(1)北朝鮮金正恩総書記がシベリア鉄道を列車で3日間かけて露を訪れて、露極東の宇宙基地でプーチン大統領との首脳会談を行った。航空機を利用すれば1日で露に到着できるものを列車で3日間かけていくのは、北朝鮮には長時間持続して安全に航行できる航空機がないことが原因と言う情報を見たことがある。
(2)ロケット、ミサイルを盛んに日本海に向けて発射して宇宙衛星打ち上げ(北朝鮮発表)実験(二度失敗し成功なし)も行っている北朝鮮としては、長時間持続航行の安全な航空機がないというのもおかしな話だが北朝鮮らしいといえば、らしい話だ。
北朝鮮から地続きで列車でゆったり行くのも安全対策上最適と考えているのか、これまでの北朝鮮指導者の移動手段として定着している。
(3)背景には北朝鮮の国家テロとして韓国旅客機の墜落に関与していた歴史があり、他山(自山か)の石として航空機の移動手段を警戒しているのかもしれない。露でも最近露政府に反逆したワグネル創設者が小型ジェット機で露国内を移動中に墜落、死亡が確認された報道もあったばかりだ。自らの身にふりかかる危険を考えての金正恩総書記のシベリア列車3日間旅のような気もしてくる。
(4)露極東の宇宙基地での露朝首脳会談はそのまま北朝鮮の軍偵察衛星の開発技術協力援助が目的ともみられて、一方プーチン大統領としてはウクライナ軍事侵攻でウクライナ軍の反攻が始まって苦戦が伝えられて北朝鮮の兵器、銃弾供与が目当てとも伝えられて、相互利益にかなうものだ。
(5)プーチン大統領としては米中関係の中で自由に動きがとれない中国よりは、技術供与見返りが容易な北朝鮮との関係を強化する意図がみえるものだ。北朝鮮にとっても露朝首脳会談は久しぶりに世界の注目を集めるもので国内向けの宣伝にもなり、政治、経済、食糧での安定効果は考えられる。
(6)北朝鮮はすでに10基程度の核兵器は保有しているとみられて、米国本土全域を目標としたICBM発射も可能といわれて軍事技術開発の進展の中で、伝えられているように長時間持続航行の安全な航空機は所有していないとすれば北朝鮮のパラドックス(paradox)な国内事情を色濃く反映するもので、中国、露の限られた近隣国にのみ頼らざるを得ないバイアス(bias)な国内事情が伝わって世界の孤立は続く。