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サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

思春期というアート きい「つめたい雨、やさしい君」 感想(快楽天2017年9月号)

2017-08-08 | 快楽天(きい)
                             
                           扉絵の時点で最高過ぎる。










あらすじとか抜きでいきますが、
恐らく十美坂さんには止むに止まれぬ事情があって
この街を後にしなくてはならない状況が、、、それも、割と唐突に出来たんでしょう
だから、最後に好きな人に会おうと思った、(例え疑似的でも)結ばれようと思った、だから、
全力で辻を誘った―――――。と、考えるとある意味刹那的な物悲しさが内包されている作品だと言えますし、
かつ、成人漫画で「しか」描けないリアルでピュアな気持ちが表現されている傑作だと思いました

例えば、
こういう恋愛系の漫画で「健全であること」が美徳とされる節があるのをたまに感じますが、
それは見た目や体裁が整っているだけで逆にそっちのがファンタジーに思えたりするのが個人的な本音ではある
本当のリアルは、偉い人に向けてご機嫌を立てている偽物の中にあるのではなく、
ある意味・・・生々しく描く事で逆に誠実だと思えるこういう作品の中にあるんじゃないか、って思ったりもします
人間、そう簡単に理性や割り切りを重視して行動出来る生き物ではないですからね。ちなみに持論です。





それにしても、行為のシーンは素晴らし過ぎた
まあ、世間的に考えれば決してランクインすることはないんでしょうが
個人的には漫画賞か何かに引っかかって欲しいくらいのアーティスティックなSEXのシーンがヤバかったです
直接的な表現を使わないでエロを表現する~とかいうぬるっちい戯言が小賢しく思えるくらいの
生々しい局部の描写、助平な雰囲気、なのにちょっと清廉とした空気感なんかもあって・・・
物凄く興奮が出来る、上に、芸術性すら感じるハイレベルな官能表現に仕上がっていました。

さっきからちょいちょい棘のある言葉を使ってこの漫画を絶賛してますけど、
ぶっちゃけ官能的である事に自覚的かつそれを高いレベルで表現している作品については
もうちょっとしっかりときっちりと深く評価されて欲しいなあ。。って気持ちが(個人的に)強いから、ですね
はっきりいって人間から官能を抜いたら、残るのは死滅だけですからね。そこにドラマも付随するのが「普通」かと。

「最中」に、今までの二人の思い出、それも特にたわいもないものばかりが蘇って来て、
「あの○○とやってる・・・!」的な衝動と興奮を引き起こすきいさん独自の演出が本当に素晴らしかった
勿論バカ正直にリアリティある、とかいうつもりは毛頭ないんですけど、
それでも妙な生々しさが作中から感じられるというか、
それが凄かったんですよね
成人漫画はそこまでページ数が多くない分バックボーンをいかに感じさせるかは重要なポイントですが、
サクッと行為のシーンを魅せつつ、その場で「積み重ね」“も”魅せていく演出手腕はオリジナリティが相当高く、
今この雑誌である種エース扱いされてるのも大納得の漫画だなあ・・・と素直に感じてしまいました
兎角、読み手を感情移入させるのが上手いというか・・・
きいさん流石だな。と唸らざるを得ない一作です。





ただ、この夜の一連の行為は、
恐らく十美坂さんがもう彼の前には居られなくなってしまう、
だからこその目配せであり、刹那的な行為であったんだろう。。とも思う
せめて、最後の夜だけは、好きな人の前では素直でいたい、愛し合っていたい・・・という
そういう行動理念だったんだとすれば、その瞳に浮かぶ涙の訳も重みもどっしりと伝わって来るんですが・・・
切ないですね
正直、このオチには面食らってしまったんですが、
だからこそ、主人公の未練にも共感出来る節が強かったのもまた事実。

同時に、あの夜深く刻んだ愛の行為こそが、十美坂さんが確かにそこに居た揺ぎ無い証になってるな~、とも思えて
そういう意味合いでも本当成人誌だからこそ表現出来る真っ当で切ない恋物語だなあ。って気はしました
多分、男の方が引き摺るタイプでしょうから、辻くんも正直苦労しそうだな~と思いつつ笑
それもまた青春・・・といつか割り切れるといいなあ、と。











しかし、辻くんは辻くんで、真っ当に思春期やってて可愛いな(笑
個人的に思春期フェチなんで、きいさんの作品はツボにハマる事が多いですね。
純粋に。



2年前のヒロインが再登場!! きい「お見舞いエトセトラ」 感想(快楽天2017年7月号)

2017-06-01 | 快楽天(きい)
                                         
                                          カワイイ(惚れ)。










今月の快楽天にきいさんの新作が載っているのだが、
パッと見で驚いた 2年半前に掲載された「コンティニュー」のキャラがそのまま登場しているからだ
例えばひげなむち氏みちきんぐ氏のような連作シリーズなら分かるが、過去の、、、
それも2年半も前のキャラが堂々と、しかも巻頭で再登場することは滅多にない
ホムンクルス氏のエレナ嬢といい今月の表紙はみちきんぐ氏の主従リターンズのキャラが今更飾っていたりと
最近の快楽天は段々キャラをしっかりと推す方向性になって来ていて読んでいて正直面白いですね

成年漫画はその性質上「使用するためのもの」と考えられがちなところがある
しかしよくよく考えると、実写じゃないんだからよく知りもしない魅力を感じてもいないヒロインにはお世話にはなれない
そう考えると実はある意味一般漫画以上にキャラ漫画として成立させていかなければいけない気苦労があります

この「コンティニュー」という作品で初登場し今回の「お見舞いエトセトラ」で再登場を果たしたヒロイン、
九堂ちゃんを正直よく憶えていたし、憶えていたどころかちらっと見ただけで「出てるじゃん。」と思ったくらい
即座に当時の記憶に帰れる、印象に残っていたヒロインだったんだなあ。。ってのが逆説的に分かりました
凄く先輩想いで可愛いし、でも、時に大胆な一面も刺激的で、そのメリハリが何より素敵なヒロインです
ある意味、成年漫画は消費される為のものなんかじゃなく、心の中に色濃く残るものなんだ。。ってのを
証明したかのような作品にも仕上がっていて、それが成年漫画ファンとして凄く嬉しい一作でした。






