1.ドライブ
2.
海とゼリー
3.BIRDS
4.
幼年時代
5.カウンセリング&メンテナンス
6.夏の約束
7.覚醒<めざめ>
8.ユメオチ
9.
追放と楽園
10.河川敷ドリーム
11.COILの「暴動」
12.White Room
これは2000年に出たアルバム・・・
つまりは今から20年前って事ですね
正直そんなに経った感じは全くしないんですけど、
実際CDの裏を見ると2000年発売になってるのでそうらしい
今作は、
多分前のブログでも感想を書いてると思う
っていうか通算何度目か把握してない部分があります
だってブログ2009年からやってるんでもう記憶も薄れてきてるんですもの(笑
じゃあなんでまた新たにレビュー書くんだ、って言えば最近音楽レビューが軌道に乗って来たのと、
あの頃とは違って推しの3曲を記述するようになったので改めて書きたかった・・・からです。
生まれるまえの記憶でここへ来たことを思い出した
そのときもただこうして海を眺めていたんだった (海とゼリー)
中学生の頃聴いてた音楽ですけど、
中学生の時に流行ってた記憶が一切無いんです
ただ、自分が好きだから聴いてただけなんです
それはある種周りを気にしなさ過ぎてマイペースな趣向だったと思うんですけど、
中学生の多感な時期から流行りを無視して自分の好きなもんを追求していた、
そう考えるとこういうアルバムって自分の原点だな~と感じますね
別に流行が嫌いだったわけではなく、
もっと好きなものが自分にはあっただけ・・・なのです
そしてその上で流行った曲でも自分が好きなら聴くんだ~という限りなくフラットな感性を貫いている気がします
で、前置きが長くなりましたけど、今作は名盤ですね
これはセカンドアルバムですがファーストが結構コミカル趣向なアルバムで、
自分はそこから入ってたので、
いきなりどシリアスな名曲「BIRDS」がシングルで来て驚いた記憶があります
その後の新曲も“らしさ”を残しつつ洗練された曲が次々仕上がって来て当時はそのギャップに興奮した記憶がありますね
ファーストはファーストで面白くて好きだったんですけど、セカンドで正しく「化けた」感じがありました
よりタイトに、よりポップに、そしてよりドラマティックに・・・
純粋に“良い曲”が詰まってる作品として、
中々類を見ないレベルで素晴らしいアルバムだと思います
その上で要所要所にCOILらしい個性が散らばっていて個人的には代表作だと感じてます
勿論、後々に出た曲たちやアルバムもいいものばっかりなんですが、今作はかなり思い出深い作品です。
一曲目からエッジの効いたロックナンバー「ドライブ」、
シングルにしてもいいくらいメロディが豊かな「海とゼリー」、
歌詞も曲も名曲然としているアンセムソング「BIRDS」、
ノスタルジックな雰囲気が胸を打つ「幼年時代」、
ご機嫌なロックナンバー「カウンセリング&メンテナンス」はライブでも盛り上がる一曲でした
ポップな「夏の約束」、からのダークで不敵な「覚醒」、切なさ満点のラブソング「ユメオチ」
そして今作でも随一にスケール感の強いメロディと歌声が光る「追放と楽園」、
青春っぽいロックナンバー「河川敷ドリーム」は実はラジオにリクエストした事もある(!)これまた美メロな一曲
暴動に関しては前作のユーモアが残っててにやりとしつつ(笑
「White Room」もまた良い意味で気が抜けつつ心に響くポップナンバーに仕上がっています
COILのユーモラスなとこは、
やはりその歌詞にあると思います
結構、
初見ではっきりと「これ!」って感じの歌詞ではなく、
全体を通してかなり抽象的かつ時折意味不明にも聴こえたりするギリギリのセンスがあると思うんですよね
その上で、ほっこりするような可愛さがあったり、凛とした強さを感じたりもする
例えば、
「海とゼリー」「追放と楽園」の歌詞なんて、
何となくでしか状況とか歌詞のテーマが判断出来ないと思うんです
はっきりとこれはこういう状況でこういう心境なんです~って歌ってないですからね
