(1)都会には緑が必要か、高層ビル群が必要かとなれば、首都となれば東京都の問題であり、日本の問題でもある。明治神宮外苑の樹木を伐採して都市再開発を進める計画を東京都は許可して、100年と続く希少価値の樹木を残す必要性を主張する自然保護団体も含めて賛否が分かれる。
(2)5月4日の「みどりの日」の紙面特集に小池東京都知事のインタビューが載せられて、パンデミック特集記事であったから前述の神宮外苑樹木伐採、都市再開発の話はなかったが、「みどりの日」の特集記事で小池知事が登場するのだから神宮外苑樹木伐採と都市再開発問題について言及する方が時宜にかなった特集記事になったはずだった。
(3)自然保護の必要性を主張してきた坂本龍一さんも小池知事に抗議の書面を出したと報道されており、小池知事の考え、思い、事情も紙面では目にした記憶はない。100年の樹木の保存、都市再開発事業のそれぞれの立場、事情、考え、思いはあるのだろうが、東京都として再開発事業を進める立場の小池知事の事情、考え、思いを「みどりの日」に合わせて聞いてみたかった。折角、小池知事が「みどりの日」の紙面の特集記事に登場したのだからだ。
(4)それが「みどりの日」の紙面の特集記事の意味、価値というものだ。首都東京の一大ジオグラフィ(geography)といえば皇居であり、古代を写す原生林が豊富で希少価値ではありここは国民にとっては簡単には入ることはできないが、神宮外苑の樹木も樹齢100年のジオグラフィを写す鏡であり計画では他所に移し替える計画といわれるが、専門家からは樹木移し替え成育には問題があるといわれる。
(5)都市もこれから50年先を見据えて再開発は考えなければならずに、少なくとも人間の未来社会は都市機能と自然原生地形との一体化を基本に考えられるものであり、都会の現存するジオグラフィ、古代原生地球が犠牲になるものではない。