これ、成年漫画の1コマとは思えないくらいほのぼのしていてカワイイカットですよね・・・笑
一般的な価値観として(自分は嫌いだが)健全であればあるほど「純」である、という概念がある気がしますが
その辺に転がっている下手なラブコメよりもめちゃくちゃに読んでてニヤニヤしてしまっている自分がいました
前回の作品とは違って、普段着の姿を逆に先輩に観られて紅潮してしまう九堂ちゃん、
忙しくても自分に会いに来てくれる先輩にときめいてる九堂ちゃん、
そんな誠実な姿に雰囲気もバッチリもバッチリで終始笑顔が止まらない作品でした
個人的には本当に愛し合う二人のラブラブの情事こそ真にニヤニヤ出来るものの一環、、、だと思ってます
そういう自分が普段感じてる事を高いレベルで再現してくれてるきいさんの手さばきはやはり物凄く頼もしいです。

それとやっぱりきいさんは女流作家で、女性の感性で100%描かれている成年漫画ってトコロにも
改めて面白みを感じたりもしました 限りなくガーリーな雰囲気のお部屋に、
字体や会話のセンス、細かいディティールまで女性の感性だけで描かれている気がして
そういうのが男性読者的には新鮮で面白い、、、って
まるで少女漫画の感想みたいですけど(笑
勿論、
定評のある官能描写も健在も健在
描き込みと生々しさが光る下着描写に、
大胆に誘惑してくる九堂ちゃんの目配せにもグッと来る
「コンティニュー」と比べて物語の構図自体が逆転しているリバーシブルな作品にもなっているので
そういう独特のギミック、演出に注目しても面白いし楽しいかもしれません
たまに恥ずかしがってみたり、
たまにエロティックに攻めてみたり、
キャラクターとしてのメリハリにも長けていて
そういうところも緩急というか一面的ではない良さがあっていいんですよね
序盤は思春期全開の描写にニヤニヤしつつ、後半は純愛かつ大胆な官能描写にニヤニヤ出来る
そういう心から素晴らしいと思える新作になっているのできいさんファン及び九堂ちゃんファンの方、
或いはニヤニヤ出来る成年漫画をお探しの方には是非チェックしてもらいたい。






最後のこれ↑も実に最高ですね・・・(超笑顔)
きいさんの作品からはいつも「最高のものを作ろう」「誠実な物語を作ろう」という、
気概のようなもの、そして純愛系にしろ痛い系にしろ丁寧に丁寧に描いてるのが漫画から伝わって来る・・・
そういうトコが大好きですし、尊敬もしています。そして、九堂ちゃん可愛すぎです!!
先輩爆発希望
いやいや、超お似合いの二人です。「ただ可愛い」のを超えて心情までもリアルに想像出来る描写力と演出力の高さが堪らない。
こっぽり生ビール、幾花にいろ、のきん、牛野缶詰、たらぞおと期待のルーキーが躍動している最近の快楽天ですが
きいさんも次世代のエースとしてため息が出るくらいに素晴らしい作品を描き続けています。最新の傑作。


ちなみに当時の感想です。
お世話してる様でお世話になりました~きい「コンティニュー」 感想
こういうのがあると長年ブログやってて良かったな。って思えますね
そしてこの感想は当時ノリノリで書いてた記憶があります
今回もノリノリで気持ち込めて書けたので(笑 (素晴らしさが)地続きな事がまた個人的に嬉しかったり。



炎天下の情事、思春期の衝動・・・きい「イレギュラー」 感想

2016-02-06 | 快楽天(きい)
                                  
                                  大人になる季節。











学生時代のアンニュイな雰囲気、
そんな日常からSEXという「非日常」に移るタイミングの高揚感と背徳と、
胸の中に焼き付くような深い愛情・・・それらが絶妙にミックスされて一つの「作品」として体を成している傑作と思いますきいさんの現時点での最新作「イレギュラー」。
タイトルは恐らく試合の中でのイレギュラーがまずあって、
レギュラーとマネージャーの二人が居ない、というイレギュラーと
その二人の関係性がふとしたきっかけから変わってしまったというイレギュラーって意味合いのトリプルミーニングなんだと思います(たぶん)

「官能的である」という事を真面目に突き詰めるとそれはもはや芸術であり、
ただ単に性欲発散のアイテムってだけじゃ済まされない良さがあると自分は思ってます
そう書きながらも今作にもしっかりとお世話になっているんですが・・・
でも、それも(当然ながら)成年漫画の魅力ですよね
お世話になれるし、
確かな芸術性がある
きちんと「思春期の情事」の衝動と中毒性を見事なまでに描き切っている本作は正にきいさんの本領発揮の一作であり
単行本発売直後の掲載としては完璧に近い出来栄えの新作と言い切れるでしょう
(ちなみに未だに単行本の感想書けてなくて少し後ろめたい・・・笑)。
(過去作の感想はちょいちょい書いてるので書けるまではそちらを是非カテゴリから読んでもらいたい)


きいさんは恐らく(ギャル文字からしても)女流作家だと思われるのですが
男の描き方が男から見ても半端なく上手いんですよね
ちょっとした格好付けと
拭い切れない女体への興味と、
一度火が付いたら抑え切れない性的欲求・・・
女性の繊細な可愛さを描くだけでも上手いのに、
ここまでリアルな男の子を描かれると正直凄味を感じてしまいますね
題材はなんと高校野球、っていうか前日ミスをしてしまった少年と励ますマネージャーの少女・・・という「青春」を描くにはピッタリなテーマでした
個人的にリアルタイムで読んだ時は「きいさんが野球をテーマに成年漫画描いてる!!」って妙な衝撃があった訳ですが・・・
また描いて欲しい
意地っ張りだけど、どこか繊細で憎めない宮琵に
とっても素朴で、さり気ない言葉の一つ一つが可愛い二篠さん
なんかもうキャラ設定の時点で完全勝利してるし、日常パートの時点で面白い訳ですけど(笑
そう、俺が成年漫画に求める「いいキャラ」と「感情移入出来る背景」をしっかりと兼ね備えている所もまた素晴らしい
パンツが見えて恥ずかしがる光景、しかもモロではなく座った時にちらっと見えてしまったというリアルさを含めて「ああ、いいなあ」と思えるものだったんですが
なんでしょうね、後半でガッツリと官能を繰り広げてるにも関わらず、前半でこんなにもほっこりニヤニヤ出来るラブコメ描写を挟んで来るテクニックが凄いです
しかも、ケツも相当良かったし・・・2016年はきいさん的にはケツ推しなんでしょうかね?笑
なんかね、俺は性癖に関してはとにかくどストレートというか、「いいケツを眺めていたい」「柔らかい胸を見ていたい」って二つだけなんですよね
いや・・・掘り下げればもうちょっとあるかもしれないですけど笑
咥えてる姿も大好きだしね
ま、そんな事はさておき(オイ)
一番象徴的だったのが一番最初のカットです
後輩ちゃんに(最中に)呼ばれてドキッとしている場面ですね。

