サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

「君に愛されて痛かった」打ち切りの件に関して

2017-11-05 | 知るかバカうどん









うーん、まあ、今日はこれを書くべきでしょうね。








某拉致展開から、
一気に不穏な感じになったな。。と思ってたら
まあその展開がマズかったのか、人気はあったのにも関わらず問答無用で打ち切り
8話じゃページ数も溜まってないでしょうし(あと1~2話分?)、
いや、そもそもこういった形で打ち切る漫画のコミックスなど出すはずもないでしょうね
不本意ながら、「君に愛されて痛かった」は8話が最終回という事で・・・。

正直あんまり驚きは無いというか、
内心「だろうな。」とも思ってしまったのが本音で
「パジャマな彼女。」の拉致展開を救いなしでやっちゃったらこういう事になるんだなあ・・・
って感じの印象ですね
人気はアンケ一位を取るくらい良かったんでしょうけど、
それと同じくらい苦情?も多かったのかな、、、とか今回の件を知ってなんとなく思いました。


実際、
いちバカうどん氏のファンとして「続きが読みてー!」って気持ちは相当強いです
っていうか、ジャンプとかの打ち切りって「打ち切り」とは言いつつ、一応区切りはつけさせるでしょう
今回のこれに関しては文字通り猶予も区切りもない本当の意味での“打ち切り”ですからね
もう寛くんとか初回の伏線とか全く無意味なものになっちゃうじゃん。。っていう。

そりゃ、
バカうどん氏の作品は倫理的に褒められたものではないでしょう
ぶっちゃけ自分は大々的に読むのではなく「こっそり楽しんでいたい」というスタンスだったので
決して記事の中でおススメもしなかったし応援すら一度も促してない(はず)と思います
今の率直な感想としては、
秘密の隠れ家が大人たちに咎められて壊されちゃった子供の心境に近い・・・んですかね
バカうどん氏の大ファンだけど、
大手を振って「大ファンです!」とはぶっちゃけ言いにくい
だけど、後ろめたさを振り切ってまでも感じられるものが確かにバカうどん氏の作品にはあった
それは勿論(嫌いな方も大勢いるのを承知で)個人的な感情に過ぎないんですけど・・・

「正しい/正しくない」で言えば、
知るかバカうどん氏の作品は100%「正しくない」方に入ります
だけど、「正しい」だけで・・・“正しさ”だけで救われるほど自分は純粋な人間ではない。とも思う
そういう人間にとってバカうどん氏の作品は(笑われるかもしれないが)確かなオアシスだったのです


とはいえ・・・
内容が内容なだけに、
「まあそうだろうな。」って無責任な言葉が出て来てしまうのもまた事実
作家本人にとってはとんでもない話でしょうが、、、まあ想像以上に非難轟轟だったんですかね
まあ今回のは相当複雑な案件でしょうけど、取り敢えずバックナンバーは全部保管してあるんで
例えコミックにならなくても保存しておいてずっと読み続ける事は出来ます
願わくば、
同人誌とかで続きを発表したら相当売れるし活動資金にもなると思うんですが・・・
どうなんでしょう

普通、アンチと呼ばれる人が居たら「嫌だなあ。」って思うものですが
バカうどん氏に関しては「いるでしょうね。」って素で思えてしまうのが良くも悪くも特徴的で、
今のような表現技法を選択している限りこれからもこういう問題は付き纏うんでしょうね
ただ、読者としてはね、
これから先どんな事になろうと、バカうどん氏の新作情報を探して、あったら読み続けるだけなんで・・・

そう、
「自分は読み続けます」
これしか結局言えないし、
これしか言いたいことなんてないですよね。
他の人にも読んで欲しい、なんて口が裂けても言えないですし
一緒に応援~なんて論外です。ただ好きな人が好きに読めばいいだけ。
そんな作家の極みのような知るかバカうどん氏の作品を「個人的に」これからも追い続けます。









まあしかし、
漫画アクションは結構過激だったり不倫的な漫画もちょいちょい載ってますけど、
それなのにも関わらずバカうどん氏の作品はそこから更に浮いてましたもんね・・・(苦笑)。
うん、まあ、双葉社どーのこーのっていうよりは「何も言えねぇ」って感情が一番大きいですかね。
取り敢えず、現状は見守るしかないような気がします。後、この記事は今の心境を吐露したかっただけなんで、
コメントは受け付けません。あしからず。



因果応報 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第8話「乙女」 感想

2017-10-17 | 知るかバカうどん
                            
                            鉄拳制裁不可避。









今週の内容は「THE☆知るかバカうどん」という展開でしたね
正にうどん氏にしか描けないとんでもない内容で色々と大丈夫なのか・・・?と心配してしまうくらい(笑
ボコボコりんっ!な展開が待ち受けていました。

個人的に、
酷い事をしてくるヤツ、
酷い事を言ってくるヤツに対して
悔しーっ!!って思ったとしても、
結局は泣き寝入りか脳内でけちょんけちょんにするぐらいしか報復の方法はないわけで、
その意味だと自分を酷い目に遭わせてずっと精神を蹂躙して来た相手にする制裁としては、
正しい/間違っているという概念を抜きにすれば「スッキリした。」というのが正直なところです。
こういう表現こそバカうどん氏にしか描けない衝撃性を含んだ芸術だなあ・・・と個人的には感じますね。

