サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

【“正しさ”では救えない領域へ―――】荻野純「透明人間の骨」 感想(ヤングジャンプ 2016年31号)

2016-06-30 | 荻野純
透明人間の骨/荻野純(YJ No.31より)

色々書きたい事はあるんですが、
っていうか今日はこれの感想を書く為に生きてた感があるんですが
取り敢えず、読んだのが朝キオスクでヤンジャン買って通勤途中の電車の中だったんで
会社に向かう途中とか、会社に着いてからしばらくはずっと殺伐した、ダークな気分で過ごしてました
とても冷徹というか、凍てついた空気感が支配する作品だったのでその分読み終えた後の衝撃というか
影響力が半端なくて、端的に書くと物凄く夢中で作中観にのめり込んでしまうような作品だった・・・という事です
あくまで個人的な評価ですが、はっきりいって待っただけの甲斐はある、想像を越えてきた傑作であった、と思います。断言します。





世の中の全てを「正しさ」で図ろうと、解決しようとすると
そこには必ず無理が生じるような感覚が個人的にはあります
そりゃ、「正しい」事は素直に偉いと思うし、尊いとも思うけれど
その逆・・・「間違っている」事が誰かにとっての“救い”になる事だってあるんだ。。という事が
本作を読み終わってまず頭に浮かんだ感想でした

父親の命を奪った、
文字通り命を懸けて奪った、
本当は、「良い思い出」もあった
単純に「悪いだけ」の人間ではなかった
ただ、彼をそのままにしておいたら、必ず壊れてしまうものがあった・・・。
それだけの話です。
それだけの話を、美談にも肯定にもせず、ただただそのままに、無添加に描き切った本作は
他の作品にはない確かなオリジナリティがあり、物悲しくも美しい雰囲気にも酔い痴れられる良さがあり、、、と
「正しさ」では救えなかった“何か”を100%過不足なく描き切っている傑作だと個人的に思うのです
物事はすべて一面的ではない、
失った代わりに、
心から救われた「誰か」がいた・・・
ただ、それだけで十分だった。
結局、花がした事が全部正しかったとは言い切れない
だけど、母親が自殺を選ばずに生きているのは紛れもなく花が自ら動いたお陰だ
その意味合いでは、ある意味命を救った。とも言い切れる訳で、完全にハッピーエンドなお話ではなかったけれど
その分、深く読者の心にモヤモヤを、傷跡を残して去っていくような趣のある作品に仕上がってたと思います
花は父親の優しかった時を想って悲しんだり、人殺しの感覚に嘔吐したりもしたけれど
そんな「罪」も背負って生きていくのがこれからの彼女の人生なんでしょう
だけど、彼女のお陰で間違いなく守られた「何か」があって―――

この感覚、是非伝わって欲しいです
いち荻野純ファンとして感嘆の声を漏らさずにはいられない、
正しい/正しくないを越えたカタルシスを感じさせてくれた名作だったと思います
こういう良い意味でしこりが残る作劇は大好物でもあるので、その意味合いでもそういうのが好きならば是非読んで何かを感じて欲しい
個人的には、大手を振って、這いつくばってでも「大好きです。」って懸命に叫びたくなる、そういう類の読切でした。100%支持します。





また、先述の通り、ダークで冷徹な作中観が実にイイですね
「死にたい」というニュアンスの言葉を嘆く母親、
完全に冷め切った心情を見せつける主人公の花、
周りを囲むロクでもない人々・・・
いじめられてる人が、全然良い人でもない。という現実や
主人公が殺人を犯す。といったセオリーを真っ向から破ったギミックの数々がとても刺激的に映りましたし
「型にハマってたまるか」という荻野純さんの確かな美意識も感じられる事が出来てとっても良かったです

個人的に、一番といって良い程大嫌いなのが「心の通わない上辺だけのやりとり」だったりするので
その意味でもそんなものばかりの世の中に絶望している花の気持ちにシンクロ出来たりもしちゃったんですよね
逆に言えば、周りが徹底的に動かない、傷を負わないからこそ
わざわざそこに踏み込んでいった花の行動が際立つ作劇にも(結果的に)仕上がっていますが・・・
そんな誰よりも凍てついた心で、
誰よりも冷徹で、
誰よりも批評的で、
誰よりも悲観的で
誰よりもか弱くて、
そして、
誰よりも「本当」を求めている・・・
そういう花が個人的に大好きだった。という事も断言しておきます





気にしなきゃいい事まで気にして、
上辺だけのすぐに消えてしまう感情に傷付いて、
それでもやっぱり拭い切れない「母親が好き」という気持ちに正直に生きていて・・・
彼女は完全に「正しい」行動は取れなかったけれど、実は誰よりも「正しさ」を求めていたのが花だったのかもしれません
冷め切った感情で世の中を皮肉っていた彼女が、自分から行動を起こす様になるまでの物語。。と考えると
これはこれで“成長”なのかもしれなかったですね
その冷徹に振り切った作風も好みだったし、
実際にこんな感じで自分もあの頃生きてたのかな・・・って想起させるリアリティのある雰囲気もまた素敵でした
周りの人間が何もやらないのであれば、自分が矢面に立って、やるだけ。
そんなメッセージ性なんかも内包されていたのかもしれません。
世界が変わらないのであれば、
世界を変えるのは、私だ。
ただ、それだけの事で
ただ、それだけに絞っていたからこそ
余計なものが一切ない、伝えたい焦点だけにピントがあった傑作として成り立ったのかもしれません
それは、戻るようですが確実に清廉潔白と言える様な「正しい」行動ではなかった
それでも、それで確実に「変わった世界」がそこにはあって。。
肯定も否定もしない。ただただ、その相様を徹底的に描く。
そんな荻野さんのスタイルに美しさとこだわりが感じられた、久々の新作ですが、個人的には健在どころか更に研ぎ澄まされた新作になっていたかと
それは自分が荻野純さんのいちファンだから、というお世辞の様な話ではなく
本心から思っている事。。だと、付け加えておきます

どうしようも出来なかった現実、
それをどうにかした少女の儚くも、しなやかで、(実は)愛が籠っていた作品・・・
最終的には、そんな風に思いました。花には、逞しく生きていって、母親を幸せにしてやって欲しい。
そう思います。
ありがとうございました。

















無表情に徹していたからこそ、こういう表情が際立つ。「巧さ」もある作品です。


それにしても、「γ―ガンマ―」完結以来超久々に荻野純さんの作品を読んだ訳なんですが
やっぱり良いなあ、好きだなあ。って思いましたよね(笑
シャープでクールな絵柄で、でもしっかりと可愛い。と思える女の子のセンスや(花、大好き!!)
哀愁漂うストーリーライン、一面的ではない人間の描き方。。などなど
本当に自分のツボにハマる作品を描かれる方だなあ、って心から思いました

去年、何の音沙汰もない時期にファンレターを出したりしたのですが
今となって思えば、本当に出して良かった。というか
そこまでするほどの作家さんだ。って
確実に思えました
それと、ファン想いなトコロも素敵で、この方の人間性含めて大好きなんだな、って。
改めてそう感じられたのが何よりも嬉しかった部分ですかね
花を見ていると、
まるで自分の中の側面の一つを見ているかのようで
個人的に物凄くシンパシーの高い作品になっていましたね
美麗なカラーイラストも、現物はもっときれいなので是非見て欲しい

冷徹に振舞う彼女にも、拭い切れない「感情」があって
そんな本音が零れるシーンの数々がどうしようもなく人間らしくて好きだった
そして、あの透明人間の骨は、これからの展開を示唆してたのかもしれない・・・と
思うと、中々複雑な気分にもなる読切でした
続きも気になりますけど、
これはこれで趣ある形で終われている気がするので
これで終わっても別に良い気はしています

ただ、勿論アンケは1位で必ず出させて頂きます(笑
とても感情が揺さぶられる、感じるものの多い作品でした。最高です。荻野純さんの漫画は、やっぱり(自分にとっては)格別です。
それを伝えたくてこの感想を書きました。
好きになってくれたら、(ファンとして)とても嬉しいです。
傍観者から、当事者へと変わる瞬間を―――。



