サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【無駄ではなかった。】ノケモノたちの夜 第3夜「リバーサイド・マーダー」

2023-01-26 | ノケモノたちの夜(アニメ)











この話は観ていて泣きそうになりましたね。
冷静に観返すと、スリ知ってんならもっと怪訝な反応を見せても良いのに、
完全に気付いてない風だったのは「そういう事」だったんでしょうね
悪魔と、
人間の❝絆❞・・・
こうなってくると、
悪魔退治の意義は?という考えも浮かんでくるんですが、
でもやっぱ様々な影響があるからな、、、彼らも彼らの「正義」の元に動いている。し、
ハリエット達のやっていた事が100%正義~ということも無いと思う。







ただ、
小賢しい低級悪魔の筈だったのに、
自分の命を投げ出してまで魂だけの存在になっていたハリエットを救おうとするシーンは心打たれた。
そもそもが、魂を頂いて自分の糧にするつもりで契約したという経緯があったのに、
魂だけの存在になった契約者の為に命を投げ出す~というのは滑稽だと思う
しかし、
それがモリーの本懐だったのだ。
何の地位もない自分を信じて契約してくれたこの娘の為に、自分の命を遣う。
悪魔としては本末転倒もいいトコですが、
彼女の為を想って必死に泣きじゃくるモリーを観てたら自然と涙が出そうになってしまった。
理屈的に言えば、
ウィステリアを危険に晒した張本人のはずなのに・・・
この結末そのものが、その行為の代償というか因果応報だったのかもしれないですけどね。







しかし、
マルバスの言っていた「無駄ではなかった」というセリフ、
これは原作の時から好きなセリフだったんだけど、
アニメで声付きで語られると、
ちょっと作品からは逸脱するかもしれませんが現実に置き換えて考えてしまった自分も居ました。
 例えば、
今ではもう会う事の無い人、
会えるけど会わないだろう。という人、
物理的に会えない人・・・人生は出会いもあるけど別離も多くて、
それでも・・・・・
あの時、
自分を叱ってくれたこと、
自分の歌を素直に聴いてくれたこと、
自分の大切にしてる事を肯定してくれたこと.....その全てが血肉になっていて、
確かに、
「もう会えない。」
「もう分かり合う事はない。」と淋しく思う自分もいるものの、
でも。
マルバスの言う通り「無駄ではなかった」
例えその瞬間に限りがあったとしても、
あの日あの時あの人の行動が今も自分を突き動かす原動力だったりもする。


そう、
アニメを観ながら、
マルバスの声を聴きながら、
なんかそのメッセージを自分自身に重ねて居たんですよね。
ハリエットは最終的に魂を差し出してモリーの糧になる事を選んだけれど、
それは結果的に無駄になったようで、実は生きてる時よりもずっと大きな幸福を得ていて・・・
モリーが居なければ自分を必要としてくれる人も泣いてくれる人も居なかった。
そういう意味では、最後の最後で彼女は本懐を果たしたのかもしれない。
だから、きっと「無駄じゃない」
モリーにとっても、
これからの道の上で彼女の存在はきっと生き続けていく
そういう意味でも、無駄にはならないし、それはウィステリアにとっても。
「今」は「ここ」になくても、それだけが「すべて」では無いし、
想いを馳せながらずっと胸に居て貰う生き方もあるから。

そう思うと、
非常に概念的なエピソードであり、
非常にノケモノらしい哲学性にも満ちたお話だったかなぁ、と。
天国になんて行けなくても、モリーと共に居る時間こそが天国だったと思うから。




第3夜より引用。ここだけ切り取ると、マルバスが主人公に見えない(笑



この話で他に気になる部分と言えば、
剣十字とのやり取りでしょう。
視点で言えば、
ウィステリア視点なので彼らの方が「敵」になるけど、
しかし、彼らの視点で観ればマルバスってとんでもない化け物だな~と。
そりゃ、
退治に掛かるのも分かるし、
やっぱり得体の知れないものをそのままにしておけないのが人間の性ではある。
そもそも、契約と言う概念自体が受け入れ難いものでもあると思うし。
そう考えると、
改めて本作に「正義」って無いな。というか、
それはモリーとハリエットの関係性からも言えますけど、
そう・・・ですね
本作のそういう部分が良い意味でグレーで自分好み~っていうのはあるかもですね。