ただ、
ここまで来ると「読んで」とか「応援!」だとか、「面白いよ!」だとかね
そういう風に気軽に気楽に他人に薦め辛い漫画にはなってるかな、と笑
初期はまだ(ある程度)シンパシーで誤魔化せましたけど、
ここまで来ると最早成年時代と同じく“深淵”
正に「好きな人だけ読んで」「抵抗のない人だけ読んで」という領域にはっきりと突入した気がする
調子に乗って他人を攻撃したりコントロールする事に抵抗がなくなってしまったガキの惨めな末路・・・が、
これ以上ないくらいストレートに描かれている傑作回に仕上がっていました。






夢見る乙女だったいちかが、
きれいに堕ちていく様は言いようのないカタルシスに似た「何か」が確かにありましたが、
その前の純粋さを際立たせた演出によって更に衝撃的に映るようになっているのがまた流石でした
 ただ、一見そんないちかの高い(恋愛に対する)志は、
他人の気持ちを踏み躙ってコントロールする事によって成り立っていた“偽りの純粋さ”でもあるわけで、
それこそ表向きはきれいな振りしても裏ではコソコソ悪行を重ねている政治家さんと変わりない気もしました
だからこそ、最後の、醜いものの悲鳴や絶望は物悲しくも良く映える感覚もある訳で・・・
またかなえの悪意に満ちた表情がゾクゾクさせるなあ、と思いつつ(笑
個人的には「面白かった!」と心から思える話数でした

尚、これはあくまで個人的な感想に過ぎないのでね、
勿論バカうどんさんの過激な表現に辟易するような人もいると思います
だけど、自分的には全員を納得させるような作品よりも自分に微笑んでくれるような作品の方が好きなので。
ドラマみたいに都合のよくない、誰も助けに来ない、どころか顔面に思い切りパンチ浴びて鼻血出して・・・
そんなやりきれない現実、
だけど、
だからといって「可哀想」とまでは思わない
だってこの子は今までの人生で数え切れないほどの人の心を傷付けて来ただろうから。
有り体に「ざまあみろ。」と感じつつ、でも演出のお陰でそれだけでない悲壮感も漂っている、、、
という至極絶妙でスリリングな第8話でした
次回はレ〇プ完遂でポイ捨てとかでしょうか・・・色々な意味で気になります。かなえの動向も気になるっ!


















本当は、
本当に思うのは、
「受けた痛み」を返すんじゃなくて、
「受けた痛み以上の痛み」を返すのが正解なんだと思う
そうでなきゃ、きっと反省もしないしトラウマにもならない
それくらい、無作為に他人を傷付ける、、、という行為は重いものだと思う。
絶対支持。




加速する憎悪 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第7話「怒り」 感想

2017-09-19 | 知るかバカうどん
                           
                            開幕殴り合い。











知るかバカうどんさんの作品は、
こうやってわざわざ知らない雑誌買ってまで追いかけるくらいですから
正直魅せられているし、大ファンだとは言えるでしょう
だけど、それを大っぴらに言えるのか、って言えば、それはそれで少し躊躇う気持ちもあるなあ、と
そういう事をこの回で改めて実感させられてしまいました・・・笑
まあ、別にこっそり読んで、密かに楽しんでればそれで良いんですけどね。

今週の内容観ても、
笑えるとか癒されるとか感動するとかそういう要素一切皆無で
ただただお互いがお互いを憎み合い突き落とそうとする相様だけが描かれていて
恐らくその時点で大幅な人数が脱落してしまう事請け合いでしょう(笑

ただ、それもまた「人間の感情の一部」なんです
人間は好きな人ばかりなわけがないし、
本当は酷い目に遭わせたい、というか、遭って欲しいくらい嫌いな人間がいるのも拭えない真実なのです
そこに蓋をしてきれいで誠実な人間を装うよりも、いっそのこと解放してみては?とは思う
勿論実際にするのは色々とアレなんで、こういう表現作品、でね・・・。






この表情を見て欲しい。
すっかり承認欲求に震えるか弱い乙女から
他人を突き落とそうと画策する悪人の瞳に変わってしまった
だけど、作者曰く「いちカス」がして来た行為を考えると、
そしてかなえの若さも加味するとこういう行き過ぎた思考になってしまうのも分からなくもない
抑圧され続けた人間こそ、追い詰められた瞬間に(怒りが)爆発するのは良くある話

更に、かなえの心には自分が欲しいものを全部持っていて、
誰からも愛されるいちカスの存在に対して妬ましい気持ちも(ここで)膨れ上がってしまったのだと思う
何度も見て来た挫折、何度も見て来た屈辱・・・いい加減、「そういうの」が重なるのに疲れたんだと感じる
行き詰って、逆上して、殺意すら帯びてしまった人間の憤怒の感情が描かれている・・・と考えると
ある意味レアリティの高い作品ではあるのだが、
その分これまで以上に人を選ぶ作品に(案の定)なってしまったなあ、とも思う(笑
初っ端から他人をいたぶって楽しそうな人たちの笑顔とそんな「現実」に対する絶望が思い切り描かれてるので、
その時点でハードコアなのは間違いないが、逆に言えば表現として突き抜けている・・・とも言えると思う

