(1)今回の衆院選、自公与党が過半数割れで立憲、国民など野党勢力が躍進して政治が変わるとの期待はあるが、別の側面、観点からみてみると議席過半数を確保した政党はなく第1党はこれまでの自民党だった。
(2)仮に野党が結集して過半数を得ても191議席(さらに今日、無所属議員の自民党会派入りが報道された)を有する第1党自民党の存在は大きく、自民党抜きでの政治、政局は考えられない政治事情だ。そういうところが石破首相が続けて政権担当、運営に続投意欲を示している背景だ。
(3)むしろ裏金問題で自民党の非公認、比例代表重複が認めらず、無所属立候補の40%近くが当選したことの方が日本の政治事情には問題は大きい。これだけの自民党裏金議員問題がありながら、政権交代につながらない日本の政治事情の問題の方が大きいことを理解しなければならない。
(4)地域が国会議員を選ぶ選挙制度の限界、地域を代表して地域の利益と強く、固く結びつくムラ社会の利益誘導の政治癒着構図の国会議員のあり方が変わらなければ、政治とカネ、政治腐敗は一時の現象で通り過ごされて形をかえてくり返される、何も変わらない政治を見せつけられるだけだ。
(5)国民主権者が政治を選ぶ公平、公正な権利の1票の格差が問題となり指摘されるが、国民性、ムラ社会の狭い古い政治感覚、意識、地域社会の利益誘導の共有、癒着政治構造が問題だと認識されて見直されなければ何が起きても日本の政治は根本問題は残されて、くり返されて変わることはない。
(6)政治は国民性、社会性、歴史、文化、風土、習性に根差したものではあるが、世界の政治からいい悪いを学び、つくりあげることも必要だ。