サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

SHIROBAKOスペシャルイベント~どんどんドーナツ、ど~んといこう!~@神奈川芸術劇場 15.9.20

2015-09-27 | SHIROBAKO
                                    
去る先週の日曜日、「SHIROBAKO」のスペシャルイベントに行って来ました。ちなみに夜公演。










場所は神奈川芸術劇場、
駅からも近く会場も広くて本当に素敵なハコでした
何より凄い内装がきれいで環境的に言えば正に最高でしたね
久々に生まれ故郷の横浜に戻った訳ですけど、当時は凄くやる事が多くて切羽詰まってて
ギリギリを余儀なくされる(っていうか自分でそうしたんだけど 笑)状態だったので
また今度横浜にライブなりイベントなりを観に行く時にはもっと調整してゆっくり過ごしたいものです。

それはそうと、ずっと行きたかった「SHIROBAKO」のイベントです
生でどんどんドーナツしたい、ねるねるな聴きたいって気持ちがあったので 笑
その願望を叶える事が出来て本当に良かったです
あとこの作品は、
出来ればいつか続編を観てみたいって気持ちが(個人的に)強いんですよ
だから、いちファンとしてちょっとでも貢献/応援する事が出来れば・・・って気持ちで参加しました
このイベントでは周知の通り新企画の発表などは無かったんですけど、
その分作り手とファンの絆を深める事が出来た素晴らしいイベント、ライブだったと思います。











会場に着くと早速武蔵野アニメーションのスタッフさん達が 笑(っていうか物販Tシャツを着た同志)大量に居ました
既に来月幕張で開催される秋祭りの広告なんかも所々に飾ってあって、みゃーもり可愛すぎ!とかそういうテンションになってました
あんな可愛い、それも20歳過ぎの良い具合の年齢の女の子と浴衣で祭り行けたら相当楽しいだろうに。ろうに。
なんていう妄想をしつつ、開演前にはまず「諸注意」でファンを楽しませてくれました
絵麻が「私じゃダメだったかな・・・」と不安気に呟くとこなんかキュート過ぎて「分かってるなあ。」って感じでしたね(笑
そんな小芝居気味の面白諸注意を挟んで、開演時間程なくしてイベントは始まりました。


あまりにも簡潔過ぎるダイジェストを挟んで(笑
いやいや、これは端折り過ぎでしょ!とか(心の中で)ツッコミつつ、
それぞれが「SHIROBAKO」で“好きなシーン”を語るパートから始まりました
高野さん(美沙役)は美沙が「無駄な事はない」って語ってるシーン、
千菅さん(ずかちゃん役)は瀬川さんが「でも分からない。分からないから出来ない。」と絵麻について語ってるシーン、
大和田さん(りーちゃん役)はりーちゃんが「怖いのは脚本家になれない事です」と語ってるシーン、
木村さん(みゃーもり役)はみゃーもりが最終回で新幹線の中で自問自答してるシーン(昼公演では語りながら泣いたらしい 笑)、
佳村さん(絵麻役)は木下監督が檻に自ら入って行くシーン、舞茸さんと言葉のキャッチボールをして脚本を完成させるシーン、
そして一番は野亀先生と和解するシーン・・・と全部木下監督関連で強烈なフェチっぷり(笑)を爆発させていました

自分はと言えば、「SHIROBAKO」で好きなシーンと言えば絵麻の仕事が瀬川さんに評価されて少し報われるシーンだったり
頑張ってる美沙にアニメ同好会の面々が心良く強力してくれてその有難味に美沙がジーンとしてる場面だったり、
みゃーもりがずかちゃんがちょっと報われた23話で思わず泣いてしまうシーン、
あと最終回でみんなの前で「アニメを作り続けます!」と高らかに宣言したシーンなどが浮かびます
共通しているのは、“報われる”シーンが特に好きだし、俺の中ではそこが色濃く心に残っている、という事ですね
あと井口さんがピンチを脱して、成長出来て素敵な笑顔を見せるシーンも大好きですね。
今パッと出て来るのはこういうシーンばかりですが、また観返して行けば違うシーンも出て来るかと思います
BD全巻コンプリートしているのでいつでも観返してこれからも楽しみたいなあ。って思いました
ちなみに5人の方々が挙げた中で最も共感したのは大和田さんが挙げたりーちゃんのシーン。
あそこは「脚本家になれないのが最も怖い」という彼女の覚悟となんとかしがみついて行きたい。っていう這いつくばるような心情がよく出てて自分も大好きでした。
また、改めて触れたくなるようなパートだったと思います。


他にも山田さんは「ツーピース」の監督をする、って話だとか
「高梨太郎という生き方」って本出して欲しい、って話だとか(笑
太郎は誰に対しても同じ態度なのが良い。っていう意見だとか(笑
色々とキャラ談話に花が咲いていてそこもまた良かったですね。高野さんは太郎推しらしいです。

前後しますが、この後の生アフレコの次にはプロデューサー陣が裏話を語るコーナーとかもありました
「仁義なき声優オーディション」は、水島監督の個人的な私怨から膨らまして出来た話数、というエピソードだったり
(でも、そんな私怨を未だ引き摺っていてアニメにまでしてしまう執着というか根性もまたスゴイ 笑)
万策尽きましたか?という質問に対して「実際に万策尽きたのは三女」という適確な答えを出してたのにも笑いました
まあリアルに万策尽きちゃった訳ですが、最終回延期とか初回延期とかはなかったんで良かったと思います(オイ)
正直もっともっと聴きたかったので、また次のこういう機会も楽しみにしております・・・笑


先述の生アフレコは、
率直に言って素晴らしかった、かなりの迫力が感じられました
皆さんまだ新人のキャリアな筈なのに、ホールで聴いててもかなりの臨場感がヒシヒシ伝わって来て
改めて「声優さんって凄いなあ・・・」とかただただひたすらに感じてしまっていたパートでした
やっぱり生アフレコやってくれると嬉しいですよね!その後木村さんの出身地である福岡の博多弁に変える、というオチ付きで(笑
 ところで、一度木村さんが噛んでしまった時に一斉に他の声優さんが「おいちゃん先輩?」と突っ込む柔軟なアドリブに感心しました
実際、かなり笑いが生まれてましたし 笑 そういう部分もスムーズで観てて心地良かったなあ。と感じますね
ちなみに生アフレコはアニメではなくミズタマ先生のコミカライズ作品で行われました。この漫画の内容も良かった。


最後は、ライブパートの感想です。セットリストは
1.Animetic Love Letter
2.プラチナジェット
3.COLORFUL BOX
4.TREASURE BOX

の、4曲
一曲目のアニメティックラブレターは拡がりのある歌声とサウンドが思ったよりも気持ち良く、
二曲目は本当アイドルちっくに、そしてやっぱりりーちゃん(大和田さん)の歌声が可愛くて(笑 
音響も凄く良いホールだったので単純に打ち込みのサウンドの格好良さも素直に感じられてそこも快感でしたね
盛り上がりつつ、
三曲目の石田燿子さんの歌声は正に「SHIROBAKO」のメインの5人をストレートに応援しているようで、
とても素晴らしくホントに作品に寄り添った正しいアニソンなんだなあ・・・としみじみと感じる事が出来ました
声も真っ直ぐに伝わって来るぐらいに良く出ていてプロフェッショナルさをまざまざと堪能しましたね。
頑張ろう。とか素直に思いつつ、
奥井雅美さんの四曲目ではコールとかもあって最高潮の盛り上がりを演出してライブパートは終了、
ちなみにOPED共に一番では実際のアニメーションも流れていて生の歌声と重ねて観れる。って演出も非常に贅沢で良かったですね。
また、楽曲に対する理解が深まって、作中のキャラに対する応援歌っぷりも感じる事が出来て確かな収穫でした。


そういう訳でライブパートの終了と共に本編も終了、
最後は観客と演者の全員で「どんどんドーナツ、どーんと行こう!」と声を張り上げコールして終了、
最後みゃーもり役の木村珠莉さんは感極まってガチ泣きしちゃってたんですが 笑
その分作品に対する愛情も伝わって来て良かった
一応来月にイベントは決まってるとは思いますが、
その先はファン目線ですと白紙にも見えますので、是非これから、ここから、いつか「新しい何か」が拝めたらいちファンとして幸せですし
正直めちゃくちゃ期待、懇願しちゃっているのが本音ですね(笑 まずは当イベントでファンとの熱い絆を確認
勿論会場に来られなかった人達や来てないけど大好きって方々も沢山いると思いますので、
そういう人達の想い等も絡めて実現してくれたら・・・と願ってます。
まあTVシリーズはあれはあれで一つの作品として成り立っている、とも思いますけど。でも個人的に新・七福神観たいなあ。って事で(笑











しかしイベント開催が俺の生まれ育った横浜と今住んでる千葉の幕張、って
凄く俺向きっていうか、最高だなあ。って思いました(笑
まだ幕張のは都合付くか分からないんですけど、
都合の付く方で「SHIROBAKO」ファンの方は無料ですので是非幕張に行きましょう。

「SHIROBAKO」愛に満ちたイベントに仕上がっていて、とても素敵な感情を得る事が出来ました。
製作スタッフ、キャスト陣、歌い手さん達、ハコのスタッフ、そして観客の皆さんに感謝。
ちなみに神奈川芸術劇場は一発で大好きなハコになったのでまたいつか大好きな誰かがここでライブしないかなあ。って今思ってます(笑)。






【自分から動こう】SHIROBAKO 第24話(最終話)「遠すぎた納品」 感想

2015-03-28 | SHIROBAKO
まず一言。最高の最終回でした!








仕事に於いて・・・というか仕事に於ける成長に一番必要なポイントってなんなんでしょう
それはこの最終話ではっきりと表現されていたように思います
勿論自分は全然出来てない事でもあります
それは“自分から動く”という事ですね
自分がそうなんですが単なる「指示待ち人間」だと必然的に成長の機会は失われそれ以上先には進めません
それはご多分に失敗を恐れる気持ちに安定を選んでしまう「弱さ」が加担しているのだと思います

でも、絵麻は、自分から能動的にこのキャラを描かせて下さい、と懇願して
元々作業を抱えてる中でも自ら“成長のチャンス”に対して意欲的に頑張っている
結局は「何かがしたい」、そういう強い気持ちをちゃんと持ってる人間こそ先に進んでいけるんだと
そしてそんな絵麻の姿を観て後輩の久乃木ちゃんもまた「自分が自分が」のテンションに感化されていく
非常に良い関係性だと思いますし、はっきり言って人は先人の姿を見て育つ生き物ですから
やっぱり「先輩が格好良い」のと「先輩が格好悪い」のとでは与える影響も全然違いますよね
今回に限らず、先輩が道を示してやらなきゃいけないんだよ。というテーマはずっと貫かれていて
逆に言えば「いい先輩がいる仕事場は必然的に良い仕事場になる」ってメッセージ性なんかも個人的に感じてます
それも絵麻がスランプを乗り越えて頑張り抜けた“努力”があったからこその結果であります
別に「道を示してやろう」なんて大げさに考える必要性なんかない
自分がちゃんと頑張ってれば、
それが結果的に別の人に「自分も頑張らなきゃ」というメッセージを自動的に与える
そしてそんな人が何だかんだ言って集まれてる武蔵野アニメーションは(問題もあったけど)やっぱり良い会社なんだと思います
最後の最後までお仕事アニメとして、お仕事に於ける大切な事柄を示し続けてくれたアニメ「SHIROBAKO」
勿論アニメ製作アニメとしても最高の出来だと感じてますが、お仕事アニメとしても出来が良かった事はこの前半がちゃんと示していました
瀬川&小笠原-井口-絵麻-久乃木ちゃんのラインね。しっかり後輩に道を示せれば、間接的に自分だって助けられる。
凄く意義のあるお話でほっこりしつつもしみじみとその深さを(自分的に)味わえたな~と思ってます。