もぐささんは食欲と闘う 第1話中心ヤングジャンプ2016年31号の感想

2016-06-30 | ヤングジャンプ感想









荻野純さんの読切の感想に精神の大半を費やしたので、簡易版でいきます。











もぐささんは食欲と闘う 第1話 もぐささんVS上京

作者が栃木出身なのは知ってましたけど、
百草さんたちも栃木に住んでたんですね
上京、、、と言えば上京なんでしょうけど(笑

ってな訳で第2部はタイトル通り百草さんを主人公に据えて展開していくみたいです
小口は京都で料理修業、、、って事で完全に百草さんの食欲我慢漫画にシフトしていくみたいですね
そんな初回は、最高に面白かったですね笑
兎角、百草さんの相様と紅潮していく表情を見てるだけでも楽しかったし、
食べた時のリアクションや、美味しいものに想いを馳せてる表情等がめっちゃキレキレでした
何よりも百草さんが益々可愛くなってる・・・!って事で
これからも期待なのです
ちょっと狂ってるというか、変態的なのもそれはそれで可愛く映るものですね
そして案の定買っちゃってるオチも素直に笑えました。
そういうのが積み重なって(略

ところで、小口と百草さんはもう一戦交えたのだろうか
東京駅の誘惑は凄いですよね。完全におのぼりさんになりますもん。











◆BUNGO-ブンゴ-

何この弱虫ペダルに出て来そうな奴・・・笑
一気に不愉快な気分になったなあ
流石に試合が長すぎる気がするぜ。
あんまり漫画漫画してるキャラも本当は出して欲しくないんだけどな。



◆リクドウ

底辺からの、熱く激しいカウンターパンチ、、、に対する期待が高まりました
あとシンマン賞のページで最後はハッピーエンドにする!って語ってますけど、
言っちゃって大丈夫なんでしょうか(笑
いやでも、それはそれでどん底から始まった序盤との対比で美しく見えるような気もします
冒頭の苗代ちゃんとミ-ハ-達のやりとりもなんか好き。



◆潔癖男子!青山くん

こういう先生、嫌いじゃない(笑



◆グラビアトリ(終)

・・・ッ!
最後なのに絵荒れが
スゴイ







グラトリ風の感想でした・・・。
振り返って考えると、
正直良い所が極端に少ない漫画になってしまいました
まあ、一番致命的だったのはグラビア漫画なのに絵に色気がなかったことでしょうか
色気がないならまだしも、ちょくちょく絵荒れ、手抜き気味な部分があったり
かといってお話は茶番アンド茶番アンド茶番のオンパレードで
結果的にどうしようもない作品に仕上がってしまいました

ただ、確実に言える事はこういう編集部主導っぽい企画で、尚且つ人気もないのにゴリ押しするような事をやる漫画が
のし上がれる程読者は甘くはない、なめんな!っていう、それだけですね


でも、同じ作者が以前に描いた「からてに百合」は正直当時「面白い」って思ったんだよな
それを考えると、やっぱ作者が本当に描きたいものではなかったのかな。。という感じもしますね
ただ、そうだとしても、最終話の作画がこんな殴り書き風味な作画なのはいただけないですね
打ち切りですが、悪いですがなるべくしてなった、当然の打ち切りだと思います。
嫌われるのを覚悟で敢えて書きますが、個人的には駄作だと思う。














次週は、読切版を絶賛した「結崎さんはなげる!」が連載化!!
これも正直かなり嬉しくて、予告からまず見るんですが、かなりテンション上がりましたね(笑
当時の感想はこちら↓
ボクガール97話、鏡ユーマ「結崎さんはなげる!」 感想ほか(ヤングジャンプ 2016年13号)
「クノイチノイチ!」も連載化するし、荻野さんの読切は載るしで、ボクガ終了後もまだまだヤンジャンに対する熱意がキープされてるのが実に素晴らしい
期待してます。健闘して欲しい!



天野めぐみはスキだらけ! 第32話「さてはお前・・・」 感想ほか(週刊少年サンデー 2016年31号)

2016-06-29 | 天野めぐみ&古見さん
                                     
                                     良い親だ。










そっかー、そんな時間掛けて通学した事無いから、考えもしませんでしたけど
長時間通学してると中々(一緒に)放課後遊べない。。っていう弱点があるんですね
学とめぐみは近所だしそういう悩みなんかはないだろうけど
こと同性の友達となると、途端にしょっちゅうは難しくなってしまうんですねえ

だからこそ、母親としてはこうやって(帰宅が遅くなっても)遊びに来てくれた事が嬉しいし、
そんな友達がめぐみにちゃんと居る事もきっと嬉しかったんでしょうね
そういう「なんかいいなあ。」って思える作劇の心地良さと
今まで以上に“友達”である事が強調されたあったかい空気感が絶妙な32話目でした
これぞ日常ほのぼの、元来のサンデー作品だ・・・!と言わんばかりの作風は正に作者がサンデーっ子だからこそ出来る芸当なんでしょうね




カワイイ。



同時に、今週は8割がめぐみの視点で終わってるので
なんか本当にタイトル通りめぐみが主人公な気がしてきましたね・・・笑
その辺は割とフリーダムっていうか、これはこれで面白くて素敵だなあ。って思えるあたり
「めぐみの物語」としても読める懐の深さがあって尚素晴らしいと感じました
大好きな友達と一緒に遊んで、
母親も絡めてアットホームな空間に陶酔して、、、っていう
本当にめぐみが呼んで、遊んで、母親の言葉が胸に響いて、満たされて・・・という
めぐみによるめぐみの為のお話になってるのが今までとは少し違う感じで良かったです

しかも、学に対しても相変わらず恋する乙女一直線で、
最後に普通に会話出来た時の喜びの表情、充足感の強い姿が印象的だったんですが
ただ会えるだけで嬉しい、会話出来るだけで嬉しい・・・っていう気持ちが如実に出てたのが
めぐみの心情的にも、内面的にもカワイイなぁ、、、って感触を引き出せていてそこもまた良かったですね
ホントは、あまりにそっけなくされてモヤモヤしたのかもしれないし、そこを埋めたかったのかもしれない
或いは、異性だ何だを気にせず、一緒に交じってお話したい気持ちもあったのかもしれないですね
そんなめぐみのいじらしく健気な気持ちもまた胸に来る話数に仕上がってました。




なんかカッコいいなあ。



なんでしょうね、
ちょっとヒロインが憧れる格好良い男子みたいになってましたけど(笑
でも、学も学でめぐみの事を気遣い始めてる、優しくなって来ているのかもしれません
まだまだ(作中での)2学期は始まったばかりですが、これもまた何かの予兆なのかな~と思いつつ
ここからの変化や進展?等もじっくり楽しんでいければいいですね。今週も面白かったです。

しかし、友達二人も掘り下げ甲斐のあるキャラですね・・・笑
犬に本気で夢中になってる楓はその「可愛いもの好き」な面を掘り下げれば更に存在感が増す気がしますし、
事実、犬に夢中になってる様はギャップもあってかなり可愛かったです
真美の方は、まあ平常運転なんですけど
下着姿でめぐみのカラダに陶酔してる様は百合な雰囲気もありつつ、ちょっとえっちい匂いもしてとても良かったです(笑顔)
まためぐみとは対照的なちんまい様も逆に目立つ印象でそこもまたイイな、と感じました
この子はきっと真性のものがあるんでしょうね、、、
そんな友達二人の描写に関しても◎
あと、ガクの楓のまな板にガッカリするシーンもコメディ的に面白かったです(笑
まあ、この親娘が異常なだけだから・・・(精一杯の励まし)。




まさに桃源郷・・・
対比的にも良い味出してるというか、ぶっちゃけ真美も相当グッと来ますよ?(笑顔)

官能的な一面も相変わらず出しつつ、
今週はほのぼのハートフルにも力を入れていて
日常ガールズ・コメディ好きにもアピール出来る回になっていたかと
ガクに嫉妬する真美も可愛かったし、、、
でも、やっぱり一番は「良い友達」である事の証明と充足、それに尽きますね
それでいて最後にはきっちりラブコメ分も回収、と渋いようでいてレベルの高い話数だったかと
なんだかんだいって学も優しい一面見せてくれて良かったなあ。青春してるね!