二人とも「信じられない」「えっ・・・?」って感じの表情ですが
二篠さんはともかく、衝動的に襲った宮琵くんまでそういう表情をしてるのがまたリアルというか
みんなが練習している最中(さなか)に、そしてただの友達という関係性であったにも関わらずコントロール出来なかった衝動に
自分自身で驚いてる、ハッとしているあたりに強い生々しさがあり、それもまた本作の素晴らしいところなのだと思います。
そして呼ばれて話してる時に二篠さんの足が震えているのも細かくていいなあ、って感じますね。



甲子園ではなく、楽園にイっちゃってた模様。


更にこの作品の芸術性を高めているのが最中での演出です
ただ普通に情事に勤しんでいるだけではなく、
「ただの友達だった頃」の
何気ない風景をちょこちょこ挿入してくるお陰で
余計にただたわいもない話をしてるだけだった「日常」から
お互いの性欲を無我夢中でぶつけ合っている「非日常」に溺れている感覚が読者に伝わって来ます
上記のカットからの滑稽な小賢しい言い訳も生々しいですし、その後の「待ってて・・・」はエロシーンでもないのにやたら官能的でヤバい
ただ単純にバカ話、たわいもない話をするだけだった間柄が一瞬にして情事を共に励む関係性に変わっていく
その瞬間瞬間の背徳的であり陶酔してしまうような高揚感の描き方、それを盛り立てる演出には
ちょっとやそっとじゃ真似出来ない凄味とセンスが滲んでいます
はっきり書きますけど、きいさんの才能は本物です

ちなみに自分がお世話になったのは22ページのフィニッシュのシーンです(そんな事書かんでいい!)
その後の、さっきまであんなに無邪気に「友達」してたはずの二篠さんが
すっかり“オトナのオンナ”へと変わっている相様は
正に芸術的な官能と形容するしかない
猛暑の中練習しているメンバーには悪いんですが(笑
一足先に二人は大人の階段を昇ってしまった模様です
それも、かなりドラマティックに、
そして、あっけなく。
(そのあっけなさも思春期っぽい)

ちなみに宮琵くんはその後の練習には出たんですかね?SEXにハマり過ぎて野球が疎かになってない事を祈るばかりです(笑
でもなんでしょう、繊細な彼にはあっけらかんとした二篠さんが案外誰よりも似合うのかもしれませんね。
最後まで照れ屋だった宮琵くん、「どう」って言葉で済まそうとしている男の小賢しさも描いてる辺りきいさんの才能半端ない笑
全体的に、きいさんの持っている武器を総動員しつつ細部まで気合いが込められている現時点での最高傑作だと思いました
単行本の感想はこれから書く予定ですけど、まずはきいさんの才能を理解出来るという意味合いで(収録されてはないけど)名刺代わりに丁度いいんじゃないでしょうか
そんな訳で改めて本作の魅力を噛み締めたり、興味があればバックナンバーなんかで是非チェックよろしくです。











あと本作には関係ないんですが、
未だに「ソルトペッパーチョコレート」の記事に大量のアクセスがありとても嬉しく思ってます
これからも過去作も新作も自分なりの視点と感じ方で掘り下げたいと考えていますし、
かなり遅れてますが単行本の感想もUPする予定なので
きい先生応援ブログとしての本館も是非よろしくお願いします。




・・・っ最高。(超笑顔)



拭い切れない真夏の恋慕・・・きい「-10」 感想

2015-09-05 | 快楽天(きい)
                                        
年上にいいようにリードされるのも悪くない・・・ですよね。こういう作品を読むと。







きいさんの3カ月ぶりの新作。
いつもなら2カ月に1作のハイペースなんですけど
今回は3カ月空きましたね。でもまあ3カ月って言っても3カ月は快楽天じゃ早い方ですけどね(笑
まあね!って事で。多分単行本作業とか来月の初カラーとかの準備云々かと思われます 違ってたらあれですけど。
 そう、2カ月連続掲載は初めてかな カラーとは言え来月号にも載ります、って事で今から楽しみです
きいさんのブログも設立なさってたので、そこも是非覗いて見て下さい。


少年と先生の禁断の恋の話・・・ですけど、
秘密云々っていうよりかは、もっと別の・・・
そう、「子供」と「大人」という視点で描かれている類の作品だと思います
年が10歳離れているとはいえ、一応少年は「男」で先生は「女」
ちょっとはリードしたい気持ちだって、
自分の言う事を聴いて欲しい気持ちだってある
何よりも“子供扱い”される事が悠にとっては凄く嫌なんでしょうね
多分SEXの時にやたら官能的なプレイを求める事自体が彼にとっては「大人」「男」の象徴であり
彼なりの精一杯の“背伸び”だったんでしょうね ちょっとでも一重先生をリードしたかった気持ちもあったんじゃないかと思います

でも、それでも、一重先生の中の“オンナ”に触れると言葉に詰まるくらいドキドキするし
そのカラダに触れて自身自身を挿れていると何も考えられないくらいに興奮する
焼きつくような官能的な情景・・・
例え、子供扱いに
他の生徒の前で眼中なし扱いに怒っていても
そんないくつもの“憧憬”や自分を見透かしたような優しい笑顔に触れるとダメになってしまう
どうしようもなく恋焦がれてしまう、だからきっとこれからも離れる事が出来ない―


