サブカルチャーマシンガン

自分だけの「好き」を貫く為のブログ。

ボンベロの過去・・・?/DINER 第58話「Reminiscence&Remodeling①」感想(ヤングジャンプ2018年52号)

2018-11-29 | DINER
                              
                            少年の頃のボンなのか・・・?









目つきがやたら似てるのと、このタイトル・・・
やはりこれはボンベロの過去なんでしょうかね?
正直、
ロクな過去を送ってない事はもう何となく分かっていたので、
特に驚きはないんですけど、もしこれが彼の過去だったとしたんなら、
キッドに対する態度だったりカナコみたいな女性に惹かれる気持ちも理解出来るなあ。って思いました
誰かに寄生する事でしか生きて行けない母親、ろくでなしの暴力を受け続ける仕打ち・・・
正に種類は違えどキッドのそれに通ずるくらい不幸な境遇ではある
ただ、
運命の人に出会えたか否か・・・。
ボンベロはきっとキッドの事を他人事には思えなかったんでしょう
ぶっちゃけボンベロもまたキッドみたいに慰み者にされる一歩手前でしたからね(笑
生理的に・・・彼を自身の手で葬る事に抵抗感があったんでしょうねえ。







母親は、
父親のストレス解消のはけ口と自身の保身の為に子供を囮にし、
のうのうと暮らしている中でとうの息子自身は身体的にも精神的にも傷だらけだった
その上、ゲイの好色男におかされる寸前まで行く、という正に悲惨としか言えない幼少時代

ただ、
その分危機意識は高かったようで子供の頃から既に今に通ずる下衆の片付け方の片鱗を見せています
それは、今まで溜め込んでた幾つかの憤りがきっと爆発してしまったんでしょう
他人を殴る、というのは確かに暴力に訴えかける行為ですが、
殴られる奴にも理由がある・・・というのもまた確かなんだと思う

この上記の画像のおじさんは、恐らく以前から幼少のボンベロ(仮定)に目を付けていたんでしょう
いかにもヤバそうな見た目ですが、どこか他の人間とは違う「何か」を感じるのもまた事実
・・・って書いてたら、そのまんま本編でも使われてますね笑
きっと、
この人は「普通の人」ではないんでしょうけど、
ボンベロにとっては「大事な人」になっていきそうな・・・そんな予感がします
正しさだけでは救われない世界への扉が開きそうな、そういう予感が。









にしても、
この感想完全に彼を幼少期のボンベロって決めつけてますけど、
もし違ってたら相当アレな感想になってしまいますね笑
まあでも、そこは「想像」って事で。



ちひろちゃんの本音。/湯神くんには友達がいない 第76話 感想(週刊少年サンデー2018年53号)

2018-11-28 | サンデー感想
                               
                          ちひろは湯神の本当の良さを知っている。









まあそもそも、
この世は意外と「自由に」動けない節があったりしますからね
あらかじめ約束した訳でもないのにそうしなければいけない~という空気、
でもやっぱり個人個人で趣向も事情も思考も違う訳ですから、
「全員同じように」とは行かないし、
むしろ個人個人が違うのが“当たり前”なんですよね。
普通に生きてるだけなのに縛りや義務が増えて行くのはやっぱり苦しいと思うんです

そもそも、結局は「みんなで集合写真撮りたい」っていうのも彼らのエゴじゃないですか?
ぶっちゃけ大して仲良くないけど、湯神くんは野球でちょっと結果出したから「箔」に使いたかっただけでしょう
頼み込んだ訳でも、あらかじめ告知されていた訳でもない会合に加わらなくて叩かれるのはちょっと理不尽だと思う
先に帰ってしまった事に寂しさを感じる事は自由ですが、それを強制させると単なる義務になってしまう。
彼には彼の楽しみ方があり、彼らには彼らの楽しみ方がある・・・ただそれだけでしょう。







