった。当選者を推薦応援した立憲幹事長は「首相のお膝元にもかかわらずにこの結果が出たことは、菅内閣に厳しい評価が下された」(報道要約)と述べたが、敗れた自民党幹部からは「地方自治の選挙結果が国政に反映することはない」(同)とお決まりの定型句で国政と切り離してみせた。
(3)本心はそうではないだろう。09年本格的な政権交代を果した民主党は、直前の東京都議選で自民党が敗北した結果を受けての衆院選で勝利して政権に就いたものであり、今夏の都議選でも当初有利を伝えられながら自民、公明側が都議会の過半数を確保できずに都民ファーストの会の善戦にもあって事実上の敗北感を味わっている。
(4)何やら09年民主党政権誕生と同じ経路、政治構図がみえてきて、そうでなくとも今秋までには行われる衆院選は与党には厳しい向かい風の選挙が予想されている。与党にとって唯一の救いは当時と違って野党に代われる政権担当能力がみられないことだ。
自民党幹部は横浜市長選敗北が国政に反映することはないと強気の姿勢をみせているが、むしろ菅首相、総裁では衆院選を乗り切れないとする党内混乱、地方組織からの身内からの反発を招く恐れだ。
(5)菅首相は二階幹事長に党内5派閥の支持をとりつけて、閣僚からも菅首相支持の声も出て万全の再選体制を固めており、これが菅内閣支持率の低落、横浜市長選敗北結果の国民、市民の政治評価、感覚とのズレの大きさが露見して、09年に起きたことが21年にも起きるきざしをつくる、歴史はくり返す可能性は考えられる。
(6)現在の政治状況は自民党1強時代で、問題は多く抱えながらも危機感は自民党にも国民にも感じられない。政治はあきらかに後退して堕落し、自民党の長老支配政治は復活して派閥政治力学で支配されて、一時は政治家定年制も志向されたが若手の台頭もなくなし崩しになり、今回の衆院選は長老議員の引退が目につき、議員の首長選への転出も最近の傾向となり、政界図が変われる契機となる機会だ。
(7)歴史はくり返すものだが、いつまでもそうであっていいというものでもない。あたらしい歴史をつくる覚悟(preparedness of a new history)、ダイナミズム(dynamism)がなければ、もちろん未来はみえてこない。