(1)人類はどこまで進歩するのか、これまでのくり返しなのかはわからない。チャットGPTが話題になっているが、地上に氾濫する情報を学習してまとめて瞬時に正解を出す仕組みで、これが進歩といえるのか疑わしい。
日本では活用の動きが活発だが、欧米では報道機関が記事、画像の無断利用を警戒して規制、ブロック(block)する動きが拡大している。
(2)チャットGPTが人類の進歩というなら、規制、ブロックではなく活用のために適正な仕組みをつくるべきだが、報道機関の営業権侵害に対抗する手段としての規制、ブロックの動きだ。
NHKの午後の短いニュースでもチャットGPTの音声を使ったニュースを配信しているテロップを見たことがあるが、ニュース原稿、アナウンスの手間を省いているとすれば受信料の正当な徴収理由になるのかわからない。
(3)将来のニュース、報道のIT化に向けた試行錯誤でも考えているのか、理解できないものだ。スマホ時代でNHKもインターネット、スマホで番組が見られる時代に対応する放送法改正が検討されており、チャットGPTに規制、ブロック強化の動きをみせる欧米でも公共放送がインターネット上でのサービスの本格化(報道)を進めている。
(4)これを進歩というのか、時代の要請とみるのか、むしろ時代の進歩としては動きは遅いと感じる。メタバースが出てきて大学の授業などに取り入れ、利用が考えられている時にチャットGPTが出てきて、こちらは活用派と人間の経験によるすばらしい文章作成の思考、能力開発に逆行するとして学生のレポート、論文作成には禁止する方針を示すなど時代の進歩をどう理解し、取り入れていくのかむずかしい判断の時代でもある。
(5)英国からの産業革命はモノの革命であり、人間が操作することによって時間と空間を飛び越えて時代と経済と社会を変えていったが、米国発の新産業革命は情報、IT、AI革命を主導して情報創造、共有(common)の革命であり、時代と人間(性)を変えていった。
(6)人間は人類はどこまで進歩するのか、できるのか、これまでのくり返しの幻影、妄想をみるだけなのか、進歩と規制、ブロックの間で人類にとって何が価値あるものなのか、必要なのか、押し寄せる進歩といわれるものと向き合わなければならないだろう。