最後に。
お腹が鳴って紅潮するウィステリア、
めっちゃ可愛かった!(超笑顔)🤤👍

あ、
ちなみに原作2巻の最後のおまけページに、
その後のモリーの4コマが描かれているんですが、
それがまた初めて見た時ちょっと感動したくらい良い感じのものなので・・・
興味があれば、是非。というところですね。



【正義のない世界】ノケモノたちの夜 第2夜「邂逅」

2023-01-21 | ノケモノたちの夜(アニメ)











アニメ放送開始以降、
過去の原作の各話感想にアクセスが増えていて、
改めて感謝致します。感想についてはノケモノに限らずどの作品もそうなんですが、
かなり懸命に書いているつもりなのでこれからもご愛顧頂けると嬉しいです。。

で、
第2話。
ある意味ここからがこの作品の真骨頂でございます
いや、初回は初回で本当に美しくまとまっていて大好きなんですけど、
本作のテーマって俗に言う勧善懲悪とは別の部分にあるので。
そう、
この作品ってヒーローものでは無いんですよ
どちらかと言えば、「それぞれの正義」があって、
〇〇が絶対的に正しくてあいつらは絶対悪で~だとか、
それを分かりやすく提示する事を拒んでいるような作品
に感じてました。




スノウ、かっこいい。



ウィステリアの兄、
スノウとの殺し合いがその最たる例の様に感じました。
スノウから見れば、身内を連れ去り目を潰した憎むべき悪魔。
ただ、
その実情は、
本当にお互いが必要と判断した上で成り立っているれっきとしたパートナーな訳で。
スノウの仕事は悪魔自体をせん滅させる事にあるけど、
そこで矛盾が生じてしまう。
悪魔を屠れば正義かもしれないけど、
その犠牲として全く別の正義を踏みにじってしまう
んですよね。
ある種、
何かのメタファーにも感じますが、
この複雑に絡み合う各々の正義のやりとりこそ本作の真骨頂の様に想えますし、
この先もそういうものがいっぱい出て来るので・・・是非期待して欲しいな。って。







マルバスの「暇つぶし」発言も、
何の悪意も無ければ、
彼にとってはそもそも退屈で退屈で仕方のない生き地獄を過ごしていたのだから、
ある種真っ当な動機だったりもする。
それに、
眼を頂いた分、
ウィステリアの人生そのものを預かる覚悟も出来ている。
正直な話、
仕事と趣味にどっちに熱中して人生を懸けてる?と問われれば大体は趣味だと思う
斯く云う管理人もこういっちゃなんだけどブログを書く時の方が仕事時よりも真剣である
そう、
マルバスにとって、
ウィステリアという存在は、
現在進行形で真剣に取り組んでいる最高の生きがいなんですよね。。
そういう意味では彼特有の言い回しをしてたけど半分くらいは照れ隠しなんでしょうね。。




犬好きにも朗報。ワンちゃんも登場だ。



そして、
そんなマルバスの「誠意」にウィステリアも心から感謝している。
勿論、人間では無いので身体のサイズを訊かれるなどデリカシーに欠けた部分はあるものの(笑
対価を捧げた分・・・いや、それ以上の優しさを持って尽くしてくれるマルバスへの想いはかなり強い。
スノウにとっては、
ある種の精神的寝とられに感じるのかもしれないけど←←
・・・でも、
本当に大事な時に彼女を助けてくれたのはマルバスである。
それは、きっと変わらないし変えれないと思う。
誰からも必要とされず、
同情を惹いて自分を殺して生きて来たウィステリアにとって、
マルバスの存在こそMr.Children的に言えばほぼほぼ初めての「安らげる場所」だったんだと思う。
それまでの苦痛が長かった分だけ、普通の、普通以上の生活をさせてくれるマルバスへの恩義は高い。
 勿論、
スノウへの感謝の気持ちはウィステリアはいつだって忘れたことなど無いと思うし、
でもそれでマルバスへの恩を忘れて彼を棄てるのも個人的には違うと想う。
そう、、、とっても複雑なんですけど、
でもそこが本作の良い部分でね。
一言では表せない、
だけど、
各々の中ではどの感情も絶対的に正しくて真実だ~っていう。