遂にブチ切れてしまったかなえの怒り、
そこから生まれる憎悪の連鎖、
お互いプライド(or大切な何か)を傷付けられて許せない気持ちが膨れ上がっていく作劇、、、、、。
読めば読むほど直情的に「楽しい」とか「グッと来る」とかそういう要素が皆無な漫画に仕上がっている(笑)のだが、
個人的にはそういう人間の汚くて、でも、リアルでもある感情をゾクゾクと切り取っていく作劇に魅了される。
面白いと思うし、他人にはぶっちゃけ薦めたい気持ちとかはこの回を読んで益々無くなったけど笑
でもまあ、ポピュラリティだけが表現の全てではないですから、こういうのも存在していて欲しいなあ。とは思います

正に成年誌でやっていた漫画のような展開になりつつある「君に愛されて痛かった」、
最後の衝撃的なオチの前にまたいちカスが楽しそうに満たされてるのが何とも言えないんですけど・・・。
どんどん加速度を増して憎しみ合いの連鎖がヒートアップしていく本作、
正直次回を読むのが死ぬほど楽しみなんですが、
次号は休載なんでこれまた1か月後なんですよねー・・・。
これじゃ生殺しだっ!って感じつつ(笑)、一般紙でも変わらないバカうどんさんの姿勢に頼もしさを覚えた7話目でした













確かに顔は可愛いんだけど、
性格が良くなきゃいくら顔が可愛くてもダメだよ。。
とびっきりの美人でも他人の悪口言いまくる人だったら一緒に居たい気持ち失せるでしょ。
 
なんか友達も、友達に見えて、いちかが怖くて、仕方なく従ってる、ご機嫌取ってるようにも見えます
でも、そんな関係性はとってもいびつで、どこか危ういものも感じさせるような・・・
そんな気もしましたね。あらゆる意味で8話が楽しみです。怖くもあるけど。




狂気のスピード 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第6話「大丈夫」 感想

2017-09-05 | 知るかバカうどん
                           
                        どんどん追い詰められていくな。











誰かの変な噂やミスが広まると、
まったく関係ない人まで怒りや無視という制裁を加えるようになる
しかし、ぶっちゃけ「お前関係ねーだろ。」って感情が沸くのもまた事実
ただ、何というか、有り体な“悪いヤツ”に上から目線で攻撃する事で自身が優越感を得て
なんとな~く常識人になったような気分になる・・・という価値観というか理念が多いのもまた事実。
そこに「真実か否か」という疑いが挟まる余地は全くなく、ただみんなでオラつければいい。それが現実だと思う。

しかし、正直読んでいて(良い意味で)複雑な気分というか、
攻撃される理由は確かにあるんだけど、
攻撃を執拗にかます是非はまったくないわけで
その辺はやはり上手いな、というか
ある意味初めて読んだ同人誌から地続きで“読み手を複雑な気持ちにさせる”事が上手い作家だと思う。

下らない友情ごっこと連帯感の裏で確かに彼女らは「何か」を失っている
今はまだ「それ」に気付いてはいないだろう
いずれ「それ」に気付くのかもしれない
だけど、
いつか気付いたところで「それ」はもう遅い。
一度ギタギタになった心はもう治らないし、傷は一生残るものだ

個人的に不良が更生したところで、他人を傷付けてきたという事実は消えないし、
そういう人間が「偉い」と称賛される事案に関しては正直反吐が出る。
その癖、何の悪さもせずに律義に頑張って来た人間にはなんのスポットライトも当たらない
本当に賞賛されるべきは、一度も間違わずに頑張って来た人たちなのだ。

まるで空気を吸うように平然と他者を傷付けご満悦の彼女ら
いくら顔が美人であろうがスタイルがよかろうが、性格がクソならばすべてが台無しである(個人的に)
これならば初回でいじめられていた陰キャの二人の方がまだマシである
しかし、かなえも「そっち側」に行ってしまったんだな、、、と思うと
中々に心苦しいが、
だからこそ自分の存在意義を求めて必死に夜の街に繰り出す描写に少なからず感情移入してしまうのもまた事実
案の定、相手はいかにも自尊心が高そうなイマドキの云い方をすれば所謂「イキリオタク」って奴(使い方合ってるかな)で
まあ「まともな奴」ではなかったのだが・・・。






気が付けば、
誰よりも不細工な顔になっているかなえの表情が面白い
面白いっちゅうか、切実・・・というか。正直、「誰でも良い」と思えるほど人間は適当ではなく、
ほぼ間違いなく「あの人に好かれたい」「あの人に構われたい」という願望はあると思う
それは価値観が一致する人だったり、立ち振る舞いが素敵な人だったり・・・
逆に“そうじゃない”と感じると物足りなくなったり不愉快な気分になったり虚無を感じるのは普遍的な心情だと感じる

よく読めば、相手のラノベ作家は普通に悪口言いまくりだし、普通にかなえを疑って傷付けているし、
やたら大声は出すしで彼の嫌う「大きな赤ちゃん」そのものなのだ
(俺の)経験則からいって、
あれこれ御託を並べる人間ほど自身がろくでもない人間である事が多い
しかも、かなえはその前に寛というナイスガイに出会ってとても高い比較対象がいる
その点でもすべてが自分勝手なラノベ作家の彼とは何もかもが「違う」気持ちにさせられたに違いない。