それに、
湯神くんのああいう行動は確かに個人主義だとは言えるけど、
別に湯神くんがすべて個人主義で生きているか、って言えばそれは違う。
意外と野球部のみんなの事も考えてるし、
誰かがピンチの時には身をもって守る勇気もある。
何より、
手芸部の出し物の為に一生懸命頑張ってくれた。
自分のやりたいように生きてはいるけれど、それはそれとして「薄情」って訳ではないんですよね
ちひろちゃんは今までも何度も湯神くんの言動に助けられて来たし、人間的に影響も受けていると思う
ちひろちゃんは、
湯神くんは本当は「そんなヤツ」じゃない事を知っている。
だから、好き勝手言われる現状に素直に腹が立った
彼らの身勝手な言い方が許せなかった・・・んでしょうね。

そもそも、湯神くんの文化祭の回り方だって彼独自の視点で見つけた「楽しみ方」であり、
それを他人からどーこー言われたり面白がられる言われなんてないでしょう
むしろ、そうやってきちんと自分「ならでは」の楽しみ方を見つけられてる事実に尊敬するくらいです
「お化け屋敷に一人で入ってたら笑える~」っていう方が正直可笑しいと思いますけどね(笑
それも正直“義務”じゃんねえ。




    


しかし、
割と内向的で「ことなかれ主義」な一面も昔は強かったちひろちゃんが、
こうやって誰かの為に怒りを露にして嫌われる事すら恐れない姿勢を見せたのには驚きました
それくらいちひろちゃんにとって湯神くんは大きい存在になってる~って事なんでしょうし、
ちひろちゃんが有り体に湯神くんに好意だったり感謝している様が垣間見れて正直嬉しかったです
何より、ちひろちゃんの“成長”を感じられたのが一番感慨深かったですね。
他の誰が何て言おうと、
私にとっては素敵な人だし、
「友達」と呼べる人物である。と・・・。
そんな心意気に読んでいて実直に感動してしまいましたね。

既にある流れに逆らったり、自分だけ逆方向を行くのはとても勇気がいること
でも、だからこそ、得られるものだってきっとあるはず-----。
そう信じて、
次回以降を待ちたいと思います。









にしても、
今回のちひろちゃん凄く可愛かった・・・!
容姿は勿論、いや、それ以上に湯神くんの事を想って、
考える前に口と身体が動いてしまった精神性にむちゃくちゃ悶えてしまいました(笑
実際こんな風に庇われたら相当嬉しいだろうな。。って何となく思いました。
やっぱり湯神くんは大好きな漫画だ、と改めて感じましたね。



本当は・・・・・。/ゾンビランドサガ 第8話「GoGoネバーランド SAGA」

2018-11-27 | ゾンビランドサガ
                            
                        最後は笑顔で終わる演出にまた泣いてしまう。









親父も決してリリィを傷付けたくてああいう事をしていた訳ではないと思う
勿論、お金に気が狂ってリリィを打ち出の小槌みたいに考えていた訳でもない
ただ、
画面の中でリリィが、
自分が心から愛するリリィが輝いているところを観たかった、
リリィをスターとして幸せにしてあげたかった・・・それだけだったんでしょうね。






でも、逆に言えば「それだけ」だったのがマズかった
リリィをスターに押し上げる事やファンの事を考えるあまり、
肝心のリリィ自身の気持ちだったり身体の異変に気付いてあげられる事が出来なかった
別に悪意があった訳でも利用する邪な想いがあったわけでもない、
「リリィのため」「みんなのため」と
責任と善意で行っていた事が“死”という最悪の結末を呼んでしまった・・・
親父にとってはTVを観たくなくなるぐらいにショックだったし悔やんでも悔やみきれなかったんでしょう。






きっと、
親父さんはかつての娘(息子だけど!)に似た子がアイドルをやってる事を知って、
懐かしさ、捨て切れぬ想い、どうしても気になってしまう・・・という気持ちの他に、
どこかで謝りたかったんだと思います。
もうちょっと大切にしてあげられたなら、
もうちょっとリリィの気持ちに寄り添う事が出来ていたなら・・・
そういう贖罪の感情を抱えている事がセリフや行動の端々から伝わって来てこの時点で個人的に泣いていました
本当は、ごめんって言いたかった
父親として謝罪したかった・・・。
そういう後悔の気持ちと、そんな気持ちを似た子(だと思っている)リリィに直に伝えに来る
親父さんの未だに自分のしてしまった事を後悔する強い感情がダイレクトに伝わって来たから泣けたのかもしれません。