やっぱりね、棚ボタは成長じゃないんですよ
棚ボタを成長だと「勘違い」してると結果的に後塵を拝むハメになります
そうじゃなくて、自分から進んで動いて、苦手な事にも挑戦しようとする勇気をもって
苦労や疲れを背負いながらも歩み続ける覚悟や根性が必要なんだと思います
それは決して楽な道ではないですけど、
その場しのぎの「楽」では本当の「楽」には辿り着けないのも正直事実だと感じてますから。
だから、絵麻や久乃木ちゃんみたいな姿勢こそ仕事に於ける成長に一番重要なポイントなんじゃないかと
自分から積極的に動いて、自分の尽力もあって掴み取った「結果」や「結実」の嬉しさは棚ボタなんかより数十倍も嬉しいはずです
それはみゃーもりの報告を聞いて歓びに湧き立つスタッフたちの様子からまじまじと感じる事が出来ました
それぞれがちゃんと自分の仕事を迷いや悩みもありながらきっちりこなしたからこそ得られたおっきな充足感
ここまであまりスポットの当てられてなかった人物のプロフェッショナルな仕事ぶりや
何だかんだ言って協力的になってくれた平岡さんの様子なども描いていたからこそ
そんなカタルシスは生まれたんじゃないか・・・とも思います
井口さんのめっちゃ嬉しそうな、でもちょっと泣きそうな表情!
頑張り切れない中で頑張りを見せた人、頑張っても空回りする中でも何か成果を残せた人、その道を極めんとする求道者たち・・・
タイプはそれぞれ違いますが、目指す方向性「良いアニメを作りたい!」という気持ちだけはズレがなかった
だからこそ得られた充足感に加えて一丸になれた感覚、「えくそだすっ!」の時も感じましたがやっぱこういうシーンはいいものですね
当たり前のようにグッと来てましたが、それも細かい描写含む“積み重ね”による賜物だとはっきりと思います
それぞれが頑張った、からこその完成。それは当り前のようで実は全然当たり前じゃない。
足並みを揃える事こそ一番難しい。それを知ってるから余計に感動出来たんだと思う。
実際足並みが揃ってない箇所もありましたけどね(笑
乗り越えたからこその、カタルシスでした。
お疲れさまでした。





↑安藤つばきさんは、早速「あんどぅー」ってあだ名で呼ばれてて、将来はみゃーもりポジションも期待出来ますね!
このカット何とも言えない感じの表情がツボでめちゃカワでした。


後半の、打ち上げでの、共に頑張り抜いたスタッフ達の会合もとっても感慨深くて最高でした
結局のところ仕事なんてものはああいう風に最後に笑顔になる為、安心出来る一瞬の為にあるのかもしれませんね
それを作る側だけの努力や大変さに留まらせず、直接届けに行く制作進行やプロデューサーの大変さも描いてた作劇も良かったです
局にVを届けに行く、言葉にすると単純ですがそれはそれでプレッシャーがあって決して気楽な作業ではないと言う事
特に今回みたいに納品ギリギリじゃあ地方局でも放送してるアニメの場合大変でしょうね~
相変わらずけれん味たっぷりのコメディ描写で笑わしてくれつつ(笑
みんなの想いを背負って走るメンバーの姿は感動的でした
アニメは沢山の人の想いの集合体であり、
「集約」そのものなんだと
最後の最後ではっきりと描き切ってくれてたと心から感じてます。

そして、そんな三女のデスクとして頑張り抜いたみゃーもりが答えを出す瞬間も遂に訪れました。

“これからもずっとアニメを作り続けたい”




みゃーもりは「頑張ってる人」が好きなんだと思います
そんな他人の頑張りに感化される人間なんじゃないかと思います
そして、そんな「頑張ってる人」「頑張れる人」を信じる才能があるんだと思います
それはこれから人を動かして行くポジションに於いて必要な才能なのかもしれない

何よりも、その髪の色が象徴するように、頑張ってる人や頑張れる人、これから頑張る可能性がある人の力になりたい
そういう人達を照らし続けていきたい・・・
一つ一つは細くても、
確かな“灯り”を繋げて一つにしたい
彼女がはっきりとその口で、しかも自分の意志で告げたように
「これからも人の心を明るく照らしていきたいと思います」
そんなみゃーもりが紆余曲折あってようやく自分から絞り出す事が出来た答えに胸が熱くなって一瞬泣きそうになってしまいました
やっぱり、自分を持ってる人、自分から動いている人を観るのは気持ちが良い。そんな事をまじまじと感じていました
みゃーもりもここで結実のようでその発言をようやく出来た事が象徴するように
むしろここからがスタートラインだと思います
自分が仕事をすることで、
そしてアニメを視聴者に届ける事で
様々な意味合いで人の心を照らして行きたい、という他の4人にも決して劣ってないみゃーもり「だけ」の願いをしっかりと抱けた
みゃーもりも、ずかちゃんも、絵麻も、美沙も、りーちゃんも、まだまだ、これから。まだまだ、ここから。
そんな事を予見させ期待も抱かせるエンディングは素直に「いいなあ。」って思えましたし
しっかりと未来に繋がった上に作品としてのテーマも提示出来た最高のオチだと感じました

またこの5人が、一緒に集まって仕事をしているという現実
まだこの5人で、一緒に頑張れているという事実。
でもそれは決して「奇跡」なんかじゃない
過程も積み重ねもきっちりと描いて来たこのアニメに於いてそんな言葉は絶対に似合わない。
それぞれが、それぞれの決断で、それぞれの歩み方でしっかりと進み続けたからこそ生まれた“今”だから。
そんな“今”の積み重ねでいつか本当に七福神を作れる日がやって来る事を祈っていますし、
信じています。
素敵なキャラクター達をどうもありがとう
素敵な物語をどうもありがとうございました!
心から「最高だ」と感じ切れたエンディングでした。是非、「SHIROBAKO」の良さに未だ触れてない方は触れてみて欲しい。
そんな祈りも込めつつ伝わる事を願いつつ最終話の感想を締めさせて頂きたいと思います。最後まで読んで下さりありがとうございました。













「SHIROBAKO」はラッキーとか棚ボタ要素が(個人的に)ほとんど感じられないアニメでした
その代わりに頑張った人が頑張った分だけ報われる様を描いていて
堅実で誠実な作風が自分のツボにハマったのと
一気に段階を飛ばさない、
あくまで一歩一歩進んでいくリアルさみたいなものもまたツボにハマりまして、
個人的には今期一番夢中になって観ていたアニメでした。俺は今期「SHIROBAKO」が一番好きでしたね。
でも、時には頑張っても報われなかったり、(彼彼女らにとって)まずい道を歩んじゃってたりなんかもする所も現実的で好きでした
ただ、頑張っても必ず報われる訳じゃないけど、進み続ける限り「何か」が生まれるんだ、という事も描いてくれた
そういう部分がまたお気に入りでそれが最も顕著に表れていたのが先週だったんじゃないかと思います
頑張っても報われる訳じゃない
だけど報われる為には頑張らなきゃ辿り着ける事さえ有り得ない、
という話ですね
別に誰も彼もが天才である必要性もなく
それぞれがそれぞれのペースで、それぞれの生き方を歩み続ければいい
ずかちゃんはようやく役が貰えるようになってきたけどそれも「女子C」とかいうチョイ役に過ぎないし
りーちゃんだって実際に使われたのは一行だけで正直みゃーもりや絵麻の躍進に比べるとまだまだな部分は否めない
でも、それはそれで良いというか、ずかちゃんはずかちゃんらしく歩んで行けばいいし、りーちゃんはりーちゃんらしく進み続ければいい
仲間は仲間で、自分は自分。苦労した分だけ苦悩した分だけ今までの道筋に愛着が沸くのもまた事実、自分だけの人生を、自分だけの歩き方で。
ペースはそれぞれでしたけど、結果的にはなんとか「みんなで頑張ってるよね」という状況まで辿り着けた上山高校アニメーション同好会のメンバー
そんな彼女らの更なる躍進だったり、もっと書けば七福神のアニメ完成まで個人的にはいつか観たいな。って思ったりしています
もしそれが実現したら泣いちゃいそうですけど(笑

でも、この後の展開にも勝手に多大な期待を抱いています。
まだまだ拝んでみたい成長なんかもありますしね。
そんな訳で、まだまだ「SHIROBAKO」に想いを馳せる季節は続きそうです。



*ここから個人的な話

実は2クールのアニメの各話感想を最後まで書き切ったのは前ブログから数えてめちゃめちゃ久しぶりでして
これ観てる人には全く関係ないんですけど最後まで書き切れた事に勝手に感慨深さを感じたりしてます(笑
ここまで一度でも読んでくれた方には本当に感謝・・・ですね
ツイッター等で反応して下さった「SHIROBAKO同志」の皆さまにも本当に本当に感謝しています

でも正直このアニメはアニメらしいけれん味を含みつつ、
現実にも還元出来る要素が多々含まれてましたし
感想を書くのはすっごく楽しかったです
キャラも殆どが大好きですし、
何気に声優チョイスの時揉めた方々や最後の写真撮影が野亀先生のあの担当編集だったりする細かい笑い要素も冴えてたかなあ、と(笑
毎回想いを伝えよう、良さを少しでも表現出来ればと腐心してきたこれら感想が少しでも届いていたら心から嬉しいです
個人的に最高のアニメだと感じれた上にかなり思い出深い作品に相成りました。今後のBD発売も楽しみです!
改めて、ありがとうございました!




最後に、最高のドヤ顔を・・・笑



【進み続ける限り】SHIROBAKO 第23話「続・ちゃぶだい返し」 感想

2015-03-21 | SHIROBAKO
きみのゆめがかなうのは―








そもそも人は何故その人にとっての「夢」や「希望」、「豊かさ」や「報われる」事に邁進する際に辛さや苦しみを感じるかと言うと
自分が大好きな歌の中にもありますが“きっと自分は大丈夫、絶対に上手く行く”という気持ちと“やっぱりダメだ~”と思う諦めの気持ちが同居しているから
つまりは「期待」と「達観」という二律背反の想いに常に苛まれているからこそどっちに振り切ればいいのか分からなくて苦しむんだと思います
期待さえなければ素直に諦められるし、
達観さえなければ元気に進み続ける事が出来る
でも、人の脳は(人にもよりますが)そんな便利には出来てはいない
その狭まに身を置き続けて来たからこそずかちゃんはあそこまで悩み苦しんだんだろうし
他の4人に比べて結果が出ない中で露骨に後ろめたさ、自身をアニメの声優と定義づけられる事にも抵抗を感じていたんだと思います
ずかちゃんは自信がないように見えてたかもしれませんが先週の深夜の愚痴が表現していたようにきっと「自分だって・・・」という気持ちだってあった(はず)
期待してなければ悲しみなんて生まれませんから
そんなずかちゃんをずっと傍で、それこそ高校の時から彼女の夢に触れて来たみゃーもりだからこそ
堪え切れずに、ずかちゃんに対する想いが溢れてしまって最後にむせび泣いてしまったのだと思います