と、いう何とも情感溢れる作品に仕上がっていていちファンとして堪らなかったですし
確かに、大人扱い男扱いは結局してはくれなかったんだけど、それでもその純粋な笑顔だったり
“オトナ”な仕草、目配せに触れてると悠くんと同じく焦がれてしまう
彼の想いを追体験出来るような節があって
何とも素敵な作品でした
でも、確かに一重先生は少年の目線から見ると、すっごく大人で、優しくて、こちらを見透かしているようで、
それでもドキドキするような可愛くてきれいな感覚もあったりして・・・と絶妙なキャラなんですよね
慣れた手つきでゴムをはめ、あそこを舌でしごく仕草は確かにゾクゾクするようなエロティックさがありました
ちょっと申し訳なさそうな表情も、あながち責め切れないところがあってきっと堪らない
イライラをぶつける事も出来なくて困っちゃうんだろうなあ。
それもまた、大人の余裕なんでしょうな。
そういう部分もまた作中観にきちっとハマれる要因になってるかと思います。

だけど、背伸びなんて実はする必要もなくて
頼れる所は頼っていいし、
子供は子供らしくいればいい・・・っていうのは当事者にとっては全然分からないんでしょうね(笑
でも、そういう気持ちがきっと少年を“男”にしていくんじゃないかな、とも思います
またいつか、ちょっと大人になった悠くんを覗いて、一重先生と仲良くやってる姿も読んでみたいですね。成長してるといいな、という気持ちを込めて。


官能的な部分に目を向けると、
まず夏祭りで浴衣で、“オトナ”のオンナで・・・ってのが凄く良いですね
下着もまた大人っぽくて最高なんだなあ、、、柔らかい胸に、大きくて色気たっぷりのおしり
そりゃ悠くんもおちんちん捗るよねえ。っていう感じのボディなんですが(笑)
相変わらずリアルな生え際のあそこに、
控えめな仕草で男根を舐める大人っぽい色気
乱れてる時の艶っぽい表情に
終盤には悠くんの背伸びでゴム外して生セックスに興じる展開もまた興奮を煽ってくれてイイですね
しかも先生と生徒っていう設定で生はすっごく想像が捗っていいと思います!(笑
図らずも余裕が消えて素直に官能に身を任せる一重先生も可愛かった
フィニッシュは口射・・・だったんですが
これまた今までに描いてこなかったような大人の女の色気たっぷりのカットで、、、凄く芸術的な官能を感じさせてくれました。
まあ、とんでもなくきれいで品性を感じさせる先生ですよ
ある意味悠は贅沢だな!と思いつつ(笑
年端もいかないとそうなるのも仕方ないよな、とも感じました
そんないじらしい心情含めて秀逸だった作品 やっぱりきいさんの漫画は画面から伝わる情報量が多くて大好きだなあ、と。













それと「ソルトペッパーチョコレート」の記事、連日の如くこのブログの人気記事ランキングのトップに立っています
閲覧してくれた方やいつもきいさん関連の記事読んで下さってる方どうもありがとうございます
先日きいさんの生原稿を拝んで来たので(参照→【スペースカイマン来訪】快楽天20周年&X-EROS2周年展SUMMER DXに行って来たよ。という話
それもまたよろしくお願いします!って事で。
あと本誌全体の感想も是非。

ちなみに、1ページ目のアオリが入ってるコマに「コンティニュー」の九堂ちゃんっぽい娘がいるので探してみて下さい(笑
(追記:あとスカートの中の~の七園さんと布団の中の~のかなちゃんなんかも見つけました)。



膨れ上がる性的好奇心 きい「ソルトペッパーチョコレート~こたつの中の宇宙~」 感想

2015-05-31 | 快楽天(きい)
きいさんの描く“宇宙”はこたつの中にも拡がっている・・・。







2カ月ぶりの新作。
と、言いますか基本的に2カ月で1作というペースを維持されていてファンとしては正直嬉しいところですね
そろそろ単行本のお知らせが聞こえて来そうな今日この頃ですけど今回はなんと初の3Pモノでございます
今までこういった趣向の作品はなかった訳ですけど、だからこそ新鮮で興奮出来るような良い塩梅の作品だったと思います

それ以前にサブタイトルを見ても分かる通り「〇〇の中の宇宙」シリーズでもあるんですよね
布団の中にも、スカートの中にも、そしてこたつの中にも・・・!!って事で
あの時あの部屋に居た4人は結果的に全員卒業という話になります
それもまた面白い仕掛けだなあ、とか
あの傑作からもう1年経ってるんだなあ、とか
やっぱりあの日のあれが性的好奇心を刺激しちゃったのかなあ・・・とか考えると
それもまた面白いしお話にも説得力が生まれて中々良い感じだと思います
まあ結局男女の本能に差異って言う差異はないと感じてますからね
いかにも思春期っぽい行動で実にきいさんらしい作品でもあったかな、とも思っています。


部屋の「年頃の女の子」っぽい感じだとか
最近の季節感を意識した話の流れとか(夜はまだ冷えますもんね)
やたら性を気にするトーク模様とかきいさんのストロングポイントである“生々しさ”が炸裂していて冒頭から凄く良いな、と
何よりも今回のヒロイン二人、特に黒髪のチョコの方はあんまり「際立った美人」という感じがしなくて
カラダもスレンダーでもなくむっちりでもない、顔もたらこ唇気味という
所謂地味カワな感じが逆にすっごく生々しくて素晴らしいです(笑
なんか普通にそこら辺に居そうな程度の美少女というか。

相手の成迫くんも男から見てもカワイイ系の男子でイイですね 女装とか似合いそうです
女子二人の前で紅潮しながら彼自身を見せているカットなんか無様でありながら官能的でとっても素敵です
チョコこと王畝さんは地味カワ系ですが意外と胸もそこそこあったりして眼福ですなあ
また「そこそこ」っていうのがこういう作風では良いんですよね
二人にモノをおもちゃにされて思わず射精の成迫、
まあ士緒屋さんの方はおもちゃにする前にあれだった訳ですけど(笑
そのままエッチな雰囲気が場を満たして、チョコも士緒屋さんもコンドームを差し出す~っていうのが実に官能的で最高でした


