いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

原発事故構造のくり返し。 repeat of the structure of nuclear power plant accident

2023-09-02 20:18:23 | 日記
 (1)反発する中国とどう向き合えばいいのか、この大臣では答えはない。福島第一原発事故汚染処理水(IAEAの国際基準以下に濃度を下げた)の海洋放出に反発を強めていた中国が、日本が海洋放出を始めた日に日本からの生鮮魚の全面禁輸を表明したことに野村農相は「驚いた」発言をして、官邸で開催された中国の生鮮魚全面禁輸に対する首相、関係閣僚協議に出席したあと官邸を出るときに記者団の質問に「『汚染水』のその後の評価などについて情報交換した」(報道)と延べて、岸田首相から「遺憾なこと」として撤回し、全面謝罪するよう指示された。

 (2)本ブログでは原子炉冷却後の放射性汚染水を特殊装置(アルプス)で濃度をIAEA国際基準以下に下げたものを系統立てて「汚染処理水」と表現しているが、野村農相の「汚染水」発言はこうした系統立てた処理水の工程を理解しないもので、福島沖海域魚介類の風評被害対策の責任大臣としては海洋放出に反発する中国に攻撃材料を与えることはあってはならない、全く頼りない発言だった。

 (3)中国の生鮮魚全面禁輸に担当大臣としていまさら「驚いて」いてはおかしな話で、すでに想定されるものとして担当相として風評被害対策として対応しておかなければならない事態だった。野村農相の「驚いた」発言には、聞いた国民も驚いた、違和感が大きかった。
 福島第一原発事故と同じくり返しの構図、構造を見た思いだ。

 (4)もちろん、岸田首相も根拠のない中国の強硬姿勢に全面的に抗議するだけでは効果はなく、関係者の理解なしには処分しない政府の約束事が不十分な中で見切り発車で汚染処理水を海洋放出して中国の風評被害の対抗策がみられずに、今でも海洋放出に反対する漁業関係者への責任を果していない。

 (5)すでに中国の公表されている国内データ集で中国原発からの処理水の海洋放出で福島第一原発事故の汚染処理水より濃度の高い処理水を海洋放出していることがわかっており、事情はどうあれIAEA国際基準以下のそれより濃度の低い日本の処理水の海洋放出が中国から批判、反発を受ける筋合いのものではなく、日中関係悪化の回避を考えてのものではあっても政府は日本の漁業関係者への説明責任を果す役割もあり、やるべきことはすべてやる決意がなければならない。

 (6)岸田首相もやるべきことは何でもすべてやることが思いだろうが、やれているのか。専門家の意見、進言に耳を貸さなかった福島第一原発事故構造のくり返しでは、岸田首相の言葉も国民には響かない。

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