学校で居場所を失い、
集団から外れて、
頼りの援○でも痛い目を見て、
おまけに最後はスマホを取り上げられて・・・
他者との「繋がり」の術をほぼ断ち切られてしまったかなえ
普通に考えれば所謂胸糞展開まっしぐらで「面白い」という感情は出てこなさそうだが、
不思議とうどん氏の作品には「それ」がなく、素直に「好きだ。」と思える。

それはきっと、誰かに認められたい気持ちだったり、共感されたい想いだったり、
必要とされたい感情だったり、「お前じゃない」という本当の意味で普遍的な心情だったり・・・
ある種愉快犯的な作家さんに捉えられることも多いうどん氏ですけど、
その実「人間の根源的な動機」を描いている。とも言えると思うんですよね
だからこそ読んでいて感情移入してしまうし、とっても「面白い」って素直に思えるんでしょう
いや、勿論これら全部俺の個人的な感想に過ぎないんですが(笑)そこは注意です
でも、ラス前の見開きのかなえの号泣シーンにはシンクロしてしまうくらい切実なものを感じました
「本気の表現」を求めている方・・・は是非読んでみてはいかがでしょうか
次回以降もとんでもない展開が待ってそうですっごい楽しみだ!





人間は信じたい方を都合良く信じる。 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第5話「友達」 感想

2017-08-19 | 知るかバカうどん
                       
                      一花とかいう闇(驚愕)。











彼女のやっている事は「正義」でもなんでもなく、
ただの「友情ごっこ」であり“形だけの正しさ”を利用した「悪行」そのものだと思った

まず、一花はこれまで何一つ手前の力で成し遂げようとしていない
そもそも寛のことだって一方的にかなえを叱責して罵倒して自分に協力するように従えただけで
自分の力で近づこう、とか、誰にも頼らずに想いを伝えよう~という意識の高さがまるでない
寛が好きになりそうな子を一方的に封じ込めて言う事聞かせてあまつさえ人形のように利用しようとした
その程度の意識の低い精神性だからお前は好かれないんだよ・・・って個人的には言ってやりたいくらい(笑
個人的にはいけすかないキャラクターである。

大体、こういう外面だけ良くてその実、、、みたいな奴が大嫌いなのもある(笑)。
男の前でだけ甘い声使って媚びまくって、裏では陰キャを平気の平左で罵倒したりする
一体誰がそんな奴を好きになるんだよ。。と思うと、
実は寛の選択は正しかったりもする

ただ、人は自分の信じたい方を無防備に信じるだけの生き物だから、
かなえがどれだけ正しくてもかなえのことを「悪」だと認識してしまうだろう

例えば、今話題になっている下関国際の話だって、
ソースがソースな上に普段叩くマスコミを100%信じ切っちゃってるじゃないですか?
それでね、ボロ負けしてざまあ。ってね、そりゃないでしょ!って思うんですよ
マスゴミマスゴミ言うんだったら、少しは疑ったらどうなの?とは個人的に感じますけどね
よしんばあれが事実だったとしても、「甲子園まで来れた」事は揺るぎない“成果”なわけで
ざまあ、なんて言われる筋合いもないし、そもそもあんたら関係ねえだろ、甲子園観てもいねえだろ、って(笑
凄い思いの丈ぶちまけまくってますが、そういう事を今週分の君愛を観て思いましたよ
信じたいを方を都合良く信じてしまうのが人間の愚かさ。
それをメッセージとして込めてるこの漫画、やはりレベルが高い。個人的にはレッテルを忘れて読んで欲しいです。






だけどね、本当にズルいのは一花なんですよ
一花こそかなえが「弱い」事に付け込んで手前の下僕扱いして来たくせに、
いざ誰かに守ってもらうとその「弱さ」を許せないとかいっちゃう都合の良い解釈が光ってます
一花自身かなえの「弱さ」でインチキ恋愛模様を展開しようとしてた癖に、何言ってやがる!と思いつつ、
自分を美化して正当化して酔ってしまう、
そういう人間の醜さを描いている模様はうどん氏ならではのオリジナリティがあって凄いとも感じる
個人的には勝手に他人の椅子に座った上に一方的に陰キャをいびる時点でこいつの人間性なんてたかが知れてますけど(笑
そこはやはりうどん氏、こいつもいつかボコボコりんっ!にしてくれる事を信じています

個人的には、
「正義」という大義名分を武器や理由にして
誰かを集団でいびったり無作為に攻撃する行為は大嫌いですね
そもそも、いちいち群れなきゃ行動出来ないの?って思う笑
そういう・・・
人の嫌な部分を描ける漫画家は希少だし面白いのでこれからも頑張って欲しいです
かなえも寛とどーこーなる気なんて最初っから無かったんですが、
複雑な作劇の結果ここまでこじれてしまいましたね
でもまあ、よく一花みたいな罵倒女の言う事をここまで素直に信じるもんだ
でもそれに対して何も注意しない程度の精神性の連中なんてこんなものか。とも思う
何にせよ、漫画としては最高に面白くなって来ましたね・・・!