西京さんいち推しのキャラ、ダイアナ。。




そう考えると、
舞台設定こそファンタジーですけど、
精神的には物凄くリアリズムを感じる作品
で、
それが、
アニメでも貫かれている部分にいち原作ファンとして安心出来ました。
現実だって、
外からだけしか視えない単なる事実と、
内からしか分からない真実には相当な乖離があると思う。
そして、
スノウみたいなリアクションになるのは個人的にはしょうがない事だとも思うし、
ただ、その裏側の感情を想像するのも大事なことかもよ?っていう。
そういう意味ではメッセージ性も高い話数に仕上がっていて、
思ってた以上にニッコリ出来ました!

新規の方々に観て欲しいのは勿論ですが、
毎週サンデーで追いかけてたノケモノファンにも是非触れて欲しいアニメ化ですね。
毎週律義に感想書いてた自分が言うんだから間違いはないです!(たぶん)









にしても、
EDで様々なキャラが出て来たのには興奮&感傷的な気分になりましたね!
なんか毎週応援の意味も込めて感想書いてただけあって報われた感が半端じゃない。。
アスタロトと美術品のカットとか「分かってる感」が半端ねえ。
都合が良ければツイッターで実況もするかもなのでヨロシクです。


【奇跡のアニメ化】ノケモノたちの夜 第1夜「Let's be alone together」

2023-01-20 | ノケモノたちの夜(アニメ)










以前、
少年サンデーで連載されていた「ノケモノたちの夜」のアニメが始まった。
知ってる人は知っているでしょうが、自分はこの漫画が大好きで連載が終わるまで毎週感想を書いていたのだ。
しかし、
何故か?志半ばで終わってしまって、
最終回の感想は今見返しても感謝と悔恨に満ちたものになっていて・・・
そこから、
気持ちは作者の次回作に期待♬というモードになってはいたんですが、
まさかのアニメ化!!という事で。。
仮にも、
切られた漫画が人気があってアニメ化~って、
どう考えてもあの雑誌の編集部は(ry
・・・否、
そういうのはもうやめましょう。
過去の自分の感想読んでたらこの作品を始めたのもあの雑誌だから。って
物凄い性格の好い言葉を綴っていて我ながら「こいつ良いヤツだな。」と過去の自分に感心するっていう笑







とはいえ、
自分は連載中から「この漫画は素晴らしいから、絶対に凄い作品になる。」と信じて疑わず、
それこそアニメ化なんかも視野に入れて期待とかしちゃってた訳ですけど、
なんかそれもこうやって無事に達成出来たので、
西京さんの視点は正しかった!
また自分の正しさが証明されてしまったな(笑)というか。。
最終回の感想でも「いずれアニメ化すると思ってた。」と書いてたんでホント正しく実現しましたね。

ただ、
別に自慢がしたいわけじゃなく、
それくらい終了自体に納得が全くいって無かったし、
こうやってまた日の目を浴びているウィステリア達を観ていたら、
不思議と感慨深くて泣きそうになってしまった・・・と言うのが正直な感想ですね
しかも、
スタッフは、
原作の良さというか大事にしてる部分を理解してアニメ化してる気もしていて、
それはやっぱりウィステリアとマルバスの❝絆❞なんですよね。
同じはみ出し者、そう、除け者同士だからこそ、
通じ合えた想い。
それが、メインに描かれてた時点でもう既に本作は成功している。と思えた初回のアニメでした。




