(1)日銀の大規模金融緩和策の円安が生んだ大型物価高だが、企業、事業者は一度値上げしたものを簡単には下げない傾向、習性にあるので、物価高がなかなかおさまらない要因とも考える。
夏の猛暑の影響で23年産のコメが不良、不作(農水省)で品薄となり、訪日客のリバウンドで回転ずしの人気も高まり店舗も急激に増えて、コメ需要が増加したこともスーパーからコメが消えたこととの関連性が考えられる。
(2)24年産のコメは「やや良」(農水省)に持ち直して品薄感は解消されるとの見通しだが、スーパーでは24年産新米が出始めても従来の量にほど遠く、なにしろ5キロ3千円以上、4千円近いものまであり、棚からすぐになくなる買い手市場ではない。
これまでは10キロが値打ちで主流だったが、今はそれでは高額過ぎてか消費者から敬遠され5キロものしか数少なく置いてない。
(3)回転ずしなどコメ需要増で事業者の買い占めかあるいは契約による優先栽培生産がないのか、農業従事者としても利益率の高い持続して売れる事業者優先というのは考えられて国民消費者市場には政府が言うほどにまだまだコメは回ってこずに、高額でコメ不足は解消されていない。
原因には一時の食生活のコメ離れから政府がコメ作りの減反政策に乗り出して農業従事者の後継者不足、田畑無放置、手入れ不足、用途変更が考えられる。
(4)日本の食料自給率も30%台に低下しており、TPPで外国産農産物、商品の輸入も増えて品質、味覚の高い比較高額の日本産が敬遠される市場の実情もある。政府は夏の猛暑の影響を取り立てて言うが、地球温暖化、気候変動は政治の経済効果、利益優先政策が生み出したもので対策不足であり、もはや夏の猛暑は避けられないもので暑さに強いコメ、農産物の研究開発、育生は取り組まなければならない環境時代だ。
(5)世界的な健康日本食ブームで日本の農産物の輸出量も急速に伸びて、数兆円といわれて政府の目標を上回っており、そこに訪日客の需要増で対策の遅れが出てのコメ不足だ。夏の猛暑、食料自給率の問題でもない。
グローバル化、情報化社会での市場変革、革命に適正に対応していない政府の無計画性が市場混乱を招いているコメ不足だ。