だけど、
もっと泣けたのはそんな気持ちに触れたリリィのリアクションでした
死んでから大分経つのに、未だに自分の事を想って、こうやって自分の影を追い求めて、
「良い父親になれなかった。」という懺悔のような言葉を告げて去って行く・・・
リリィをその本人自体だとは(恐らく)思ってないからこそこのシーンは強烈な説得力があったように思います

リリィもまた、
本当は「ありがとう」って云いたかった
自分を愛してくれた事に対する感謝の気持ちを伝えたかった
死んでも、時間が経っても、ずっと自分の事を想い続けてる姿を見て感じるところがあったんでしょう

だから、その想いをステージで表したかった
「大好きだよ。」
「愛してるよ。」
何より、
「大丈夫だよ。」って伝えたかった。
今でも、死んでも、自分はステージの上で頑張って歌っていて、
“あの頃”と同じように誰かを、そしてあなたを元気にしてる事を知ってもらいたかった・・・。
そんなリリィの尊くて健気な想いが存分に伝わって来る作劇に誇張ではなく観ていて涙が止まりませんでした。






ライブシーンでは鼻水を垂らしてしまうくらい号泣しました
親父の気持ちになってみると、これ以上泣けるシーンなんてないってくらい素直に泣けてしまって
ポエトリーリーディングから始まる楽曲のドラマティックさも相俟って最高に感動的なシーンに仕上がっていました
本当は、
こういう風に理屈でダラダラ語るすき間なんてないくらいに、
ただただ「感情で泣けた」クライマックスになっていたんで
こういう風に長ったらしく語るのが野暮に思えるくらいなんですけど、
そうですね・・・
やっぱり、
一番泣けたのは最後はリリィが一切泣かずに終始「笑顔」だった点ですかね。
最後まで泣かずに、くじけずに、徹底して“元気な自分を見せたい”“素直な気持ちを伝えたい”という姿勢を貫いていたので、
その強さと美しさと、傷心しながら誰よりも自分を愛してくれた父親に対する最大限の「答え」・・・に
親父の気持ちとのシンクロもあって鼻水垂らしながら号泣するまで行ってしまったのかもしれません
本当は、
リリィだって親父の気持ちなんて分かってる
だから、
本当は会いたい
会って「大好きだよ。」って言いたい
だけど、
それは出来ないから、
せめて、
最高の笑顔を彼に見せたい・・・っていう
そういう水面下の想いが存分に画面から伝わって来たのが兎角素晴らしいお話だったように思います。


死ぬ程悩んで、
自分の顔を傷付けて、
ショックから表情を失って、
今でも贖罪の念に追われている
そんな最愛の父親に対する最高のアンサー・・・が
余計なものを削ぎ落してただただシンプルに力強く高らかに描かれていた傑作回でした。
本当は、謝りたかった
本当は、「ありがとう。」って云いたかった。
自分が本当は愛されてる事に気付けた事が嬉しかった。
そういう・・・
“本当”がセリフではなく表情や水面下で伝わって来てくれたのが何よりも嬉しかった。
間違いなくこれからの自分のアニメライフに於いてマスターピースとなっていく話数でしょう。


っていうか、こんだけ号泣したら、そりゃそうなるって!
本当に、この感想で少しでもこのアニメの良さが伝わってくれる事を願っています。
最後は、親父も未練や贖罪ではなく、ただただ純粋に“あの頃”のように応援して喜ぶ・・・
死してからそういう関係性にようやく戻れた顛末がまた美しくて、粋でした。
















オマケ




褒められて紅潮する純子さん可愛かった(笑
後半の下ネタに紅潮するトコもツボでした。





あと、
相変わらずさくらと巽さんの関係性が大好きです(笑
NL化希望(ん?