でも、だからこそ、聴き手が自由にこねくり回して好きなように解釈出来る余地が残されてるというか、
大人になった今だからこそ意味不明を越えて抽象画のような味わい深さを強く感じられます
もともと、
メロディセンスも、
アレンジの気持ち良さも一級品なので、
そうなると元々好きだった曲が益々好きになって来る、
ある種初見でも粒ぞろいですが精神が成長していくと深みを増す作品でもあると思う
宅録ユニットならではの独特の音像も楽しい一作、
その摩訶不思議かつ親しみやすい作中観に是非誘われてはいかがでしょうか。
嘆きも諦めも戸惑いも溜息も軽蔑も屈辱も
潰れた果実も歪んだ太陽も罪もその罰も
受け入れる愛
包み込む愛 (追放と楽園)
好きな曲は、
正直迷います
シングルでもある切実さ溢れる希望の歌「BIRDS」、
大衆を離れて孤独に生きる誓いの歌「覚醒」も大好きな曲です
結構・・・
選べない類の作品ですが、
「幼年時代」に関しては、
大人になってからより響くようになった歌というか、
所謂過去の大切だった思い出を振り返ってああいう時間は長くは続かない、
いつの間にか終わってたんだね・・・という聴いててかなり切ない内容だと思うんです
ただ、その中にも今にも通ずる変わらない誠実さみたいなものも感じて。。
って、
こうやって文字に起こすと確かに抽象的だなー、って思いますけど(笑
でも、温かさと切なさが同居しているような曲、と言えば分るでしょうか
サビのメロディの綺麗さとサウンドのオルタナ感含めて大好きな一曲
これシングルでも面白かったんじゃないか、って思いますね。
「海とゼリー」は、
これまたノスタルジックな雰囲気が心地いい、
なおかつ本作の中ではアップ調のギターロックナンバー
この曲は、
ゼリーの事を強い~って断言してるんですけど、
言われてみればぷよぷよしてるけど、どんなに触っても形は残り続けてる
例え潰されても、小さくなっても、どこまでも残り続ける
それってイコール人間そのものなんじゃないか・・・って事で、
直接的な言葉を一切使わず間接的に聴き手の背中を押すロックナンバーに仕上がってると思うんです
この曲の不思議な感じ、温かい感じ、でもちょっと切ない感じ、その他もろもろ
中学生の頃から(自分の中では)かなり王道の一曲~というイメージです
今聴くと当時は不思議だった歌詞もしっくり来て益々大好きになれた曲ですね。
「追放と楽園」は、
シングルにもなった曲ですが、
それを抜きしても今作で最も好きな曲です
グランジかシューゲイザーかってくらい重ねたギターの音圧もさることながら、
自身の罪も葛藤も他者への憎しみも痛みも欲望も過ちも、
そういう汚くて美しい感情諸々ひっくるめて、
全部を許すような、
全部を認めてあげるような、
そういう良さのある曲で聴く度に感動します
また、
直接的に何の歌かは明言されてないので、
聴き手各々でこの曲のイメージって違うと思うんです
個人的には、焼けつくような赤い夕陽だったり、自転車を押して独りで帰る学生の絵だったり、
夕食を独りで泣きながら食べている少女の絵が浮かんだりする楽曲・・・って
これもまた文字にするとかなりカオスな事になりますけど(笑
一応、
男女の禁断の関係を描いてる曲っぽいんですが、
個人的にはそれ以上の深い何かを感じてしまう楽曲です
ま、そもそもはっきりと「そう」とは分からない詞ですしね
最終的には、互いの罪を認め合って終わるのが深いメッセージ性を感じさせます
そういうエッセンスもめっちゃシリアスな歌声も重厚なサウンドも全部が大好きな名曲
本当に心から美しい曲で多分聴いた時と変わらないくらい大好きな曲なんじゃないでしょうか
いや、むしろ深まってるかも。
メロディやサウンドは、
割とかっちりとハイクオリティに作られてるのに、
歌詞に関してはあくまでストレートを避けている、
それが逆に揺るぎない個性を作り出している、
そんなアルバム及び音楽だと改めて感じました。
それで、
最も重要なのは純粋に良い曲が詰まってる!という事。
ある意味それがすべてかもしれません。