正直な話、本作でここまでキャラが嗚咽を漏らすかのように泣いたのは初めてだったと思うので観ていて衝撃に近い感情がありましたが
ただそれもここまで、最終話間際まで、執拗に引っ張って来たからこそその演出にも納得というか、自分は
ずかちゃんの失敗も苦しみも葛藤も自虐も、嫉妬という醜い感情まで触れて来てますから
正(まさ)しく完全に、自然にみゃーもりに同調出来た感覚があって
それが素晴らしく感じられたのと
そんなみゃーもりの姿に“嘘くささ”が全く無かった事が今回一番に最高と言いたいポイントだったんじゃないか、と思います。




このラストシーンの間、自分はずっと涙目で観ていて、繰り返し録画分を観ている時でさえ涙目になっちゃってたのが事実ですが
それはご多分にずかちゃん自身は泣いてなくて、むしろようやく手にする事が出来た、
端役とは言えそれでも確かにずかちゃんの“頑張り”が掴んだ“結果”だから
それに安堵するような表情中心だったのが逆に「生っぽくて」良くて
更に泣くのは本人でなくずっと彼女のそばで応援して来た、見守って来たみゃーもりというところが更に生々しくて
まるで一つのドラマを観ているような感覚になってしまって余計に感情移入してしまい泣きそうになってしまったんだと思います
こんな演出は本当に「SHIROBAKO」ならではだな、とそれにもまた衝撃を受けたし感銘も受けてしまいました。

それは今までの、本心から仲間を想って、本心から仲間の成功を喜べるみゃーもりの人間性がきちんと描写されて来ていた事も大きいです
このみんなで支え合って、誰かが辛い時にはみんなで集まって励まし合って、共に歩んで来た間柄だからこそ説得力があるし
それもまた確かな“積み重ね”による賜物なんだと感じてますね。
初期から執拗に上山高校アニメーション同好会の会合の様子を定期的に挟んで来ていたからこそ生まれた感動でもある・・・と思います

要するに、集約が生んだ「泣きそうになってしまった」気持ちであり
一歩一歩、段階を飛ばさず丁寧に描いて来た誠実な作風の集大成とも呼べるような最高のラストシーンだったんじゃないかと
今は、ただ単純に「泣きそうになったよ」と書くだけじゃ説得力がないですから理屈で色々と書いてますけど
リアルタイムで観た時は、そして繰り返し観た時も本当は理屈でない類の純粋な感動がありました
今までのずかちゃんの苦労を知ってたからこそ素直にむせび泣くみゃーもりの姿を観てただただ純粋に心動かされて
他人を想って流す涙はこんなにも美しいんだ―
そんな風にまっさらな感動に滅多に味わう事が出来ない類のカタルシスを受けていました
声優さんの迫真の演技に、
前半がけれん味たっぷりな演出だったからこそ余計にこのラストシーンの「生っぽさ」が対照的に光ってた感覚もあり
本当に「SHIROBAKO」って素敵なアニメだな、(自分にとって)最高のアニメだな。という清々しい充足感を受け取れたのが偽りない気持ち・・・ですね

またみゃーもりがむせび泣く時のカットもすっげえ生々しくて大好きでした
「堪え切れずに泣いちゃった感」が上手い具合に表現されていて
その辺のこだわりもまた感じて欲しい話数であります
それくらいに掛け値なく素晴らしいって思えた
「これが愛だ」って心から思えた
“美しい瞬間を観れて本心から幸せ”だとはっきりと断言出来るくらいには本作でしか味わえないものを見せてもらったな、と感じています

間違いなく断言出来ます。アニメって素晴らしい。アニメって素敵だなって。
誰が何と言おうと、日本のアニメって凄いんだよって
こんな繊細な心情を表現出来るんだよって
今俺はそう大声で言いたい
はっきりと書きたい
全力で叫びたい
別に誰にどう思われようと何一つ構わない
だってそれが今の俺の嘘偽りない感情なんだから。それを形に残したかったのです。そして、これからも言い続けたいのです。
あの時のずかちゃんの表情と、みゃーもりの涙は、ずっとずっと俺の心に残り続けるんだよ・・・ってね。
ただ、それだけ。
それだけです。


「良かったね」なんて言葉は、セリフは一つもなかったけれど
セリフにせずともそんな気持ちを表現出来る技量に感服してしまいました。
その粋な演出にも個人的に大手を振って「大好きです。」と書きたいです。ありがとうございました。




一方で、りーちゃんはりーちゃんで自分の考えた脚本が「一行だけ使われた」そうです
この「一行だけ」ってところもポイント高いですよね(笑
客観的に考えれば「たった一行」であり
あくまで舞茸さんの手柄、
でも、それでも自分の考えたアイディアが三女のアニメに少しでも活きているだけでも嬉しい
普通のアニメならば(あ、こういう言い方はちょっと卑怯ですけども)もっと目に見える成功をさせると思うんですが
このアニメはそうじゃなくて、進み続ける事だったり一歩一歩段階を飛ばさず自分の道を行く事こそが次の成長に繋がっていく
だから、取り敢えずは目の前のちょっとした成果こそが実は重要だし何事も積み重ねだしコツコツとやる事こそ一番の近道・・・って事を説いてるようにも思えます
だからこそ後々の成功が素直に尊く思えるんじゃないかな・・・と思いつつ
りーちゃんも大好きなのでりーちゃんも報われて良かった。っていうか上山高校アニメーション同好会の面々は全員大好きですし
武蔵ニのスタッフも大抵大好きですけどね!

木下監督も頑張ったし、
正直野亀ってどんだけ偉そうな奴なんだ、顔見たいわって内心ずっと思ってたけど(笑
実は過去にアニメスタッフにいいように改変された過去があったからこそ、慎重になり過ぎていただけだったんですね
今思うとキャラデザに関しても過去の古傷が疼いてたんだろうなあ・・・って感じますけど
そんな過去があったからこそ今度は本当に原作標準の自分のアニメが観たかったんでしょうな
ただ、パイプ役があまりに杜撰過ぎただけで(笑
それもまた実際にあったりするんでしょうけどね・・・
でも、そうじゃなくてお互いの意志の確認だったり気持ちを擦り合わせる事が重要なんだって
今の原作付きアニメ全般に対するメッセージのようにも感じられたけれん味溢れる前半部分もまた良かったと思います

ところで、アニメきっかけで原作に新設定や新キャラが生まれる事はあります
本作のスタッフの一部が参加していた自分が大好きなアニメ「妹ちょ。」が正にそうです
両親の細かい設定を訊かれてそれを元に松沢まりさんが新しく考えて、
鳥井の妹である萌亜も元々アニメ化前の原作から出ていたキャラクターではありますが、
実は鳥井の妹を出したい。とスタッフに言われて松沢さん自ら考え出したキャラクターだったそう
つまり、アニメがきっかけで原作に良い影響を与えるっつーのは普通にある話だという事ですね
そういう意味じゃ演出こそけれん味溢れてましたがそういう着地点は結構リアルなお話だったかと思います。


別に、誰も彼もとんでもないハイパーな幸せを得た訳では決してない。
でも、こうやってちょっとずつ進んでる感覚を誰も彼も得ているのがとっても「SHIROBAKO」らしくて素敵な話数だったな、と
有り体に書けば単純に「傑作回」でしたね。本当に本当に素晴らしかったです。スタッフ陣に感謝。あとこの感想をここまで読んでくれた方にも感謝。
あと、「えくそだすっ」の感想も書いてるので良かったら是非!














ずかちゃんの演じた三女のセリフ、
「ありがとね、アリア 私を助けてくれて」
「今私、少しだけ夢に近づきました」
ってセリフがまんまずかちゃん自身の心境に思えて不意に泣きそうになったりもしました
それも先週があったからこそなんでしょうね・・・
本作はお仕事アニメであると同時に、上山高校アニメーション同好会の物語でもあったんでしょうね。
それを強く実感出来たのもまたここまでずっとこの作品に感情移入して来た身としてとっても嬉しかった。
紛う事なき最高のアニメです。その感覚だけは、今もこれからも絶対に譲りはしない。



この会話の果てに光が差し込んで来るのも王道でいい演出ですよね。



【僕が捨てたのは】SHIROBAKO 第22話「ノアは下着です。」 感想

2015-03-13 | SHIROBAKO
こういう「何とも言えない」感じのカット描くの上手いですよね。りーちゃんの発言にハッとするシーン。








個人的に、ですが「SHIROBAKO」には“手前の道は手前で切り拓け”というテーマがあるなあ・・・とずっと感じています
待つのも自由だし、足踏みするのも自由なら他人の助けをあてにするのもまた自由
だけど、一番肝心な部分は自分自身の手で切り拓かなければいけない
道は誰かに選んでもらうものじゃなく、手前の手で足で選ぶもの
それを“自立”って呼ぶのだと思います
紆余曲折ありつつも、「待つ」のではなく自分から「成長」に向かって歩き出した絵麻の“選択”が眩しかった傑作回でしたが
その前の絵麻の心情もまた理解出来ると言えば理解は出来るものだったかなあ、と。

りーちゃんが一番恐れているのはチャンスがなくなること、自分がアニメに関われなくなる事、そして脚本家になれない事
だからある意味りーちゃんもりーちゃんで心に不安を抱えながら頑張っているキャラクターだと思います
今でこそずかちゃんが遅れてる現状ですが、振り返れば最も出遅れてたのは彼女な訳ですから
その分コンプレックスも実は人一倍強く生き急いでいる部分もあるんじゃないかと
だからこそ応援したくなるわけなんですけどね。

一方で絵麻が恐れていたのはここで失敗して立場が危うくなる事、「信頼」を失くす事、会社に迷惑を掛ける事・・・と
ある種りーちゃんとは対照的っちゃあ対照的であります それ即ち“現状を貫きたい”という守りの姿勢でもあったと感じます
チャンスが来ない事を何よりも怖がるりーちゃんと、今の信頼を守る事に必死だった絵麻
でもふと考えるとそれってある種の“楽”でもあるんですよね
責任が段違いですから
絵麻は選んでいるようでその実何も選んではいなかったんだと思います
一言で「逃げの姿勢」と言いますか、どっちかって言えば傷付かない為の言い訳をする事に終始していたように思える。

ただ、何かを“選ぶ”って事はそれほど大変で、エネルギーが必要で、責任も伴いますから躊躇う気持ちも個人的には分かるつもりです
決して生半可な根性ではやり過ごせない事を彼女自身もヒシヒシ感じていたとは思います
だから、絵麻の気持ちだって理解出来ちゃうんですよね
理解は出来るけど、やっぱり“楽”とか“安定”を選ぶと一見メリットがあるようで実はそれはその場限りであって後々を含むとデメリットのが多いんですよね
いつまで経っても平々凡々だと扱いだったり周りの目も変わって来るし、進歩が足りないと判断され・・・ってなんだか泣けて来た

・・・いや、まあ、そんな事はいいんです!
でも、ここが分岐点で絵麻にとっては「選択すべきポイント」だったのは間違いないと思います
思い切って挑戦して、死に物狂いで頑張って気が付けば後ろに出来ていた道を振り返って笑顔になれるか
その場限りの“楽”や“安定”を「なんとなく」受け入れて何一つ進歩のない道を歩むのか、、、
いやあ、本当に考えさせられるというか沁みるアニメですね。本当に・・・。
絵麻は周りに感化されたようで、
でも最終的に“選んだ”のは誰でもない絵麻自身です。
このアニメのそういう部分が個人的に胸に来る、素晴らしいなあ。と思える感覚があって
それは数話前の井口さんよろしく“自力で”成長に邁進していく姿勢がいいんでしょうね
それで報われるんなら、それが一番良い。
「誰かに用意してもらう幸せ」なんて、そんなものは有り得ないですから。実に真っ当な作劇だと思います。



