いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

聞く耳と主体性のない政治。 hearing ears and unsubjectivity politics

2022-03-19 20:21:56 | 日記
 (1)岸田政権の朝令暮改内閣はやはり朝令暮改内閣だ。昨年海外でのオミクロン株感染拡大を受けて岸田首相は水際対策強化として外国人を対象とした入国規制を打ち出したが、これに関連して海外在留の日本人の帰国もむずかしくなり批判を受けて政府は1日6千人の受け入れ基準に合わせて帰国可能としたところ年末を迎えたこともあり基準数を上回り、急きょ国交相が今度は航空会社にすべての海外からの航空券の発売停止を求めてその日の内での二転三転の混乱となった。

 (2)この措置は官邸には相談もなく想定対応で国交省が独自の判断で決めたといわれて、岸田首相はどうなっているんだと憤(いきどお)ったといわれる。前々内閣に遡(さかのぼ)ればコロナ社会で当初減収家庭対象に30万円給付金を支給することを閣議決定し予算化しながら、実効性に疑問、批判が出て政府は予算組み替えですべての国民に10万円給付とした。

 (3)同じように与党間主導の党利党略で18才以下子ども家庭に10万円給付を決定したが、経済的余裕のない大学生はどうするのか(政府は補正予算で対応するというが)、子どものいない困窮家庭はどうするのかなど問題もあり割り切れない政府の経済対策となった。

 主体性のない政府の対応に国民は翻弄(ほんろう)されている。国民は誰の税金、投資で政策を実施しているのかの思いは強い。

 (4)今問題になっているのは来年度年金額が現役負担世代の賃金スライド制で減額になる補てんとして年金受給者対象に一律5千円給付する政府案だ。自公幹事長が主導して合意して提案したものだが、今なぜ年金受給者だけなのか、他にもコロナ社会で苦しんでいる人はいる、参院選対策だとの批判、反発が国民、自民党内からも出てきて政府は制度設計の検討を中止して対応に追われている。

 (5)コロナ対策、経済対策では自公主導の給付金案は目的、使途が経済、生活救済というよりは与党の連携維持、選挙対策の意味合いが強く、国民全体、困窮層対策、目的、理念とはなっておらずに批判、反発を受けて修正、調整に追われるということが常態化している。

 (6)岸田首相は「聞く耳」(hearing ears)を持っていることが得意と公言しているが、政府と与党、自公幹事長の調整、積み上げ機能が働かずに政策、対策も「聞く」だけになっている。最近は岸田首相からも新しい資本主義、成長と分配の好循環も聞かれなくなり、自民党福田総務会長からもそろそろ具体的な理念政策、実行行程表を示してほしいとの要望も出ている。

 (7)岸田首相、政権の主体性がみられない(unsubjectivity politics)朝令暮改内閣では心もとない。

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オンラインによる国会演説。 the Diet speech by internet on-line

2022-03-18 20:28:44 | 日記
 (1)露軍の圧倒的な軍事力に劣勢に回っても予想以上に露軍のウクライナ侵攻を遅らせているともいわれる中で市民への被害も拡大している情報がありプーチン大統領の強硬姿勢は変わらないとみられ、ゼレンスキー大統領はSNSを使った国内外に向けた情報発信とともに英、独、米の議会とオンラインで結んで各国議員に向けて演説をして支援、協力を訴えている。

 (2)ウクライナは東欧のシリコンバレーといわれて欧州の半導体製造、IT一大産業国といわれるように、ゼレンスキー大統領は戦時下にSNS、オンラインを駆使して世界に露の軍事侵攻の窮状を訴え軍事支援、協力を求めている。

 (3)日本に対しても国会演説をしたいとの正式の要請があったと報じられ、日本では23日に実施することで調整している。ゼレンスキー大統領としてはNATO主要国に次いでG7国の日本の国会でも同様の演説、主張をして、国際世論の露軍事侵攻反対、停戦の露包囲網を強めたい意向があるのではないかと思われる。

 (4)戦力劣勢のウクライナのゼレンスキー大統領の国際世論、自由主義世界主要国に訴える言論闘争が注目されている。ところが日本の国会での演説の正式要請が来ても、日本の国会には米国議会などのようなオンラインで結ぶ大画面、大型モニター設備がなく、演説を聞いたりオンラインで審議する制度もなくて、また同時通訳の必要性、正確性も考えてビデオ方式がいいのか、また一部には「一方的な主張をする場を国会が提供してよいのか」(報道)の意見もあり、国会では「検討することが多すぎる」として「焦り」がみられる。

 (5)露の一方的、圧倒的なウクライナ軍事侵攻を受けて市民にも無差別攻撃の被害が拡大して、国際司法裁判所が露にウクライナ侵攻の軍事行動を即時停止するよう命じる(法的拘束力はあるが実効手段を持たない)中で、ゼレンスキー大統領が英、独、米に次いで日本の国会での演説を正式要請している時に「一方的な主張」をする場を国会が提供してよいのかの主張の公平、公正の論議もない。

