(1)パーティ券裏金問題で安倍派衆院議員の逮捕者が出て、岸田首相は「政治刷新本部」を立ち上げて対策を進める決意をみせた。発表された刷新本部の役員が38人と多く、本部組織は岸田首相、総裁を本部長として代行、代理、副本部長とここだけで14名の構成となり、なんでこうなるのか、本気でヤル気があるのかと疑われる意図不明の構成だ。
「ミンナデワタレバコワクナイ」的な自虐パフォーマンスだ。
(2)派閥の弊害は内閣大臣、党役員の人事を巡って当選回数を重ねた議員を派閥力学を行使して要職につけるために圧力、影響力を示すことがあげられており、刷新本部の役員38人起用というのもまるでその延長線上のいろんな意見の議員を本部役員に取り込んで意見を封じようという従来型の政治構造でしかない。
(3)大所帯の役員だけで議論して都合のいい結論を導き出すつもりかと思いきや、今後党所属の全議員が発言できる機会を設ける(報道)ということなので殊勝なことも考えているようなので、しかも岸田首相は周囲には最後は「自分」が決めると漏らしている(同)ので役員38人の意図は派閥の人事影響力をそのまま尊重する乱造人事をみせつけられている。
(4)党内の政治刷新本部は本質的な議論が大事で必要で、運営役員などは岸田本部長に議論を設定、記録、整理する事務局程度でいいので、述べているように全議員、できるだけ多くの議員の参加を求めて自由に意見、考えを聞いて方向性を集約をすることが必要だ。
(5)役員の中には麻生副総理、茂木幹事長など派閥の領袖もいて政策集団としての派閥維持派と菅前総裁、小泉進次郎議員の政治とカネ問題の解決には派閥解消が必要との派閥解消派とがいて、役員の中でも議論の対立がみられて政治改革の方向性が見つけれるのか全議員の意見を聞く前に議論が収まらずに収拾がつかない恐れもある。
(6)何を目的の意図の政治刷新本部役員38人なのか、「ミンナデワタレバコワクナイ」的自虐パフォーマンスでは本気度、ヤル気が伝わってこない。