まあ俺だったら地味カワ系のチョコを選ぶかなー、という感じなんですが
成迫くんが卒業相手として選んだのは士緒屋さんの方でした
ああいうだらしないカラダのが燃えるのに・・・
っていうのはさておき(笑
こたつの中ではあまりにも淫美過ぎる宇宙が拡がっておりました
淫美、って事は“美しさ”も含まれている、という事です
あまりにも、あまりにも素晴らし過ぎる状況と光景にめまいがしそうになりましたが
まあくつ下っちゅうか、尻の大きさでぶっちゃけ分かるよね、っていう
・・・いや、それはちょっとチョコに失礼なんでアレなんですけど(笑
でもまあ俺はデカ尻のが好きですから。ええ。

勝手に脱線しましたが、こたつの中での二人の表情の変化なんかも実にイイですよね
「たまらない」といった表情の士緒屋さんに
ドキドキが伝わって来るチョコのめちゃカワな表情
チョコ派の自分ですがいかにも反応が処女っぽくて見ていて微笑ましかったです
イッた時の士緒屋さんの表情とか成迫くんの余裕のない突きのカットとかきい作品はこういう繊細な部分が好きなんですよね
かと思えばまるでハーレムプレイのような成迫くんのウルテクが炸裂してたりダイナミックな構図もまた上手い
チョコのデカ尻も最高ですし、生々しさと成年漫画的特異シチュが合体したバランスの良い新作になってるかと思います


最後の本当の意味での3P描写は短いのにも関わらず流石の官能っぷりでこれまた素晴らしい出来
チョコのデカ尻に埋もれる事が出来て成迫は幸せだな!って思いつつ
今度は堂々とフェラしてる士緒屋さんのエロティックさが堪らない
余談ですが髪型が乱れたチョコはチョコで魅力的で良かったですね モノを舐める時のあどけない表情が、好き。

オチは、まあ、元々の勉強時間の度合いが違う、って事で・・・笑
















3P、それも最初は「どっちがいい?」って選ぶ所から始まるというシチュといい、
そういう中でもきちんと保たれている“生っぽさ”といい
正にきいさんが描いた3Pという感じがヒシヒシとして新境地ではありつつも記名性も相変わらず強い傑作新作に仕上がっていました
ちょっとあどけない垢抜けない子たちが興味と好奇心で~っていうモードだったのが色々と生っぽくて良かったです(笑
アクメの時に敢えてセリフを書かない演出だったり、そういう甘美な表情に文字通り“美しさ”を感じられたりと
自分が好んでいる「官能美」に満ち溢れていると思えたのが何より嬉しかったですね。
あとデフォルメ画の可愛さは抜群。

繰り返しになりますが、地味カワ系を地で行くチョコは個人的に大好きなキャラクターです 士緒屋さんも成迫も当然好きだけど
チョコは性行為に興味しんしんだけど、余裕がある訳じゃなくて自身もドキドキバクバクしちゃってる感じがとってもきいさんのキャラっぽくて、好き(笑
ちょっとした興味とテンションから思春期が拡がって行く模様を描いた確かな一作でした。
もっともっときいさんの漫画を読みたいですし、色々なキャラを眺めていたいですね。キャラから「生活」が感じられるのが大好きです。



その無防備な背徳の匂いに―  きい「罪と・・・」感想

2015-04-06 | 快楽天(きい)
                               





2カ月ぶりのきい作品レビューでございます
正直もう大好きも大好きなんで1ページ目見た瞬間から既にハイテンションでしたね(笑
しかも今回はスレンダー多めのきい作品に於いては貴重とも言えるちょいグラマーキャラですよ
自分はきいさんの描く“胸の柔らかさ”に関してもツボだったりするのでこれは結構嬉しかったですね
またリアルな身体付き、そしてリアルな毛の生え方が冒頭から冴えてます!
これによって作中観によりのめり込める感触があるのも好きですね。


きい作品はおおざっぱに分けて「初々しくて甘酸っぱい思春期もの」と「苦々しくてドキドキする背徳もの」の二種類に分けられると思います(今の所)
今回はそのおおざっぱな分類だと後者になるんですけど、まあ恋人の妹に惹かれてしまって・・・というパターンですね
その徐々に徐々に彼女の妹であるなっちゃんに惹かれていく過程だったり、ハッとする瞬間の写実性なんかが見所な作品に仕上がってます

冒頭のラッキースケベは、まあ眼福っちゃあ眼福ですし、実際笑顔が止まらない仕上がりなんですが(笑
ただ、それがきっかけとなってなっちゃんを過剰に意識してしまう「引き金」のような役割を果たしてたりもする
ダブルミーニング的なシーンに(結果的に)なってるのがまず秀逸だなあ、と思いました
そりゃあまだ十代であんなドスケベボディ見せられたら意識しちゃうわなあ・・・笑

でも、ただ単に裸見たから/裸見られたからって訳でもなく
それ以上にお互いがお互いの性格に惹かれていた、、、っていうのが尚更良かったですね
勿論冒頭の裸目撃のシーンがあったからこその背徳ですけど、それだけが目的でもないっていうのがイイです
なっちゃんは素直に励まして心配してくれる勇に救われて、一方でそんな勇自身もなっちゃんに生まれつつある愛情をどんどん誤魔化せなくなっていった
二人の情事をこっそり起きて聴いているなっちゃんや目撃した裸を何度も頭の中で反芻させている勇など演出面でも優れていたかと
思わず恋人みたいな雰囲気になってしまった二人、もう既にお互い火種こそ着火済みですから後は―


そりゃあなっちゃんもあそこまで応援してくれてたら好きになっちゃうだろうし
勇も健気で頑張ってるなっちゃんに感情移入してしまうのも仕方ない
何かを期待してるのが如実に伝わって来る雰囲気で真夜中に部屋の前で佇んでいるなっちゃんとか
いつまで経ってもなっちゃんへの欲情が収まらない勇とか、
そのあまりの生々しさに驚きです
女性の、自分からは望まない代わりに無防備に誘いを待つしたたかさがこれ以上ない形で表現されてて凄いな、と。