 (6)丁度少し前に国会では出産、育児、病気などで国会に出席できない議員のオンラインでの審議参加が可能かの議論が議員の国会出席義務の必要性の憲法問題を含めて始まっており、欧米に比較して日本の国会、政治の仕組み、取り組みの遅れ、遅さがあきらかになっている。

 (7)ゼレンスキー大統領が日本の国会で演説を要請するのは、アジアで中国習近平主席が露に配慮して侵攻への立場、態度をあきらかにしない中で露への経済、金融制裁に積極的な日本の国会で演説することにより中国に同じ制裁態度をあきらかにする圧力をかけたい意向がみえる。本日の米中首脳電話会談でバイデン大統領は習主席に決断を迫るといわれている。

 

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市民感覚の起訴。 prosecution of civic sense

2022-03-17 20:36:50 | 日記
 (1)日本の風土、社会慣習、体制、規範から裁判員裁判制度よりも市民参加の検察審査会制度の方が適していると書いたが、その傾向、特徴は出ている。裁判に市民感覚(civic sense)を取り入れるとした裁判員制度は、実は日本も訴訟社会となり従来よりも話し合い、協議ではなく裁判で決着しようという社会認識の高まりの中で裁判官不足が出てきて、ひとりの裁判官がいくつものの訴訟を受け持ち多忙になってきて米国の市民が裁判にかかわる陪審員制度を参考にして裁判員制度が設けられた。

 (2)近年は裁判官など法曹人育成の法科大学院も出願者が減少して定員割れが目立ち、募集停止に追い込まれて、司法試験の合格率も低下傾向で裁判官不足は解消できていない。一方で米国社会は保安官時代から法律というよりは自分、市民の論理、目線で決める力、銃による安全社会を維持する歴史があり、現在も銃規制は甘く市民の多くが安全防衛のために銃を保持できる銃社会を構成して、警官による市民抑圧、市民による銃使用事件が後を絶たない。

 (3)そういう市民が銃を持ち自身、社会の安全、自己防衛を果たす社会制度として市民参加の陪審員制度が定着している。日本では社会の安全を維持するのは「お上」の仕事であり封建的な服従が社会思想に定着した歴史があり、専門的知識、判断能力を持った裁判官が審理して善悪を決める社会制度だ。

 裁判員制度でも事件資料の表現、映像などでドギツイものが裁判員にはなじまずに改善に迫られたり、裁判員の出した判断、判決(1審)が専門的裁判官(2審)によりくつがえるということもあり、裁判に市民感覚を取り入れる理念は生かされているとはいえない。

 (4)検察審査会は検察が専門的、法律的見地、判断から不起訴処分としたものを市民感覚、感情で見直して、起訴相当とするかどうかの判断をするものであり、社会生活を営む市民として仮に法律になじまないとしても正義、道理、道義としてあってはならない行為、行動を許さない市民感情を生かす社会正義の実現で日本人の人間性、国民性にはあっていると考える。

 (5)今回広島選挙区での元法相の妻の選挙での県議買収事件ではあきらかに100名にも及ぶ県議などが現金を受け取りながら、一方的にポケットに現金をねじ込められたとか政治活動資金だと理解したとか選挙投票依頼とは思わなかったとして全員不起訴処分となっていた。

 どうも検察側の司法取引との憶測も伝えられているが、市民参加の検察審査会では市民感覚、感情からこの事件は起訴相当と判断され、その後検察は再捜査の上、一転全員不起訴処分から34名の起訴が決定した。市民参加の検察審査会の市民感覚、感情が働いた結果の判断だ。

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戦時下の美しいジャズ。 beautiful jazz under the war

2022-03-16 20:15:50 | 日記
 (1)以前、FM番組の「ジャズ・トゥナイト」を聞いていたら第2次世界大戦下の米国でのレコーディングのビッグバンドジャズの曲が盛んに流れていて、その陽気で楽しい、美しいジャズに戦時下の重苦しさはまったく感じられないものだった。

 そんな非常時でも米国でビッグバンドジャズがレコーディングされていたという政治と芸術、音楽は別という社会理念なのか、自由国家としての自由思想理念なのか、マリリン・モンローなど俳優、音楽家が米軍前線基地を激励、慰問する映像もみかける。

 (2)そこだけは別世界、平和が漂っている。第2次世界大戦は欧米連合国と日独伊3国が戦うというあきらかな戦力の違いから米国内、国民から深刻さが消えていたのかはわからないが、戦時下でも社会は日常性を失わずに旧日本軍が真珠湾を急襲していざ開戦となれば国家として結束して海外前線で戦う米軍を芸術、音楽が激励、応援する姿は、戦中の日本では国民、芸術まで戦争一色で唯心論的志向に染まって統制された国家、社会として見られなかったものだ。