りーちゃんが今、ここまで頑張れてるのもきっと同好会メンバーの中で彼女が一番出遅れていた
自分の力で歩けない期間が長かったからこそ、どうしても追い付きたい、自分だって頑張りたいって気持ちがあるんじゃないか、と思います
そして夢が叶わない事に関して過剰なまでに恐れを抱いている節も伝わって来ます
ある種コンプレックスを力に変えている好例でもありますね
誰もがりーちゃんみたいに頑張れる訳じゃないけれど、
時に何かの誰かとの劣等感は逆にパワーになってくれる~ということ
それをパワーに変えられるかは本人の努力次第かつ意識次第なんでしょうけれどね。
正直りーちゃんはりーちゃんで背負い込んでるというか他のキャラとはまた違った意味で必死さを感じるキャラなので
個人的にいち早く夢を掴めるように応援してますし、その瞬間が来たらいちファンとして嬉しいだろうなあ、と。
それくらいバックボーンが何気にはっきりとしているキャラクターだと思います。





↑この無表情のカットがちょい長めに続くシーンは不謹慎ながらちょっと笑ってしまった(笑 ずかちゃん・・・。

だけど、そうやって「いつでも意欲的」だとか「常に頑張ってます。」みたいなテンションを維持し続けるのも正直大変な事です
前にも書きましたが自分では精一杯頑張ってる“つもり”でもそれが報われなかったり届かない事なんて茶飯事であります
そういう時に「めげずに頑張れ」なんて果たして声を掛ける事が出来るでしょうか?
自分は出来ません。
自分よりも恵まれてるくせに愚痴愚痴言ったりする人に「代わって」と
頑張っても何一つ変わらない現状に疲れてあんまり身体によろしくない飲食をする事だってあります
でも「何であいつと自分でこんなに差があるんだろう」って考える時間こそ一番無駄だったりはします。します、けど・・・。

それでも、こんな風につまんなそうに落ち込んだり報われない事に嘆いたり、
時には無意味な涙を流したり、多少自棄になることもきっと“必要”だと個人的には思いたいです
落ち込みたい時は勝手に落ち込めば良いし、落ち込んでるのに無理矢理「前向きなフリ」をする事こそ不健康な事だと思う
一見ずかちゃんが物悲しく八つ当たりしているシーンに感じるかもしれませんが、これもまたリアルな姿ですし
あの「なんでだよ・・・」って感情こそ普段自分が最も感じている気持ちだったりもするので。

正直、ここのシーンはめちゃくちゃ感情移入してしまったと同時に
本当に記号でなく人間を描いてるんだなあ、、、という気もして本当に好きです
また深夜、真夜中っていうのがリアル過ぎて堪りませんよね
俺も悔し涙とかを流すのは決まって深夜ですもん。
あの何もかもが白けて映る感覚、他人を異様に羨む不必要な嫉妬、そしてろくでもない現状に対する嘆き・・・は
きっと観てる人の心に「何か」を残したでしょうし、ここまで悔しがって苦しんだからこそ報われた瞬間のカタルシスに期待してあげたい

なんだか他人事に思えないというか、またちょっとずかちゃんを逆に好きになれたエピソードでした
ずかちゃんのキャラクター描写からは「頑張っても頑張っても何も通じない時もある」そんなモデルケースのようにも思えますね
誰もが誰も順調には行かない、誰もが誰もチャンスを活かせる訳じゃないから正しく群像劇たり得てるんでしょうね。
そう考えると他のキャラに比べて少々損な役回りな気がしなくもないけど、
その分ずかちゃんの“想い”はしっかりと伝わってると思います
悲しい時に、落ち込んでる時に想いを共有してくれるようなキャラはキャラで必要、という話ですね
勿論最終的にはそんな苦しい時代を乗り越えてずかちゃんが笑顔になれればいいなあ・・・と願っております。
「諦めないで良かった」って。




人間、「頑張れ頑張れ」では決して進めないように、
胸に去来して過ぎ去らない悲しみや憎しみ、恨みやジェラシーを消化させる時間だって必要ですし
今回のお話ではそれを“酒を飲んで愚痴を言う”という行為で表現されていましたね
一見ネガティブにも思えますが、逆にそれが前に進む原動力になる事だってあります
自分の素直な気持ちを吐き出して、誰かに感情を吐露する事で楽になる、気持ち助かる事だってある
だからここで大切なのは、酒はあくまでそのきっかけでしかなくて、本懐は「話をする」って事にあるんでしょうね
よしんばそういう相手がいなくとも今はネットでブログでもSNSでも掲示板でも想いを吐き出す事は出来る。
悲しみや後ろ向きは不健康と扱われていますが、実はそんな気持ちを溜め込む事こそ不健康なんじゃないかな、とこの話を観ていて思いました
きっと平岡さんも気持ち楽になったんじゃないかなあ、と思いつつ
さり気に真面目に聴いて感情移入もしてくれた高梨も良かったですね(酔っぱらってたのもあるだろうけど 笑)

それぞれの部署で、それぞれの悩みがあって、誰が正しいとか、誰が間違ってるとか
そんな子供のヒーローものみたいに生易しい答えが出るような世界じゃない。
強いて言えば誰も間違ってないし、
誰も絶対的に正しい訳じゃない。
その隙間で生きるのが大人― って事実をまざまざと見せつけられた気もしましたが
そういった描写含めてすっごく“大人アニメ”だなあ、というか、個人的に沁みるなあ・・・と
こういう白黒付かないグレーゾーンが光る作劇こそ何よりも人間くさくて、写実的で素敵だなあって思いますし
色々愚痴吐いて散々嘆いてても、それでもまだ「何か」を本当は諦め切れてない4者4様の人間模様がすごく面白かったです
アニメの登場人物だって事は当然分かってるんですが妙なリアリティがあって正直惹き込まれてしまいましたね
堂本・新川コンビのとかある意味女流脚本家にしか書けないだろ、って生々しさがありました(笑
その一方で平岡さんのとっくに捨てた、っていうセリフにも「ああっ」ってなったりね。

彼が一番多く捨てたのは夢でもプライドでもなく“期待”でしょうね
期待しなければ、最初から諦めてれば、何一つ傷付かずに済む
“楽”な状態のまま居られる
でもその“楽”も悲しい事にその場限りの“楽”だったりするんですよね
結局は平岡さんも選べてるようでその実宙ぶらりんというか、本当は何も選んでないんだと思います
それも(彼の)経験則から言えば気持ちは分かるし、「頑張れ」なんて軽々しくは言えないけれど
それでも「何も選んではいない」という事実だけは絶対に変わらない。
このまま選ばずに終わるのか、
それとも・・・
って感じで彼の顛末に関しても個人的に注目していますし、何らかの形で笑顔になれればいいなあ・・・と。
なんだか彼のグチグチ言いながらも時折本音を覗かせる会話劇に“隠れてた彼らしさ”を垣間見た気がしてそれも良かったです。
本当はすっごく傷付いてたり、未だに心に秘めている夢が残ってたり。期待は捨てても、夢は消えないんだと思いました。













物語も大詰めで引きのアレが最後の試練なんでしょうか
まだまだ壁は高いですけど、でも最終的には誰もが「何か」を掴めるエンディングになればいいですよね
さり気に絵麻の頑張ってた「過程」も見て来たみゃーもりが絵麻が評価された事に笑顔になるカットにジーンと来たり、
絵麻に頼ってた久乃木愛ちゃんが自分から吸収しようと自発的にメモしたりしてたのもまた良かった
元々濃密なアニメですけど、今週も今週でめちゃくちゃ濃密だったなあ、と個人的には。
あと2話、集大成を期待してます。感想も頑張ろう。

あ、それと前の前の記事で「えくそだすっ!」の感想も書いたのでそちらも是非!



みゃーもりは交渉に関しても上手くなっててその辺もまたポイント高いです!



【あるぴんかく語りき】「えくそだすっ!」のOVAを観た!という話~『SHIROBAKO』BDのススメ&感想

2015-03-10 | SHIROBAKO
                             
「SHIROBAKO」BD3巻を購入して、「えくそだすっ!」のアニメを観ました。





個人的に今一番好きなアニメが「SHIROBAKO」で、BDも毎巻楽しみに買ってるんですけど
この間3巻を買ったら付属のOVAで「えくそだすっ!」のアニメが付いてたのでそれの感想を書こうと思います

まずは、めちゃくちゃガチで作られてます(笑
そしてちょっと感動したり観ていて胸が熱くなる仕上がりにもなってると感じました。
正直これを「おまけ」で済ましてしまうのは“勿体ない”という気持ちの方が強いですし
逆に言えば値段にも加算されてるとは言えこれだけ素晴らし過ぎる特典も早々ないなって話なんです
ぶっちゃけて書くと「もう、1クールこれで作ってくれよ!!」と今すぐ懇願したいレベルですね(笑)。
だってさあ、CGの出来むっちゃ良いし作画はゴリゴリ動くし表情もコロコロ変えてくれるし美術も申し分ないし
主題歌もめっちゃノリ良くってハマれる曲だし何よりキャラクターとドラマにグッと来るからさあ(笑
複線とか、きちんと定められた最終目標とか作中作のレベル超えてると個人的には思う
もっとワクワクするアクションとかキャラの絡みを見せてくれ!って気分に自然になっちゃう・・・と思います。少なくとも俺は、ね。
これ普通に作ったら普通にめっちゃ良いモノになるんじゃないか、、、という感覚が胸の中にはあるんですけど
そう思わせられた時点でまんまと目論見通りって事なんでしょうね。
ああでも、トレイシーが武蔵野ドームで歌う場面がどうしても観たい・・・!
げんしけんのくじアンがそのまま1本のアニメシリーズになったようにこれもやって欲しいんですけど。
過程を描くのに執心するこのスタッフなら絶対に大感動出来るものが仕上がって来る、はず。

ただ、仮定の話をしていても何も始まらないので(笑
もうちょっと内容を語らせてもらうと、あるぴんの存在がめっちゃ利いてる脚本になっていると思います。




主人公であるあかね達の所属するアイドルグループ・トレイシーは所謂ジリ貧アイドルで
仕事もどさ回り程度で事務所に力を入れてもらってる訳でもなく、だからファンの人数も少ない
加えて同じマネージャーの他のアイドルのが人気があって半ば放任されてるような状況なんですね
そんな中でも真っ直ぐに、ポジティブ過ぎるほどポジティブにみんなを鼓舞し、励まそうとする良くも悪くも必死なあるぴんの姿が前半大きく描かれます
特に「有名じゃないけど、確かにファンがいるから~」と涙目で語った上記のカットのシーンは観ていて思わず目頭が熱くなりました
そうやって滑稽なくらいに必死で「何か」を信じようとするあるぴんの姿は胸を打ちますし、
みゃーもりがあるぴんの事を「好きですよ」って言ったのも分かる気がするなあ、と
本当は悲しくてやり切れないのに、それでも笑顔であろうとする“健気さ”が際立っているキャラクターなんですね
木下監督のお気に入りキャラっぽかったのもなるほどよく伝わってくるなあ、と(笑 俺も大好きだしね。



