(1)時代が変化しているのは、IT、AI革命だけではない。昨年から1年もたたないうちに、手製銃による安倍元首相への銃撃、岸田首相への手製爆発物投下に地方議会議長の息子による上下迷彩服に身を包んだなりすましの猟銃事件が発生して、いずれも一匹狼の若者による政治がらみの事件で、日本の社会も変わったと印象付けるものだ。
(2)これまでの日本での銃事件といえば(今でもそうだが)反社会的勢力による抗争事件が主なもので、若者の事件、反抗も秋葉原事件のように受け入れられない「社会」へのうらみつらみが目立ったものだが、ここ1年たらずで起きた銃、爆発物を使った若者事件は「政治」へのうらみつらみであり、反抗対象が「社会悪」から国体、国民の仕組み、規律、統治に責任を持つ「政治体制」への直接的なうらみつらみの反抗事件につながっている。
(3)「社会」に反抗しても何も変わらないが、「政治」に反抗すれば社会、世の中が確実に変えられる、変わるとの直情的、模倣的な単純な反抗事件感覚だ。それがここ1年以内の期間に集中しており、若者による単純、直情的、模倣的、確信犯事件は続くことが懸念されて警戒が必要だ。
(4)若者といえば、岸田首相が数々の問題行動がある子息の首相秘書官ひとりを交代させられずにかばい続けてきたのは政治の私物化であり、長野の市議会議長の息子の刃物、猟銃事件で目が醒めたか、ようやくの社会よりは政治にうらみつらみの向く世相の変化を意識した岸田首相子息の首相秘書官の更迭と受け取られる。
(5)北朝鮮が日本との関係改善に前向きととらえられる対応を示唆し始めた。岸田首相の日朝首脳会談実現のために高官協議を行いたいと述べたことに「関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が会えない理由はない」(朝鮮中央通信)と伝えた。
これまでの日本からの要請に門前払いを続けてきた北朝鮮の態度からは一変したとの印象を受ける。
(6)同時に日本に対して31日未明に「人工衛星」を打ち上げると通知して、事前に安全情報提供する念の入れようだ。北朝鮮の変化の意図はわからないが、G7広島サミットでゼレンスキー大統領が出席してのウクライナ戦争、中国の海洋進出、台湾問題がテーマとして注目されて、インド、韓国、グローバルサウスなど多方面の首脳が招待されて脇の北朝鮮問題が軽く見られたことに対して危機感を深めたか、日朝話し合いの好機となれば機会を逸してはならない変化の兆しだ。