(1)石破茂首相は自民党議員裏金問題を受けて、12年当時野党だった自民党が解散総選挙で大勝して民主党政権に代わって政権に復帰した時に帰らなければならないと言っていた。当時野党自民党の総裁が安倍晋三氏で民主党政権の首相が野田佳彦氏だった。
(2)当時野党自民党の幹事長をしていたのが現在の石破首相で、「夜行列車」を乗り継いで(当時の報道映像)全国選挙区を回り自民党を大勝に導いて、自民党の政権復帰を果たした。12年後の今回の自ら決断した解散総選挙は裏金問題で強い国民批判、逆風を受ける中、石破首相として連日「航空機、チャーター機」を使って全国の選挙区を回り支持、理解を求めたが、15年ぶり(09年民主党政権以来)に自公連立過半数割れで政権運営が不確定、混とんとする選挙結果となった。
(3)石破首相としては立場上、安全上の配慮もあり今回は航空機、チャーター機を使っての選挙区回り、応援であったが、かっての党幹事長としての夜行列車を乗り継いで全国を回った「12年」に自ら立ち戻れたのか聞いてみたい。
折しも今回は与党自民党総裁、首相が石破氏で野党立憲代表が野田氏という立場逆転での因縁の対決であった。
(4)今回は石破カラーというものがまだ本当にあるとすれば、発揮することができずに、長く自民党政権、党中枢から遠ざかっていた(遠ざけられていた)影響があった。石破首相の言動に自民党への遠慮、配慮(言ったことをすぐに変更、訂正)が多くみられた。
自民党再生に向けて12年前の野党時代、党幹事長として総選挙で大勝した時に戻らなければならないのメッセージも迫力はなく、続かなかった。
(5)自民党は敗けるべくして敗けたが、国民生活、日常は続き、経済は市場が反応して一時的には停滞、低迷して国民生活をさらに圧迫するだろう。重要な来年度予算編成を迎えて、政権がどういう組み合わせ、協力になろうとも予算の見直しは求められて、必然であり、国民から突き付けられた政治の責任は果たさなければならない。
(6)勝利した野党としても同じだ。