本物の演技とは?/アクタージュ 第43話「正しい芝居」 感想(週刊少年ジャンプ2018年52号)

2018-11-26 | アクタージュ
                              
                           ハイレベルなイケメンだが・・・。









アキラの演技は、
どうしても「周りの評価」を気にした“最低限の仕事”になっているんだと思う
野球に例えるなら細かいヒットは打てるけど、でかい一発は決して打てないし「打たない」、
ある程度「こうしておけば批判は食わらない」という自己保身の上に成り立っている類の演技だからこそ、
観る人が観れば物足りない・・・という評価になってしまうんだろうって思います
器用だが、面白い演技ではない。。というのは演出からしてもよく分かります
まあ、良くも悪くも「アイドルっぽさ」が抜けないんでしょうね。







別に全部を曝け出すのが良い表現者だとは思わないけど、
あまりにも作り物じみてるとどうしても心の奥深くまでは届かない
それは読者はもうみんな景ちゃんの演技を観て来てるからとっくに分かっていると思う
それと、千世子のデスアイランドの最後の涙のシーンと比べてもアキラの演技は「違う」

勿論、
「商品としての自分」を上手くセルフプロデュースして世の中に出して確かなヒットに繋げる・・・
それはそれで間違いなく彼(ら)の才覚であり決して批判されるべきものではない
つまり、やってる事自体のクオリティは高いと思う

しかし、
この芝居、
生々しい感情を曝け出す類の演劇に於いては、
「逆に」きれいに整えられすぎて異物になっている・・・のもまた事実
今、この場で必要とされているのは、八方美人ではなく、誰か一人の心に強烈に突き刺さる類の芝居であって
その点に於いてはアキラの今の芝居は彼の評価の通り生々しさとは正反対の方向に行ってしまっている、、、のが現実です。







それでも、
まだアキラは「置きに行く」事を諦めない
冒険を、挑戦を回避して“プロとして”最低限の演技で終わらせ、
残った課題を明日に後回しにして逃げの一手を演じ続ける悪癖から逃れられない
それは舞台を真っ当に終わらすにはある意味至極当然の判断なのかもしれない
だけど、
正直「明日から頑張る」って言ってる人間を信用出来るだろうか?
大事な局面に立たされた時、
頑張らなきゃいけない時ほど先送りにしちゃうのが人間の性
そうではなく、「今ここで」何かを変える勇気を踏み出さなきゃいけない

しかし、今まで受け手の評価第一で活動して来た人間が、
いきなり自分を曝け出せっていうのも難しい話ですよね
だからこそ、
夜凪ちゃんのアドリブ・・・なんでしょうね
あれは天然と意識的なのが混ざっているような気がする(個人的に)
自分から出さないのなら、他人から出させるのも一つの手段としてはアリでしょう
そもそもが、手前の感情表現なんて昔何も考えてなかった頃は自然に出来てた筈なので。
アキラが無事枷を外すことが出来るか。。に注目です!
観てるこっちもハラハラの展開で、
しかもそれがアキラくん・・・って事で、
益々面白い展開になって来ていて大満足でした♪











しかしこの漫画、
とことんまで哲学的でとても少年誌に載ってる漫画とは思えないくらいの読み応えがありますね・・・笑
この何物にも染まってない感じ、オリジナリティを貫いて人気を得てる感じに個人的に「ジャンプ」を強く感じます。
間違いなく新しいし、評価されて欲しい一作に仕上がっていますね。アキラを応援したくなるのもまた凄い。





格好良い戸部下くん。/今日どこさん行くと? 第11話 感想(コミックキューン2018年12月号)

2018-11-23 | つくろぐ。/今日D(鹿子木灯)
                               
                               カワイイ。














実際、
こんな風に意中の女性とドライブデート出来たら幸せだろうなあ・・・とは思う
美しい景色を観て、美味しいものを食べて、美しい女性を観て・・・←
正に美のトリプルコースじゃん!!と感じつつ、
今回も上司さんのマニアックな歓びに、
それを観てニヤニヤする戸部下くん、、、とこの漫画ならではのコミカルさが光っていて良かったです
上司さんは結構少年的な冒険心があるというか、確かに狭くてどこかに繋がってそうな暗い道って、
ちょっとアニメや漫画の展開みたいでワクワクしちゃうのも理解出来ますけどね
あの道はあの道で良かったんでしょうけど、
正しい道に引き返した事によって
上司さんの真剣な眼差しをガン見出来た。。っていうのは男子的な役得で良かったです(笑
それでいてドライブテクニックも抜群とかね、可愛い上に格好良いっていうのが、
正に憧憬を抱くには十分でそこもまた今回良かったポイントの一つでした。