多分この回だけ読んだら一花に感情移入する人もいるかもしれない・・・
という巧妙な罠の張りっぷりも含めて(笑
秀逸な話数でした
「一花 悪くないんだし」という開き直ったセリフがまたこの子のゲスっぷりを強調してますよね。




あなたの笑顔を憎む 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第4話「声」 感想

2017-07-18 | 知るかバカうどん
                                        
                                   何気に同人誌に出ていたキャラである。












頭の中で声はいくつも聞こえている
憐みの声、蔑みの声、悪意に満ちた声・・・
それらは大概が幻と言えるものなのかもしれない
だけど、やっぱり経験則からか肌で感じ取ってしまう冷たい感情だって当然ある
それを「自意識過剰」という言葉で済ますのは簡単だけれど、
そんな言葉で済ませられるならば闇は生まれないと思う
人はそんなにきれいな生き物じゃないし、
自分もまた美しい生き物ではない
だからある種当然、
その「当然」をなんとか出来ない自分自身がまた悔しい、、、という話でもあるんですよね。





何もかもを器用にこなせるんなら、
こんな事で困る事はなかった
誰からも愛されるような愛嬌があったなら
こんな事で困る事はなかった
上手くやってる
自分を出せてる
誰かと仲良く出来るようなスキルを持ち得ている「皆様」とは違う
だからこその苦悩・・・がこの回は存分に描かれている気がしました

人間、努力でなんとか出来る領域には限界がある
努力ではどうにもならない事柄の方が多い
誰かの所為にすることばかり得意になっていく自分と
器用さとはどんどん掛け離れていって仕舞には何もかもが下手になっていく自分にダブルKOされて
行く宛てのない感情ばかりが育っていくだけ・・・それを遠慮なく表現し切った今回の作劇は非常に見事だったと思う
自意識と、自意識という言葉では済まされない現実を生きている人には是非触れて欲しい話数だと感じました。






本当に大切なものは、
後になってから気付くもの。
後から考えれば、ここが分岐点だったのかもしれない・・・
そう思わせるこのシーンに関しても必見です。
(実は)相当真に迫るシーンやテーマが多い、闇を抱えて生きている人には届く素養の高い漫画だと感じますね。
次号は(恐らくコミケの為?)休載なので次の話数は約1か月後ですね。早くもハブられてしまったかなえ、
その闇の行く末と過程に注目しています。余談ですが今日はずっと死にたい気分だったので余計に響きました。内容が。



嘲笑の上に成り立つ幸福 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第3話「願い」 感想

2017-07-04 | 知るかバカうどん
同一人物である




この作劇を見るに・・・
今現在世間を騒がせている某人物の格言の通り
世の中には裏と表がある しかも、女流作家の漫画ですので
こういう描写にも説得力に近いものがあるのがまた何とも言えないんですが・・・笑

仮に、こんな方法で幸福になったとして
果たしてそれが本物の愛って呼べるんでしょうかね?
誰かを蹴落として、
誰かを馬鹿にして、
そんな非真っ当的な手段で経た幸福が持続していくとは到底思えない
何かを犠牲にした分、必ずそのツケは回って来る・・・
それはもう連日のニュースを観てれば嫌でも分かる事なのに

例えそれが一見ピュアな恋模様に見えても、
ちょっと背景を暴くだけでそれがグロテスクなものに見えてくる
今週の「君に愛されて痛かった」の作劇は正にそれそのものであり、
ある意味女流作家だからこそ描ける女性の嫌な部分。。
を的確に描き出している辺り、
やはり流石だなあ、と個人的には言わざるを得ないですね
そういえばバカうどん氏は同人誌の頃から女性でありながら女性批判的な目線で作劇を紡いで来た人なんだった
まあでも・・・こんな奴ばっかじゃない事も個人的には祈りたくもあるんですけどね笑







罪悪感にうなされながら、
苦悩の表情で悶々としているかなえの描写もまた切実で良かったです
っていうか、全部友人(?)の言うことに従って、素直に応援のスタイルを取って、
まるで道具のように振る舞う姿はある種人形じみてもいてそれもまたリアルと言えばリアルな相様でしたね
結局、「確かな自分」を持ち得てないからこそああいう風になっちゃうんでしょうけど、
自分も正直波風立てたくないタイプなんである程度は分からなくもないです
清廉潔白な寛と比べて、
小市民かつ嘘つきな自分を比べて卑下の沼に入り浸る様子も
ある種のシンパシーが感じられて良かったですね
精神疾患にでもなってるのか、
というくらい不安定な主人公と行き場を失っている感情が際立っている物語ですが
相変わらず引きが物凄いので(笑)また色々な意味で再来週が楽しみです
楽しみっていうか、
逆に怖いんですけどね・・・笑
ただ、バカうどん氏の作品でお馴染みの「勧善懲悪でない世界」「何とも言えない複雑な作劇」が拝めそうで
その意味では18番炸裂かなあ?って感じで「らしさ」的にワクワクはしてますけどね

