今更、今頃言われても「困る」(too late to says now)という話題2つ。(1)ひとつが、東日本大震災で巨大地震と大津波を予知、想定できなかったことによりすっかり自信喪失の日本地震学会が、「確度の高い予知(foretell)は現状では困難」として地震予知研究の見直しを発表した。
学会内にある「地震予知検討委員会」も名称変更を余儀なくされて検討するという具合だ。政府の地震予知連絡会との関係はどうなるのか。
地震発生の「メカニズム」はほとんど解明されているが、それが起動する「兆候(時期、場所、規模)」を予知することは可能だとして研究してきたが、想定外の「あの日」の経験から一転むずかしいという結論だ。
通常の自然科学研究分野では、発生のメカニズムが解析、解明されれば原因、抑止の科学的検証、分析は可能というのが通例だが、地底、海底、海溝深くでの自然現象となれば研究予想をはるかに超えた未知の世界ということなのだろう。それを承知のうえでの専門研究、取り組みが学術研究精神のはずだ。
地震発生のメカニズムの解明からいつかは必ずやってくる(30年内に起きる確率は80%程度の高さ)と言われている東海沖大地震と、これに連動して南海トラフ巨大地震を誘発した場合の被害想定が中部、西日本太平洋側地域を中心に検証されて、相応の安全対策が求められている。
この膨大な「被害想定」なるものの「真偽性」はどうなるのか。自然災害被害に前もって過剰な安全意識対策をとることはあって間違いではないが、仮に専門的研究根拠にもとづかない過剰な被害想定影響度を強調して、みだりに社会不安を煽(あお)ることばかりでも困るというものだ。そういう疑問を抱かせる地震学会の突然の研究力後退発表だった。
東海沖地震では、日本で唯一観測機器を設置して地震発生2日前には「予知」して地震情報を発信できると説明されていた安全システムの「精度」は信頼できるものなのか、今やまったくわからなくなったといわざるを得ない。今更、今頃言われても困るわけだ。
東日本大震災による福島第1原発事故の検証については各調査機関で分析、報告はされてきたが、地震学会でも巨大地震、大津波の発生を予測、予知できなかったことにただ驚くだけでない、研究機関としてそれまでの蓄積してきた研究成果、情報、対策を専門的に分析、検証して「敗北宣言」の前にあらたな研究取り組み、意欲、挑戦、気概、方法論を深く示すべきであった。
それが地震国日本の地震研究学会の使命、姿勢のはずだ。そう簡単に敗北してもらっても困る、国民の安全情報の拠り所でもある。
地震学会は、あの山中伸弥教授でさえもの発言、決意の「このままでは、終われない」のではないのか。
(2)もうひとつが、1票の格差最大5倍の10年参院選に対する最高裁の「違憲状態(unconstitutional circumstance)」判決だ。
09年衆院選(格差2倍未満が合憲判断)に次ぐ国民選挙の違憲状態判決で、これで参院非改選を除く現職国会議員の資格、身分を本来不適正とした。参院の場合、6年任期を3年ごとに「半数」改選方式の制度のため、都道府県別の議席割り当ては人口比率にかかわらずすべて「偶数」定員にする必要があり、1票の格差拡大現象を生んできた。
最高裁の判決は選挙制度改革、見直しによる抜本的1票の格差是正を求める異例のものだった。当事者利害関係のある国会に選挙制度、定数改革をまかせても、これまでのように「らち」があかない。
国民を含めた専門家による第三者検討委員会で検証、是正すべきことだ。
学会内にある「地震予知検討委員会」も名称変更を余儀なくされて検討するという具合だ。政府の地震予知連絡会との関係はどうなるのか。
地震発生の「メカニズム」はほとんど解明されているが、それが起動する「兆候(時期、場所、規模)」を予知することは可能だとして研究してきたが、想定外の「あの日」の経験から一転むずかしいという結論だ。
通常の自然科学研究分野では、発生のメカニズムが解析、解明されれば原因、抑止の科学的検証、分析は可能というのが通例だが、地底、海底、海溝深くでの自然現象となれば研究予想をはるかに超えた未知の世界ということなのだろう。それを承知のうえでの専門研究、取り組みが学術研究精神のはずだ。
地震発生のメカニズムの解明からいつかは必ずやってくる(30年内に起きる確率は80%程度の高さ)と言われている東海沖大地震と、これに連動して南海トラフ巨大地震を誘発した場合の被害想定が中部、西日本太平洋側地域を中心に検証されて、相応の安全対策が求められている。
この膨大な「被害想定」なるものの「真偽性」はどうなるのか。自然災害被害に前もって過剰な安全意識対策をとることはあって間違いではないが、仮に専門的研究根拠にもとづかない過剰な被害想定影響度を強調して、みだりに社会不安を煽(あお)ることばかりでも困るというものだ。そういう疑問を抱かせる地震学会の突然の研究力後退発表だった。
東海沖地震では、日本で唯一観測機器を設置して地震発生2日前には「予知」して地震情報を発信できると説明されていた安全システムの「精度」は信頼できるものなのか、今やまったくわからなくなったといわざるを得ない。今更、今頃言われても困るわけだ。
東日本大震災による福島第1原発事故の検証については各調査機関で分析、報告はされてきたが、地震学会でも巨大地震、大津波の発生を予測、予知できなかったことにただ驚くだけでない、研究機関としてそれまでの蓄積してきた研究成果、情報、対策を専門的に分析、検証して「敗北宣言」の前にあらたな研究取り組み、意欲、挑戦、気概、方法論を深く示すべきであった。
それが地震国日本の地震研究学会の使命、姿勢のはずだ。そう簡単に敗北してもらっても困る、国民の安全情報の拠り所でもある。
地震学会は、あの山中伸弥教授でさえもの発言、決意の「このままでは、終われない」のではないのか。
(2)もうひとつが、1票の格差最大5倍の10年参院選に対する最高裁の「違憲状態(unconstitutional circumstance)」判決だ。
09年衆院選(格差2倍未満が合憲判断)に次ぐ国民選挙の違憲状態判決で、これで参院非改選を除く現職国会議員の資格、身分を本来不適正とした。参院の場合、6年任期を3年ごとに「半数」改選方式の制度のため、都道府県別の議席割り当ては人口比率にかかわらずすべて「偶数」定員にする必要があり、1票の格差拡大現象を生んできた。
最高裁の判決は選挙制度改革、見直しによる抜本的1票の格差是正を求める異例のものだった。当事者利害関係のある国会に選挙制度、定数改革をまかせても、これまでのように「らち」があかない。
国民を含めた専門家による第三者検討委員会で検証、是正すべきことだ。