ただ、今回は戸部下くんも格好良かったと思う
いつもは上司さんに憧れて尽くすある種「可愛い」部分が目立ってますが(笑
今回はそんな上司さんの窮地を救って男らしく支えてあげる・・・という、
ここに来て戸部下くんの格好良い部分が垣間見えたのが良かったです
冷静に考えれば、
ただ転びそうになったのを助けただけなんですが、
今までが今までだった分ここぞという時に頼りになる、、、っていうそういう良さがあったような気がします
なんでしょう、普段ちょっと頼りなさげな人が時によく見てガッツリ助けてくれるとギャップ的な何か・・・っていうか笑

その後の自分で注意しときながら転びそうになってしまった自分を恥じて紅潮する上司さんもまた超絶可愛かったです(笑
ドライブテクニック抜群で出来る類の上司さんだからこそ、ああいう子供っぽい一面にグッと来る。。という、
そういう演出の妙・・・もまた光っていたまた少し距離が縮まったかな?という話数でした
今月発売のキューンは休載らしいですけど、
こんなニヤニヤ回見せられたら余裕でまた来月まで待てそうですね(笑
上司さんも段々戸部下くんに惹かれていって欲しい!




天使はどっちだ?/DINER 第57話「Tode in the hole&el diablo④」感想(ヤングジャンプ2018年51号)

2018-11-22 | DINER
                                
                                鬼畜の極み。








前回の引き・・・
あの意味深なカオスの表情は色々な展開を想起させてくれましたが、
結局カオスが選んだのは憎悪ではなく純愛でした。
最後まで、
たった一度人間扱いしてくれた恩を貫き通して、
涙を流して彼女を恨まずに散って行った、、、と考えると、
正直上記の画像と併せて「どっちが天使なんだ?」って感じちゃいますね。。

パッと見の印象だったり、
着飾ってよく魅せようとしている外見に惑わされがちですが、
実際はそういう人間ほど驕りに似た何かがあってどこまでも残酷になれる・・・という
ある種の生々しさを含んだ教訓めいたお話でもありました
最後まで一途に信じて、
ちょっとした承認欲求の為に命まで賭けて・・・。
そこまでする気持ちが分かる~って言ったら正直嘘くさい感想になってしまいますが、
だけどそこには本人しか理解し得ない確かな想いが存在していたことくらいは分かります
人間扱いされない社会の中で、
自分の為を想って怒ってくれた・・・
例えそれが打算に満ちた行動だったとしても、
それがここまで生き永らえて来た“理由”になったのも真実なんでしょうね
だから、死を恐れなかったのも理解出来る部分はあるなあ、と。

余計に、
先々週のボンベロの料理が素晴らしく思えてきますが、
悪魔だったのはアンヘルの方で、
天使だったのはカオスの方だった・・・それは間違いないです
今思えば、カナコを一方的に即振ったのも(失礼だが笑)理解出来るというか、
もうカオスにとってはアンヘルしか生きる理由にはなり得なかったんでしょうね。
それが例え届かないと分かっていたとしても、ね。







カオスは光へ包まれ、
アンヘルは逆に奇跡的に一命を取り留めた訳ですが、
皮肉にもアンヘルの顔自体がカオスのようなめちゃくちゃなものになってしまう・・・という
衝撃且つ納得の顛末には正直痺れました
彼女は一生自分の行動を後悔するでしょうし、
同じ立場になった事でカオスの辛さも分かるようになるでしょう
何より、
カオスをバカにする気持ちで(個人的推測ですが)段ボール被って登場してたのに、
本当に段ボールが必要なお顔になってしまう・・・っていうオチは最高過ぎますね(笑)。

カオスと同じ顔になった事で、
アンヘルは一生カオスの事を想い出し続ける
それこそがつまり一生を添い遂げた“永遠”になる。。という、
痛快でちょっと切ないオチにも感嘆の気持ちを覚えました
届かなかったけれど、
結ばれるにはこういう方法もあるんだ。っていうか、
ある意味女性を越えるほどの情念を感じさせたお話でもありました
まあでもぶっちゃけ男の方がよっぽど未練たらしいし引き摺っちゃうからなあ・・・。
勿論個人差はあるとは思いますけどね。これまでで最大の「愛」を感じさせたお話でしたが、
その結末はこれまででも最高に物悲しいものだったのが気持ち泣けて来ます
その分、深く印象に残って、
めちゃくちゃ面白いシリーズに仕上がったとも思いますが・・・笑