この人の作風は、
この人の作品でしか味わえないんで・・・
絶対に大衆や、或いは漫画マニアの皆様方が喜ぶような内容ではない
むしろしかめっ面を誘うような漫画家だと思うんですよ(笑
でもね、「みんなに受け入れられる」事だけがすべてではない、というか。。
「一部の人に熱狂的に愛される」、そういう在り方はそれはそれで正しいんじゃないのかな、って思いますよ
そして自分もまたその「一部」なんですよね。ただそれだけです。




普通とは何だ 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第2話「普通」 感想

2017-06-20 | 知るかバカうどん
                                           
                                               ああ・・・。











「普通」って一体何なんでしょうね
恐らくは、共通観念とか(行動に於ける)最大公約数的な選択の事、、、なんでしょうけど、
それを強要したりある種の暗黙の了解にしてしまうと、「個性」が死に絶え選びたい人生を選べなくなってしまう気がします
大体、「普通」「普通」とはいうけれど、分母が大きい類の行動を「普通」としてしまうと、
それに当て嵌まらない/当て嵌まりたくない人間の居場所が無くなってしまう
手前のものさしを相手に当てはめて「異常だ」という人間も、
言われた方から見れば手前のルールを押し付けてくる分「異常だ」ってなるんですよね
「普通」「普通」「普通」・・・その言葉に囚われてしまうと、人間結局周りとアジャストするだけの、
人形的判断をせざるを得ない存在になっていくしかないような、、、という気もします。

この国に住んでいると、
どうも「周り」と「違う行動」を「取る」、それ自体が悪・・・というのは大袈裟かもしれませんが、
訝し気な目で見られがちな節があります 要はイレギュラーな存在を安易に排除したがりがちなのです
つまりは、“認め合う”“分かり合う”なんてのは所詮おとぎ話の出来事であって
実際にはそこかしこに火花が日常茶飯事に散らばりがちなんですね。
分からなければ分からないままでいい、
でも、そこで矯正を促したり
茶々入れて嘲笑うのは正直「違う」と思う
想像力の欠如、、、というか、みんながみんな「普通」という曖昧な範疇に囚われて生きてる訳じゃないんですよね
人それぞれに正義や本音があって、ただそれに従って生きている。それだけなんです。






ただ、かなえ自身が本当に幸福か・・・と言えばそれは違う
正直向き合えずに逃げている部分もかなり大きいんじゃないかと思います
みんながみんな正しく生きれるわけじゃない、
だけど、本当はみんな叶うならば正しく生きたいと思うんですよね
つまり、寛くんの告げた助言はある種の「強者の理屈」になっちゃってた訳です
あそこで告げるべき言葉はそんな圧を掛けるような言葉ではなかった、とは断言出来る
そりゃ、みんな出来るならば「あなたのように」生きてみたいはず
だけど、誰もが寛くんのように生きれるわけもないんですよね
それを理解した上で向き合わなければ行けなかった・・・んですが、
1話のカラーページから察するに寛くんとどーこーなりそうなので、挽回のチャンスは残ってるんでしょうね
ただ、その結果あの見開きのブラッディ模様に移行する、、、と考えると複雑なんですけど(笑
2話目の引きもまた不穏そうなんで、ドキドキしつつも3話目を待ちたいと思います。

人間は多かれ少なかれ、「誰かの何かになりたい」気持ちを持っているものだと感じます
或いは、ただの塵芥から、ただ一つの「何か」になりたい気持ちだって持っているはず
それがなきゃなんだかんだ人間は生きるモチベーションを無くしてしまうと思う
ただ飯食って排泄して寝て起きて仕事してのサイクルを繰り返すだけの「動物」なら良かったんですけど、
そうじゃないですからね。
残念ながら・・・ね。





鬼才、一般紙に猛攻開始! 知るかバカうどん「君に愛されて痛かった」 第1話「居場所」 感想

2017-06-06 | 知るかバカうどん
                                            
                                               刮目せよ!!
                                          血まみれのカラーページだっ!!!!













今の世の中、「正しい人間が正しい事をする物語」があまりに多すぎると思う
そりゃ誰だって正しく愉快に懸命に生きる事が出来たらそりゃ嬉しいし本懐だろうけど、
誰もがそんな生き方が出来るなら誰もうつ病にはならないし、自死など選ばない世の中になっているはずなんです
なんで、そういう(最近よく見るネタ的な使い方ではなく)「闇」の部分にスポットを当てたがらないのか、、、と
個人的には常々感じてたりもするんです

1年半前、冬のコミケで初めて知るかバカうどん氏の同人誌を購入した
そこで描かれていた「嘘もつかない純粋な存在」という作品の暴力性と理不尽さと虚しさに衝撃を受け、
一気にファンになったんですが、もう既にその頃はそこそこ人気が出始めていた頃だったので
いずれ一般に行く事はなんとなく分かっていました
しかも、双葉社ってところも、なんというか、「ああ、なんか取りそう」って感じで納得度が半端ないですね笑
そんな氏の一般誌デビュー作は想像以上に“正しく”、そして衝撃的な面白さを含む新作に仕上がっていました。



