(1)中国の23年新車販売台数が世界で初めて3009万4000台(前年比12%増ー報道)となり、輸出台数も491万台と急増して日本を上回り世界首位が確実といわれる。
日本開発のお家芸のプラグインハイブリット(PHV)が約85%と急伸しお株を奪われて、EVも25%増と堅調だった。
(2)自動車技術開発力のバイブリットで世界の自動車産業をリードしているトヨタはエンジン車へのこだわりが強く、豊田会長は「脱酸素に向けた現実的な手段として、エンジンにはまだまだ役割がある」(報道)と意欲と自信を示しているが、世界の潮流となるEV化に立ち遅れる要因にもなっている。
しかし「動力(の種類)は何でもいい。敵は炭素」として環境負荷の低い合成燃料の使用などエンジン技術開発力の向上に取り組む姿勢をみせている。
(3)環境対策の意識の進む欧州では年限を区切ってエンジン車の販売停止を決めており、米国でもその流れは追随をみせている。EV化が環境時代の主流となっており、EVへの取り組みが立ち遅れている日本車には厳しい世界の自動車市場の中でトヨタが環境負荷の低い合成燃料の使用によるエンジン技術開発力で活路を見出そうとする新戦略だが、厳しい世界のEV化移行への自動車市場が相手だ。
(4)日本はエネルギー分野でも火力発電にこだわって重点を置いて環境破壊対策を進める気候変動会議(COP)では批判、非難を受けており、これに対して日本政府は火力発電でのCO2放出を極力抑える新技術開発力で環境にやさしいエネルギー政策を強調しているが、気温上昇で地球温暖化、環境破壊問題が緊急問題のCOPでは理解を得られておらずに、トヨタの合成燃料使用による新エンジン技術開発も世界の自動車市場から受け入れられるかはわからない。
(5)トヨタのハイブリットは今回、中国が新車販売でPHVで85%増と急伸して新車販売台数で世界首位確実となる見込みで、トヨタのHVはスタンダードとなって普及しているが、それはまた新産業革命として広汎に受け入れられてトヨタのライセンス(license)ではなくなり、中国に取って代わられる厳しい世界市場原理だ。
(6)トヨタの新エンジン革命(new engine revolution)が受け入れられるか注目だ。英国ではエンジン車への回帰現象もみられる。