その後の行為の描写が興奮&ドキドキなのは勿論
どんどん背徳と官能に溺れて行く二人の肉欲描写がとっても冴えてて実に最高でした
嘘付いて会社を休んでまで、溺れる時間を作ってどつぼにハマっていく二人
その必死さや良い意味での滑稽さが官能要素にちゃんと加担していてとても良かったと思います
姉の知らぬ間に深い愛を築いている二人、その想いは止まらず・・・って事でまだまだ関係は続いて行きそうです
それを敢えて最後まで描かない、どうとでも解釈出来るエンディングもまた秀逸で引き込まれてしまいました
ラストカットは、離れたとも思えるし逆に求めているとも思えるので。
見事に生々しい“不倫”を描き切った傑作でしたね。

倫理的にはダメなんだけれど、そんな二人の気持ちや変遷に嘘は一切感じられない。そんなリアルな心情に触れられたのが良かったです。











今年じゅうには初単行本も拝めるでしょうか?
ほぼ2カ月に一回のペースで掲載されてますからね
純愛も背徳もフルパワーで描いてくれるきいさんの作品が本当に大好き。
また単独感想を書いてない過去作品に関してもコツコツUPしていくつもりです。
にしても冒頭のなっちゃんの裸はえがった~(超笑顔)。不安げな表情がまた、ね・・・笑




お世話してる様でお世話になりました~きい「コンティニュー」 感想

2015-02-01 | 快楽天(きい)
何で毎回きいさんの作品はこんなにも素晴らしいのでしょう?







いやなんかもう九堂ちゃん可愛すぎ・・・!
ってそれに尽きるんですけど(笑
本当にきいさんの描かれるヒロインって絶妙な可愛さを含んでいて堪らないですよね
それは細かな仕草だったり、反応の生っぽさだったり、滲み出る生活感だったりと
物凄くこだわり抜いて制作されてる感じが個人的にしています
それはもしかしたら、自分がただ単純にファンだからそう感じるのかもしれませんけど
裏を返せばそういう写実的な部分含む成年漫画が好きならこんな風にどハマり出来る作風・・・だとは思います
新年一発目からとんでもないキュート爆弾を落としてくださいましたねえ(笑

冒頭の不意に触れた胸の柔らかさを反芻している先輩の描写のリアリティからして堪らなかったんですけど、
九堂ちゃんは顔自体は幼めで、基本ツインテっていうそんなに性を感じさせるルックスじゃないんですね
なのにも関わらず脱いだらスゴイ、あのルックスからあそこまで濃密な情事を描けるきいさんの描写力が半端ないな、と
つまりは普通にポップに可愛い!と思えるセンスと成年漫画的にお世話になれるセンスが同居している訳で
そのどっちにも振り切れるスキルはやっぱファン云々以前に凄いなあ・・・と感じながら見てました
ぶっちゃけ少女漫画や一般漫画っぽいっちゃあっぽい日常描写ですからね(笑
なのにも関わらず官能にはとことん官能的なのが自分のようなファンを生みだしているのだと思います。


部屋に入った時のデフォルメカットも可愛いし、
“先輩自身”がにょきっと出てるのを不意に目にしてきょどってるのも最高に可愛いですね!(満面の笑み)
見ないようにしてる・・・と思いきや、ちゃっかりジッと見ちゃってるのも生っぽくてイイです
大人しそうな顔して、案外「そういう事」に興味持ってたりと俺のツボをことごとく突いて来るようなキャラクターですね

その後は懇切丁寧に手コキをしてくれたり、
官能的な、ちょっと小悪魔的な目配せで気持ち良くしてくれたり
本当に読んでて終始ニヤニヤ興奮してしまうような繊細かつ大胆なきいワールドが拡がっていました
この九堂ちゃんもウブかと思いきや、意外と興味しんしんだったりもするギャップが実に官能的で可愛くてね
そんな九堂ちゃんの手さばきを拝んでお世話になってるだけでも正直たまらん作品ですわ

挿入した時の紅潮しながら下半身のラインがクッキリ分かる作画も素晴らしく、
陰毛の生え方や女性器のぷっくりした感じなど本当にきいさんならではの作画技術が冴えてます
美しい官能そのものです
官能にも色々種類がありますが、これは間違いなく美しいです
九堂ちゃんのセリフの一つ一つがいちいち可愛くて抱きしめたくなる愛らしさを含んでいて
なんかもう理屈じゃないいとおしさに溢れる情事のシーンだったなあ・・・と個人的には思いました
官能には実は興味しんしんだったけど、でも軽い女には見られたくない~という気持ちも伝わって来ましたし
先輩から率直に「カワイイ・・・」って告げられて思わず今作随一に紅潮する九堂ちゃんの可愛さは正に臨界点を大幅に越えちゃってましたね!(超笑顔)
最初に先輩が果てた瞬間の彼女の表情は官能的な行為に勤しんでる筈なのにポップなキュートさが前面に出てて、
こういう部分でもきいさんの進化を如実に感じる事が出来ました


最後のね、「私・・・やらしいコみたいです」
ってカットは最早反則レベルというか、可愛すぎにもほどがあんだろぉぉぉ!!ってくらいめちゃカワでした
エッチな女の子こそ本当は最も可愛いんだ―
そんな事実をまざまざと感じさせる超ハイクオリティの新作だったかと思います
もっともっとやらしくなっていいと思います。はい。 なんかニヤニヤし過ぎて心があったかくもなるような漫画でしたね。
きいさんは背徳も純愛もフルパワーで描いている印象で今後の新作、それに於ける進化にも注目していきたいです
最後の官能的に振り切れた多幸感も溢れている二人の描写もまたすこぶる良かったなあ、と
病気の時に彼女が下のお世話してくれるとかね、
男がグッと来ない訳ないだろ!っていう(笑
素晴らしいです。

オチも面白かったし、
さり気にまた本の名前が「こたつの中の宇宙」だったり「群青」だったりときいファン的にもニヤりとする小ネタもありつつ
来たるべき単行本を大いに楽しみにしながら今年も彼女の作品について語ったり支持していくつもりです
本当に俺はきいさんの漫画、キャラクターが大好きなので。そんな本音を吐き出していきたいですね。

そんな訳で、今年もきいさんの記事をよろしくお願いします。
何気に載った時には必ずアンケ入れてたりします(笑
九堂ちゃんも先輩も素敵でした。










こんな「コンティニュー」なら全く悪くはないです!ええ!