バカうどん節、炸裂!って感じの1コマ(笑


大勢で、仲間で集まって楽しく・・・と言えば聞こえはいいが、
個人的には大勢で居れば大勢で居るほど逆に孤独を感じてしまう
この漫画の主人公のように、群れの中で「自分だけは違う」という事実に気付いてしまうからだ
まるで空気を吸うかのように他人に上手く合わせられたり同調出来たり、或いはマジョリティ側の人間ならそれでいい
でも、「そうではない人間」は居れば居るほど理不尽なダメージが自分に「だけ」蓄積していくだけだ
そうなると、自分の存在がどんどん曖昧になっていく
誰かに必要とされたくなる
それも、ただ必要とされるだけじゃダメで、
「自分がナンバーワン」ってくらい誰かに愛されたくなる
そりゃそうだ、「色々居る中の一人」程度の認識で嬉しい気分になる人なんていない

周りにも溶け込めず、
要領も悪く、
常に誰かの顔色を伺って生きている・・・
そんな人生が果たして「楽しい」って言えるだろうか
「生きてる」って言えるだろうか
正しく生きれる人間はそれでいい
要領よく生きれる人間はそれでいい
だけど、どの群れからも外れてしまうような欠陥品のような人間はどこへ行けばいいんだろう
そこで踏み止まって辛抱出来るか否か、、、が分かれ目なんでしょうけど、達観した大人ならいざ知らず、
かなえはまだまだ10代のコドモですから、そこで節度を取れず、「そういう行動」に出てしまったんだろうなあ・・・と思う。

見知らぬおじさんに抱かれて、
でもキョロ充かつ要領の悪い自分を誰よりも必要としてくれて、
愛されている実感を経てまるで赤子のように必死に幸せを求めているかなえの姿は
ある種醜悪でありながら気持ち泣けちゃうくらいに感情移入出来るものだった
どこに居ても、
どこに行っても満たされない
目に付くのはいつだって要領の悪い自分ばかり
だからこそ、「無条件に愛してくれる」そういう行為に手を染めてしまったんでしょうね。





それは健全な学生としては間違ってるのかもしれない
だけど、そんな感情自体はとても生々しくて切実なものだ
例えば、自死は一般的に「悪い事」とされてるけど、
そうなるまでに至った経緯や人それぞれで心の強弱が違う、という事実があまりにも加味されてないと思う
愛嬌があって、要領が良くて、空気が読めて、周りに合わせて自分を曲げる事が出来る、
或いは周りと同じ又は近い感性を持っている・・・そんな人間ばかりではないのだ
男は快楽を求める為のセックス、
女は愛欲を高める為のセックス。。
そんな姿がとてもきれいに描かれている初回はインパクトと面白味抜群の出だしだったと思う。

また、去年のヤンキーJCの頃から思ってたんですが、
絵に官能的な魅力が加わったと感じてます
以前は衝撃性だけでエロさに関してはそこまで、、、だったんですけど、
今はとても肉感的な絵を描かれますし、元々の女の子の可愛さもあって
素直にグッと来る感じの作画に仕上がってるなあ、、、と感じましたね
それと、純粋にかなえが可愛いですね(笑
セックスの時の感じてる仕草、紅潮した表情、エロい手さばき・・・その全部が魅力的で
そりゃ男としても夢中になっちゃうよな、本当に俺で感じてると思っちゃうよな、、、って感じました笑
そういう男を陶酔させるテクニックを持つ女性を描けるのはやはり女流作家ならではの持ち味ではないでしょうか
この1話では主に主人公かなえの援○交際のシーンが中心なんですが、男女で同じセックスをしていても
その価値の置き方がまるで違う風に描かれている辺りが流石だな。。と思ってしまいました
こーゆーのは男性には描けないでしょうねえ。






誰だって必要とされたい。
誰かのナンバーワンでいたい。
2番手3番手4番手その他大勢じゃきっと満足し切れない。
無条件に愛されたい
自分のすべてを愛して欲しい
寂しくてやり切れない気持ちを救って欲しい―――――
そんな想いに駆られるかなえが、そんな想いを誰かに思い切りぶつけまくる「旅」が始まりました
その行先は冒頭で示されている通り、ハッピーエンドどころか盛大な脱線で締めくくられるんでしょうが、
先に物凄いバッドエンドが示されているだけに、どうやってそこまで辿り着くのか・・・楽しみですね

人間なんて、そんなきれいな生き物じゃない。
遠くから見れば美しく見えても、
内情は醜いし、
笑顔で他人にナイフを投げ付けられる人間ばかりなのが現実で。
周りに染まる事が出来ない人間に居場所が決してないのが真実で。
そういう事を・・・バカうどん氏は描いてくれると思います
そして、そういう表現こそ今の自分に必要なものの一つ、、、だったりします。

ちなみに、
タイトルはそのままの意味合いに加えて
「君に愛されていたかった」のダブルミーニングでしょうね
これ今誰の感想も見ずに書いたんですけど、被ってたら嫌だな。。と思いつつ(笑
これから毎月漫画アクションを購入して物語を追っていくのが楽しみです
過去作の感想も(同人誌や単行本など)書いてるので同カテゴリーから是非見てみて下さい
今回は曲がりなりにも一般漫画としての掲載になるので、胸を張って応援していきたいと思う。最高でした。