↑この恥ずかしながらトレイシーへの想いを語るカット、めっちゃ好き

で、そんなあるぴん含む前半のやりとりがあったからこそ
仕組まれた冤罪に辟易しつつある中で「いつかみんなで武蔵野ドームで歌いたい」と夢を語るシーンが活きてます
そういう状況の中で夢を語る、っていうシチュ自体にもグッと来ますが、
前半で“報われないながらも必死に支え合うシーン”が散々描かれていたからこそ
余計にあかねのセリフに説得力があるというか、嘘くさくない本当の気持ちが如実に伝わって来る手応えがあって
単なるサービスシーンの応酬かと思われた前半のやりとりがスパッと活きて来るこの一連の流れは不意に泣きそうになったほどです
そりゃ好きになるわな、
そりゃ守りたいと思うわなってちゃんと思える。
基本的に冤罪からの大逃亡劇~という設定自体は荒唐無稽でもある本作ですが
本家「SHIROBAKO」でも毎週魅せている“誠実なドラマ”に関しては今作でもきっちり表現されていて
やっぱりこのスタッフが作ったアニメだな!としみじみと感じる事が出来たのがとっても嬉しかったです
あ、勿論サービスシーンの数々はそりゃ普通に眼福で等身低めのキャラデザですがセクシー要素たっぷりでそれはそれで楽しめると思います
ただ、そういうシーンでさえも後々の感情移入のきっかけとしても描けてるセンスが実に最高だと個人的に思いました。

・・・まあ、だからこそ「過程」も含めていつか武蔵野ドームで高らかに歌う彼女達の姿を拝んでみたい気持ちが強くあるんですが(笑
それは堂々巡りになっちゃいますからここからは禁じるとして、要するに見て損のないクオリティのアニメになってますって話ですね。
前述の通り主題歌もめっちゃいいし、それを歌うCGのライブシーンも何度も繰り返し観たくなるくらいキュートでダンスも見応えある仕上がりになってるんですよ
あるぴんの「塩昆布買って来る!」とかあるぴんの年齢とか最後のみんなのすっぴんとかギャグやコメディ描写も笑えるし(笑
冤罪からの逃亡、というテーマの割にはそこまでジメジメもしてなく適度にギャグを挟んでるので観やすくもあります
最後まで健気で、トレイシー3人の、くさい言い方ですが友情だったり絆がしっかりと表現されているOVA
いち「SHIROBAKO」ファン・・・いや、「えくそだすっ!」ファンとしてありがとうございます、と。
本当に何度も繰り返し観たくなるクオリティでした。
ちなみにBD1巻には主題歌CD(OPED)が付いてるのでそっちもまた是非
この主題歌もね、歌詞が結構トガっててね(笑 ただポップなだけじゃない毒が詰まってる秀逸な楽曲に仕上がっております


あと、これを観た後にまた本編を観ても印象が変わる部分は絶対にあると思いますし
武蔵野アニメーションの彼彼女らの想いの数々にもまた輪を掛けて感情移入出来るかなあ、と
その意味でもファンなら一度は触れて欲しい作品ですね
またスタッフのクレジットが武蔵野アニメーションの面子だったりするバージョンも同時収録されていて(笑
本田さん頑張ったんだろうなあ、とか下柳さんスゲえな、とか色々な事を思いながら観れる“付加価値”もあると思う
そういう訳で個人的に多角度からめちゃくちゃ楽しむ事が出来た最高の“特典”でした!ね。





●「SHIROBAKO」BDのススメ&感想

あと余談なんですが「SHIROBAKO」のBDはおまけが盛りだくさんで毎回購入するのがめっちゃ楽しいです
前述のように「えくそだすっ!」の主題歌CDやOVA、本編のサントラなどを筆頭に
関口可奈味さん描き下ろしのデジパックのイラストも毎回「そうそう、ここ、ここ!」っていうシーンを描いてくれてるんでグッと来ますし
表紙と含めてパッケージ2つも描き下ろしっていうのもイイですよね
3話収録なのも嬉しいんですが、
何よりもブックレットの厚さ&中身の濃さが凄い!

毎回40ページのボリュームで声優さんやスタッフへの長文インタビュー掲載、
3巻ではキャラデザのぽんかん⑧さんへのインタビューやラフスケッチ(これがまた嬉しい)、
コミカライズ担当の描き下ろし4コマは普通にクオリティ高かったり(絵麻とねいちゃんが良い味出してる)
細かな用語解説も毎巻ビッシリ綴られてて本編を観るのに役立つ情報ばかりです。
勿論キャラ紹介や本編のカットの数々も掲載されていて申し分ない仕上がり
2巻にはアフレコのレポート漫画だったり、
通常のアニメのブックレットとは一線を画したボリュームと企画の多さが目を引く出来栄えになってます
パラパラとめくるようなものでなく、普通に読み物として使える、正直本編が好きだから買っただけなんですが
ここまでブックレットで楽しめる出し惜しみの無さは想定外だったし流石の一言ですね。これ、ツイッターで一度書いたと思うんですけど
いつかブログできちんと言及したい、と思ってたんですよね。
そんな訳で迷ってる方は是非どうぞ、という感じで(笑
お話だけでなくキャラクターに関しても今一番ハマってるので今後の展開等も楽しみです。
これからも個人的な応援を続けるつもりなのでよろしければ各話感想の方もチェックして頂ければ、と。











個人的にはいつかどこかで大きなイベントやらないかな?って思ってたり
今月で本編が終了しても是非続編も観たいなあ、って思ってます
それと版権イラストもいちいち素晴らしいので他のPA作品みたいにそれをひとまとめにした本も絶対出して欲しいな、と(笑
正直な話、いつか七福神を完成させるところまで絶対観たいのでコツコツ応援を続けて行きたいと思う。



【積み上げて来た想いを乗せて】SHIROBAKO 第21話「クオリティを人質にすんな」 感想

2015-03-06 | SHIROBAKO
みゃーもりは「他人を信じる才能」に溢れている人物だと思う。








「クオリティを人質にするんじゃねえ」とはよく言ったもので
正直ちょっと頷ける部分もあったりはします クオリティクオリティと口癖のように言うスタッフ、
そのお陰で何度も作業時間を延ばされタライ回しに会ってクタクタになっても手柄は全部彼彼女らのものになり
挙句の果てに自分の責任だと叱られる・・・そう考えると難儀なお仕事なのかもしれません
みゃーもりみたいな基本的にポジティブで諦めない人間ばかりではなく、
平岡さんみたいに「何か」に幻滅してああいった状態になってしまう人もいる・・・という事です
平岡さんには平岡さんなりの理由やペーソスが存在していて、決して最初から嫌味なだけの人間ではなかった、という
一面的ではない人間の描き方がやっぱり秀逸だなあ、と思えた話数でありました
勿論彼がりーちゃんに発したセリフなどは言語道断だとは思うけど
彼もまた「頑張っても報われなかった人」の一人でどこかが歪んでしまっている状態なのもまた事実・・・って事ですね
エリカさんが何度も「矢野スマイル」で問い詰めたああいう作家さんとかを一杯見て来たりしてたんでしょうか。
先週もそうだったんですが、彼の発言や劣等感からは並々ならぬ想いが溢れているように思います
真面目だった分、熱い性格だった分、不器用でもあった、、、という話でもあるのかも。
案外彼に足りないのは高梨のような楽観さ・・・なのかもしれないですね。



↑こんな表情、会社では絶対に見せないのに・・・

ただ、だからといって「このままでいい」かと言うと、それは絶対に良くないですよね
このままじゃ一人で勝手に絶望して一人で勝手に自棄的になってるだけ・・・だと個人的には思います
だからこそ、みゃーもりが平岡さんに提示した一つの「答え」が素晴らしかった。
ちゃんとコミュニケーションを取って欲しいです。
要するに意志のすり合わせをして、
お互いに話合って
納得出来るポイントを探して仕事をしよう、という至極真っ当かつ彼に一番足りてない部分をちゃんと伝えてくれた
何よりも、ここで平岡さんを降ろさず、彼の事をしっかりと「信じて」任せたという事実に個人的にグッと来てしまいました
こんなところで終わるよりも、しっかりと改善に前向きに進んで、もう一度燻っている気持ちを蘇らせて欲しい。
まだ本人は自覚してない気がしますが、みゃーもりは十分に「彼女らしい道」を歩けてると思います
周りをちゃんと気にしているし見ているし、平岡さんが名刺を渡された場面での“嫉妬”にも多分気付いてた
高校時代から他人の世話を焼いたり、そうやってみんなを引っ張っていく引力は何一つ変わっちゃいない。
杉江さんが今回エリカさんからイノシシの作画を依頼されたのだって
みゃーもりの援護があったからこそ、だと思うし
まだまだ無知で慌てんぼうだった初期とは違ってきちんと状況や経緯を考えた上で仕事出来てるなあ、という感覚を受けられたので
そんなみゃーもりの成長だったり、本当はもうとっくに備わっている彼女「ならでは」のストロングポイントが気持ち良かったりもした心地良い話数でもありました
みんなの笑顔が見たい。みんなで良い仕事が出来るように頑張りたい。そう生真面目に語る彼女の姿は眩しかった、と
同時にちゃんと今を生きている気がしました。まだまだ後輩へと伝える事も残ってると思うし、
ここからのみゃーもりの“飛躍”に関しても是非期待したいですね。
良い意味で考えさせられるトラブルパートはトラブルパートで複雑な感触が面白かったりしたんですが
それでも最終的にはキャラの成長や意志の強さにグッと来てしまう辺りが「SHIROBAKO」の素敵な部分ですね。
是非、平岡さんがもう一度消えかけた火種を燃やし始める場面もこれから観てみたいな。って思います。




また、さり気に美沙の一連のシーンが平岡さんのシーンとの対比になっているようにも感じられました
平岡さんは恐らく自分と他人を比べて劣等感に苛まれるタイプ、
だからこういう風に素直に同期の躍進を喜んだり協力したりが出来ない
でも、ずかちゃんは「ヒマだし」と多少自虐的な事をさらっと言いつつも素直に同期の躍進を喜んで快く協力してくれて
更なる飛躍を願う事も出来る・・・そんな頼りになる先輩に恵まれた美沙はとっても幸せだと思うし
その幸せに溺れる事無く一人の時でも地道に努力し続けられる美沙もまた偉い
かつての経験も活かして、懸命に頑張ったからこそ掴んだ今回の仕事。
上手く行かなくても、
塞ぎ込んで悩んでしまっても、
結局は「動き続ける」「信じ続ける」事が大切になってくるのかもしれません
そうやって互いに手を取り合って、助け合ったからこそずかちゃんも絵麻もきっと新たな経験や刺激を得る事が出来た
それもまた仕事や生活を続けて行く為にはきっと必要不可欠な事なんじゃないかなあ・・・ってふと感じました
何よりも、今回の美沙とずかちゃん、絵麻みたいな関係の方が全然素敵で健全じゃないですか。
そういう意味でも平岡さんもまた同期と少しは笑える日がくればいいな、とは感じてます。

にしても、あんなに強烈にくたびれた絵麻を見たのも初めてのような・・・(笑
美沙も美沙で色々苦労して来た分益々報われて欲しい、ですね。
あの年で仕事辞めるって結構なパワーが必要ですから。







さて、今回はここまで綴って来た平岡さん、美沙、そしてみゃーもりの成長等とは別に
またいつかのようにスタッフみんなで自分達が作って来たアニメの初回放送を見届けるシーンがありました
今、このタイミングであのシーンを再現するかのような演出を入れて来たのにも驚きましたけど
もっと驚いたのは、当たり前っちゃあ当たり前なんですが
そのいつかとは全然印象が違うんですね。

その時は単なるキャラ紹介だったり雰囲気を掴む為の演出だったり、それと舞台の裏側を示す為のシーンだと感じてましたが
今回のこのシーンに関してはもうほとんどのキャラが自分の中で馴染んでて、キャラの顔が映る度に「こういう事あったなあ」とか想起したり
つまりは2クール目後半まで通してあれだけの人数のキャラ達をきっちり視聴者に印象付ける事に成功している
群像劇としてレベルが高い、って事を証明するかのようなシーンに仕上がってたのが見事なんですよね
その分、みんなが作って来た作品に対する思い入れも生まれますし、
色々トラブルもあったけれど、
なんだかんだ武蔵野アニメーションっていいな、バラッバラな人物が集まって一つのものを完成させるって素敵な事だな、と
まざまざと感じ取れるような屈指の名パートになっていたなあ・・・と個人的には感じる事が出来ました
何より、キャラが馴染んでる分その会話や雰囲気がめっちゃ楽しくて(笑
それを笑顔で見守るみゃーもりの表情にもまたグッと来ました
いつかとはまた違う、
紹介ではなく血の通った人達が一生懸命作ったんだなあ、、、というその感覚が素晴らしかった。
このパートを観て「すっかり馴染んで来たなあ」と思えて微笑ましくキャラのやり取りを観れるこの感触と感動こそ
今まで、これまで「SHIROBAKO」が積み重ねて来たものの大きな一つだったのかもしれません。
正直また大好きになってしまった話数でも自分の中ではありましたね。
家族みたい、とは思わないけど
一種の共同体なんだなあ・・・とは深く感じました。

上記のカットも「これまでのエピソード」を活かしてキャラに似合ったリアクションになっててお気に入りです
このカットを観てるだけでも心情が伝わって来るのが実に素晴らしいなあ、と思います
(ちなみに今回のコンテは私の大好きな「妹ちょ。」監督でお馴染み畑博之さんだったりします)

まだ、みゃーもりは自分では答えを出せてないし、まだ、弱さを見せるようなシーンもあったりはするけれど
頑張った分だけ、苦労した分だけ報われた部分も必ずあるよね・・・!って
そんな風に思えたのもまたよろしかった21話でした。
まだ悩みは尽きないと思うけど、
“みゃーもりらしく”これからも頑張って欲しいですね。ちょっと観てて気持ちホクホクする回でもありました。















ところで高梨は案外ムードメイカーとして役立ってる気もしました
みんなが不安やドキドキの中あそこまで楽観的な事を言い続けられる根性は凄いですね
それと絵麻が久乃木愛ちゃんの「き・・・」だけで「緊張するよね」って一発で理解していた辺り訓練されてるな、と(笑
あの二人は二人で良い関係性というか、観ててほのぼのにやにや出来る師弟関係だと思います。
今月で終わりなのがかなり寂しいんですが、最後まで応援は続けますよ。
胸を張って「大好きです。」と言えるアニメですね。



あとこの何気ないみゃーもりのカット、可愛い(笑




【それでも、やるって決めた。】SHIROBAKO 第20話「がんばりマスタング!」 感想

2015-02-27 | SHIROBAKO
こんなりーちゃんの表情初めて見たよ。ハッとする表情芝居ですよね。







残念な話ですが、「頑張る」事と「届く」事は実はかならずしも直結するとは限らなかったりします
どんだけ頑張っても、自分なりに必死に努力していても、認められなかったり逆に適当な悪口を言われたり
上記の表情みたいに不意に信じられない気持ちになったり今までの自分を否定された気がして空しい気分になるのは悲しい事に茶飯事でもあったりします

いち視聴者から見ても、りーちゃん(今井みどり)は、みゃーもりのツテがあって手伝う事になったのは事実ですけど
それもりーちゃんが先輩であるみゃーもりを助ける為に頑張って彼女に協力してた事がきっかけだったんですよね
協力していたのも「先輩を助ける為」というのもあったでしょうけど、
何でもいいからアニメ業界に関わっていたい・・・という切実な気持ちが生んだ結果でもあって
りーちゃんが今までどれだけ勉強して来て“自力で”ここまで辿り着いたのかって事は今まで観ている方なら分かっていると思う
どんな事でもいいから自分なりにアニメと関わる事を望んでやっと手繰り寄せる事が出来たチャンスにもしっかりと向き合っているんです。

課題にも真剣に取り組んでるし、誰かに教えてもらうのを待つのではなく、自分から積極的にノウハウを聴きに行って
少しでも吸収して成長しようと日々頑張っているしそこに“女であることを利用して楽に良い仕事をもらおう”なんて邪まな考えは一切存在しない
むしろ少しでも早く認めてもらう為に懸命に“自力で”這い上がる事に邁進している状況な訳です
そんな時にああいう適当な発言されたらそりゃ驚くし空しい気持ちにもなりますよね

「頑張ってるのに」なんて思ったとしても、
そりゃ単なる自己評価であって周りからどう見えるかは別の話
ゴマすってんじゃないかとか思われたり構われてる姿に安易な嫉妬をされたり
出る杭は打たれる・・・じゃないですけど、頑張れば頑張るほど嫌われたり憎まれたりする事だってあるのが現実なんですよね
そこに本人がどれだけ苦労したのか、どれだけ本気で取り組んで来たかなんて事情はまったく加味されないものです。





ただ・・・世の中色々な人がいますから、そういった罵詈雑言を受ける覚悟も必要なんですよね
そりゃなきゃない方が心の平静を保てるし真っ直ぐに進めるしないに越した事はないですけどね(笑
そこで重要になって来るのは間違いなく“意志の力”だと思うんです
誰に何を言われようが、
どんなやっかみを受けようが、
自分の信じる道を“自力で”歩けるかどうか、
それはすべて意志の力に懸っていると個人的に感じます
打ち返されてスタンドにキツい一発を運ばれても、捕手が採れなくて暴投になってしまっても
いつかはズバン!とド真ん中に決まる時を信じて己が信ずるボールを投げ続けられる意志と精神力は絶対に必要になって来ます

今回、個人的にグッと来てしまったのは、りーちゃんが空しさを感じつつも、色々と戸惑いつつも
舞茸さんから話を振られた時に「やります。」と迷わずに即決して
このチャンスを逃すまい、と
課題も含めてしっかりと経験や学びを“選んだ”事実でした
誰に何て言われようが、軽口で蔑まれようが、「物語が観たい。作りたい」という自分の信じる道を一切曲げずに
不意に道端に落っこちて来た岩っころを“意志の力”でどかしてちょっと傷付きつつも何クソ根性で頑張る姿に勇気をもらえたなあ、と
ナメてなんかいない、私は私で真剣に認められる為に頑張るだけ。そういう風な意志と根性を最後に垣間見せてくれた作劇に目頭が熱くなったし、
もう一つ、こういう打ちひしがれる出来事があったからこそ後々に報われた時に受けるカタルシスも強くなる・・・という
先々の“報われフラグ”もちゃんと打てた気がしてその意味じゃワクワクするような回でもありましたね(笑
繋がる為に努力して、彼女なりに日々頑張って、心ない一言に胸を痛めても、それでも“何か”を“自力で”掴み取る場面を観れたらもう最高じゃないですか。
そして、この作風ならばそれを期待しても大丈夫、だと思います。
今は変なやっかみやリテイク連発で辛い時もあるだろうけど、上記のカットで見せた強い意志の籠った瞳で是非乗り越えて、
とびっきりの笑顔のりーちゃんが観たいですね。正直ちょっとでも成長しようと頑張る健気なりーちゃんが物凄く可愛くていとおしくも感じれた回でもありました

それと、冒頭から悲しい現実を記述して来ましたが、
それもまた単に一つの“角度”に過ぎないんですよね
当たり前だけどそれがすべてじゃないし、そういう人もいればちゃんと見てくれる人だって必ずいる。
あまりにもその角度に執着し過ぎると、本来見るべき角度すら見えなくなるかもしれないので
あくまでただの角度の一つなんだと割り切る事も重要なのかもしれません。
みゃーもりや舞茸さんは、ちゃんとりーちゃんが努力してここまで来ている事を分かってくれてると思うから。
それこそ山田さんの言う「自分くらいは自分を信じてやらないと」ですね。
珍しく彼女の人間らしい表情芝居が観れたっていう気持ちもあるのも本音ではあるんですが(笑
本当に報われて欲しいキャラの一人、です。大好きです。





逆に今回醜態を晒してしまった平岡さんに関して言えば、
正直喧嘩のシーンは彼の抱えているそこはかとない劣等感が滲み出ていて良い悪いは別として面白かったです(笑
いや、喧嘩のシーンを「面白い」とか書くのはアレかもしれませんけど、まず円さんがあれほど怒るのも珍しくて新鮮でしたし
その後の監督の怯えっぷりもちょっと滑稽でクスクス笑えましたし(笑
「同い年だろーが」って、
それ持ち出したら少し年いってたらキャリアの深い若者にデカい顔するっていう最低の矛盾が出来上がるんで仕事に年を持ち込むのはやめようよ。

平岡さんは逆にどれだけ頑張っても報われなかった道に辿り着いてしまったのかもしれないし
実力以外の部分で過去に酷いトラウマを背負わされたのかもしれません
だから「頑張っても無駄」って思ってしまってるのかもしれないし
嬉しそうに夢見る連中に辟易しているのかもしれない

ただ、それに他人を巻き込むのは感心しないですよね
自分がいくら辛い目に遭ったからって他人(ひと)の喜びや意志まで奪う権限は全くない
だけど、同時に感じたのはここまで目立たせて色々な複線を張った分、間違いなく彼の事は掘り下げてくれるだろうし
彼もまたやさぐれた分だけ後々に新しい“何か”を掴む可能性はきっと高いんじゃなかろうか、って事です


高梨というナチュラルボーンいい加減男と組ませたのも狙いがあってのことなんでしょう
このみゃーもりの風呂上がりのカットはもうみゃーもり大好き人間からすると眼福も眼福なんですが(笑
これもまたフラグなんじゃないかな、とか思いつつ
この二人がどういう行く末を辿っていくのか・・・もまた楽しみですね
案外高梨のいい加減さに辟易して逆に真面目になるかもね(笑
いつか、平岡さんも一緒に笑える日がくればいいな。多分本当は苦労人だろうから。





↑このジト目は流石みゃーもりの後輩なだけの事はある(笑
っていう訳でりーちゃんと平岡さんに随分字数を割いてしまいましたが、
舞茸さんの男らしさやエリカさんの可愛くも怖いスマイルの数々(笑
それぞれのアニメーターさんがアニメを作る様々な理由、、、など群像劇としても面白かったと思います
正直どれも「ああ、うん」って頷けたんですけど、そうやって色々な理由があるのも聴いてて面白いですし
逆に言えばそれぞれ理由が違うからこそ十人十色で面白く感じられるんですよね
だから今のとにかくスタイルを統一しよう~、同じ意見で固めよう~みたいな世間の流れには辟易してたりするんですが(余談
実はこの回でみゃーもりがアニメを作る理由、そして喜びもなんとなく分かったような気がしてます

それは「三女」のアリアと一緒で
「やりたいことはない。だけど、援護する事は出来る。」という脚本
高校時代から仲間をサポートして来て社会人になってからも制作進行、そしてデスクとして色々なサポートをして来たみゃーもりと重なりました
勿論ただの個人的な印象ですけど、テーマ的にもいよいよ1クールの割と初期から匂わされてたみゃーもりの核心に迫って行きそうで
ここからの「SHIROBAKO」には益々ワクワクしちゃっている自分がいます
物語も3月に入ってからは大詰めでしょうけど、大好きなアニメなので最後まで応援して行きたいですね。
みゃーもりがまるで自分の事のようにりーちゃんの進展を喜ぶシーンも高校時代の延長線上のようで、
またみゃーもりの後輩を想う気持ちも伝わって来てすこぶる良かったですね。
心から大好きだと思えるアニメです。自分にとって。















あと絵麻と久乃木愛ちゃんの関係性もすっごく良かったです
あの絵麻が教える立場どころか、慕われる立場か~と思うと感慨深いものがあります
それをきっと愛ちゃんもこれから出来るであろう後輩に伝えて行くんでしょうね。みゃーもりみたいに。



ところで、この表情、可愛すぎ(笑



【夢を見ている。】SHIROBAKO 第19話「釣れますか?」 感想

2015-02-22 | SHIROBAKO
圧倒的美少女感。いや、まあ年齢的には大人ですけどね(笑







世の中には「無欲の勝利」という言葉がありますが、
不思議な事にガッツいたりないものねだりしてる内は全然何も得られなくて
逆に無心で何かを頑張っていると突然良い結果が生まれたりするものです
それは偶然でも奇跡でもなんでもなく、
ぶっちゃけ愚痴ったり誰かの所為にしたり欲しがってる時というのは邪念にまみれていて“集中力”が足りてないって事だと思うんですよね
その点無心で無欲で何かを頑張ってる時の集中力は半端ないですから、だからこそ周りに不意に称賛されたりする訳で
結局は戸惑っている状態を続けたり無駄に悩んだり余計に欲しがったりするよりもまずは自分なりに精いっぱい“動く”事が重要なんじゃないかな、と
今回の話を観て強く感じた・・・と同時に
相変わらず高純度のメッセージ性を含んでいるアニメに仕上がっているなあ、って個人的に感動しました

確かに愚痴ったり立ち止まる事も重要は重要ですし、前向きなだけじゃ進めない事はみゃーもりの姿を見ていても一目瞭然ですが
ただ、愚痴ったり立ち止まる事、それ自体が“目的”と化してしまったら人の成長は止まってしまうんじゃないか・・・とも思うんです
今週前半のみゃーもりが正にそんな状態でした
挙句の果てには、「もっとじっくり作る時間が欲しい」とないものねだりする始末でしたけど
苦しい時や憂鬱な時に出る弱音としてはある種真っ当だな、とは思いつつ(笑
でもそこに無心や集中力、といった要素はまるで感じられませんよね
逆に有り体な懐古主義に陥って純度が薄まってしまっていました。

最初から理想的な環境を、
最初から用意された栄光を期待していてもきっと現実とのギャップに心が沈んでいくだけです
そんな風に逐一幻滅したり逐一期待しちゃうよりもまずは目の前に全力で、無心で挑んでいく方がきっと効率は良い
そういう人生を懸命に歩んだ結果評価されたり誰かに支持してもらえるのならば、きっとそっちの方がより正しい道・・・な、はず。
このお話に触れて自分が一番強く感じ取ったのはそういうメッセージだったんですよね。
そしてそれは個人的にも頷けたし、「そうだよな。」って想いも浮かんで来たのでより深く楽しめた気はします
みゃーもりだって、まだまだこれから。
平岡さんみたいにシビアな考えを貫く人物になるのか
それともエリカさんみたいにただ必死に今を生きる人物になるのか、
その分岐点となるような話数だったんじゃないかな・・・と自分的には思いました
そしてそれは視聴者自身にも突き付けられてるんじゃないか、とも。平岡さんは平岡さんで間違ってはいないですけどね。


努力すれば報われる、とは思わない
夢見てれば叶う、とは絶対に思わない。
だけど、確実に思うのは、
きっと報われる人っていうのは努力をし続けた人だろうし
何かを叶えた人っていうのは夢見続けた人だろう、という事です。

それは作中でも示唆的に思いっ切り表現されていたと思います
大人になって、
現実を知って、
夢から醒める人もいる
愚痴や悩みが目的になっちゃう人もいる
そういう中で、どれだけ無欲で無心で頑張れるか
最終的に「やってて良かった。」としみじみ思えるくらいまで自分を奮わせる事が出来るのか―
間違いなくお仕事アニメとして描くべき内容だと思いますし、
先週の内容に於ける確かなアンサーとして機能していたと個人的に感じました
やるべき事の順序を間違えるな、といいますか
観ていて考えさせられる上に襟を正され、あまつさえ“勇気”すらもらえるような傑作回に仕上がっていたと思います
なんだか観ていてやたら感動してしまいましたが(笑 みゃーもりが「頑張れよ」って先人達に告げられているようでそれが余計に気持ちグッと来たんじゃないかと

みゃーもりは色々悩んで、苦しんで、それが“目的”になりかけてしまったけれど
自分が頑張って自分が動いた分だけあの素晴らしい背景に辿り着いたという“結果”は
彼女が慌てていたり欲しがっていた時ではなくふとした時に不意に訪れたんですよね
だから、みゃーもりのやっている事は決して無駄なんかじゃない
確かに実になってるし即座に結果なんて求めなくて良い
ただがむしゃらに、
ただ目の前に夢中に。
そこで後々得たものこそ、みゃーもりが頑張った証拠なのだから・・・なんて、ね。素晴らしかったです。





一方で、絵麻は逆に正しくコンセントレーションを高められている状態なのかもしれませんね
前みたいに机に張り付いて不器用に頑張っているだけじゃなく
実際に梅干し食わせて観察しながら書いたり、
自分が食ってる所を写真に写して書いたり、
視野も拡がってますし周りを過度に気にせず自分の役割に集中出来ているタフさが生まれ始めているように感じました
そうやって夢中で自分の仕事に取り組んだ結果、井口さんから太鼓判を押されて喜んでいる絵麻のカットには誠実さを感じましたね
自分の本当の実力を発揮出来るのはいつだってそういう時なのかもしれません。
ちゃんと努力している人が、
ちゃんと報われる。
そういう堅実な作風が観たいのならば、自分は迷いなくこの「SHIROBAKO」を推すと思います
このアニメの魅力って実に様々な角度で存在していると思うけれど、
自分が一番感じて欲しい部分はそこだったりします。
あの頼りなくも思えた絵麻が、
今はちゃんと、真っ当に自分の作業に向き合って、高評価を得られる段階まで来ているという事実。
みゃーもりも、絵麻も、美沙もりーちゃんも、各々ちゃんと失敗をして、ちゃんと一歩一歩成長していってる実感が堪りません。
まだまだ成長の余地も機会も残されてると思うのでそれらに期待すると同時に未だ出遅れているずかちゃんの面目躍如にも期待したいですね。
先週も書きましたが、やっぱりどうも今クールではこのアニメが自分には最も似合っているみたいです。今週もまた得るものがあって凄く良かったですね。





あと、個人的にここのシーンがお気に入りで
安藤つばきが「高梨さんって一切建設的な発言しませんよね!」って食ってかかるシーンです
何故好きかと言うと、正直こういう奴現実でもゴロゴロいるから、って理由ですね(笑
それ以外にも言う事あるだろうに、ネガティブな意見やシビアな発言ばっかりで
周りのテンションを落とす事ばっかしてるような奴ね。
別に「前向きになれ」なんて思いませんけど、
それは単なる矯正ですけど、
でもそれと「この人といて楽しい」っていうのは全く別モノですよね・・・。
正直俺自身「たまには建設的な事を言え」って思う瞬間が日常でいっぱいあるのでここのつばきさんには完全に同意してしまいました
っていうか先輩に食ってかかる度胸の良さ、つばきさんは案外将来大物になるかもしれませんね。たぶん。

あとこのアニメ声優の演技も何気にイイんですよ
丸川社長の後輩を見守ってる感満載のボイスとか
矢野エリカさんはみゃーもり達より年上なんで確かに声に色気が感じられたり
結構細かく作ってるなあ、っていうのが演技からも伝わって来ます
久乃木愛ちゃんの声も性格と相俟ってホントに良い味だしてますし、
キャスティング、演技の面から観ても優れたアニメであると感じてます
みゃーもりの声も回を重ねる度可愛くなってるからなあ。ただでさえルックスがキュートなのにね(笑
けれん味溢れる演出も楽しいですがそういう部分はきっとリアリティにこだわってるんだろうなあ、って思ってます。
矢野エリカさんはいかにもツンデレっぽい金髪ツインテ幼めルックスなのに大人の色香、経験則などが感じられるっていう
そういう意外性もまた相変わらず素敵だなあ・・・って感じましたね。思考停止じゃない事を本作自身が示してます。

あと子供向けの時間帯、作風だからって子供に寄せ過ぎるとかえって受けないのはその通りかと。















しかし本作も残り5話なんですね・・・。
正直ずっとこのままキャラの成長を観ていたい気分なんですけどね(笑
本当に七福神出来る所も観たいですし。気が早いですが何らかの形で続編出来たらいいなあ、と。
そして来週はBD3巻も出るのでそちらもまた楽しみです!




はあ・・・可愛すぎ(溜息)
このままアイドルになってもおかしくねえな、と毎週思ってます 笑



【妥協か、完璧か】SHIROBAKO 第18話「俺をはめやがったな」 感想

2015-02-14 | SHIROBAKO








木下監督はきっと完璧主義者に近い部分がある・・・んじゃないかと思います
あの5本も抱えてた演出家さんは「適当」なのではなく、例え部分部分でクオリティを落としたとしても
兎角仕上げる事、ちゃんと発表する事、数をこなす事に意義を見出すタイプで、多少デフォルメされつつも
それもまた結局は「主義・思想の違い」というテーマに落ち着くんではないか、と思います

仕事場でも誰もが誰も同じ目線で同じ価値観を共有している訳じゃない、
ぶっちゃけ誰もが誰も足並みを揃えてる仕事場なんてないと思われます(笑
ストイックにやりたい人もいれば、
そこそこで良い、って思っている人だっている
それはどっちがより正しいか、より悪いかなんて事柄ではなく
もっと複雑でもっとデリケートでもある・・・そんな問題だと思います
他人を変える事なんてどう考えても難しいし、ある種本人の心持や育って来た環境に因る部分もありますから

ただ、他人を変える事は出来ないけれど、
自分が変わる事は出来る、と思う
そこに気付けるか、
気付いたとしてどういうアプローチが待っているのか
はたまた全く違うタイプの答えを出すのか・・・いよいよ「仕事」に於ける本質に迫るディープなフェーズに突入して来たのをヒシヒシと感じます
仕事に於ける姿勢やモチベーションの違い、それに対する和解やアンサーなどなどまた更に楽しめそうな内容が待ってそうでワクワクします
今週は割と「仕事の都合の悪い部分」をフィーチャーしてましたが、それもまた理想だけを描かずリアリティを追求している証拠であります
百戦錬磨を乗り越えて来たであろうスタッフ陣が「これから」をどう描いていくのか、
そして只今、ど真ん中で“試練”を抱えつつあるみゃーもりの行方は一体・・・!?というところですね


みゃーもりは2クール目に入ってからいちいち動じなくなったり、
ちゃんと「教訓」を実践していたりと着実に“成長”を遂げて来ましたが、
まだ「デスクとして」の本当の成長は「ここから」って気も個人的にはしています
エリカさんの意志を受け継ぎ、あくまで冷静に、あくまでどっしりと構えてやってるようにも映ってましたが、
そこはまだ経験不足な面もあり今週は遂に久々にテンパって本田さんよろしく「デスクの苦悩」を味わってしまいました
自分のミスとか自分の不手際が自分に襲い掛かるのではなく、相手の不手際や部下の経験不足が自らを蝕んで行くというある種理不尽な事態、、、ですよね
今週みゃーもりが久々に大きく苦悩していたように、本田さんもまた1クール目は相当辛かったんだろうな・・・って今週分でしみじみと感じました
そこへ最強の上司の一人である矢野エリカさんが登場・・・!したのは正直すっごく安堵しちゃいましたが(笑
ちょっと久々にみゃーもりがナーバス状態にも突入しそうで少し戦々恐々としているのもまた事実

でも、本作に於けるトラブルや不都合はすべて「後々のカタルシスに繋がるフラグ」でもありますから
結果的にはみゃーもりが頑張った分だけ、努力した分だけきっと“何か”に繋がってくれると信じています
重要、というかよくある落とし穴としては“今すぐ結果を急いでしまう”って事で
本当に大事なのはイージーに目の前に転がるラッキーよりも
積み重ねによる得難いカタルシスなんですよね
それを是非彼女には得て欲しいですし、
この作風なら、誠実な作劇を繰り広げて来た本作ならば、きっと描いてくれるであろう、と
まだまだ問題は山積みで酸いも甘いもまだまだこんなものじゃ済まないだろう、とは感じてますが
どういう結果になったとしてもみゃーもりが頑張ったからこうなった、みゃーもりの努力のお陰でそれが生まれた
そう彼女自身が思えるような、ちゃんと自分の頑張りを“自分の所為”だと噛み締められるような
そういう顛末になればいいな、って個人的には思っています
色々と考えさせられるような話数にもなっていましたが、
人それぞれ価値観や思想、目指すものが違うっていう曲げられない事実は確かにそこに存在し続けていて
肝心なのはそれを認めた上でどうするか・・・って事じゃないかな、って思ったりもしました
でも大御所の美術さんは思ってた以上に実は生真面目な仕事人でしたね(笑
それが彼女の救いになってくれれば、と願ってます。


一方で音響監督の稲浪さんのイケメンっぷりが光ってた話数でもありました
自分は「有言実行」する人が大好きです
それは俺自身意志が弱いんで憧れる、っつーのもありますけど(笑
でも正直自分が言った事、やると決めた事を貫き通している大人はめっちゃ格好良いと思います
彼自身「我々が育てればいい」と公言したように、ちゃんとリラックスやテクニックを自然に教え込み、
例え仕事が長引いても根気強く教えて行く姿勢、そして鈴木京香さんの頑張りに胸が熱くなったのもまた個人的にありましたね
それはきっともっと楽な道があっただろうけど、敢えてそれを選ばず、未来を見据えた誠実な大人の仕事だったりもするんですよね
こうやってしっかり育ててもらったからこそ、また次のステージに繋がったり、後々に制作側としても還元されたりもする
これまでこういう部分はあまり描かれて来てなかっただけに思わず感心してしまったエピソードでありました
そして、また後々に繋がるカタルシスが増えたなあ、と(笑
三女、個人的にも成功して欲しいですね。
この作品に関わっている皆さんと皆さんの今後の為にも、ね。この作品はちゃんと“過程”も描いてますからね。













頑張れば報われる、なんてただの幻想に過ぎませんけど
でも頑張らなきゃ頑張らないで返って来るものなんて何一つない、
棚ボタやラッキーパンチを期待してる時間だけ無駄が降り積もっていくのもまた拭いのようのない現実・・・であります
だから、みゃーもり、頑張って欲しい。すぐには報われずとも、後々返って来るものがある、はず、です。
それを期待しつつ来週以降はまた更に色々と注目しながら観て行きたい、ですね。
個人的に今放送されてる中で今一番好きなアニメです。




【伝わって、それをまた伝えて】SHIROBAKO 第17話「私どこにいるんでしょうか・・・」 感想

2015-02-06 | SHIROBAKO
この二人のやりとりが面白過ぎる(笑 久乃木愛ちゃん予想以上にめちゃカワですな~。







冒頭では久々に高梨にプリプリしてるみゃーもりを拝めて早速眼福でした
最近のみゃーもりは明るくて時にちょっと意地悪な目配せをするそれはそれでめっちゃ可愛いキャラクターとして描かれてますが
初期でよく見られた困ったような表情や口調なんかも個人的には好きだったりするので(笑
何気にあ・うんの呼吸で会話が出来てる辺り良いコンビっちゃあ良いコンビ・・・なのかな。

そのシーンで見受けられたのは観る前からグダグダ言う連中の野暮ったさ、、、ですかね
そもそもそんな穿った観方、観る前から固定観念がベッタリ付いてちゃ正直「純粋に観てる」とは言えないでしょう
もっと言えば「その人が何を作って来たか」、と
「その人が(これから)何を作るのか」は全く別のものですから
それでいて周りの評価が良かったら右に倣えでよくある手の平返し、
始まる前から観てもいないのにグダグダ言ってた癖にまあ都合の良い生き物ですよね
勿論イメージや経歴なんかは視聴意欲に作用する事もありますけど、まずちゃんと触れてから物を言うべきだと思います
「周りがこう言ってるから」「みんながそういう風に言ってるから」じゃ、完全に思考停止でしかないですね。

もう一つ、キャラデザ通過に関して井口さんが小笠原さんに感謝の意を述べた場面
それはそれで井口さんの誠実さが表れていて素敵だったんですけど、その後そんな井口さんに彼女は、
「井口さんがめげず腐らず頑張ったからです」
こんな言葉を掛けていました
これは本当にその通りで、
確かに協力もしたし助言もしたけれど、実際にOKが出るまで色々悩み苦しみながらやり抜いたのは井口さん自身です
だから、もっと自分を誇っていいし、それは有り体な謙遜なんかするよりもよっぽど健全で正しい行為だと自分は思っています
自分の頑張りを自分で認めてあげて、それを糧にお守りに「これから」を歩んでいく方が井口さんにも似合っている。気がする。
本当に自分が頑張ったという確信めいたものがあって、かつそれを実感出来るなら、それは決して「誰かの所為」になんてしなくていい。
井口さんの、彼女のひたむきな頑張りがあったからこそ周りも協力してくれたのだから。
そんな風に誠実かつ努めて明るく振舞ってるいじらしさも携えている井口さんが本当に好きです
このキャラも初期と比べて随分感情移入出来るようになったなあ・・・と個人的に感心。





そういった何気ないシーンからも考えるところ、思うところが生じるのが「SHIROBAKO」の面白い部分なんですが
今週は主人公であるみゃーもりとメインの内の一人である絵麻の“成長”を如実に感じた話数でもありました
みゃーもりは矢野エリカさんの教えを忠実に受け継いでいて、
どんな時でも必要以上に慌てない、
まず落ち着いて地に足を付けて対処する事を覚えています
これだけでも感慨深いのに出来たばかりの後輩に厳しく当たらず
あくまで優しい口調で冷静に物事を伝えている「いい先輩」っぷりが堪らないですね
こんな人の元で働けたら、きっと誰もがやる気になるはず・・・って思うのは俺がみゃーもり大好きだから。・・・ってだけじゃないはず。うん。
みんなにやる気を出させる持ち前の元気さ、失敗したら必ずフォローしてくれる優しさ、でも時には先輩でも自分の意見を堂々と告げる真面目さ、等々
みゃーもりもみゃーもりで肝が据わって来たというか、今は随分しっかりと仕事してるんだなあ。って思うと
ジーンと胸が熱くなるものがありましたね
やっぱり今も昔もみゃーもりはリーダー的素質があるのかもしれない。世話焼き上手だしね。

それ以上に実は胸にグッと来たのが絵麻の成長でした
あの瀬川さんに幻滅されたり真剣になるはずが深刻になっちゃってた絵麻が、
今は久乃木さんに、より細やかな作業を教示出来るくらいに成長しているという事実・・・!
それはまあ久乃木さんみたいなタイプが相手だからかもしんないですけど(笑
でも、きちんと瀬川さんに注意された点を彼女もまた覚えてるんです
そしてそれを後進に伝えている、という現実
こういう部分がまた堪らないなあ、というか
みゃーもりにしろ絵麻にしろ「注意された部分が直っている」という部分が重要だと思うんですね
だからよりリアルで説得力のある“成長”を感じられますし、それ即ち誠実な作風であるって持論の証しでもあります
段階を飛ばさず、丁寧に丁寧に物事を重ねて来たからこその確かな成長、という名の手応えを得る事が出来る。

そして、それを伝えてもらった後輩がちょっと満たされる、報われるシーンはまた格別ですよね
佐藤さん、安藤さんはまだまだ駆け出し、どころか呆れられるレベルですけど(笑
久乃木ちゃんに関してはPVとは言え自分で歯磨きの設定を作り原画を描き、
実際にそれを観て少し感動やカタルシスを得る事が出来た
勿論久乃木ちゃんが一生懸命頑張った成果でもあるけど、
そこには絵麻の“教え”がしっかりと生きている・・・というここまで観続けて来たファンとしてはたまらん流れでした
初期にみゃーもりや絵麻の不格好な姿を散々描いて来たからこそ、より今の成長が感慨深く感じられるのかも
俺は「SHIROBAKO」のね、そういう作劇がもう大好きでツボなんだなあ。って事を再確認しましたね。
エリカさんや瀬川さんからの教えがみゃーもりや絵麻に伝わって、それがまた彼女らの後輩に繋がっていく・・・
同じP.Aのお仕事アニメであった「花咲くいろは」もそうですがやっぱりそういう先輩後輩の関係性を描くのが上手い、というか好みですね。


佐藤さん安藤さん、特に佐藤さんは色々分からない事だらけ、不得手な事も多く
佐藤さんのが「より疲れている」と思わせるような描写がちょっと不安を煽ってもくれましたが(今回のサブタイは恐らく佐藤さんの心情とのWミーニングかと)
それでも今作ならば納得のいく着地点を作り出してくれるはず
その過程も含めてこれからも楽しみです
よしんば辛くなって辞めたとしても何かが残る様な作劇になればいいですね。勿論一番嬉しいのは佐藤さんの覚醒ですが(笑
 久乃木ちゃんも早くもポテンシャルの高さを発揮してるので、
絵麻から助言を受けつつ逞しく育って欲しいです
にしても絵麻はすっかり通訳ですな(笑





このアニメで好きなポイントとして、
未だにこうやってちょくちょく集まって“みんなで”夢を追っている
誰かが調子悪かったら素直に励ましたり、成功を祈ってくれる優しさがある
何より高校時代の付き合いがここまで長く、かつ継続的に保たれているのが凄い・・・というか
なんだかちょっとその繋がりの深さに羨ましくもなっちゃいますね
“七福神”はまだまだ先・・・でしょうけど、
こういう結束力と他人を想い遣れる真心があればきっと夢もいつか叶うはず

人生は色々経験した方が必ず得れるものがある(まあ、得たくないものも多かったけど 笑)
だから、どんな経験も結局は今を生きる糧に繋がっている・・・と思う。
ずかちゃんもきっと報われる日はやってくる
その日をまたみんなで祝えるといいな。
そんな風に思います。
そして相変わらずみゃーもりは自然体で素朴な色気もあって実に素晴らしかったですね(笑
美術さんから「怖いもの知らず」と形容されたり人当たりの良さは誰よりも強かったり、
そんな彼女のポテンシャルがもっともっと花開く事にも期待。
今週も面白かった!













先日BD2巻購入しました。
2巻でもブックレットの解説の細かさ、ボリュームは健在
そのサービス精神の高さには脱帽ですね
きっと内容だけじゃなくブックレットも相当楽しめると思うので興味がある方は是非。



ところで、アンタ誰?