当日、12時ぎりぎりまで粘って書き切った2巻の感想もよろしく!!
天野めぐみはスキだらけ! 2巻/ねこぐち

もう数日で7月、いよいよ夏到来するんで
是非その頃には水着カラー拝みたいッスね(笑
まあでも、作中の季節的には秋になっていくんでないかな・・・。
取り敢えずアンケート出し毎週頑張ろう。

















◆MAJOR 2nd

認めてもらえる嬉しさ・・・っていうのは確かにあります
特に卜部は抜かされ踏み台になるポジションだっただけに
そんな地道な努力を認めてもらって嬉しさも半端なかったでしょうね
時には口に出して伝える事も重要だ。



◆あおざくら

うわ、これはキツいわ(笑
まったく心休まらねえよ・・・と思いつつ
遠慮なくストレスフルに描いて来る作劇は信頼感ありますね
あと近藤の無表情気味は意図的に書いてたのね。
確かに目の輝きは薄いが・・・笑
沖田はそこだけは圧勝してますよね!そこだけは!



◆古見さんは、コミュ症です。

横浜出身ですが、
自分の住んでた区では「いせのせ」でした。
関係ないけど、じゃんけんでオージービーフとかダイナマイトとかあったなあ、、、(遠い目)。



◆ふれるときこえる

さとりと泉澤がくっつけば問題ないのでは?(提案)
でも、そういう展開本当に来たらいいなあ。










新連載は4つとも均等にプッシュする方向性っぽいですね
まさか全部にあげる、だなんて・・・本気で新人育てるつもりですね。
まあ二階堂センセは中堅ですけど。





【祝!センターカラー♪】今村朝希「つくろぐ。」 第4話 感想(コミックキューン 2016年8月号)

2016-06-28 | つくろぐ。/今日D(鹿子木灯)
今月はセンターカラーだょ♪

正直、すっごく嬉しいです
大好きな今村朝希さんの漫画が、4話目にしてセンター獲得・・・!
読切掲載の時からアンケ出して感想書いてるのでちょっと感慨深い、泣きそうにもなるんですが
うん、まあ、取り敢えず、すっごい嬉しいんですよね笑(2回目)
しかも2Pカラーで本編も増Pってのがまた嬉しいじゃないですか?
今村センセの華やかで究極的に可愛い作中観をたっぷりと味わえてファンとして幸せでした。
なんせ前作から4年以上も経ってますからね、ここまでこれただけでも本当に感動、、、っていうか。

毎月のアンケ投函、プッシュは欠かした事はないし、欠かすつもりもないので
その意味合いでもちょっとは報われたかな?って感じでありがたいです
正直同時に始まった連載陣がかなり強力な面子だったのでちょっと心配だったんですけど、
とりあえずスタートダッシュは成功してるみたいで本当に良かったです
ただ、これからも人気をキープしていきたいですし、
またカラーも拝みたいので相変わらずアンケで推す事は忘れずに、ファンとして精一杯頑張って行きたいです
今村センセ、「ぼっち日和。。」5話以来(かな?)のお祝い抜きの通常センター獲得おめでとうございます。
折角始まった4年ぶりの連載、待ちに待った分是非是非末長く楽しみたいものです。



完全におのぼりさん、だが、それがイイ。


今村朝希さんの描くキャラは、やっぱりどこかか弱くて、いなたくて、不完全な感じがするのが実にイイですね
そんな子達が満たされたり、共に「何か」を得たりするのが楽しくて仕様がなくて自分は今朝ファンなんじゃないか・・・?って思いました
そういった文脈の上に成り立っている「大好き」なんですが、
きっとふわふわゆるゆる、だけどピリリとしたスパイスも効いててオリジナリティもある本作は単体でも勝負出来るしなやかさがあると確かに思えました
今までの彼女の作品とは違って、割と明るめでポジティブなのもギャップがあって面白く感じられますね。




まさかの「それ」扱い(笑)。



さて、4話の感想ですが
まず本当に煌びやかなカラーイラスト(2ぺージ)の時点で胸に来ました
益々可愛くなっている表紙の華、上目遣いの創李、そして菓子さんの爽やかな表情もまた最高で
思わずニンマリしてしまいますね ホントに今村センセの作風にピッタリな移籍先で良かった
そして、2ページ目も華やかなカラーが続き、ここではちょっとした「友情」のシーンも挟まれていて、そこもまた個人的に胸に来ました
特にほわっと紅潮気味の創李が可愛いですね・・・笑
ちょっと華に惚れてそう

お話自体は、今回は「クレープ作り」という事で
過去最高にフィーチャーされた菓子さんがとっても良い味出してたと思います
つーか、色々な意味で本領発揮しまくり&存在感出しまくりで(自分の中で)菓子さん大ブレイクの話数でしたね(笑
初っ端からJK隠し撮りとはっちゃけモード、微妙に「頼れるお姉さん」的雰囲気を醸し出しつつも
「準備」と称して二人を尾行して制服姿を撮りまくる・・・というおっさん的思考がとてもユニークで面白かった
でも、頭巾姿で幸せそうに撮り続ける姿はどこか可愛くもあったり、、、という絶妙なバランスでした
また、ちょっと、いや、かなり引いてる華のリアクションもクスクス笑える塩梅だったかと
先に帰って来てバレないように(?)演出してるのも滑稽で良かったですね
(一体何者なんだ・・・!?)
「準備」って、気持ちを上げる為のあれだったんかい!っていうのも納得出来る様な出来ない様な感じで面白かったですね

二人に小悪魔ちっくな衣装に着替えさせたのも、なんか欲望に満ちていてゾクゾクしましたし(笑
また、そんな二人もとっても可愛くて菓子さんの言う通り目の保養になりましたね
 個人的にウケたのが「スクリームみたい」ってネタですね
可愛い可愛い、な作中観とは全く違うネタをぶっ込んで来るセンスが正に今朝的、と思いつつ笑
それで喜んじゃってる菓子さんも菓子さんで実に「らしい」なあ、、、って思えたのも良かったです
知識的にも「へえ」ってなる作中観のオリジナリティは健在、
特にホットケーキミックスでクレープが作れるのは目からうろこでした
また、そんな知識を「世界一受けたい~」だったり「伊東家の~」で学んだ、という
急に世俗的な方向性になるアンバランス感がまた最高だった(笑
いや、だって、あの趣味であの衣装なのに、ゴールデンタイムのTV番組観てんのかよ!っていう
そんな妙にクスクスしてしまう破壊力があったなあ、と(個人的に)感じました


小悪魔!

