いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

岸田首相のタイムの表紙。 a cover of the Time of premier kishida

2023-05-12 20:44:33 | 日記
 (1)岸田首相が米誌タイムの表紙を飾った。タイムは時の人を特集して表紙に起用してきたが、岸田首相も来週19日からのG7広島サミットを控えて時の人としてタイムの表紙に登場することになった。
 表紙一面に顔アップで親指をあごにあてて、下から目線の決意の強さを強調した顔写真で、紹介した新聞の論調では「上目遣(づか)いの表情も気になる」と書かれた。ほかにもTV報道ではYシャーツ姿のそでに手を当てて気取ったものも紹介されている。

 (2)日本では見かけたことのない岸田首相の表情、スタイルであり、タイムのプロデュースとはいえ米国向けのつくりものに岸田首相が安易にのっかっているのもどうかと思うし、気になるところだ。
 もちろん本人の意向というよりタイムの編集方針、プロデュースによるものだろうし、そうまでして有名誌タイムに載る必要があったのか日本と米国の政治に対するスタンスの違いが違和感をもたらしている。

 (3)さらに記事は表紙見出しが「日本の選択」(JAPAN'S CHOICE)で、岸田首相について「長年の平和主義を捨て去り、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」、「世界3位の経済大国に見合った軍事的影響力を持つ国にしようとしている」と論評している。
 これでは日本国憲法の理念、条文に反して、将来日本国憲法の戦力不保持、交戦権を有しない第9条を改正しなければならず、そのための「決意」とみられる表紙写真のように映る。

 (4)松野官房長官は岸田首相の米誌タイムの特集について「世界の分断を防ぐ歴史的な役割を担う指導者との論調になっている」と評価しているが、防衛費を27年までに43兆円増額する方針を決定して米国の軍事負担を肩代わりするものであり、駐留米軍基地の負担費用の拡大も含めて米国の意向に沿ったもので、防衛費増額、反撃能力(敵基地攻撃能力)方針も国会、国民に説明もないままG7国歴訪で米国バイデン大統領に伝えるというパラドックス(paradox)な選択で、米国追随を強めるものだった。

 (5)岸田首相が「自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」(タイム見出し)とするならば問題で国民の意思とはかけ離れた理念、主張であり、米国向け米誌タイムの表紙を飾る特集にのっかって読者の興味を引くだけのものだ。
 本日の報道で林外相が「自国を真の軍事大国にする」見出しが中身と差異があるとして(抗議の詳細はあきらかにせず)、これを受けてタイムが見出しの表現を変更した。

 (6)政治家、しかも首相となれば国の存在、価値、本質、原理を表現、代表するものであり、間違っても国の不利益、誤解を招くようなことがあってはならない。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする