サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【シングルレビュー】MIXED NUTS EP/Official髭男dism

2022-07-10 | シングル感想









1.ミックスナッツ
2.Anarchy
3.Choral A
4.破顔






星の一つも見つからない
雷に満ちた日があっても良い (ミックスナッツ)








まず、
最初に断っておくと、
自分はタイアップ先のアニメを一切観ておらず、
また原作もノータッチなんですよ。
ただ、
正直、
この「ミックスナッツ」って表題曲はそんな人間でも良いと思えるくらい素敵な曲に感じました
まず、高速ジャズ?こういうの何て言うんだろ、ちょっとパンキッシュさもある、
性急且つリズミカルなアレンジが素晴らしいですね
特に、
ドラミングに関しては本当テクニカルでスゴイ事になってます(笑
こういう曲聴くとやっぱドラムって何だかんだバンドの華なのかもしれない、、、って思いますけど、
歌詞がまた良いんですよね。

先述したようにタイアップ先の作品はノータッチなんですが、
観てなくてもアニメの方に寄せてるな。っていうのは分かる歌詞なんですよ
でも、
同時に、
これって人生に関しても凄い当て嵌まるし、
尚且つここ数日で私生活で大きな決別を経験したのでタイムリーにも感じたんですよね。
 冒頭に引用させて貰った歌詞なんてズバリだし、
何かを隠したまま生きてるのも茶飯事だし、
もっと言えば、
ミスだらけ、
アドリブだらけなのも本当に「そう」なんですよ(笑
その上で❝正解はない❞ってハッキリ言い切ってるのも素晴らしいんですよね
自分が必ずしも正しい訳じゃないけど、そこで得たものこそあなたのすべてだよ。っていう、
歌詞のテーマ的にも色々爆発させながらも最終的にはきれいにまとまるのも秀逸な名曲に仕上がってると思う

更に深く掘り下げると、
「人生そう簡単に上手くいくものじゃないよ」って曲にも聴こえるし、
その上で誰しも苦労しながらも何とか手にしたものが大なり小なりあるはずなんですよね
なので、
完璧にやれなくとも、
失敗ばかりであったとしても、
そこで得たものを誇りに生きればいい
確かに人生上手くいくことばかりじゃないけど、
上手く行かない事ばかりでもないんだよ。っていう。

具体的に言えば、管理人はいい歳こいて結婚もしてないけど(笑
ただ、友達は何人か居たり好意的にしてくれる方も少しは居る訳なんですよ
確かに、
いい歳こいて独り身っていうのは嘲笑の対象になるのかもしれない
でも、その中でも手に入れた「何か」っていうのはあると自分で思ってるんで。
それが歌詞の最後の「一掴みの奇跡」なのかもしれないですよね。
先述のミスだらけ、アドリブだらけっていうのもね、
何か、
嘆きながらも、
そんなコメディみたいな自分の人生を愛してる様な雰囲気もあるし、
ただのタイアップソングとは思えないくらい深みのある歌詞に感じてかなりお気に入りの曲になりました。
正解はないけど、ただ、想いはあって、自分がそこにいて。それでいいじゃないか、と。
そんな風に素直に感じれたらもっと人生が豊かな感触に変わる気もします。


カップリングの「Choral A」「破顔」はロック色が強い先の2曲とはうってかわって、
この2曲は落ち着いたポップソングに仕上がっててこれらの曲も素直に良いです
特に、
「破顔」に関しては、
グッドメロディに高尚な感謝の想いを乗せている、派手さはないけど、
じんわり沁みるような素敵なナンバーだと思いました。。
そう、
最初はあんまり印象に残らなかったんですけど、
何度も聴いている内に「普通に好きだなあ。」って思えたんですよ
そういう意味ではキャッチーな1~2曲とは違って3~4曲目はスルメ的ではありました
これ、レコードで出しても面白いかなあ、とも感じられましたね。
ライブ向けかどうかは分かりませんが、
少なくとも部屋でじっくり浸るにはホントに相応しい、入り込めるバラッド群だと。


さて、
2曲目「Anarchy」に関しては、
デジタルシングルの時に既に興奮気味の力作レビューを書いてるので(笑
めんどくさく無い様にクリックすれば飛べるポップアップ付きのリンクを張っておきます
改めて書き下ろしても良かったけど、個人的に想いの丈をぶちまけたレビューだったので、
是非もっと読んで欲しい。という気持ちが強かったので。
まあ、
はっきり言えばあれでもう完成なんですよね。


【デジタルシングルレビュー】Anarchy/official髭男dism

個人的にはこのEPの中で一番好きな曲、
哀しみに思い切り寄り添ってくれるこの曲に今年はかなり助けられてきた気がする。
それだけに、家のコンポで良い音で聴けるのは本当嬉しかった。
「ミックスナッツ」も勿論大好きですけどね!













最後に、フィジカルの仕様もまたお洒落でした♬
デジパックだけど歌詞カード入れるとこがポケットみたいなのが良き!



【シングルレビュー】陽はまた昇るから/緑黄色社会

2022-04-27 | シングル感想










大人になれる
それはイイことなんだよ
まだまだ分からなくてもいい
それでも伝えておくぜ (陽はまた昇るから)








まず、
冒頭のジャケットを見て欲しい
ある意味、これ以上ないくらい分かりやすいジャケットだと思う
しかもちょっと90年代のクレしんっぽいんですよね・・・
雰囲気も、絵のタッチも。
それと、
正直リョクシャカとの親和性も高いと思うしね(笑
そういう意味では本当どっちにとっても得した感じあるなって純粋に想いました。

表題曲「陽はまた昇るから」は王道のポップ・アンセムに仕上がっています
緑黄色社会はジャンルで言えばピアノロック?とかに分類されるのかな、って思うけど、
実は結構エモの影響も受けてると感じていて、、、
それはこの曲にも如実に出てると思います。

陽はまた昇る~というモチーフは昔はDragon Ash、ちょっと前はDOESなどもタイトルにしてる
ある種日本のロックバンドの通過儀礼の様なテーマだとは思うんですが、
この曲に於ける「陽はまた昇る」の解釈って、
希望的観測とは少し違う気もしていて。
2番目のサビの「陽はまた昇る」は文字通りの意味合いで良い気がするんですけど、
最後のサビとかの「陽はまた昇るから」ってフレーズは文字通りの意味に加え
「やるしかない時は必ず来るから。」という暗喩の様にも聴こえるんですね
そう捉えると、
その前の聴き手を鼓舞するフレーズの数々も、
少年少女だけではなくある意味大人にも向けたフレーズの様にも思える
つまりは明るい応援歌の様に聴こえてその実アッパーなファイト・ソングにも仕上がってる~
個人的にはそう感じられた最新のリョクシャカ流のアンセムだと感じましたね。
・・・うん、
そういう風に解釈すると、
やっぱり緑黄色社会は半分くらいエモ・バンドだな、って思うわな笑

そもそも、
「陽はまた昇る」ではなく、
「陽はまた昇るから」っていう言い方が独特ですよね
良い意味にも思えるし、逆に何かを指し示している風にも思える
 でも、
そんな風に深読みせずとも、
聴いてて素直に勇気付けられる類のポップソングとしても秀逸だと思う
多分1月に出たアルバムを聴いてちょいちょい陰の部分がチラついてたんでそう思うんでしょう
サビのメロディがマーチングバンドみたいなリズムなのも含めて聴いてて楽しい一曲
結構、
初聴きのポップさとは相反して、
聴き込むほどに味が出るタイプの楽曲だとも思うので、
そういう意味でもこれから長く付き合えそうな新名曲だと感じました。。






歌を歌えば君が笑う
君が笑えば僕は嬉しくて泣いた (時のいたずら)




一方で、
カップリングの「時のいたずら」は明るめな表題曲とはうって変わって
静かで染み渡るような優しいバラッドになっています。
それも、
ボーカル長屋晴子さんの心境を素直に歌っている(と、思われる)
とてもパーソナルな楽曲に仕上がっていて、
これはこれでグッと来る、
聴いててジーンとしちゃうようなストレートでピュアな歌だな~って感じました。。
アレンジもちょっと90年代っぽいノスタルジックな印象でもあり、
そもそも、
ここまで分かりやすくリスナー、
聴いてくれてる方々に向けたラブレターみたいな曲も早々無いので、
そういう意味では緑黄色社会って気持ちが良いぐらいに真っすぐで誠実なバンドなのかもしれない。
・・・って思ってしまった渾身の私小説的バラッドだと思えた良カップリング曲ですね。

ただ、
この曲は、
「いつかは終わる。」という重いテーマ性もあり、
それもまたいつまでもこの人気が続く訳でもないだろう~という
ある種達観した視点の元で描かれている、かなりリアリストな楽曲でもあるとも思う
だからこそ「今」を精一杯楽しみたい。という切実さ含めて素敵なナンバーだな、って感じました。
凄い遅いテンポのバラッドですけど、歌詞のテーマ的にはある意味ライブ向けの曲かもしれないです。














ちなみに、
中ジャケにもコラボイラストがあったり、
フィジカルとしても努力の跡が垣間見れる会心のシングルでした!
何気にこれ以外にも描き下ろしのイラストが3点ほどあったりもするので、
自分みたいに「どっちも好き。」という人はしんちゃん盤でも良いかもしれないですね
 正直な話、
自分が物心ついた時にしんちゃんのアニメって始まったので、
世代ド真ん中としてこっちを購入してしまった笑

今年1月に出たアルバムが想像以上に良かった(レビュー済)ので、
最近結構緑黄色社会にハマってます
ちなみに「Actor」のレビューはこちら↓
https://blog.goo.ne.jp/neverendingcult/e/52b4d7b4753f16efd50075a99b9b33b3
 秋には、
初の武道館ライブも決定!って事で、
もしチケットが取れたら是非行きたいですね~
でも❝今までやってなかったんだ?❞とも純粋に思いましたが(笑
 また、
この間アクターツアーの群馬公演に参加したので、そのライブレポも近々書こうと思ってます!



KOJI氏に捧ぐ~【シングルレビュー】Without you/La'cryma Christi

2022-04-22 | シングル感想










誕生日はまだ先なのに
新たな僕が生まれた様さ









しかし、
上のCDのジャケット、
保存状態悪いね・・・・・(汗
まあ、
自分が中学生の頃とかに出た音源だったので、
(男の)ガキんちょがそんな丁寧に保存しておける筈も無いんですが・・・
こういう時は流石に自分の男性っぽさが嫌になりますね笑

で、
今日、
ラクリマのKOJI氏が亡くなったというニュースが入って来たので、
元々書く予定だった記事を変更してラクリマの大好きな楽曲をレビューする事にする
ちなみに、勿論KOJI氏が作曲した曲です
最初は、
最大のヒット曲である「未来航路」でも良いかな、って思ったけど、
多分そっちに関しては自分が書かずとも他の誰かがいっぱい触れるとは思うので・・・
敢えてマニアックなこの曲をチョイスしました笑



この曲は、
昔から大好きな曲で、
要所要所で大事に聴いてる曲の一つ、です
大事に聴いてるならもっとジャケットも大事にしろ😡って感じですが(滝汗
ただ、
この曲は演奏自体がオルタナティブ・ロックっぽいんですよね
重厚なギターリフから始まるイントロに、
Aメロもテンポ遅めでじっくり聴かすのが実にラクリマらしい
ラクリマは当時のV系の中でもオルタナ寄りと評価されてたっぽいので、
そういう意味ではこの曲はそのシンボリックな一曲と言っても過言では無いと思う。
 ただ、
そういう風にしっかりとアンサンブルを聴かすサビまでに対して、
サビでは一気にポップに弾ける~といった緩急がまた素晴らしいですね
それまでがラクリマ流のオルタナティブ・ロックならば、
サビはラクリマ流の歌謡曲というか・・・
そう考えると、
ある意味和洋折衷してる楽曲~とも言えるかもしれませんね
またこの曲、ドラムの主張が激しい曲でもあり、
個々が存在感を出しまくっているスリリングな演奏が聴きどころのロッカ・バラードに仕上がっています。


そして、
歌詞。
歌詞が凄く好きな楽曲でもあり、
特に先述した「誕生日はまだ先なのに 新たな僕が生まれた様さ」って歌詞は、
当時も、再結成した時も、そして最近も思い返してたくらい大好きなフレーズですね
自分なりに解釈すると、
人って何かの記念日やきっかけとなる日(元日とか)にやる気を出しがちだけど、
その気になれば今日からだって今からだって一皮剥ける事が出来るし、
いつだって新しい自分を目指す事は出来る。
と言った、
確かなメッセージ・・・否。
多分、
TAKAさんはメッセージソングとしてこの曲を書いてはいないとは思うけど(歌詞の文脈的に)、
結果的にあのフレーズを聴いて聴き手が勝手に何かを受け取れる様な作りになってて、
それってある種の(歌詞の)理想型の一つのようにも感じるんですよね。
変に押しつけがましくない「粋さ」があります。
そういう意味で、
自分にとっては小さい頃から常に重要な意味を持ち続けている大切に聴き続けている曲の一つ、です。
 そして、
こんな素晴らしい曲、
大好きだと思える曲を・・・
いや、この曲に限った話ではないですが、
沢山名曲を生み出して下さったKOJIさん、ありがとうございました。
特に「Without you」はU2の「With Or Without you」と並んで迷った時に聴く曲でもあるので、
この先の人生でも度々聴いて気持ちを締め直したりもするでしょう、し、
勿論他の名曲たちも。。
自分の中では❝永遠に❞遺っていくものだと想ってます。


あと、
カップリングは逆に音数少ない「I Love You」という曲で、
こっちはTAKA氏の美声とSHUSEさんの美メロを聴かせるタイプの曲になってて、
割と対称的な2曲に仕上がってるのもまた面白いシングルだと思います
歌詞的にも、
表題曲は主に悲しみを歌っているものに対して、
カップリングは純粋な幸福を歌ってるのもこれまた対称的になってて「良いシングル」だと今も感じますね。








最後に、
2012年だったかな、
再結成のライブツアーで買ったパンフレットの写真を載せてこの記事を終えようと思います
ちなみにこのブログの前身ブログ(超進化アンチテーゼ)でライブレポ書いてます
ので、もしラクリーな方が見てたらチェックよろしくお願いします♬
南国さんって方からコメントも来てたなぁ(しみじみ)。






このインタビュー付きパンフ、
まあまあ高かった思い出があるんですけど、
中身が結構濃かったので結果的に大満足だった、というか、
つい最近も外で何かを待ってた時に読んでた記憶があるので(笑
我ながら長く付き合える良いアイテム買ってたな、と。
KOJIさんのインタビューでは、当時頑張って作った曲を「ビートルズのパクリ。」と
ベースのSHUSEさんに一刀両断されてヘコんだ~というエピソードなど、
割と生々しい事が遠慮なく載ってて面白いです
 でも、
「未来航路」を創った時は、
流石に褒められて嬉しかった~というエピソードなんかもあり、
メンバー間の絆を感じさせるものに仕上がっています。。
 個人的には、
また生まれ変わっても、
KOJIさんにはギターを弾き続けて欲しいな、って思いました。


【シングルレビュー】君の隣にいたいから/SHISHAMO

2019-10-20 | シングル感想
                             







1.君の隣にいたいから
2.またね
3.君の大事にしてるもの






君のやつほど立派じゃない羽
精一杯広げて
自分の空を探すよ(君の隣にいたいから)








半年ぶりのニュー・シングル
また、ベストアルバム発売後初となるシングルなので、
そういう意味合いでも「次」に向けて繋がるシングルになると思ってるんですが・・・
アレンジ的には非常にポップ、かつ、流麗なギターリフが兎角気持ち良い爽やかな楽曲に仕上がっています
思い切り大空を駆け上がるような曲調、丁寧に紡がれるメロディ、メッセージ性の強い歌詞。。
そのどれもがしっかりと作り込まれていて流石シシャモ、と言える盤石の一曲だと思う
それと同時に、
ちょっと新しい扉開いたかな、っていうか、
より一般層にも伝わりやすいキャッチーさがこの曲には含まれてる気がして、
そういう意味合いでもシシャモの変化及び進化を感じやすい新曲になっている、と感じました
その上で、根底にある、元々持っている後ろ向きな感情の吐露も忘れてない塩梅がまた見事な楽曲ですね。

なんでしょうね、
結局、
「君のやつほど立派じゃない」って表現は、
ともすれば卑屈と捉えられてもおかしくない表現だと思いますけど、
曲調やアレンジが爽やかなのでそんなに女々しくないというか、
むしろ、
そんな自分を認めつつ、
自分なりに精一杯やるんだ・・・!っていう転がるような想いを感じるんですよね
そこがこの曲の一番好きなところ、肝っていうか、現実的っていうか、シシャモ的っていうか(笑

要するに、それってコンプレックスだと思うんですよね
自分より他人の方が優れてる気がする
自分より他人の方が器用にやってる気がする
自分より他人の方が持ってる気がする。
正直な話、
俺自身それらの感情を全部(それも強固に)抱えてたりするので、
それもあってこのフレーズが聴いてて心に響いた・・・というか単純に好みなのかもしれません
もっと言えば、卑屈なら卑屈でもそれでいい、それすらモチベーションに変えて進む、
そういう必死さと力強さがこの曲にはあって、
ある意味「OH!」にも通ずる、
表現としては曲調とかは違えど地続きだな~と素直に思えたのも良かったです
また、兎に角ギターリフが凄い美しくて聴く度に夢中になってしまうクオリティでもあるので、
そういう単純に楽曲の美しさに惹かれて聴き込むにも適したシングルになっている、とも思います



君を馬鹿にする奴がもしもいるなら
そんな奴気にすることはない
そんな奴の言葉に
律義に傷ついてあげることはない(君の隣にいたいから)




また、このフレーズもいいですよね・・・
「律義に傷ついてあげることはない」、なるほど、と思いますし
その後に「自分の空を探すよ」と歌っているので、
ああ、
そうか、
自分は自分の道を往けばいいんだ。って素直に感じられますし、
爽やかな曲調とは裏腹に根底には相当の反骨精神が眠っている、
ポップでありながら精神的には強いロック魂を感じる、そういう曲だと思います
ライブで聴くとまた更に気持ちが良かったりするので、是非冬のツアーでも聴きたい一曲ですね。






表題曲だけで長くなってしまいましたが、
カップリングの「またね」「君が大事にしてるもの」も名曲です
「またね」は、自分がこんなに好きなのに、その気持ちが一方通行である事に空しさを感じて、
別れを決意する・・・っていう個人的にはかなりその心情がよく分かる一曲
ストレートなピアノロックでミドルテンポのバラッドに仕上がってます

でも、そういう気持ちってある種普遍的でもありますよね
普遍的だけど、みんなあんまり口に出さないだけで、
そういう心情を歌にするのがシシャモの良さであり、
繊細さを売りにしている丁寧な楽曲だと思います

「君の大事にしてるもの」は、ゴリゴリのロックナンバー、かつ
ちょっと病んでる女性が主人公の楽曲で朝子さんのセクシーな歌声も加味してとても面白い曲になってます
この曲は、かなり尖ってるというか、異色な楽曲だと思いますけど、正直聴いてて何故か気持ちが良い・・・という
不思議な楽曲でもあると思います 物に固執する男と自分を見て欲しい女のストーリー、
多少行き過ぎな狂った愛情を描きつつ、その切実な想いは分かる部分もあるし、
分からない部分もあるし、無性に切なさを感じる部分もあるし・・・
何とも言えない良さがあるこれはこれで名曲だなあ、って思います
ある意味漫画的な歌詞なのが面白味の理由ですかね。








最近、
もうずっと最近SHISHAMOの音楽にハマってて、
それは多分きっとSHISHAMOの音楽が過剰さとか分かりやすい興奮を求めてるものじゃなくて、
人が感じる普遍的だけどどうしようもない心情・・・を拾い上げてくれている
また、それをきちんと落とし込める表現力が主な理由な気がして、
このシングルにはそういうのが沢山詰まってて、
それが個人的には嬉しかったですね。
とても、大切なシングルです。



【シングルレビュー】「△」サンカク/bloodthirsty butchers

2019-10-18 | シングル感想
                              









1.「△」サンカク
2.ピンチ
3.時は終わる









中学生の時に買ったシングル。
もうどこで買ったのか、取り寄せとかしたんだろうか、とか
全然覚えてないけど、中学生の終わり頃に(定価で)購入して、
それからもう今までずっと聴き続けている・・・具体的に書くと、
もう99年のシングルなのにCDコンポの近くにずっとあるくらいの頻度です
何故、
それほどまでにこのシングルに惹かれてるのだろうか。。という事がふと気になったんですけど、
なんてことはない、考えるまでもない、このシングル自体がずっと(自分の)人生のテーマみたいなものだから。。なんですよね。


当時は、
ただ単純にサウンドの格好良さ、
少年性の強い吉村さんのボーカルに惹かれて聴いてたと思う
更に言えば、オルタナティブロックに触れ始めた時期だったので、
そういう意味合いでもとても新鮮に感じて純粋にブッチャーズの音楽を楽しんでたんだと思います。

でも、
時を経て、
今では歌詞の意味も理解出来、
このシングルの3曲全部含めて瀬戸際で足掻いているような・・・
そういう苦しみながら進んでいく感覚がもうずっと自分にフィットしてるんですよね
小気味良いバンドアンサンブルに気持ち良さを覚えつつ、サンカクよ進め!と勇気を貰える「△」サンカク、
自分の置かれた状況すら悲しく笑い飛ばすテンションにひたすら頷いてしまう「ピンチ」、
深く心の琴線に触れてくれる渾身のシビアでありながら優しいバラッド「時は終わる」・・・
どの曲も、
直接的に聴き手を応援するような歌詞は何一つない
ただ、吉村秀樹が一人で勝手に足掻いている様を綴った私小説的な歌詞なんですけど、
だからこそスッと同じ気持ちになれるというか、その足掻いてる様を感じて自分も間接的に頑張る想いを抱ける、というか・・・。

その自然に、格好付けてもいないし、等身大でもない、
まさしくその中間を往く様も格好良いし、
ストレートにもがいてる心境を描く歌だからこそ、
こっちもナチュラルに反応出来る、気持ちを押されたような気分になれるのかなー、と思うし
ある種、自分の弱さだったり不甲斐なさを認めた上で進んでいる感覚・・・
自分の立ち位置や価値を自覚しながらも「何か」を諦め切れず転がり続ける想い。。に、
自分を重ねてしまう、くたびれながら足掻く様に聴いてて純粋な高揚と共感のようなものを覚えてしまうのかもしれません。






それと、
恐らくは、
今の自分にも、
今の自分の手の中にあるものにも、
決して満足が行ってない
自分はこんなもんじゃない・・・っていう
そういう気持ちもこのシングルには込められている気がして、
そういうナチュラルな必死さも本当の意味合いでのロックンロールを感じます
常に足掻き続けたコリないメンメンであったブッチャーズの、
一つのテーマソングであり、
また自身のテーマソングの一つでもある、
そんな大事な一曲「△」サンカク。今でも中学生の頃と何一つ変わらず聴き続けて指標にしている、
聴く度に自分の中にある「何か」が燃えるような感覚がある・・・
ジャケットのように澄んだ青さを感じさせる一曲で、
ライブでも何度か聴いた「ピンチ」「時は終わる」のギリギリの心境を歌に出来ている素晴らしさも含めて、
ずっと聴き続けられる会心のシングルだったんじゃないでしょうか。

吉村さんが亡くなってからもう何年も経っているけど、
自分は正直ブッチャーズを聴かない、という時期がないですし・・・
未だに彼の残した音楽で心奮わされてますし、そういう想いを残す為この記事を書きました
今後は一度感想を書いた作品でも「ずっと好きです。」という事を伝える為に、
何度も書く事もきっと躊躇わないと思います
このシングルに関して言えば、
多分これが初めての感想だと思いますけど・・・多分。好き過ぎて書けなかったけど、
クオリティとかを気にしてずっと書かないより燻ってる想いを吐き出した方がよっぽどマシだと思って。
書かなきゃ何も伝わらないですしね。やっぱり自分、ブッチャーズが大好きなんです、心から。







このジャケットも大好きですね・・・
吉村さんの泣きのギター、小松さんの重量感あるドラムサウンド、
射守矢さんのグイグイ来るベース、、、どれもブッチャーズならではのものです。
中学生から聴き続けてるって事はもう死ぬまで聴き続けるんでしょうね。



ダサくて何が悪い。/SHISHAMO「OH!」

2019-05-01 | シングル感想
                             
                         SHISHAMOのニュー・シングルを買った。







1.OH!
2.ハネノバシ
3.許してあげるから







正直、このジャケットは大好きです
ちょっと垢抜けないけど、でも、頑張ってる。。っていう、
そういう雰囲気が伝わって来てとっても好印象だったりします。


「OH!」は、初めはライブで聴いた、、、というか、もうリリース前に全曲ライブで演奏してるんで(笑
その意味では凄く入りやすいシングルだった訳ですけど、やはり表題曲のインパクトは個人的に強烈でした。



ダサくて何が悪い
汗だくで何が悪い (OH!)




ダサくて何が悪い・・・というのは、強い言葉ですよね
というか、今時のロックバンドでこういうストレートな歌詞を歌うバンドってあんまりいない気がする
それくらい、剥き出しだし、足掻いてるし、余裕なんてないし・・・っていう
強いメッセージ・アンセムとして仕上がっている新曲じゃないかと

そこには、所謂オシャレな感じ・・・みたいなものは一切なくて、
シシャモの中でも随分泥臭くてパンキッシュなナンバーになってるなあ。と純粋に感じるんですけども
そこも含めて新機軸というか、今回のシングルの中では一番最新のシシャモを感じることの出来る一曲でしょうね。


結構、
子供の頃とは違って、
大人になってくると他人の目線を過度に気にするようになる、というか、
いわゆる何も気にせず無邪気に~というイノセントな状態を保つのが難しくなって来る
でもそこで、自分を恥じたり、引っ込めたりする暇があるなら、真っ直ぐに手前を貫け!
貫いた先にこそ本懐があるんだよ。。っていう、そういう曲になってるんですよね。

何より、
やっぱり、
「ダサくて何が悪い」ですよ。
これに尽きるわ。
これがこの曲の本質だと思う。
ダサくても、
惨めでも、
でも、
これが、
この自分が、
生きるべきただ一つの道だから・・・っていう、
ある意味「ほら、笑ってる」にも通じる自己肯定アンセムにも感じれる一曲
そんなロックバンドとしての覚悟と心意気が伝わって来る出色のロックナンバーに仕上がってると思います。
ライブで聴いてもめちゃくちゃ格好良くてグッと来ましたが、音源だとコーラスワークが良く映えてるのが素敵だな、と。





君のために私
馬鹿になってあげる(許してあげるから)




カップリングの2曲も良い・・・っていうか、
ある意味どれがシングルでも構わないくらいカップリングも「シングル曲っぽい」んですよね
伸びやかなメロディと練り込まれたアレンジが光る「ハネノバシ」は休日をテーマにしたポップ・ソング
休日ののんびりした、開放的な空気を中毒的に歌う歌詞も面白いし地に足が付いた物語性にも惹かれる一曲
純粋に良いメロディ、良い歌声、良い演奏、、、を追求している誤魔化しの無さ、が素敵で
人と人との繋がりだったり空気だったりに着目している詞世界も聴いていて良い気分になれる楽曲です。

「許してあげるから」は、
少し前のシシャモだったらこの曲をシングルにしてるだろうな~っていう、
THE・SHISHAMO、王道のシシャモが味わえる一曲になってます
この曲は、
バリッバリのギターロックに切なさ満載の歌詞が乗っかっているこれまたドラマティックで堪らない一曲
思わず感情移入してしまうような承認欲求に満ちた歌詞は正直胸に来るものがありますが、
相手の気持ちが既に自分にない事を分かった上で、
それでも刹那的な愛情を求めてしまう人間くささが物悲しくて素敵な楽曲ですね

個人的には、
「馬鹿になってあげる」っていう歌詞が特に絶妙で好きですね
この曲は、
もう相手との関係は終わるけど、終わってるけど、
それでも、嘘でもいいから「何か」が、証しのようなものが、一瞬でもあれば。。という
そういうニュアンスの歌詞とやっぱり練り込まれているメロディが秀逸なロックナンバーです
正直、一番シングルっぽい曲ですけど、これを3曲目に置くのが今のシシャモのモードなんでしょうね。

でも、この曲はかなり王道のシシャモ節が光ってるので、次のオリジナルアルバムに入りそうな気もする。











なんか思った以上に長くなってしまった
SHISHAMOの魅力って結構伝えるのが簡単なようで難しくて・・・でも、ちゃんと伝わるまで頑張りたいです、はい。
最近は割とオシャレ特化、奇抜特化、インパクト重視のバンドが人気を博してるイメージですが、
SHISHAMOはその中でちゃんと良い歌、ちゃんと良いメロディ、ちゃんと良い演奏、、、と
コツコツまじめに、でも、純粋に格好良いロックバンドを目指してる気がして、そういうトコが聴いてて純粋に気持ちが良いです
90年代の王道ポップス好きから、00年代初頭のギターロック好きまで魅了出来る可能性を持ったバンド、SHISHAMO。
その新たな一歩を刻むアンセムとしても素晴らしい会心のニュー・シングルだと思いました。



【シングルレビュー】「傘のない帰り道/Repentance」LOST IN TIME

2019-02-15 | シングル感想
                             








笑い合うことや幸せってものが
こんなにも難しいとは思わなかったな(Repentance)








去年出たロストインタイムのシングルの感想書いてませんでした
まず、リード曲の「傘のない帰り道」は「366」に通じる前向きなポップ・ソング
ただ、あの曲の多幸感に加えてこの曲はちょっとブルース的な趣もあって明るくも沁みる楽曲に仕上がってます
結構余所行きのロストインタイムというか、それでいて物凄くロストっぽいセンスも同時に感じられる、
ポピュラリティを意識しつつ“らしい”ナンバーに仕上がってると個人的には思う。



んで、
カップリングにあたる「Repentance」ですが
この曲は更に沁みる・・・というか、今まででも随一にダークかつ救いの無い楽曲に仕上がってて聴いてると気持ち泣けます。

ざっくり説明すると、努力とかでは決して越えられない現状が転がっていて、
でもそんな現状に抗いつつもどこかで限界を感じている、、、というニュアンスの、
言ってしまえば八方塞がりみたいな状況を描いた失望の一曲なんですよね。

正直、個人的に今の自分の状況とこの曲が重なっていて・・・
最近何度も聴いては感情移入しまくっています
また、
メロディも歌声もとても丁寧でドラマティックに聴かせているので
それもあって自棄的でありながらどこか物悲しい楽曲にも仕上がってるんですよね
この曲全体から伝わって来るどうしようもなく途方に暮れてるけどどこか悔しくてやりきれない感触。。

に、触れるのが快感かつ気持ちにシンクロしてやるせない気分になります
淡々と、でも抑揚を付けてしっかりと歌う海北の表現力も存分に味わえる名曲になっているかと。








誰にも見向きすらされないまま
一つの光がただ静かに消えるだけ



正直、
ロストインタイムにはたくさん内省的な楽曲があるけれど、
でもいくらなんでもここまで救いのかけらもないただただ「暗いだけ」の楽曲はある意味初めてだと思う
その心意気と、陶酔出来るレベルの丁寧な絶望の描写に胸打たれる会心のシングルに仕上がってると言えるでしょう。
ロストインタイムは、ぶっちゃけ最近の方がより格好良いです。勿論初期のも大好きですけどね。





paionia「正直者はすぐに死ぬ」

2018-04-24 | シングル感想
                          
                      パイオニアのニュー・シングルを買った。













このレビュー、
本当は今年1月に参加したワンマンライブ(最高でした)の前に書きたかったんですけど、
まあ結果的にこんなに遅くなってしまいました・・・もうじきアルバムも出るのに。

paioniaは、ずっと好きで、
リリースがない時もコンスタントに聴いてたんですけど、
気が付けばこのシングルが4年ぶりのリリース、、、になったんですかね
相変わらずひねくれつつ本心を飾らず吐き出す素敵な楽曲群が鳴らされています。


正直な話、
正直に生きるにはあまりにも生きにくい世の中だと思います
正直に生きてれば生きてるほど、周りからはみ出し孤立していくものだと感じてます
それは何となく~ではなく、事実としてそう感じる~って断言しても良いと思ってます
例え、
心の中で汚らしい言葉で綴るような本音の渦がずっと巻き続かれていても、
結局は“周りに合わせて”“群れから出ないように”嘘ついて正直さを捨てて生きる「しか」ないのが現実だと。

そういう気持ちを淡々と、でも確かに切々と歌い切る会心のロックナンバーに仕上がっていると思います
アレンジや曲調はオルタナティブ・ロックのそれだと(個人的に)感じてますが、
歌詞の内容は物凄い普遍的かつ内省的なんで、
きっと誰にでも分かる表現になっていると思う

ただ、この曲は「そこ」で終わってなくて、
例えみんなと違くても、
正直なままに生きられなくても、
ただ一人の「間違いない個」として自分は君はそこに居た
ただ、それだけは間違いない・・・という、
ある種のメッセージ性を含んだ楽曲にもなっていると思うんですよね
多分本人ら的にはメッセージのつもりなんてさらさらないでしょうけど。。
ただ、それだけは、
そんな純然たる事実だけは、
自分くらいは認めてやっていいんじゃないか、と・・・。
そう考えると、ネガポジが表裏一体にも感じられるシングル曲になってます
切ないけれど、ちょっとだけ希望もそこはかとなく漂っている、、、そんな曲ですね
次に出るアルバムにも入るみたいなんで、期待です。


カップリングも良い曲揃い。
「峯田和伸」という固有名詞が出てくる感動的なバラッド「雪道」、
ちょっと男子的な妄想も詰まった歌詞の作中観も個人的には好みです
更にあまりにも飾り毛が無さすぎる本音だらけのナンバー「売り物の俺は」、
ふとした泣き言にすら批評的な姿勢を見せる一曲でこの曲もまた面白く、尚且つポップ。
極めつけはライブで聴いても凄かったアンサンブルの爆発力が光る「未明の将来」
この曲はひたすら祈りの様に自己肯定を繰り返す一曲でこれはこれで切実な相様が伝わって来て大好きな楽曲です
なんというか、すべては捉え方次第、、、という言葉を別の言い方で体現されているような曲で、
シンプルながら心に残るアンセムに仕上がってるのが何より素敵だと思える一曲ですね。

このシングルは、
「素直」とか「ステージ」だとかの、
激情をバラッドに仕上げた感じのパイオニアっぽさではなくて、
もっと普遍的で淡々とした、尚且つオルタナティブで奥の深いサウンドが楽しめる一枚だと思います
ある意味日常に寄り添うようなロックナンバーが多いと感じるだけに、次のアルバムの方向性がまた楽しみです。








1月のワンマンで新曲?群を聴いた限りでは、
まだまだいい曲が沢山眠ってそうな予感だらけだったんで、
そういう意味では6月に出るニュー・アルバムに相応の期待が掛かります。
その入り口として是非聴いて欲しい、出色のシングルですね。




【過去を抉る名曲】水色の日々/SHISHAMO

2018-04-02 | シングル感想
                            
                    SHISHAMOのニューシングル「水色の日々」を買った。










今日までの当たり前が
もう明日には無いんだって
分かったつもりでいたけれど
やっぱり笑顔だけじゃ終われなくて (水色の日々)







ぶっちゃけた話、
青春とかこと恋愛関係に関しては(自分は)後悔しかない
そういう事を最近よく考えたり考え込んだりするわけですけど・・・
この曲から感じられる焦燥感だとか、爽やかな風でいてその実シリアスな空気感に触れていたら、
なんかそういう過去の色々な思い出がフラッシュバックして来て、、、実直にやられちゃいましたね。

伝えたかったこと、
伝えたくても怖くて出来なかったこと、
それでも「伝えなくちゃいけなかった」こと・・・
そういう青春の風景と後悔の想いをストレートに抉って来る楽曲で、
多分この時期のリリースだし所謂卒業式シーズンに合わせた楽曲なんだろうけど、
そんな時期をとっくに通り越した自分にも余裕で響くようなビビッドでありながら切ない名曲に仕上がっています。

この曲を初めて聴いたのは先日のNHKのラジオからだったんですけど、純粋に「良い曲だな~」と思ったので、
CD買ってみたら想像以上に胸に来てしまって電車の中で不意に泣きそうになりました
シシャモの音源を直に買うのは、、、というか、
まともに聴いたのもこれがほぼほぼ初めてでしたけど、イメージ以上に歌が上手いし、表現力もあるし、
清廉とした楽曲のアレンジもめちゃくちゃ好みだし、メロディもしっかり練り込まれてるし・・・で
一発でファンになってしまったなあ、というのが本音ですね
紅白で聴いた「明日も」でちょっと気になってたんですが、思い切って買って良かったです。

たぶん、
LOST IN TIMEとかGOING UNDER GROUND好きなら、
結構響くんじゃないですかね。。分からんけど。



カップリングの「ドキドキ」「ロマンチックに恋して」も各々良いですね
「ドキドキ」はややパンキッシュ?なロックナンバーで、
シングルにしてもいいくらいのクオリティの楽曲、
所謂恋する乙女のドキドキを歌ったナンバーなんですが、
さり気に比喩表現が際立ってるので単に恋愛の歌だけではない聴き方が出来るのも面白いですね
音的には王道のロックナンバーなんですが、ポップさとキュートさも兼ね備えてるのが強みの一曲。

「ロマンチックに恋して」はちょっと大人な匂いのするラブソング、
一応(メンバーは)年齢としては全然若いと思うんですが、
にしては完全に熟練の域に達している(笑
オシャレ且つワクワクするような素敵な恋の(予感の)歌に仕上がっています
恐らく、男子は男子で大抵意中の女の子とかと幸福な付き合いの相様を思い浮かべてると思うんで(笑
そういう意味では年齢世代関係なく響くような楽曲じゃないかな~って感じました。








SHISHAMO、
存在はずっと知ってたんですけど、
何故か中々ハマらなくて、
去年の紅白で観たあたりから「普通に良いなあ」と思い始めて、
そういう感情がこのニューシングルで爆発してしまった感じですかね・・・
正直ここまで「純粋に良い歌」を若手のバンドから聴いたのも随分久々な気さえしました
この、ちょっとナンバーガールっぽい(笑)ジャケットのセンス含めて好みですね。

今、かなり気になってるので、その内ライブにも行ってみたいです。



太陽のカフス/LOST IN TIME

2016-10-23 | シングル感想








承認欲求を充たしたいがために
弱者の剣振り回して
望んでさえいなかったサイコロの出目に
踊らされる日々の中で












今月のライブから、会場限定でLOST IN TIMEのニューシングル「太陽のカフス」が出ています
これがまた・・・ロストらしからぬ(?)お洒落でヴィヴィッドな音像に仕上がってて凄く良いんですよね
思えば、前のアルバムに収録されていた(これも会場限定のシングルとして切られてましたが)「明け星」に通じるというか
すごくアダルティックで洗練された雰囲気の楽曲になっていると思うんです
「明け星」はミディアムバラッドでしたけど、
「太陽のカフス」はカッティングが光る小気味良いロックチューン
でも、共通してるのは「今までと(明らかに)違う」その新鮮な感覚です
これを聴けばロストがもう一段階進化した、どんどんバンドとして面白くなっている事が一聴して分かる会心のシングルになっていると思います

個人的には、「ライラック」もそうなんですが、会場限定で出すには勿体ないクオリティの楽曲だとも思いました・・・笑
どっちもドラマ主題歌か映画の主題歌なんかに似合いそうな感じするんですけどね
正直、「最近聴いてない」って人こそ今のロストの凄味に触れて欲しい気持ちでいっぱいです
最早、「三井さんが入ってからのロストインタイム」がLOST IN TIMEの中で代表になって来た、そのものになって来たんだなあ・・・と思わざるを得ない
それほどまでに手応えを感じる新曲であり、“これから”もっともっと面白い事になって来そうな予感もします
海北さんの47都道府県ツアーを数カ月でこなす、という傍目から観たら無茶苦茶な笑
(普通は半年か或いは一年ぐらいかけてやると思う。タフすぎ!)
試みなども含めて、
今はロストインタイムがロストインタイムをスクラップ&ビルドしていく時期なんでしょうね
こういう新鮮味だらけの新曲を聴いていると、余計にそういう事を感じてしまいます
海北さん、短期間に楽器弾き過ぎて手がガッチリし過ぎですし笑
その分出す音もぶっとくなって来てますからね
そんなマッチョで大人な、進化中のLOST IN TIMEの「今」を是非目撃して欲しい
出来れば、1カ月後のthe pillowsとのツーマンで目撃して欲しい(笑
そして、気に入った際にはこの曲を手にとって欲しい・・・そう思ってます。来年はデビュー15周年なんでスパーンとロングツアーかましてくれたら最高ですね
そしたら「太陽のカフス」何度も何度も聴けるだろうから至福だと考えたりもするんですが・・・笑




どうすればいいの どうしたらいいの
考えるほどに 遠くなる実像
もうそれはきっと 僕じゃない何か
背伸びするほどに 顔を出す虚像




よく歌われる様な、
「俺は俺」
「君は君らしく」も悪くないんですけど、
それでもどこかで自分を貫いてる時に感じる孤独、、、みたいなものがあって
そんな言葉から背伸びしてはみ出してみたい感情を持つ事もある
だけど、合わせようとすれば合わせようとするほど、
背伸びしようとすればするほどに
“自分ではない何か”になっていってしまう感覚も否めなくて
その狭間で苦しんでいるような心理描写・・・が秀逸だと思いました
誰かの様になりたくて、
誰かの様を目指したはずなのに
なんだかちっとも心が満たされなくて
それよりも素の自分を認めて欲しい気持ちも強くて、、、っていう
アレンジ自体は物凄くオシャレで大人っぽくて素敵なんですが
歌詞の方向性は今までの・・・
いや、今まで以上にロストっぽく深化している
その絶妙なバランス感覚も素晴らしく思える会心の新曲として響いてくれる一曲です

「俺とは違う」と同化、同調、違わない事を求められても、
本当にもう“どうすればいいの”の気持ちの一点張りでしかない
そこを気を遣って外したり、もっと好かれるように、と波風を立たせない事を目指しても
それをやればやるほど、考えれば考えるほどに「本当の自分」から離れて「別の何か」になっていってしまう、
そんな苦しみや悲しみ、失望ややりきれなさは日常茶飯事的にゴロゴロ転がっていて。
だからこそ、この曲を聴いていると個人的に堪らない気持ちになって
聴いてて物凄く感情移入してしまうんでしょうね
また、ライブで聴くとより一層三位一体の演奏の凄味を感じる事が出来るので、
先述のように生で横ノリの気持ち良さを味わいながら聴くのもまた最高に楽しいと思います

LOST IN TIMEは、
心の中に漂っている煮え切らない想いや
悔しい気持ち、複雑な心情を聴いててビックリするほどに掬いあげてくれるバンドです
もう、今のアンサンブルを続けて今のアンサンブルが一番長い、って時点で
信頼の於ける、バンド感の塊のようなバンドになったな、と思います
海北さんのワンマンバンドではなく、
今や個々が目立って主張するバンドになってきた
そんな事実を嬉しく想うと共に、今のLOST IN TIMEの素晴らしさがあの頃以上に伝わって行く事を願っています。
今が一番面白いですからね。色々と。












アルバム再現シリーズのファイナルが今月末の札幌で、
その後はthe pillowsとのツーマンがあったりイベントや対バンに参加したり、
後は年明けにワンマンが入ってたり、、、と正にノンストップでバンドは転がり続けている
先日も海北さん、仙台の弾き語りや東北ツアーにロストで参加したりしていて
一体いつ休んでるのか?って感じですけど(笑
来年のロストの活動の布石としても大きな期待を覗かせるシングルでした。
カップリングには「グレープフルーツ」のリメイク版も収録、
こちらもドラマ主題歌にどうですか?って言いたくなるくらい(笑
ドラマティックな仕上がり、かつ、原曲よりもアレンジが重ためのロッカバラードみたいな音像になっててその違いもまた面白かったですね
三井さんのオルタナティブな轟音ギターに是非身を任せて欲しいです。