この間の日曜日に藤原さくらのコンサートをNHKホールで観ました。
藤原さくらの公演を観るのは1年半ぶりでちょいご無沙汰してました
その時は緑黄色社会との対バンで観たんだった
時間が経つのは早い、、、
本当は、
「AIRPORT」のリリースツアーにも行きたかったんだけど
キャパが彼女にしては小さめだったのでチケット取れなかったんだった
今回は、
前作から1年足らずという早いスパンで出されたニューアルバム「wood mood」のリリースツアーでした。
NHKホールも一年振りでしたね
この会場、
音の響き方とか
シックな外観とか、
個人的に昔から好きな会場の一つだったんでそこも嬉しかったですね
好きな会場には年一では行きたい・・・そして、今回のアルバムの雰囲気にも似合っていた様に思う
確かに、新作はライブハウスってよりは格式高いホールでじっくり聴く❝コンサート❞って感じですもんね。
非常に蒸し暑い気候の中、中に入ればそれを忘れる素敵な音楽空間が拡がっていました。以下。
この公演は、
基本的に最後までみんな座りっぱなしで
歓声もシンガロングもハンドクラップとかもほぼなく、
(自然と)みんな静かにじっくりと音楽に浸る.....という内容になってました
ただ、
こういう類の公演がえらい久しぶりだったせいか、
それが物凄い新鮮にも感じましたね
逆に言えば、
良い意味で過剰な成分がない分
ただただ純粋に
❝音楽と自分❞、みたいな・・・そういう空間がそこにはあったように思えた。
そしてそれはそれで一つの音楽鑑賞の正しい形なのでは?とか感じちゃいましたね
イントロから始まり、
神秘的な雰囲気を纏った「my dear boy」から本格的にコンサートはスタート。
ちなみにライブという表現を使ってないのは本公演が非常にコンサート的に思えたからです
無垢なメロディ、
ざわめく木々の様な繊細なバンド演奏、
そしてどこか昭和のAORの様な雰囲気の歌唱・・・と早くも観客の心を鷲掴みにしていく
新しい藤原さくらを見せつつ、
洗練された歌謡曲の様なエッセンスにも心地良さを感じた「巡」
音源とは違って
「ずっと暗闇」ってフレーズが足されてた気がしたけど、
そういう繊細だけど妙な迫力もある歌や
音源よりも賑やかに感じるアレンジ等
既にCDからアップデートされてる感覚も受けれたのが尚良かった。ダークな感じも好きでした。
歌詞の中に「森の中」ってフレーズが出て来る「コンクール」は正に今回の公演にピッタリの選曲
情念を感じさせるバラッドを歌唱しつつ、
まるでBARみたいにムーディな仕上がりで披露した「Give me a break」
正直、
聴いててお酒が飲みたくなる様な雰囲気でそこも良かった
「人混みにまるで独りみたい」って歌詞もなんだか沁みた。。
そして、
この曲もまた昭和の匂いを感じさせる一曲「BITTER RAIN」と
激シブな流れが続く
聴きながら、
今自分がライブに通っている様々な歌手やバンド達の中でも
藤原さくらは最も渋いポジションに居るかもしれない・・・とか思った
大人の哀愁が滲む様な曲でシックに聴かせる趣ある時間でした。
こういうのが実にコンサートっぽいんだった。
そして、
ここでMC
この日は近くで沖縄フェスティバルが開催されてた事から、
「はいさ~い」といきなり琉球チックに挨拶(笑
そこから、
アコギを持って「Sunshine」
限りなく優しい音が会場中を包み込むこれまた至福の時間
音源でも感じてたけど囁く様な
「Easy Now(大丈夫だよ)」の歌声がまた心地良かった。
更に、
ディープな音楽世界は続いて行く
「Close your eyes」
青い照明も印象的だったんですが
まるでDUBみたいな空気感に海を感じさせる爽やかなサウンドも乗っかって
唯一無二の、、、音に酔い痴れる様な素晴らしい空間を創り上げていました
あれは何だったんだろう
決してアガるような曲ではないけれど、
ゆらゆら揺れる楽しさもあって...レイヴみたいな感覚もありました
そこに純としか言い様の無いボーカルが乗ってこの曲もまた出色の出来栄えでした
今回はバックバンドの演奏クオリティも随一のように感じられましたね。
「星屑のひかり」も良かった
サビメロが、
サビメロとは思えないくらい静謐で落ち着いていて、でもそれが新鮮で心地良かったです
ヒーリング音楽にも通ずるエッセンスとひたすらにきれいなうたを浴びながら、
「おやすみなさ~い」の一言から始まった神秘性の強い「good night」
この曲では木琴?のアレンジが凄く綺麗でウットリしましたね~
そして、
コンサートの後半に向けて
藤原さくらさんを除いた演奏陣によるインストのセッションも聴けました
とても鮮烈で...若干SPECIAL OTHERSにも通じるテイストも感じられる鮮やかなインストでした
そのグルーヴに舌鼓をしつつ(ちなみに「胎児ソング」というらしい)、
藤原さくらさんがステージに帰還し
コンサートは後半に突入。
年始のCDTVでも生で披露していた新譜を代表する「daybreak」
ステージ及びその周りを囲むように木々のグラフィックが登場して
正に"wood mood"な相様で奏でられました
流れる川の様に麗らかな演奏、
無垢な歌唱、
そして
後半のオレンジ色の照明(確か)に加速していくメロディ・・・
この曲に関しては、
本当にただただ❝音楽と自分だけの世界❞に浸れていました。
daybreakとは夜明けという意味
実際に、
夜が明ける瞬間に立ち会った時の感動
そんな光景を音楽にした様なただ美しいムード...