きい「スプラッシュ」 感想~衝撃の快楽天デビュー作

2014-10-07 | 快楽天(きい)








前身ブログではきい先生自身をピックアップした記事を書きましたが、
当ブログでは先日の新作の単独記事をきっかけとして一作一作単独で掘り下げていきたいと思います
なぜならば、ただただ単純にきいさんの漫画が大好きだから!










このデビュー作は快楽天の新人賞獲得を始まりとして昨年の1月号に掲載されたものです
発売は11月だったのでちょうど1年前あたりですかね
私自身きいさんの作品を「いいな」と思いつつ本格的にハマったのは「といがーる」からでしたのである意味後追いで物凄くいいな、と思った作品です
っていうか「といがーる」でめちゃめちゃお世話になったので過去作を改めて読み返している内に大切な作品になった・・・という感じですね
今は正直このクオリティのデビュー作の素晴らしさにもっと強く気付くべきだったなあ、なんて思っています。

その前身ブログの記事でも書いたのですがきいさんの魅力は一見成年漫画に見えない素朴でさっぱりとした絵柄、少女漫画等の影響を感じさせる描写
なのにもかかわらずガッツリと男性でもグッと来る行為描写をきちんと描いているその意外性というかギャップというか
別の言い方をすれば凄く抜け目がない多角度から楽しめるような作品を描かれていることにあります
そしてそのきいさんの魅力はデビュー作である「スプラッシュ」でも遺憾なく発揮されていて
それがやっぱり凄いなあ、好きだなあ、なんて個人的に感じてしまいます
こういうのはきっと女流作家にしか描けないでしょう
その意味じゃ本当に「きいさんならでは」の作風をデビュー作から身に付けているなあ・・・とファン目線ですがそう思うのでした。
前半の少女漫画よろしく素朴な雰囲気から後半のどっぷりと濃く描かれる行為描写のギャップが堪りません
おまけにオチは成年漫画らしいコミカルで色気のあるものに仕上がってるので余計に最高です


ただ、この「スプラッシュ」はデビュー作にしてきいさんの魅力、特徴がしっかりと発揮されていると同時に
ある意味この作品でしか読めないっちゅうか、これまでの作品を振り返ると金髪でややツン要素多めで美少女然とした美少女・・・と
唯一派手気味なヒロイン、とっても美少女らしい美少女に仕上がっていて結構貴重だったりもします
割と最近の作品は「地味だけど可愛い。行為の最中はめちゃくちゃ可愛い」ってタイプのヒロインが多めなので
こういう前述のように美少女然としたヒロインは今まで発表された作品群の中ではレアっちゃあレアです
そういう部分も含めてあらためてきいさんの漫画が好きな方にはじっくり味わって欲しいですし
そうでない方にもここまで際立った美少女を見て欲しい気持ちでいっぱいですね
結構他人に厳しそうに見えて抜けてたりする所なんかが可愛いし、
ちょっとプライドが高そうな分後輩くんにデレるシーンのあいらしさは是非触れて欲しいなって思います
実は単にウブなだけなんでしょうね 後輩くんのキャラも健気でありながら大胆不敵で面白く二人の掛け合いもコメディパートとして楽しめる仕上がりです。

そして行為のシーンは色々な意味でグッと来ます
きいさんの魅力・特徴の一つであるリアルな陰毛・女性器描写の凄みはデビュー作から出ていて正直堪らないです
これまで様々な成年漫画に触れて来ましたがきいさんの陰毛・女性器の描き方は他作家にはない生々しさがあって実にイイんですよね
そしてタイトルにも通じる先輩のおしっこを飲む、というフェチズム溢れる展開に肉感たっぷりのおしりとあの手この手で男性自身を刺激して来ます
まあ前者に関しては閉じ込められていて漏らしたのがバレないように証拠隠滅のため~というしっかりとした理由(?)があるのですが
理由があるとしても中々に背徳的で読んでて興奮して来るのが本音ですね

そのテンションのまま行為に突入する訳ですけど、絵柄が素朴な分絵面から感じられる官能性が半端ではなく
またちょっと涙目になりながら赤面して後輩くんに「ゆるさないからァ・・・」と訴えるように視線をやる先輩の可愛さが、可愛さの臨界点を越えちゃってるレベルです
なんかもうそんな先輩の表情を見てるだけで幸せ/満たされた気分になっちゃうのはきっとファンである事以上に本能的なものかと
素晴らしい表情を描けている作品だとも思います
そういう表情からきっちり二人の「愛情」が伝わって来る作劇もまた魅力的なんですよね
尿の味がする官能的でその粗雑さが性的さを更にアップさせているキスに獣のようにがむしゃらに先輩を求める後輩くん
躍動感たっぷりの出し挿れ描写でクライマックス感を煽りつつフィニッシュの敢えて抜いて中には注がない後輩くんの誠実さもまた「らしい」です

そして前述のようにコミカルかつ成年雑誌らしい色気に満ちた最高のオチ(笑
なんつーか、もし自分が同じ立場だったら恥ずかしくて穴に入りたくなるレベルではありますが
バレないパターンが多い成年雑誌に於いてここまで清々しくこういうオチに仕上げたのはそれもまた意外性があって良かったです
んで最後の台詞もまたラブラブで甘々でニヤニヤしちゃう最高の台詞になってるので本当「その先」を想像したくなります
ちょっと抜けてるけど自分を必死で想ってくれる後輩と厳しそうに見えて意外と心を開いてくれる先輩の物語
単行本のおまけとかでもいいからいつか続きなんかも見てみたいですね
また制服も可愛くてお気に入りの作品でした。