【殺意という名のただ一つの真実】知るかバカうどん「ゆめかわゆめちゃん」 感想

2017-01-26 | 知るかバカうどん
                                    











時折、無性にまとも過ぎる、正しすぎるお行儀の良い世界にうんざりする事がある
そりゃ、そういう感情だけで生きていけるなら話は別だけど、
人間そこまで殊勝な事ばかり考えてるのか?っていう気持ちもある
「あいつを殺したい」だとか
「めちゃくちゃにぶっ壊してやりたい」だとか、
それもまた普遍的で人間らしい心情の一つでしょう。

勿論、実際に行動に移したりはしませんよ?(笑)
ガキじゃあるまいし、そこは大人な考えで生きて行くのが「当たり前」
だけど、漫画やアニメの中でくらいそういった普段抑えつけてる感情を解放したい気持ちだってあるじゃないですか。
俺はあるんですよ。
だから、そういう意味合いで知るかバカうどんさんの作品ははっきりと自分にとっての“救い”に成り得ているんですよね。


人間、口だけなら、どんなに素晴らしい事でも言える
平気で以前言った言葉を不意に出来てしまう
それは、
法律では決して裁けないけど、ある意味犯罪よりも憎たらしい不条理じゃないですか?
そこで押し黙るんじゃなく、自分の手でめちゃくちゃにしてやりたい、幸せを奪ってやりたい
そういう悪意と憎悪と復讐に燃える想いもまた人らしい感情の一つだと言えるでしょう
あの言葉も嘘だった
あの約束も嘘だった
本気なのは自分一人だけだった
自分が精一杯あげた気持ちを、何も返してくれなかった
それは、、、やり切れない憤りであり、許し難い現実でもあります

だから、自分の想いもされたことも何も知らずに幸せそうに笑う「あいつら」を
突き落として殺して、文字通り地獄に叩き落としてやる、、、という、そういうお話です
完全にキマった表情で躊躇なくホームから妻と子を突き落として殺害するシーンなんかは、
ぶっちゃけ商業誌ではほぼほぼ描けないようなシーンになっているでしょう(笑
過ってしまった「現実」をなかった事にして、
責任も取らずただ自分の中だけで完結して平気の平左で進もうとしている男にとっては
正に青天の霹靂、お仕置きの一発としてはめちゃくちゃにキツいものだったでしょうね(笑

ただ、個人的には読んでいて妙にスカッとしたというか、
「てめえ一人だけ勝手に立ち直ってんじゃねーよ」って気持ちもあったので
奥さんと子に何も罪はありませんが、それでも、復讐の描写としてはかなり秀逸なものに感じました
狂気に満ちたゆめの表情とそこから感じられる心境に少なからず感情移入してしまった節があったのかもしれません。



ゆめは、いつだって本気だった
自分の自尊心を充たす為の道具として扱っていた男とは対照的に、
いつだってピュアで、
いつだって一途で、
いつだって誠実に向き合う器量を持っていた女の子だった
見合う女の子になりたくて努力もしたけれど、
そんな純粋な想いは「大人の事情」で全てかきけされた
ある意味、純粋過ぎてそんな気持ちの持って行きどころを見失ってしまったんでしょうね
脅迫じみた逆レイプに、辱めと自分一人だけが気持ち良くなる文字通りオナニーのようなセックス、
挙句の果てに奥さんと子供を転落死させる凶行に走って完全に人生がめちゃめちゃになっちゃってます
どうしようもない過程、
どうしようもない顛末、
ゆめが見たかったのは、奥さんと子供が死んだ景色ではなく、
その景色を見て青ざめる大輔の表情そのものだったんでしょうね。
大輔のせいで人生めちゃめちゃにされたから、
復讐として大輔の幸福を思い切り握り潰してやった。
そんな、復讐劇としては過激すぎるバカうどんさんならではの強烈な作劇が光っている新刊に仕上がっています
この血が滲むような悔しさ、そして憎悪、更にそれらが呼びだす狂気の表現は好きな方はとことん好きだと思う
いつもながらかなりハードコアな仕上がりですけど、その分ある意味真っ当な面白さに満ちている漫画
作画だったり演出のクオリティも益々進化されてるので、うどんさんファンは必見の同人誌です
別に薦めるつもりも薦める気もないんですが、
取り敢えず「俺は」大好きです。って、ただそう言いたいだけですね。

人間、表には出せない「正しくない感情」がいっぱいあるんです。
それをご丁寧に分厚く包んで出してるから結局そこでどこかがおかしくなってしまう。
そういう感情を解放する為には、もっとバカうどんさんのような表現者の台頭が必要でしょう。
去年の正月にバカうどんさんの同人誌の感想を書いて1年経ちますが、
今ははっきりとそんな事を思います。











ちなみに、途中まではなんと「イチャラブ」になってるので(笑)。
バカうどんさんの描く「イチャラブ」に少しでも触れられるこの本はある意味レアリティあります
そっちに振り切っても振り切らなくても、結局バカうどんさんの漫画は何やってもこの方の色に染まっているような、
そういう芯の強さと確かな“面白さ”があるので、そういう意味でもこれからのバカうどんさんのコミックがとっても楽しみなのです。
最近、どういう漫画アニメを見ても「頑張るんだ」「信じるんだ」「分かり合うんだ」のオンパレードですっごくイライラしてたので、
本当に気持ち救われた気分になりました。そういう感情だけで生きてる訳じゃないっていう。