奏で手が真摯に奏で、
聴き手が無心で受け取る、、、正直、それが何よりの音楽的なコミュニケーションなんじゃないか?って
ある種
音楽の原始的な喜びを体感したような気持ちでした
そこには聴き手との信頼関係もあるような気もした。
この夜だけは、
「あ、過剰な反応とか、いらね。」って強く想っちゃいましたね
まあとはいえ、みんながみんな同じでもアレなんで他のライブ行けばそれはそれでって絶対なるでしょうけど笑
優しさが滲む歌唱に聴き惚れた「まばたき」
良質な昭和歌謡にも通ずる雰囲気に浸った「早春物語」
一転して、
キラキラしたアレンジ
「Everybody Good Luck」の繰り返すフレーズも気持ち良かった「Waver」と
和洋折衷を感じさせるセットリストで攻めていく
この曲はコロナ禍の時に作ったとか。
各々のソロも飛び出した、よりJAZZYに変化していた「spell on me」を経て
「今日は本当にどうもありがとう。
また会いましょう」と前置きしてその挨拶の通りの曲名「Thanks again」で本編は締め
みずみずしいアレンジに加えアコギの音色の美麗さにもウットリしながら、
幾度か歌われる
「かえろうよ」のフレーズも妙に沁みた
どこかノスタルジックだけど、
確かにビビッドでもある。
そんな良い意味で何とも形容し難いサウンドを満喫し、最高だったこの夜は終わりを告げたのでした。
勿論、
アンコールも敢行。
ここで新譜出たばっかりなのに、
早くも新曲を披露(!)
ここに来て、
創作のペース上がってるな、、、と感じつつ
柔らかな雰囲気が聴いててほっこりもした「初恋のにおい」
演奏も良く、良好な感触の初対面でした
最後は、
この日唯一のハンドクラップも飛び出した「I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free」
ニーナ・シモンという歌手のカバーですが、非常に賑やかな雰囲気で楽し気な一幕
藤原さくらさんもタンバリンを振りながらの歌唱で、
最後の曲だけちょっとアゲて終わる構成もまた粋でしたね
この夜は、
ずっと座りっぱなしだったのもそうだし、
終始浸って自分の中で消化するような内容だったのも
これはこれで元来のコンサートの一つの在り方なのでは、、、と感じてしまった
正直、こういう世界もしっかり守り続けられていくべきだな~とか思ってしまいましたね
本当に素晴らしい音世界でした
ありがとうございました!
1.Intro
2.my dear boy
3.巡
4.コンクール
5.Give me a break
6.BITTER RAIN
7.Sunshine
8.Close your eyes
9.星屑のひかり
10.good night
11.胎児ソング
12.daybreak
13.まばたき
14.早春物語
15.Waver
16.spell on me
17.Thanks again
18.初恋のにおい
19.I Wish I Knew How It Would Feel to Be Free
新譜はタワレコで購入して
その後自宅でじっくり聴いてたんですが、
「これって家で聴く類のアルバムでライブ向けではないのでは・・・」と少し懸念もあったんですが、
実際にリリースツアーに参加してみたら
存外に良くてビックリしました
音源も良いので
化けた~って言い方はアレかもしれませんが、
生の鑑賞様にどの曲もアップデートされてた風にも感じられて
流石藤原さくらだし、
バンドメンバーもすげぇわ。
って
純粋に感じた公演でもありました。
これほど生真面目にルーツミュージックに取り組んでいるシンガーソングライターも稀有なので、
藤原さくらの生き様はある意味パンクなのでは.....とか思ったりもした一夜でした。
そりゃ、また行くでしょう!