そんな風に菓子さん大フィーチャー、
デザートを「手作り」というこれまた読み応えのある回だったんですが
同時に、自分の手で自分の努力で日常的な幸せを掴み取る、、、というお話でもあったと思います
店で買えば一瞬だけど、みんなと一緒に苦労して作ったいちごクレープは格別の味で、お店よりも豪華に感じられる
何より、華やみんなの幸福そうな表情の数々が今回の「結実」を物語っていました
それは、創李と買い物してた時に見せた嬉しそうな表情も一緒で
とっても心地が良い(キャラの)充足感、
満たされた気持ち・・・が、毎回しっかりと、じんわりと感じられる、それも自分達の手で・・・!
・・・と、いうのが「つくろぐ。」の確かな魅力なんだ。と改めて確認出来ました
とても地に足がついていて、誠実な作劇にも仕上がってると思うので
可愛さ以外にそんなストーリー性にも注視して欲しい作品です
きちっと頑張って、
きちっと報われる、
そんな日々が楽しくて・・・!という今村センセならではの「生真面目さ」が光っていた4話目
基本的に日常漫画なのにも関わらず、こういう感覚が受けられるのはきっと“手作り”をテーマにしてるからなんでしょうね
この調子で、これからもみんなの「日常的な」頑張りと充足感を拝んでいければ・・・と思います
最後のPの華の目標も達成されるのが楽しみですし、続きを読む楽しみも十分
センターカラーってだけでも嬉しくて堪らないのに、
内容も過去最高のクオリティで本当に「つくろぐ。」が大好きだ!!と思えるものだったのが凄く嬉しくて胸いっぱいになってしまった4話目でした
これからも自分なりに本作の魅力を頑張って綴って、伝えていきたいと思います
やたら長い感想になってしまいましたが、それくらい今回は胸に来た話数だった、、、という事で。









ちなみに、何故か扉絵が2つあるんですが、
やっぱセンターカラーは急きょ決まったんですかね・・・?
上のヤツは可愛さに加えてほのかな「色気」もあって、これはこれで最高なんですが(笑
次は、華の蘊蓄披露や先生っぷりもいつか読んでみたいですね。
今村朝希ファンとして忘れられない号数でした。


「コミックキューン」全体の感想も必ず後日UPします!よろしければそちらも。





ゆらぎ荘の幽奈さん 第20話「幽奈様が(上空から)みてる」 感想(週刊少年ジャンプ2016年30号)

2016-06-27 | ゆらぎ荘の幽奈さん
                                   










例えば、不良が子犬(動物)を助けたり、普段不真面目な人がたまに良い事するとバカみたいに受け入れられる現実がありますが
その逆、、、真面目に頑張ってる人がたまにポカしたり失敗したりすると手の平を返したように責めたり貶したりする
でも個人的には「それ違うだろ。」って思うんです
いつもいつも頑張って、ちゃんと貢献してくれた人をないがしろにして
「たまに」頑張る人を尊く思い持ち上げる・・・っていうのは正直どうなんだろう?って感じるんです
感謝するところが違うだろ、っていうか、あまりにも恒常的な頑張りが無視されがちだなあ。って思うのが正直な気持ちですね

他人は、(勝手に)その人に対して「こういう人で、こういう考えをもって~」とイメージを押し付けますけど
そもそも、そんなイメージ自体がその人(ら)がその人(ら)の中で勝手に創り上げたものであって
そんなイメージとのギャップ、乖離に悩まされるなんてのは日常茶飯事なお話でもあります
あまりに美しい幻想を他人に描くのは勝手ですけど、
実際本当に汚れなきものなんてこの世には存在すらしない(と、思う)
逆に言えば、そういう「じゃない」部分をきちんと受け入れる度量が必要になってくる訳で。。
それもまた難しいっちゃ難しい話なんですけどね
その人の中で「この人はこういう人!」「こんなことはしない!」ってのが望んでもいないのに日々製造されちゃってるわけですから







ただ、本当に評価されるべきなのは
いつも不真面目なのにたまに真面目になる人~よりも
いつも真面目なのに、たまに不真面目に「も」なる人だと個人的に思います
毎日毎日頑張ってる人が、たまにハメを外したからってそれまでの頑張りが不意になるような現実は間違ってるし
毎日毎日頑張ってない人が、たまに真面目な姿を見せると「偉い!」ってなっちゃうのもなんだかなあ・・・って感じるのが素直なトコロです
いやまあ、蓮華さまは決して男遊びをしたりしてる訳ではないと思うんですが(笑
ただ、周囲があまりにも彼女に「何一つ汚れの無い完璧」を望んだり、イメージを押し付けてるので
きっとそんな理想像と本当の自分とのギャップに苦しんでいる部分はご多分にあるんじゃないかな、と思います
正直なんだかんだ言いつつも、きっとバレないでしょ。と思ってたので
普通にバレてしまったオチには驚きましたが
(ああいう場面は、やり過ごせるのがセオリーっていうか何らかのトラブルがあったり奇跡に助けられるパターンが多い)
あそこからどういう風に挽回するのか、そして主人公であるコガラシは今回どういう形で男前な部分を見せるのか、
そして蓮華さまの本懐は果たされるのか・・・等に期待&注目しながら来週を待ちたいと思います
今回、冒頭からしていつものゆらぎ荘の雰囲気やテンションと違かったのでちょっと驚きましたが(笑
でもその分描きたいテーマははっきりとしている様にも思えましたし、
後半は実に「らしい」展開でもあったので
新鮮さを感じつつも、相変わらずの良さも楽しめる話数に仕上がっていると思いました

森野さんはまるで何一つ曇りのない聖域のように蓮華さまを語ってましたけど、
本当はそんな奴はいない、誰もが誰も至らない、完璧じゃない部分を持ってるもんだ。っていう
暗にそんなメッセージを感じさせる話数でもありましたが・・・次週以降に注目、ですね
あなたも私も、他人には中々言えない汚(けが)れた部分や醜い部分を持っている
だけど、それを認めずに、それ「で」全否定に繋がるような流れもまた間違っていると思う
そんなようなある種“重たい”主張も感じられるエピソードだったのがこの作品の深さを表していて良かったかと
人間は、100%清廉潔癖を保って、何一つの文句もなく頑張り続けられるほど強い生き物なんかじゃない
むしろ弱くて脆い生き物なんだよ。。って事を来週以降描いてくれそうで楽しみですね
例え蓮華さまがイメージと寸分の狂いもないような完璧超人ではなくても
受け入れられる度量が森野さん(ら)にあれば、、、と思います
っていうか、本来そうであるべきなんですけどね
色々な意味合いで気になる20話でした。















百合路線・・・アリだな!(ぉ



今週は「こち亀」の寄稿ページにもミウラセンセがゲストとして登場しています
そこもまた必見!な出来栄えになってるので(ミウラセンセの人間性がよく出てます笑)、是非
そして7月20日にはGIGAでオールカラー8ページ番外編、8月には単行本2巻が発売!って事で
今後益々楽しみなトピックも多くてとても追い駆け甲斐がありますね
きちんとアンケでの援護射撃も忘れずに頑張りたい

そして、単行本1巻の感想もまだまだよろしくお願いします!
コガラシの漫画だな~。と思った ゆらぎ荘の幽奈さん 1巻/ミウラタダヒロ



かぐや様は告らせたい14話、雪野集「影人」中心 ヤングジャンプ2016年30号の感想

2016-06-23 | ヤングジャンプ感想

殺人鬼あらわる!!


・・・いや、可愛い可愛いかぐや様ですが(笑)。
正直あまりに似合っていて爆笑してしまいました
そもそも、最初の喫茶店の割引券からして物凄い表情してたんですけど笑
裏を返せば、それだけ会長と行きたかったという事なんだろうなあ。。って思うと
何故か可愛げすら感じられるのがある意味かぐや様の最も恐ろしいトコロだと思いました
こういう魅せ方も出来るのか、というか
藤原書記の役割を更に極めたような新キャラの登場で
益々物語が面白可笑しくなっていきそうですっごく楽しみです
かぐや様は可愛いけど、可愛いの上にホラーチックな魅力も加わってるのがオリジナリティがあって大変よろしいですね
ミラジャンの時はこんな絶賛するほどハマってなかった筈なんですが、本誌に来てから確かに面白くなって来ている
いや、ただ気付くのが遅いのかもしれませんけど。でも、今週は素直に笑い転げてしまいましたね。



猟奇的なのに可愛いのがズルい。


また、脈なし、と伝えられるのを恐れて
彼の首を締めるネタも良かったですね
それ自体が狂気じみてて良かったんですけど、
本音は「そんな事伝えられたら、付き合えなくなっちゃう・・・!」という慌てる気持ちが感じられて
心情的にも可愛かったのが尚良かったです。 良かったというか、石上くん的には全然良くないんですけど笑
でも内面から可愛さを滲ませる事が出来る作劇はやり手の証拠でもあります
コメディセンスとニヤニヤラブコメが完全にドッキングした今週は、
本当に奇跡的なバランスで成り立っていて、正(まさ)しく「神回」という言葉が相応しいんじゃないでしょうか
石上と会長のやりとりにすらなってない一方通行過ぎるやりとりもまたコミカルに仕上がってて面白かったですね
ハイクオリティなエピソードがこのところ続いてるので、この調子でどんどん人気を博して欲しいです
きっとメディアミックスにも向いてるでしょうし。ホントに単行本欲しくなって来ましたよ。




