(1)中国習近平国家主席の最大の失敗は米国との対立をこれほどに拡大させたことだといわれるが、確かに中国の巨大な人口消費、市場経済を背景に米中関係が接近をみせたことはあったが、中国経済が成長を続ける中で知的財産権保護が問題となり中国の人権抑圧、低賃金強制労働問題にこだわる米国が国際社会の中国批判の中で対立が鮮明になり、中国の台湾解放戦略が米中対立を決定的なものにした。
(2)これを決定的に深化させたのがトランプ前大統領であり、米国第一、保護主義で米中経済戦争が関税強化でエスカレートして軒先ならない問題となった。長引く米中経済戦争の中で習近平主席は活路を同じアジア経済をけん引する日本との良好関係の強化に求めて、一時習主席の日本への国賓訪日も決まったがコロナパンデミックが中国武漢から始まった(中国は認めていないが)ことに米国などがその情報公開の遅れに批判の目を向けて、中国が建国100年に向けて香港の強制統治関与を強めて米日など西側諸国との対立がさらに強まり習主席の国賓訪日延期となり今は立ち消えとなっている。
(3)米中対立は米国が中国を唯一の競争相手と名指しするように中国の日本を抜いてGDP2位の経済国として成長して、一路一帯政策で開発途上国へのインフラ支援で政治力を強め軍事力強化で海洋進出を強めている中で米中対立は政治、軍事、経済で民主主義、自由主義と共産主義一党独裁との覇権、盟主としての対立構図は歴史的必然性(inevitability)のあるものだった。
(4)昨年2月の露のウクライナ軍事侵攻では日本は米国とともに露への経済制裁強化を打ち出してNATO協力を明確にして、今度は日本の駐米大使はNATOが東京に連絡事務所を開設する意向で調整している(報道)と明らかにした。
(5)NATOは米国と欧州が北大西洋、欧州大陸の安全保障体制の確立を目指す軍事同盟条約であり、露プーチン大統領もNATO体制の強化(旧ソ連国のNATO加盟)を名目にウクライナ軍事侵攻を強行しており、本来はアジアには関係の及ばない条約機構ではあるが、露のウクライナ軍事侵攻を受けて日本も防衛力強化を目指す動きが進みNATO協力、接近がみられて、今回NATOの連絡事務所が東京に開設される意向で台湾有事に備えたもの、中国へのけん制ともみられる。
(6)日中関係のあらたな緊張関係、問題を生んで、台湾有事の日本の防衛力強化とあわせて米中対立をさらに深める要因なると考えられる。