   




しかし、
「死して結ばれる愛」か・・・
正直そういうの大好物なんで(笑
なんか個人的に読んでてかなりグッと来てしまった。
前回のシリーズで息子が自死を選んだのにもグッと来たけど、
作画も尋常じゃなく気合が入っててかなり作中観に陶酔してしまいましたね。
なんか色々と考えさせられるお話でした。





THE NOVEMBERS「Hallelujah」全曲レビューその11「いこうよ」

2018-11-21 | THE NOVEMBERS「Hallelujah」全曲レビュー









きみが生まれ変わるしかないくらい
美はきみを叩き壊し 焼き尽くす









最後の曲です。
この曲は、ズバリ名曲です。
名盤のラストを飾るにはこれ以上ないくらいに相応しい、
ただきれいにまとめるだけではなく“その先”まで思い描かせる力のある確かな一曲に仕上がっています
浮遊感のあるメロディとアレンジ、その多幸感に酔い痴れつつ、終盤には爆音の渦が押し寄せ、
まるで飛行機のフライトのように聴き手に前を向かせる効力のある楽曲だと思ってます
何より、その気持ち良いくらいのシンプルな爆音のぶつかり合いによるカタルシスが大好きな一曲ですね
ライブで聴いても純粋なノーベンバーズの格好良さに痺れる事が出来る最新のアンセムだと思う。
まあ、結果的にこの後「TODAY」が出て最新ではなくなってしまったんですけど(笑
それでもあからさまに「未来」を感じさせるこの音飾は素晴らしいな、と。


結局のところ、
これまでの自分を壊すのは自分でしかなくて、
退屈な風景や満たされない現状を打ち砕くのは自身の手や足でしかない
それに気付けるかどうか、
或いは、
気付いた上で感じた絶望を堪えて、
それでも前に進めるかどうか・・・が大事なんじゃないか、って思います
待ってても動かない
期待しても救われない
だったら、
少しずつでも手前の足で進んで「何か」に向かうのが一番泥臭くて美しい行為なんじゃないか、と。
この曲を聴いていると、そんな事を痛感しますし、シンプルな「行こうよ。」というメッセージ(に似た何か)が、
素直に心に響いて聴き手の背中を押してくれる・・・そういう確かな力がある名曲に仕上がってると感じます。




同じ場所で
じっとするのに
今日も忙しい
あまりに退屈な
長い旅行



「諦めるな」「頑張れ」「負けるな」とかも直接的かつ小細工の無いフレーズで嫌いではないですが、
こういう風に直接的ではなく間接的に聴き手に頑張らせるような効力を含んだ練り込まれたフレーズも大好きです
自分を楽しくするのも、自分を満たしていくのも、自分の人生を変えて行くのも全て自分次第。
分かっちゃいるけど、中々実行出来ないお間抜けな自分を叩いて目を醒まさせるような痛快な一曲、
それと同時に、
傷付かない安全な場所にずっと留まっていると、
そこから一歩動くのですら難しくなってしまう・・・という、
ある種の皮肉と教訓が効いてるのも聴いてて面白い楽曲だと思います。

何かを変えるのなんて、
本当は大したことでも何でもなくて、
そこから一歩動くだけ、
そこから石ころを投げこんでみるだけ・・・で、
いつだってそれが(人にとって)変化するチャンスなんだと感じますね
そんな気持ちを高揚感に満ち溢れた爆音で彩って送り出す渾身のロックアンセム、
最後に子供たちの楽しそうな声で終わるのも「あの頃の純粋さを思い出してみれば?」という問いかけのようにも思える、
そんな捻られた演出も光っているのもノーベンバーズらしい“粋”があって大好きな曲ですね。
正にロックバンド然としたスケールのデカさが堂々と響いてるのが最高です。








以上で、
ノーベンバーズの最新の最高傑作である「Hallelujah」の全曲レビューを終了します
ここまで読んでくれた人が居ましたら本当にありがとうございました。
既に来春、新譜が出る事はアナウンスされておりますので、
また新しい作中観に触れるのも楽しみです。
その前に、ライブにも行きたい!