カワイイ。


かぐや様は告らせたい 第14話 石上優は生き延びたい



しかし冒頭にあげた画像はインパクト大でしたね
なぜか、違和感がそこまでなかったのが逆に怖いというか
「やっぱりね・・・」的な面白味があったのが実に素晴らしかったです
この方本格的なホラーやっても似合うんじゃないだろうか、、、と思える程の作画センスに惚れ惚れしました
でも、それでいて妙に「美しさ」を感じるカットにも仕上がってるのが余計にイイですね
いいもん見させてもらいました
何度読んでも笑ってしまうのがまたニクい(笑)。

しかし、先述の通り、
かぐや様の本当の恐ろしさは、お茶目さを前面に出した↑のカットでそんな事を一瞬忘れさせる
殿方には堪らない目配せにあるのかもしれないですね。。こんなん油断不可避だわ、っていう。
会長を驚かせる為に頑張っちゃうかぐや様、、、って観点から見ても可愛くて満足です
「ボクガール」の穴を埋めてくれてるのは意外にこの作品なのかも。。って思ってしまいました
最近(自分の中で)キてます。
俺がラブコメ至上主義なのもあると思うのでそこは参考までに。




(読切)影人/雪野集

分かりやすく書くと、
最近、、、いや、ここ何年かずうっと流行ってる異形パニックもの
ただ、それらと明確に違うのは主人公が女であること、しかも随分いたいげな少女
影が襲ってくる理由もすごく分かりやすいし納得出来るし、
主人公の影が味方になってくれた理由も単純明快ですし
全体的に読みやすくて、尚且つ面白かったなーという印象です
何より、純粋に続きが気になりますし
キャラものとしても大分イイ感じだと思いました
こういうのは当たれば大きいから、冒険させてくれないかな、って編集部に対して願いつつ
本音を書けば素直に晴ってキャラクターが気に入った。表情、ルックス、そして意志の強さを含めて
大好きになってしまった。。というのがご多分に大きいんだろうな、と思います
最近泣きながら戦うキャラも早々いないので、その点でも狙い目かもしれません
個人的に、勝手に期待しています。アンケ入れましょう。

怖がりながら、
震えながら、
涙しながら・・・
それでも、お兄ちゃんを必死に守った晴は純粋に超格好良かったです
こういう頑張るバトルヒロインものもあるようでないので(あっても大抵男が支えになってしまう)
その意味でも雪野さんの今後の活躍に期待せざるを得ません デビュー作とは思えないくらいの完成度でした
複線の使い方も上手かったですし、二人(晴と影)のやりとりも微笑ましくて大好きですね。
是非受け入れられて欲しい読切です。



潔癖男子!青山くん #58 梅屋くんが欲しいもの

やっぱラブコメ系のエピソードの方が面白い。
後藤ちゃんの健気で献身的な可愛さは、
そりゃ男子的にグッと来ちゃうよねぇ。。って感じで
梅屋の気持ちと完全にシンクロ出来たのが大きかったですね

確かに、後藤ちゃんは梅屋とのが似合ってるんだよなあ
こっちのが良い意味で普通、というか
青山くんとは変人同士(酷い)小田切ちゃんとくっ付くのがベストだと思います
いや、っていうか、自分の希望も当然の様に入ってますけどね!
複雑な恋愛関係を見守るのも楽しみな一作
後藤ちゃんのキメのカット(309ページ1コマ目)も気合いが入ってて素晴らしかったです
こんなん見せられたら勘違いしちゃうレベルですね・・・勘違いさせてくれっ。

坂本拓さんは、
敢えて言いますがヒロインの方が描写力高いと思います
そっち系に転向しても全然戦えるクオリティだと思ってます
こういう可愛さと美しさが際立ってるエピを見る度にそう思っちゃうので
きっと間違いないでしょう。次のラブコメ系エピソードも楽しみです。












◆干物妹!うまるちゃん

きりえとボンバーの話は毎回イイ感じだな
なんというか、、、ちょいデレが楽しめる感じ?
ある意味主役二人よりも好みかもしれないですね(笑



◆元ヤン

やだ、イイ男じゃない・・・(惚)
こんなイケメンを手放すなんて、損したわねー
でもガキの頃の恋愛なんて大体こういうのものなのかもしれません。
ちょっとでも運命が違っていたら・・・。



◆リクドウ

冷徹な怒り・・・
ある意味、目に見えて怒るよりも逆に畏怖の念を抱くかもしれません
そんなリクの拳がどういう青写真を描くかが凄く楽しみ
なんだかんだ、
ちょっと(?)嫌なヤツに仕上げて来ましたね
ただ、あのトレーナーが凄腕だと強調されまくってるので
単純な噛ませだとも想像しにくいのがまた巧い、というか流石ですね
展開が読みづらいというか・・・。勿論、良い意味でね。

シンマン賞のページは今週も必見、
特に苗代ちゃんへのこだわりは
ファンにとっても頷ける語り口になっていると思います
これは絶対に読んで欲しいページですね。確かに相当生々しい描き方してますからね。



◆君と100回目の恋

お、面白い・・・
具体的にはもう展開が分かってるので
不器用な探りを入れるところが面白かったですね
不器用、ってトコロが重要で
器用にスマートに探りを入れたり導けないトコロがいかにも葵「っぽい」んですよね
そこがイイな、と。友達の慌てっぷりも実にラブコメ的で良かったです
そして扉絵のセンスと透明感は流石よしづきさんと言った所。

告白をどう避ける(?)かも、気になります。



◆グラビアトリ

(分かってたけど)来週で打ち切り、ですね
分不相応な持ち上げ方は、読者が白けるので控えた方がいいかと>編集部
あまりにもとんちんかんなお話が続いたと思ったら、その後はセオリー通りの進行で
逆に印象に残りづらくなってしまった。。という感覚でした
やっぱり、空手百合描いた方が良かったのでは・・・

先日、ヤンジャンのバックナンバー読み返してて、
こんな事書くのもアレですけどハナリとこれなら
明らかにハナリの方がまだいいな。って純粋に感じてしまいました
編集部主導でヒットさせようとするやり方は大抵強引で上手くは行かないものです
それよりも、本当に面白い漫画で自然に盛り上がる感じが理想なのでは?
そう振り返って思います。
これよりも空手百合は正直良かったので、めげずに頑張って欲しい。














次週は、「もぐささん」第二部がスタート!!
「BUNGO」が連載再開!!!
そして、大ファンの荻野純さんの新作読み切りが掲載!!!!
前身ブログを読んでた方なら分かると思うんですけど、俺は荻野純さんの作品が大好きで
「γ―ガンマ―」の各話感想書いてたり、コミックスの感想書いてたり、ファンレター送ったりしてたんですよ
だから、余計に嬉しいっていうか、しかも毎週楽しみに読んでるヤンジャンで、っていうのがまた堪らないですね(笑
「かぐや様」休載にちょっとテンション下がってたけど、これならば全然ウキウキと読めそうで凄く嬉しいです
恐らく、荻野純さんの読切は単独感想で行くと思うので、来週は二発投じる事になりそうです
是非、よろしくお願いします!


それから、先週大好きな「ボクガール」の10巻が出ました!!
心血と個人的感情を沢山込めた感想に仕上がったので、こちらも是非是非♪

ロキちゃんと瑞樹の最後のロマンス ボクガール 10巻/杉戸アキラ
  



天野めぐみはスキだらけ! 第31話「ノリ・・・かな?」 感想ほか(週刊少年サンデー 2016年30号)

2016-06-22 | 天野めぐみ&古見さん
                                  
                              可愛すぎて悶えた一(二)コマ。









あのー、美少女又は美女が自分のペットに「好きなもの」という由来で自分の名前からネーミングを取ったらどう思います?
正直抱きしめたくなりますよね
うん、まあ、そこは個人差があるんでしょうけど(笑
例えるなら、RPGのキャラのネーミングに自分の名前が使われてた、みたいな感覚に近いのかな
そんな経験は一度もないですけどね! でも、めぐみの心情を考えると随分に胸に来てしまうお話でもありました
だって、「好きなもの」でストレートに学の名前の訓読みにするなんて・・・可愛いじゃないの
食べ物達を下してのこれですからね なんか思春期真っ盛りで羨ましいわね(遠い目)



秘密の恋心・・・。



恐らく、めぐみは「ガク」という学(まなぶ)の訓読みのネーミングを付けたことで
呼ぶ度に胸が高まる感覚、その度に自分の想いを確認出来るような感覚があるんじゃないかな、と思います
それを考えると、いかにも思春期の子供っぽくてなんだか微笑ましい気持ちになるんですよね
なんでしょうね、
直接的なエロティックさやほのぼのする可愛さを相変わらず描きつつ
心情的な、内面的な可愛さもきっちり追求されてるトコロが素敵だなあ。と思いました
また、それをイジるお母さん・・・というオチも思わずニヤニヤしちゃいましたね(笑

ここまで書いてて気付きましたが
なんか今週はめぐみが主人公みたいでしたね
そもそもネーミングに迷う→相談する→好きな人(相談相手)の名前を由来にする~って
正に主人公パターンというか完全にめぐみ主体のお話になってますしね
でも、そういうのもサンデーならばきっとOKなんでしょうね
最近女性主人公増えて来たしね・・・。
最初から最後まで「微笑ましい」エピソードに仕上がっていて正に“癒し”そのものだったんじゃないでしょうか
途中のネーミングアイディアの交換のシーンとかも実にユニークに展開されていて良かったです
また、「吉宗」っていうのがいかにも学っぽいのがイイですね
余談ですが、子供が産まれたらまたモメそう
でも進藤吉宗ってカッコいいですよね!




サービスサービス!



しかし、学もいつもなら「邪魔された~」ってなるのに、
今回は普通に協力してくれましたね
どころか、偉人の名前ばっか出して結構ノリノリでしたし(笑
そういうトコロもまたある種の変化だったりもするんでしょうか
以前ならもっと、面倒くさそうにしてたような。。
だからか、
余計にノリノリで「楽しみながら」考えて答えてくれる学が新鮮で面白かったですね
それをあしらうめぐみのノリもまた少し新鮮でしたし、こういう夫婦的やりとり(?)にも期待しています
それに、やっぱ犬好きで、珍しく求める姿も微笑ましかったですしね>学

めぐみのネーミングアイディアは食べ物ばっかりだったんですけど、
結構節操ないというか、なんでも好きなんでしょうね
スイーツを沢山挙げたと思ったら、
急に(看板を観て)「やきとり・・・」ってなるトコロは笑った、、、というかほのぼのしました
相変わらず犬を可愛がるその姿自体がすっごく可愛いですし、つられて無防備になるのもお約束で楽しい(笑
そして、あのニヤニヤオチ・・・と今週も先週に引き続き犬を使ってキャラの良さ、可愛さ、面白味を引きだしていてすこぶる良好な話数でした
個人的には、ガク、ガク!と嬉しそうに呼んだり、好きな男の子の名前を付けて満足気なめぐみの心情を想うだけでキュンキュンしちゃいますね
お母さんがもっとめぐみをからかってくれる事にも期待しています(笑

正しく、「天野めぐみは好きだらけ!」なお話でしたね。ごちそうさまでした。




いや~、本当に可愛いなあ・・・
個人的にあまりに「可愛い」と思えるものって
(自分にとっては)生ぬるいものではなく、衝撃的なものだったりもします
心が昂ぶるもの、というか、、、。今週でも特にこのコマと最後のオチのコマは最高でした!

先週出たコミックスの感想も♪ これ、相当心血込めて当日午後11時59分まで書いてた記事なんで是非。
天野めぐみはスキだらけ! 2巻/ねこぐち













◆あおざくら

一理あるなあ・・・
確かに、「手伝う」という事は自分一人の力で成し遂げる道程を塞ぐのも同義で
「お前は出来ない奴だから、手を貸してやる」というのはある種の見くびりにも近いですよね
自力で頑張って掴んだものと、他人の力を頼って掴んだものではその価値も達成感も全然違う
沖田には、彼自身の力で成し遂げる事が今は必要だし、
近藤は「手伝う」んじゃなくて、「背中を押す」事が必要なんでしょうね
本当の地獄は、むしろこれからなのかもしれない。が、頑張れ!



◆天使とアクト!!

これも腑に落ちたお話でした
確かに最初は「何この声?」って思っても
結局「この声しかないでしょ!」ってなりますもんね(笑
セオリーに忠実に演じるよりも、どんどんブチ壊して新しいものを提示していく
そういう姿勢、或いは哲学的ななりってキャラの素晴らしさに痺れた話数でした
確かにこれは、一理あるよなあ・・・。



◆キャラクタイムズゴールデン(終)

結構気軽に読める感じで好きだったんだけどな。
ギャグも時折ツボに入るものもあったし。
これと「漫画道」が箸休めになってたのにな~
ぶっちゃけそこそこ寂しいですよ。
また、オリジナルで挑戦して欲しいですね。









次号は魔王城が巻頭、
新人のプッシュ具合がスゴイ。
まあ、「あおざくら」は中堅作家さんだと思いますが。キャリア的にも。



もっともっとやれるはず、と思った。 ボーイスカート 2巻/篠原知宏

2016-06-21 | 単行本感想











展開的には、ライバルが登場して次なる男の娘も登場して、
どんどん賑やかになっていて、越智くんも益々重光くんを意識していて、、、と
むしろ「これから」の漫画だったはずだったんですが、何故か「ここまで」で終わってしまっています
一応お話的に(ある程度の)ケリは付いてるので中途半端でもないんですけど
でも、もっともっとやれたはず
まだまだ面白くなったはず・・・という想いは拭い切れません

そもそも、正直人気がなかったようには思えないんですけど、
っていうか、ボクガ終わったんだから本誌に移籍すればいいじゃん。って思うんですけど
その辺は所謂「大人の事情」ってヤツなんでしょうか ここまでのキャラは早々いないと感じるんですけどね
なんか、もったいないですね。
篠原さんの繊細で少女漫画のエッセンスも含んだ画風に、
しっかりと重光くんの可愛さが伝わって来る演出力の高さに魅せられたんですが
本作でそんな篠原さんの実力の高さをしっかりと知れたので、めげずに次回作も頑張って欲しいです
正直「ボーイスカート」の恋愛編をすごく見たい。って気持ちは強いんですけどね(笑


ただ、誤解しないで欲しいのは、
この2巻の内容自体は物凄く面白くて、楽しくて、キュンキュンもする
最高の出来栄えって事ですね
つまり、最高の出来栄えの作品の続きが変な風にねじ曲げられて無理矢理終わってしまったような感覚なので
それに対して複雑な気持ちを書いてるだけで、漫画自体は相変わらず最高なんです
特に、新キャラの男の娘に対して(その時点では無知でしたが)嫉妬しまくる重光ちゃんや
妹との問題を解決した後に「好きだよ」っていう重光ちゃん、
そして、その後悶々とする越智くん・・・
と、思いっ切りニヤニヤクスクス出来る思春期模様を味わう事が出来て個人的に最高でした
また、重光くんの照れた表情や笑顔、甘えた仕草など全力で彼の可愛さを描く事に終始していて(勿論大五郎やゆりかもカワイイです)
この漫画には伊達や酔狂ではない「男の娘」への愛があると思いました
少なくとも“男の娘”というジャンルが好みであれば、読んで損はしない漫画だと断言出来ます。

それだけに、一般的に考えればまだまだニッチなジャンルだけに、
やるんならやるでもっとプッシュするか、辛抱強く見守って欲しかった・・・というのが本音です>編集部
ていうか、男の娘抜きにしてもラブコメとして面白い漫画でもあったんですけどね
越智くんに出会って、どんどん色々な表情を見せてくれるようになった重光くん(ちゃん)
嬉しい表情も、怒った表情も、嫉妬するいじらしさも、エッチな表情も、最高の笑顔も・・・
そんなど真ん中の剛速球「だけ」がバンバン投げ込まれてくる構成になってるのが相変わらず素晴らしかったです
新しい男の娘キャラだった大五郎の事や知らない表情ももっともっと知りたかったし、
越智くんの思春期っぷりがますます加速していく様ももっともっとクスクスと楽しみたかった
ただ、「もっと」という気持ちは絶対に拭えないし、そこを無視して書いたら単なる“強がり”でしかないので
敢えてこの言葉を多用して書いてますが、そんな風に思える気持ち、惜しんだり残念な気持ちもまた「好き」の証拠なんだと思います
このまま続けば、そしてメディアミックス等すれば(向いてたはず)、きっと新しい男の娘モノのいちスタンダードになっていたと勝手に思ってますが、、、
それでも、回を増すごとに、どんどん可愛さに磨きがかかっていき、
最終話手前と最終話で更にその可愛さを更新した重光くんというキャラは中々忘れられないインパクトがあったかと
なんかもうすっかり男の娘、にハマってしまってますが、その自分内ブレイクのきっかけの一つにこの漫画が確かにあった事は書き記しておきます
お疲れ様でした。また篠原知宏さんにはラブコメ描いて欲しいなあ。



ただ、恋愛関係ではなく、
下心抜きの友情で終わらす~というのも伏線は張ってあったし、
一応のケリの付け方としては悪くなかったと思います
それでも、一線を越えた展開も見てみたかったなあ、、、とは思いますが(笑
まあでも中途半端に終わるよりは、ゴールを描いた方がそれはそれで良かったんでしょうね
おまけ漫画を読むと、絶対に未練ありそうですけどね。越智くんがいつか正直に振り切ったトコロなんかを想像してニヤニヤしたりなんかも。
ファッションショーの顛末も面白かったし、重光くんの無防備な発言が相変わらず光りまくってたのもまたすこぶる良好だった最終巻でした
本当に重光くんの可愛さは雪化粧またはガラス細工なみに繊細で、美しいので是非触れてみて欲しい一作です
っていうか、こんな男居たら女子は全員自信喪失すると思う














考え方を変えれば、
全2巻でお手軽に「男の娘モノ」を楽しめる、
気楽に気軽にサクッと味わって、ジワッと沁みて読了出来る。。とも形容出来ますし
その辺は善し悪しなのかもしれないですね。兎角、面白かったし、ハッとするレベルの美しさでした。
楽しかった!




ゆらぎ荘の幽奈さん 第19話「仲居さんの秘密の冒険」 感想(週刊少年ジャンプ2016年29号)

2016-06-20 | ゆらぎ荘の幽奈さん
                                  
                              まずはちとせちゃんから(略











1巻は売れ切れ続出で大重版だそうですね
まあ、クオリティを考えたらある種当然ではあるのですが・・・
こんだけ可愛い子揃えてこんだけ格好良い主人公作って、演出も優れてて、、、ってなったら
そりゃ売れてくれないとね。って感じですね 7月20日にはGIGAでオールカラーの袋とじもやりますし、
これから益々本作が盛り上がったり上昇していく事を願っています
個人的には今ジャンプで一番好きな作品であり、
「これが載ってるから買ってます。」って類の作品でもあります
その姿勢を示す為の毎週のアンケート投函だったりもするのです
結局、どの作品が好きかも人それぞれですから
それこそ各々で自分の信ずる作品ならば全力で支持した方が良いと思われます
そんな「ゆらぎ荘の幽奈さん」19話の所感です。




カワイイ。



仲居さん回です
1話から、しかも幽奈さんの次に登場した割には個別エピソードが随分遅くなりました
ただ、そのお陰で「やっと!」感は相当出てますし、逆に安易に予想通りに行かない良さがあったんじゃないですかね
当初のヒロインを順番にきれいに描いていくよりも、読者をドキドキハラハラさせる事の方が重要ですからね
しかしまあ、流石に仲居さんのルックス(と年齢)で無理させることは憚られたのか
他のヒロイン勢とは違って官能的、サービス的な要素は皆無になっています
しかしこれはこれでほっこりまったり出来る要素満載で逆に良かったんじゃないかな。って思いますね
というか、仲居さんのキャラクター性的にこういうテイストのお話の方が単純に似合ってるんじゃないかと。




安定のコガラシ△



あの校長先生・・・勉くんが外見的に考えると還暦を越えてると思うんですよね
だとすると、仲居さんの年齢はおばあちゃんレベルか、それ以上・・・?
それで今のアイドルにはしゃいでんのか
いやいや!「好き」に年齢は関係ないですから
それこそ200歳300歳越えてたってジョニーズファンでも大丈夫だと思いますよ。うん、大丈夫。
そんな仲居さんが中学校に中学生の制服で通ってる、って時点である種のヤバさがありますよね
みんなはそれこそ何の疑いもなく同級生だと思ってるでしょうけど、完全に騙されてますからね
きっと高校は違和感あるから行かないんだろうな、とか
逆に正直に話して今の校長みたいな関係性を築くんだろうか、とか
色々と考えてしまうんですが、
でもこれが仲居さんの「夢」だったんですよね
普通に学校に通って、普通に友達とおしゃべりして、普通の毎日を過ごして、、、
それを叶えてくれたのがガキんちょの頃から面倒を見てやっていた子供(=校長先生)だった・・・と
考えると、なんだかちょっとジーンと来るお話であり、更に言えばそんな仲居さんの人徳が産んだ「結実」でもあるんでしょうね
良い事をしていれば、いつか良い事として帰って来る
悪い事をしていれば、いつか悪い事として帰って来る
当たり前の話です
でも、そんな当たり前が難しかったりもしますけどね
人外として生まれ、まともな青春が送れなかった仲居さんが
今こうやって縁あって、それなりに「らしい」青春を送っている
そんなお話のプロットと演出だけでも読んでて凄く面白くて胸に来たエピソードでもありました
あの校長先生も、仲居さん自身も、きっと胸の内は複雑なものを抱えてるんでしょうけど
それでも元気で、笑顔で過ごす「強さ」みたいなものも感じられて、それがまた素敵なお話でもありました

更に言えば、そんなお話に、ごく自然に主人公であるコガラシを介入させて、
確かに活躍させて好感度を上げて終わらせる“作劇の巧さ”も際立ってましたね
女の子を強引にナンパしようとしてる所に、
ケンカの強い男が現れる~っていうのは正直不運以外の何ものでもないですから
その意味では理屈的にも成り立っていますし、また予想外な展開でもあって個人的に痺れましたね
コガラシは、いつだってどこにいたってコガラシ
それは有り体に正義の味方、とかいう話ではなく
あくまで自然体に弱い者の味方である~って意味合いな気がします
そういうトコロもまた格好良いですし、
逆に顔を見られなかった、(表面上は)知り合いだから助けた~って構図じゃなかったからこそ
むしろコガラシの誠実さが如実に感じられて良かったんじゃないですかね
コガラシもきっと中学生を好む趣味はないでしょうしね(笑)。
助けたいから、助ける、それがコガラシという男。
ここまでの主人公の存在感で、個人的評価が上がらない訳がない。
仲居さんの私小説的なお話かと思いきや、そういう面白味もきっちりと描きながら、
そんな中でもしっかりとコガラシの株を上げて心地良い読後感を生みだす・・・と、
正にミウラセンセの実力の高さが如実に示されている最高のエピソードだったんじゃないでしょうか

間接的に考えれば、今も昔も子供たちの平穏を仲居さんが守っている
そういう話にも思えましたし(校長先生の面倒をみたのも、コガラシを召喚したのも仲居さん)、
仲居さんの出会いに感謝する姿勢、仲居さん自身が受け入れたからこそ出会えた幸運・・・みたいなものが描かれていて
その点でもすごく良かったんじゃないでしょうか 単純に仲居さん視点だったのも新鮮で面白かったですしね
兎角、期待以上に素晴らしいエピソードだったのは間違いない
そして、仲居さんはやっぱり可愛いなあ。って深く思いました。
















こんな姉ちゃん居て欲しいわ(笑)。
コガラシもナチュラルに格好良い、
仲居さんも健気で守り神でカワイイ、
お話としても意外性があって面白い・・・と
正に完璧な一話だったんじゃないかな、って思いますね
この調子で他のヒロインズの個別回もまたちょくちょくやってくれたら嬉しい。
改めて、「ゆらぎ荘の幽奈さん」って良い漫画だな~、って感じれた19話でした。


コミックスの感想も是非!
コガラシの粋さと思春期っぷりが堪らない。
コガラシの漫画だな~。と思った ゆらぎ荘の幽奈さん 1巻/ミウラタダヒロ



ロキちゃんと瑞樹の最後のロマンス ボクガール 10巻/杉戸アキラ

2016-06-18 | 単行本感想










杉戸アキラ「ボクガール」10巻読了。










次巻で最終巻なんですが、
こうして単行本でまとめて読んでみると・・・各話感想を書いてた時には気付けなかった事に気付けました
それは、ロキちゃんがあまりに瑞樹に近づき過ぎた事。ただ単に神として悪戯を行っていた初期と比べて
この巻では明らかに瑞樹と一緒に居たがったり、なんとなく好いてる事が伝わって来たり、
瑞樹に感情移入している事がはっきりと分かる仕様になっています
別に作中で明言はされてないんですが、
それこそがロキちゃんの「リミット」だったのかな。。とか
それ以上近づく事は許されなかったのかな・・・とか、何となく感じてしみじみとしてしまう内容になっていました。

個人的な感情を吐露すると、
出来ればロキちゃんはあれ以上に瑞樹によって満たされて欲しかった
もっともっと瑞樹のイケメンっぷりも、可愛がられて紅潮するロキちゃんも見たかった
何より、瑞樹と一緒に遊んでいたい、一緒に過ごしたい・・・というロキちゃんの願いを叶えてあげたかった
だけど、きっとそれは許されざる領域で、そこまで一人の人間に長引いて固執したからこその「鉄槌」だったんだろうなあ、、、と個人的に考察しています

でも、ロキちゃんの気持ちも分かります
今巻のロキちゃんに対する瑞樹も本当にイケメンですもん(笑
ちょっと前の、ちょっとした会話を覚えてくれていて、そこから確かな気遣いを見せてくれる
クリスマスを知らなかったロキちゃんに、精一杯そういう気分を味わせる為に頑張ってくれる男の子
ロキちゃんの思い切り満たされた満面の笑みがそんな彼女の嬉しさを言葉ではない形で物語っていました
まるで可愛い妹のように、心配したり気遣ってくれる瑞樹のイケメンお兄ちゃんっぷり
惜しむらくは、この漫画は初期から藤原さんor猛の二択オンリーだった為に
ロキちゃんルートは始めから断絶されていて
あくまで寄り道に過ぎなかった事ですが、
例え寄り道限りだったとしても
個人的にはロキちゃんとのエピソードで見せる瑞樹のイケメンっぷりがいっつも大好きだったし、
その度にちょいデレや紅潮の表情を見せてくれるロキちゃんが大好きだった。
この漫画は、瑞樹の可愛さや面白可笑しいラブコメ模様が魅力として語られて来た漫画でしたが
この10巻を読んでいると、ロキちゃんと瑞樹の関係性の妙も、この漫画の確かな魅力の内の一つだ。と個人的に強く思えます
もし漫画の方向性が違ってたら、ロキちゃんと瑞樹の成就もあったんだろうな~とか
そんな様子を結構妄想してしまったりもするんですが(笑

そんな二人の、最後のニヤニヤエピソードが詰まっている巻になっているので
その意味でも是非ここに注視して欲しい、という気持ちが強いですし
改めて他ヒロインも瑞樹に負けないくらい可愛かったんだな~、って思えました
瑞樹と一緒にイヴを過ごせなくてイジけるロキちゃんも、その後サプライズに満面の笑みを浮かべるロキちゃんも本当に可愛すぎでした
そんなロキちゃんと瑞樹の最後のロマンチックな夜が展開される10巻、完結までの前振りの要素も強いですが、読み逃す手はない、ですよ。

ああでも、この巻読んじゃうと
アナザーエピソード、というかアナザールート想像しちゃうな。っていうか
瑞樹の前でどんどんしおらしく、可愛くなっていくロキちゃんを想ってしまうなあ。
そんなロキちゃんがトール神にイジめられるシーンもレアリティがあって面白かったです。
いつもはイジめる側だけに(笑



本筋のラブコメの方も、堪らない出来栄えになっています
今井先輩の登場は、各話感想を書いてた時は所謂物語を拡げる為の存在~って認識だったんですが
改めて読んでると瑞樹と猛の仲をよりグッと近づけるためのスパイスに思えてそれもまた効果的ですし
彼女の登場のお陰でより瑞樹が猛をイジらしく意識するようになって実にニヤニヤ出来るラブコメ模様に仕上がってますね
なんだかんだでイチャイチャ気味の二人の相様を眺めてるのがめっちゃ楽しいですね(笑
同時に、舞さんの登場で本格的に二人を意識させ、
ロキちゃんの親密化でタイムリミットが間近に迫ってしまう・・・というのは
もうこの頃から終わりに向かっていたんだなあ、、、って読んでてはっきりと思えましたね
そう考えるとやっぱり構成的にも優れた漫画だったんじゃないかなあ、と感じざるを得ないですね
そして、そんな仕掛け役である舞さん自身も色々とコミカルでリアクションも面白くて良かったですし、
時折猛の男らしさにドキッとしてしまう相様にもまたキュンとさせられました

瑞樹は、この巻でもめちゃくちゃに可愛くて、
表紙にもある通りの晴れ着姿や、
素直に猛にドキドキする様も真っ当にラブコメ!って感じで実に読んでて気持ちが良いです
デパートの屋上ではポロリしようとして一瞬変態さんになりかけたんですけど(笑
でも、ここまで来ると反応も考え方も何もかもがガーリーに染まっていて
そんなもう女の子女の子しまくりな瑞樹を眺めてるだけでも楽しい巻です
時折~、って感じではなく、
もう素で・・・って感じなのが実にイイですね
猛の複雑で、でも真っ直ぐな心情の数々も見所だと思います
気が付けば、本当にどっちに転ぶのか?が最後まではっきりと定まらないままここまで来てますが
それはそれで最後まで鉄板ルートを想像させなかった~という本作のラブコメとしての“巧さ”の証しであります
勿論藤原さんとのイイ感じのシーンも多々あって、その意味でもニヤニヤ出来る新刊に仕上がっているかと

モラトリアムの期間は終わった。
これ以上神が人間に近づき過ぎて、
神らしさや神の矜持を失ったらいけない
そして、ここまでずっと揺れ続けたままの瑞樹も答えを出さなきゃいけない。
複線や過程も含めて終わり際のタイミングとしては正にベストだった。と改めて思いました
どちらを選ぶにせよ、瑞樹なら、彼ならばきっと最高の答えと結末を導きだしてくれる、はず。
それを信じて、来月発売の11巻を待ちたいと思います。泣いても笑っても次で終わり、
それならば、最後まで全力で楽しみ、最後まで全力で見守りたい。
キャラクター達の紡ぎ出す「正しさ」を受け止めたい。
ただ、それだけです。
ちょっと切なくも、真っ当にラブコメとして楽しい10巻目でした。










ちなみに、おまけ漫画で兄がイデ子のフォローをしてたのも良かったです(笑
猛の父親も遂に登場&進言、重要な役割をきっちり果たしてくれました。
この巻から繋がって来るものも勿論あるので、
その意味でもこの巻も是非是非・・・というトコロですね。最後に、ロキちゃん大好きです!次巻でもまた会いたい。