素朴、少女漫画ライク、コメディ、官能、表情、生々しさ、そして気持ち良い純愛模様と
きいさんのストロングポイントが沢山詰め込まれたデビュー作だと改めて感じました。
大好きな短編ですね。1年経った今も大切に読んでいます。




きい「スカートの中の宇宙」 感想

2014-09-30 | 快楽天(きい)









きいさんの作品大好き過ぎてヤバいです(ちなみに快楽天本誌の感想も同時にUP)。











この漫画は前作「群青」ぶり、2カ月ぶりに載った新作な訳ですが
前作が割ときいさんの中でも新機軸というか切ない青春モノだったので
その反動・・・なのかどうかはファンとしての印象でしかないので分かりませんが
物凄くいじらしくて甘酸っぱい思春期モノに仕上がっております もっと詳しく言えば前々作「布団の中の宇宙」の続編的な作品でもありますね
 あの作品で密かに色気のあるおしりを披露していたかなちゃんの友人の一人である七園さんが主役の物語になっております
個人的にあの娘好きだったのでタイトルとキャラを観た瞬間ちょっと嬉しい気分になりました(笑

そもそも友人の性的なお話或いは体験を覗き見て自身もそういう事を意識してしまう~って方向性は私的にお気に入りなんです
凄く可愛げがある行為だと思ってますし傍から見てるといかにも思春期真っ盛りで微笑ましいですからね
あの友人の娘が主人公ってだけでそういう方向性になるのは即座に判断出来ましたし、
正に「俺得」な作品である事を冒頭からジャッジ出来た稀有な作品の一つでした。あと確かにスカートの中って宇宙ですよね。ホントにね!


また、七園さんは素材は抜群ですが物凄く垢抜けた美人って訳でもなく
どちらかと言えば“地味に可愛い子”って印象なのでそれもあってその題材がよりリアルに感じられるんですよね
確かに可愛いけど男をバンバン惹き付ける程派手ではない、ちょっとウブで割と普通っぽいけど、だからこそ身近な存在に感じられて
よりそのシチュエーションに興奮出来る隙間があるっていうか。美少女美少女し過ぎてないからこそ逆に有り体以上に可愛いって思える印象です。

こう、いかにも年頃の女の子!って感じの部屋とかちょっと幼さの残る下着とかスカートの丈の長さとか
そういう基本的なディティールが凄くしっかりしているので作中観に入り込みやすいですし
ウブで思春期真っ盛りな心情を描く作品に於いて完璧なディティールではないかと
「そういう事」に興味しんしんな七園さんが、
じっくりと色々想起しながら一人で至る一連のシーンは官能的であると同時に中々のリアリティも感じられてとみに素晴らしかったですね
こういうのは女流作家にしか描けない境地なんじゃないかなあ・・・とか個人的に感じてしまいました
また「布団の中の宇宙」で睨んだ通り(前身ブログでの感想)七園さんのおしりはとってもきれいで良かったです
本当自分の好みどストライクのヒロインだなあ、と(笑)。


一人で至ってるところを(結果的に)邪魔されご機嫌ななめの七園さんも子供らしいとこあって可愛かったな
前々作では割と茶化し要員的な意図が大きかったと思うのでこういう面を見られて新鮮でした
近所の男友達が自分の肉親のDVDを勝手に貸した~だとか、
細かい部分ですがそういうリアルっぽいバックボーンがまた読んでて気分が良いというか作中観にのめり込める要因だったりします
ちなみに棚にある雑誌名が「スプラッシュ」だったり「ひとみ」ってタイトルの本があったりそういう部分でもファンとしてニヤけてしまいましたね
いつか過去作のキャラ再び描いたり登場させて欲しいなあ、なんて。


その後は些細な事から二人で至る訳ですが
普段は地味カワでウブな七園さんが一気に「女の顔」を見せる一連のシーンは相当グッと来ましたね
なんかもう前々作で余裕ぶっこいて友人茶化しモードに入ってたとこから考えると信じられない純情さを披露されてました
きいさんは“普段は地味カワなあの娘”の“本当はすんごく可愛い「女の顔」”を引き出すのが最高に上手いですね
スカートの中で冒険する男の子と一気に感じざるを得ない女の子の図式もまた良かったです
また局部の描写が柔らかそうなのも実にイイですね。

そして、ちょっと涙目になって怒りながらコンドームを渡すカットはもうマーべラスとしか言い様がないです
本当に良い表情描きますねえこの方は
先ほどの一人で至っている一連のシーン含めて思春期の女の子の可愛さがめいっぱい詰まってますよ本作には。
髪がほどけて生まれたままの姿で涙目になりながら彼を受け止めているカットもまたヤバいですね
まな板で薄毛っていうのもまた初々しくていいんじゃないですかね

こんなにもディティールに凝ってて素朴さ、純朴さ重視の作風であるのに
こと行為のシーンに関しては実に濃厚に衝動重視で描かれる落差も相変わらず素晴らしかったです
ガンガン出し挿れしている時の迫力と躍動感に満ちた作画もまた魅力的でお世話になれるクオリティだったかと
それにしても七園ちゃん見れば見るほど魅力的な女性に見えてくるのが非常に堪らないですね
ここまで写実性に拘っている作家さんも珍しいので今後も大手を振って支持していきたいと思う
行為最後の愛液が滲み出ている一枚絵もまた生々しくて良かったですね
「・・・ッ(はあと)」っていう独特のイキ台詞もグッド。


オチの「何個入り買ってくるのかな?」って七園さんのドキドキしながら考えているカットもまた
さり気に彼女のむっつりさを表現していてニヤニヤ出来ました
凄く良い初体験だったんじゃないですかね
充足しつつあるその表情が彼女の気持ちを物語っていました。















なんかもー、ほんとに気持ちのいいぐらいウブでドキドキの思春期模様をどストレートに描いてくれてるので
読み手としてきいさんのファンとして夢中になって読んでしまった新作でしたよ。
やっぱ成年漫画はキャラのディティールとバックボーンが重要でそれをきっちり表現してくれる作家さんだと思いました。
手放しで最高です!