 (3)戦争の中でも明るい米国と暗い重苦しい日本の印象はある。しかし、その米国も覇権国家となり、自由主義、経済、エネルギー独占、宗教対立を巡り世界各地で米国と対立する勢力、組織、テロ、ゲリラとの戦闘、戦争に向かい関与して若い米軍人の被害、犠牲も多く重ねて、近年は米国民、社会にも厭世(えんせい)気分が高まっているといわれる。

 (4)今回の露によるウクライナ軍事侵攻でもウクライナは米国などの軍事支援を望んでいるが、世論調査では米国民の6割はこれに関与するべきでないと回答している。
 今芸術、スポーツの世界でも露の芸術家、スポーツ選手を国際イベント、大会から排除、排斥する動き(報道)が活発、高くなっている。

 露国内でも芸術家、演劇人からウクライナ軍事侵攻に抗議して要職辞任、即時停戦を求める署名が「続々」(同)集まっているといわれる。

 (5)政治と芸術、スポーツは別との普遍論(generality)はあるが、情報化時代、グローバル時代で政治と芸術、スポーツはすべて一体化して影響している現実がある。戦争、人権批判、抑圧には有効な対抗手段、方法論ではあるが、芸術、スポーツも政治の犠牲者であり弱者リスクへの手段、方法を選ばない抑圧だ。

 (6)政治と芸術、スポーツは別で芸術、スポーツ自体、自身が自主的に決断して実行することだ。あってはならないことだが、戦時下でも日常性、自由を失わない国民、社会はすばらしい。

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戦場ジャーナリズム-ジャーナリスト。 a battlefield journalism-journalist

2022-03-15 20:29:50 | 日記
 (1)露の一方的なウクライナ軍事侵攻で露国内でもウクライナ戦闘地域でも強く情報統制が効いていると書いたが、露軍が軍事侵攻支配地域の市長を拘束、拉致する映像が防犯カメラで捉えられていて、ここでは早速市長代理を名乗る女性政治家(報道)が現れ露軍を支持するよう訴えたといわれる。

 (2)露軍も防犯カメラまでは規制できなかった。一方で首都キエフ近郊では米誌タイムの関連会社の企画で取材活動中だった米国人ジャーナリストが露軍に銃撃されて死亡した。戦争、戦闘現場で何が起きているのかを世界に向けて報道することは、非人間的行為の戦争、戦場現場の不条理、非合理性を広く伝えて戦争反対の高まりにつながる意味からも大きな力がある。

 (3)ジャーナリズムの使命、役割の大きさの一方で、公然と国家同士が殺人をくり返す戦争、戦場を戦闘員でないジャーナリストが取材、報道することは生命保障のない危険に直面するもので、単独行動で行うことなどあってはならない。

 ベトナム戦争での米軍の従軍記者のことを書いたが、米軍に守られた従軍記者でも戦場取材中に何十人となく犠牲になっており、戦争、戦場における世界に向けての情報、報道を発信する安全保障について一定の体制が確立されなければならない。

 (4)戦争は国家同士が公然と殺人をくり返して誰も責任をとらない、勝者が敗者を裁く不条理、非合理性な世界で、知る権利、知らしめる権利、報道が保障されなければ戦場で何が起きているのか、起きるのか方法を選ばない非人間的憎しみの極限行為がくり返される恐れはあり、戦場でのジャーナリストによる取材、報道のジャーナリズムは重要で貴重だ。

 (5)国家の主体が知る権利、報道の自由の確立した政治体制であれば、従軍記者のように軍に守られての取材、報道も可能だが、それでも戦場の取材、報道となれば何が起きるのかわからずに、常に危険にさらされての使命感、責務、任務ということになる。

 今回の露のウクライナ軍事侵攻では露国内、ウクライナ戦場での情報規制、報道禁止では戦場で起きていることがわからずに、わずかに防犯カメラ、地元報道機関の破壊された建物跡の映像で伝わるだけだ。

 (6)軍に帯同する従軍記者の安全保障は必要であり、そうだからといって帯同軍に有利な情報、報道だけを伝えることがあってはならないし、ジャーナリスト、ジャーナリズムの良心、良識、正しい情報を伝える使命、責務、責任を守ることが求められる。

 戦場のジャーナリストの勇気、使命感、情報、報道が戦争の目的を追い詰めて暴き、世界、人類の共感を呼び覚まし戦争反対、停戦につながることはある。安全規律に従った戦場ジャーナリストの安全保障は考えなければならない。

 (7)本日の報道でも露国内の多くの人が見るニュース番組に編集担当の女性スタッフが突然バックにあらわれて戦争反対、国民はだまされているとのメッセージを掲げてウクライナ戦争に抗議した。露でも何かが変わる期待の良心が出始めている。

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