(1)ジャニーズ事務所の前社長の引責辞任を受けての記者会見で、引責辞任した前社長が今後も同社の株100%保有すると報道された。 株を100%保有するということは全権を掌握して実質経営権を所有していることを示して、どこが引責辞任なのかはわからない対応だった。
(2)元社長の偏執な性被害問題でも数十年前から週刊誌などで問題となっていながら報道機関が社会問題として取り上げずにうやむやにしてきたことが問題をより深刻化させたといわれて、被害を受けたタレントが声を上げて社会問題化したのを受けて報道各社からは問題と真正面から取り組まずにさらに問題を深刻化させたことに揃って反省、 謝罪の言葉が聞かれた。
(3)それを受けての前社長の引責辞任で、その前社長が辞任後も同社の株100%保有して実質経営権を掌握することに報道機関から責任の取り方、反省に批判の声が聞かれなかったのはまたまたおかしな報道反応だった。
(4)ジャニーズ事務所が内部タレントを新社長に据えたというのもこれで本当に問題の解決につなげる意思があるのか、株100%保有の前社長の経営権に新社長タレントも被害タレントも同事務所の後押しで成長、事業を育ててきたことを考えると、身内の馴れ合い体質で問題をすべてあきらかにして社会改革ができるのか問題だらけの社長交代劇だった。
(5)経営のシロウトによる事業を私利私欲(self profit and self desire)で利用する身内隠し、無関心の同族事業体での事件であり、前社長は引責辞任の形はとっているが実質経営権は握ったままで新社長も前社長の意向に左右される体質があきらかな経営者の引責辞任としては考えられないおかしな未熟な社長交代劇だ。
(6)同時期に起きたビッグモーター事件も創業者の前社長と子息の副社長が引責辞任をしたが、やはり同社の株多数を保有してのものでこちらも辞任後も実質経営権を所有する体質にあり、創業者としての同族経営実権を握ったままの同じ構図の退任劇だ。
(7)ジャニーズ事務所事件もビッグモーター事件も経営のシロウトによる事業の私利私欲にもとづく特殊な企業経営体制、体質の問題が発覚して、日本経済、社会が起業精神を育てる必要性の中で企業コンプライアンス、コモンが忘れられてなおざりになっている事例をみせられている。