アニメ第一夜より。重要人物、スノウも登場だ。



改めて観ると、
ストーリー的にはとても分かりやすい。
物乞いを主軸に同情を惹いてカビたパンを食す惨めなウィステリアと、
悪魔信仰が消え失せどんどん存在感を失くしていった孤独だったマルバス、
その二人(?)が、
ひょんな事から繋がって・・・
単刀直入に書くと、
お互いの淋しい部分をお互いが埋め合わせてる~という関係性なんですね。
ウィステリアは誰からも救われない日々の唯一の癒しとしてのマルバスの存在、
マルバスは誰からも認知されない毎日の中で唯一の話相手としてのウィステリアの存在。
勿論、
人間に化ける能力も持ってはいるんですが、
それが長持ちしないのでは深い関係を築く事は不可能でしょう。
何よりも、お互いにとって深く必要とし合った初めての関係性~というのが大きいですね。
厳密に言えば初めてではないとは思いますが、この長い苦しみの中ではほぼ初めてに近いと思う。
だから、❝絆❞が生まれるのも理解出来るし、素直に感情移入出来る良い塩梅の初回に仕上がってたかな、と。







そして、
想像以上に作画がイイ・・・!!
これも思わぬ誤算でした。
勿論ある程度は期待はしてたものの、
原作の美麗な絵柄に負けないくらいにウィステリアが兎に角可愛くて可愛くて。
正直、
観ててこの子に惚れない奴などいない。とか感じちゃうくらいにウィスの作画は気合入ってたし、
演出も格好良くてストーリーは勿論絵にも魅入っちゃいましたね
何より、
マルバスが可愛い(笑
アニメだとよりモフモフしたくなる感じ.....
いや、
彼は悪魔なんですけどね!
アクションシーンも初回は良い具合にヌルヌル動いてたんで、
都合により2回目は録り溜め状態なんですが今後も期待出来るかな~と。
金持ちが雇ってた悪魔も王道のデザインで格好良かったし、
腕が無いのが伏線になっててそこも巧かったですね。







一番感心したのは、
ウィステリアの眼が潰れるシーンをちゃんと描いた事ですね。
改めて観るとやっぱり残酷というか、自分がウィスでもこの決断が出来るかな?とも思うんですが、
その前の自分が死ぬ危険性があるのにウィステリアを助けようとするマルバスも熱くて。。
ある意味、
夫婦よりも夫婦してんな。とか想いましたが、
マルバスが感情移入してしまった影響で、
ウィステリアが契約出来るようになった~という経緯も巧く、
また腕よりも更に価値の大きい眼を差し出した事自体が彼女の覚悟と信念を示していて、
中村一義の歌詞から拝借すれば「死んだように生きていたくはない」。という想いの現れなんでしょうね。
自分を心から必要としてくれたこの人の為に生きたい、という想い。
それは、とても美しくもある。

願わくば、
アニメから入った人には素直にこの二人の関係性に胸打たれて欲しいし、
そしてこの二人の行く末を見守っていて欲しいな。とも感じました
自分は元々原作ファンなので贔屓目は入ってるとは思うけど、
でも、
やっぱりこの作品は素晴らしいし純粋に面白いな、と。
そんな風に改めて受け取れた初回でした。
2話以降も感想書きます。











いや~、
しかし、
一度は終わった。と思っていた物語が、
まさかのアニメ化という形で息を吹き返すのは胸アツでした。。
それもこれも(自分を含めて)ノケモノを応援していた方々の想いの結晶でもあるんだと思います。
ちょっとした報われを感じつつ、かつて本気で心酔した人間としては応援したいですね。

あと、
最近アニメ化の影響で過去のノケモノ感想がよくアクセスされてる事に感謝します。
個人的にダイアナ編でガチ号泣した経験もあるしそれも当時綴ってるので、
大大大大大好きなダイアナの登場も楽しみなんですよ。