奇跡の一夜。/ゾンビランドサガ 第7話「けれどゾンビメンタル SAGA」

2018-11-20 | ゾンビランドサガ
                               
                              円陣のシーン大好き(笑









人は「何か」になりたい生き物だと思う。
正直な話、生まれてからずっと路傍の石である自分を受け入れながら死ねるほど人は強くないと思う
だから、その「何か」はきっと何でも良くて、その人の“好き”があればそこに理由は要らない
純子にとって、そして、みんなにとってアイドルをやる事が「何か」に繋がっている
純子にとっては「自分はアイドルだから。」以上に、
再びステージに立つ理由なんて(本当は)要らなかったんじゃないか、って感じましたね。






苦しいのは純子だけじゃない
葛藤を抱えてるのは決して純子だけじゃない
愛ちゃんもまた、サキが心配するように「恐怖」というトラウマと戦っている
人は悩んでる時や落ち込んでる時、どうしても自分だけが・・・という心証に陥りがちですが、
本当は誰だってそれぞれに悩みだったり抱えてるものがあったりする
それにしっかりと寄り添えた時、、、
フランシュシュは正しく“グループ”として機能するんだなあ。。って思えたお話で今回群を抜いて素晴らしい話数だったかと。






考えてみれば、
グループの全員が「同じ」である必要もないのかもしれない
純子には純子の、愛ちゃんには愛ちゃんのアイドル理論があって、
そういう重ならない部分も含めて別々だからこその面白さ・・・があるのがある意味「普通」なんですよね
今思えば某ス〇ップだって各々担当とするジャンルというか方向性?があったと思うし、
それはそれぞれの歌声の方向性にもよく表れててそういうトコもまた面白かった。

何よりも、
純子は純子で真剣で、
愛ちゃんは愛ちゃんは真剣なんですよね
時代は変わっても、昔の様に誰でもない「何か」に成る為に努力している、
必死に足掻いている様が何よりも美しく映えるのは何一つ変わっていない・・・
その本質さえ見誤らなければ、きっと二人はきれいに交われる。
だって、
四の五の主義主張を振りかざす以前に、
二人ともれっきとした「アイドル」なのだから・・・!
そんな二人を含めた「みんなの」結実が美しく光っていた中盤を彩るには相応しい名話だったかと素直に思いました。







それにしても、
ライブも曲も本当に素晴らしかったですね!
純子の美しい歌声は正に実力派に相応しい歌唱力でしたし、
みんな方向性がバラバラなのも統一感のない一体感(byコヤマシュウ)があって素敵でした
何よりも、電撃を浴びたけど、ゾンビだから何の問題も無い、どころか、ある種の演出みたいになって
最高のエンタメとして説得力を伴いながら至上のステージを作り上げてみせたのが鳥肌が立つくらい良かったです

それもまた、自分らで作り上げた類の「奇跡」だったのだと思います
まず、このステージに逃げずに立ったこと、
身体がバラバラになるまで練習したこと、
そして、
純子がフォローする事によって愛ちゃんが呼応して、その勢いで素晴らしい一体感が生まれたこと・・・!
すべてが、自分らで作り上げたドラマティックな演出であり、これこそがアイドルの醍醐味なのかな。って思いましたね

さくらが最後号泣してしまったのは、
自分でも無意識の内に本懐に近い光景を観たから、
夢の片鱗を叶えてしまったから・・・なんだと感じました
このメンバーでここまでのステージをやり遂げられた達成感もあったと思うし、
伏線として色々と思い出してた分、理屈ではない涙もご多分に含まれてたんだと思う
そんなさくらの涙もまた感動的だったゾンビランドサガ7話目、
ハッキリ言って今期でもずば抜けて大好きなアニメになってしまいました・・・!
みんなが“何か”を取り戻した今、
更なる飛躍を今後も求めて行きたいですね!












余談ですが、
アイアンフリルも正直良かったです・・・(笑
アイアンフリルもその内ライブイベントに参加しそう。
最近はアイドルも普通にロックフェスに出る時代なので、
こういう作劇は作りやすかったんじゃないかな?って思います。






才能という事実。/アクタージュ 第42話「星アキラ」 感想(週刊少年ジャンプ2018年51号)

2018-11-19 | アクタージュ
                               
                               本物と偽物。









ま、結局「才能よね。」とは思います
努力で補える部分にはどうしても限界がある
自分だってもう12年もこんな文章ダラダラ書いてるけど、
毎日更新してても正直思った程度のポピュラリティとかはない訳ですから、
まあツイッターで更新通知とか出したら一発でドカンと行くような才能は持ち得なかった、とは言えます。

アイドルを観ていると、時折「本物志向」に行きたがる人が何人か居ます
アキラも七光りでアイドル視されてる中、どうしても「本物」に成りたくなったんでしょう
誰かの傀儡でも見た目だけで評価されてる訳でもない「本物」の何かへー。





ただ、
そういうのって気合や気持ちで何とかなるもんじゃないですよね
自分だって(感想屋として)「誰誰みたいになりたい。」と足掻いた時期もありましたけど、
結局成れませんでしたし、
圧倒的な才能の前では多少の努力は霞んでしまうものです
いずれは、凡人である自分を受け入れなければいけない

だけど、それでもアキラは前線に立とうとしている
未だに本物に成る為に勝負している
勝負は、
文字通り土俵を割るまで延々と続いていくものです
負けたとしても、
届かなかったとしても、
「それでもやり切った。」という事実は残ると思います
まず、ステージに立たなければ、負ける事は出来ない訳ですからね
その意味ではアキラはある意味誰よりも立派な勝負師だと言えると思います
空虚だった形だけの人気、だけどそれでは満たされない何か、その「何か」を得る為に今日も闘っている・・・
最初は単なる憧れのようで、実は最も読者の立ち位置に近かったのがアキラだったのかも分かりません
人間として生まれて来たならば、自分の本懐を叶えたい、「何者か」に成ってみたい。。
それはある種当然の欲求の様に思えます。その願いを叶える為、頑張れアキラ!












とはいえ、
男でも惚れる位のイケメンである事もまた間違いない(笑
ある意味女性向けの作品「でもある」って言えるでしょう
こういう、男女選ばない類の作品は、“強い”。
今後も作品の発展に期待しております。



            

新・syrup16g全曲レビューその3「ヒーローショー」

2018-11-16 | 新・syrup16g全曲レビュー









一生こんなのは不安です
意識は相当 不衛生なモード
神経症で交遊 増えねえ
人格矯正 手遅れのままでいいの









この曲はメロディ、アレンジだけ取ってみれば物凄く軽快でポップな曲ですけど、
歴代のシロップの中でも随一に聴きやすい曲ですけど、
歌詞の内容は逆にかなりシリアスなものになっています、
現代版のホノルルロック・・・ですかね。


・・・ま、
みんなに迎合しよう、
価値観を合わせよう・・・って
そんな風に考えてもそこには限界があるわな
そもそも、
他人に合わせて自分の形を上手く矯正しよう~って思ってる時点で落伍者そのものなんですよね
まあ一概に器用だから~、要領が良いから~という理由で上手く泳げる方々も居ますけど、
「そうではない」誰かに向けた、孤独なヒーローに向けた明るくも物悲しいテーマソング・・・という印象ですね
自分の中では。


でもこの曲は、
基本的にはかなりポップなのでロック好きでなくとも聴きやすくはあるんですよね
何かのテーマソングにしてもいいくらいキャッチーな分、
達観しつつもがいてる作中観が逆に胸に来て切ない気分になってしまう、
ある意味今までのシロップにはなかった類の聴かせ方をしている楽曲。。だと思っています
何かを我慢しながら人格矯正にいそしんでる様は正にヒーローに成れなかった少年そのものの憧憬でしょう。
そんな音が軽やかに、そしてシビアに鳴っている最新のペーソス・アンセム。
本当は誰もが「まともな人」になりたい、ただそれだけなんです。







歌詞の中では
「ほんとの悪党なんて もしかしたらいねえの」って歌われてますが、
それもまた真実なんでしょうね
そういう部分もまた好みな一曲です。