サブカルチャーマシンガン

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次世代の純愛リーダー候補 たらぞお「君とセックスがしたい!」 感想(快楽天2017年7月号)

2017-05-30 | 快楽天(たらぞお)
                                         
                                           真夜中の情事。











「君とセックスがしたい」ってタイトルはめちゃくちゃ直球ですよね・・・
こんなにもどストレートなタイトルでいいのかってくらい(笑)直球過ぎて吹いたんですけど
中身はたらぞおさん印の真っ当なイチャラブものに仕上がっていて大満足でした。

前作の紹介文(ちなみに前作の感想も書いてます。たらぞおさんのカテゴリーから是非)でも思ったんですが
この方は恐らくはイチャラブ専門でそれを極めんとして奮闘している漫画家さんのように感じます
個人的にいつまで経っても田中ユタカ幻想があったりもするんですが、
丸っこい絵柄も加味してそんな幻想に応えてくれそうな新人作家さんだなあ・・・って考えたりもしています。





なんでしょうね、
前作と同じくやってるのはバカップルの日常を描いてるだけなんですけど
妙な迫力があるというか、無視出来ない魅力があるというか・・・
一切の小細工抜きで、
ただただ純粋に愛し合っている二人のイチャラブ模様をじっくりと描く、
そしてそれをお世話になれるレベルまで昇華している、、、という点で抜きん出た実力を持っている作家さんだと思います。

この手の作品で重要なのは、実は意外と男の子「も」可愛いと思えるセンスだったりするんですけど、
その点では直樹は初めての彼女に浮かれまくってる系男子・・・という事で
行動のいちいちが微笑ましいですし、
欲望まみれに見えて実は奥手な直樹を(必死に)リードしようとする志保ちゃんの健気さも素晴らしく可愛いんですよね。
この手の男子は彼女を傷付けまいとして、割と大胆な行動を取れないものなんですけど、だからこそ
恥ずかしさを押し殺しながら懸命にセックスアピールしてくる志保がとっても可愛く思える、、、という。

そう、タイトルの「君とセックスがしたい」っていうのは、
彼女(志保)の気持ちも代弁しているんですよね
つまりはダブルミーニングな訳で、
そういうトコも上手いなあ。って思うし
なんだかんだで似たもの同士だなあ。。って実直に思えて(笑)
ニヤニヤ度の半端ない作品に仕上がっていました。





兎角、ただ二人のセックスを眺めてるだけで「可愛いなあ」「微笑ましいなあ」って思える作品です
必死に誘いつつ、がっつかれるとちょっと困った反応を見せたり戸惑う志保は可愛いし、
イキ顔のエロさと描き込みの量も実に半端ない出来栄えに仕上がってます
大胆に絡み合う中にも、
純真な恥じらいがあり、
尚且つ、
きっちりと美しく蕩ける表情でも魅せる。。とデビュー2作目にして完璧な話運びを見せているな。と思います
パッと見、外見だけで考えれば物凄いやり手というか百戦錬磨っぽい志保が
実は物凄くウブで敏感な反応を見せる、って時点でグッと来ますし、
その割に身体はモノホンの官能を備えてるギャップもまたイイですね

心情の本音の部分は、
敢えてセリフやモノローグにはせずに、
表情と間、演出などで表現している粋な作風もみどころです
全部を説明せずに、読者の感性に委ねて「くれてる」信頼感がまた心地よくて、
そういった手さばきもまた自分好みでホントに素晴らしく思えるんだと感じます。
要所要所で、言葉にはせずとも直樹へのピュアな想いが伝わって来るのが読んでて最高なんですよね。

何より、前作今作と2球続けてど真ん中にストレートを投げ込んできたことを考えると、
この時点で早くも変化球を使わず「純愛」という直球だけで勝負するんだろうな。。って気持ちが伝わって来ましたね
とかいって、次作で変化球が来たら申し訳ないんですけど(笑
とにかく、快楽天という純愛重視ではない雑誌で、
ここまで純愛にこだわった作品作りをしているのはある意味レアリティあります
このスタイルのままどこまで高みに登れるのか、早くも大好きになりつつあるたらぞおさんの次回作にも期待しています。













また「丸っこい絵で尚且つ描き込みが細かい」って時点で絵柄にかなりのオリジナリティがあるというか
パッと見で「ああ、あの人か・・・」ってすぐ思える絵柄にも仕上がってますよね
幾花にいろさんといい、のきんさんといい、牛野缶詰さんといい
結構他誌(主に集英社)に引き抜かれたのに
矢継ぎ早に有望な新人が入って来るのは編集部の企業努力の賜物なのでは?と思います
取り合えず純愛好きで尚且つイチャラブセックスが観たい人はチェックしても損はないんじゃないですかね
そんな風に思います。前作でも思いましたけど、本当読んでて抱きしめたくなるクオリティですね。




ちょードキドキしてる たらぞお「ほっとすぽっと」 感想(快楽天2017年5月号)

2017-04-12 | 快楽天(たらぞお)
                                            
                                            ちょードキドキしたい。











誰にでも出来そうな仕事をやって、
誰かでも代替え可能な毎日を生きていると
不意に自分の存在が揺らぎそうになる
ロマンのない日常は人を腐らせる・・・
そういう事を本作を読んでいるとつくづく感じます。

まあ、要するに、仕事の後にこんな風に癒してもらいたいな、っていうか、
男の願望そのものな訳で・・・思わずキュンと来ちゃいましたよね(笑






このコマにはやられた。


なんでしょうね、
やってる事はシンプル極まりないんですけど
魅せ方が上手い、、、というか、作画と雰囲気作りのお陰で漫画自体に奥行きが出ている気がするというか、
シンプルに良い球投げてるな・・・というか。そういう誤魔化さないストレートな良さがある作品であり作家さんだと思いました
やってることは「ひたすらにイチャラブを描く」、ただそれだけなんですけど(笑
でも、普遍的なバカップルだからこそ、
もっともっと官能的に染まりたい欲求にゾクゾク出来る節があったし
純粋に可愛さのボルテージが常にマックスで目の保養的にも抜群なデビュー作であったかと思います。

面白いのは、女の子(千秋)の側から攻めてるのに、
逆にエロく攻め返されると恥ずかしさを垣間見せるギャップ・・・ギャップ?
そう、そのギャップのような何か、、、にグッと来る作品でもあったんですよね
やっぱり、いくら肉食系女子って言っても、一本調子じゃ物足りない
時には女の子らしい反応があった方が面白い、、、のが個人的な考え方なので
その意味だとそんな時折見せる羞恥心が良い具合にスパイスとして効いていたかと。





快楽天ブランドとしては、
あまりに素直な作風過ぎるきらいもあるんですけど
逆にこの天然なレベルの「擦れて無さ」は武器になるかな、とも思いました
本当にバカップルがイチャイチャしてるだけの内容なんですけど、
演出力が高いのか作画のねっとりした感じがいいのか、
そこまで薄い感覚はなく、
むしろガッツリ読めてしまう・・・という
ある種可能性を深く感じさせるデビュー作でもありました
ただただ純粋に、官能的に情熱的に求め合う二人。。
ただそれだけで、ここまで純で美しい物語として成立するのか、という凄さがありましたね。
また快楽天に期待出来る新人作家が入って来て色々な意味合いでワクワクしています笑









しかしまあ・・・
羨ましいな、オイ
爆発希望
いやいや、最高に微笑ましくて良かったです。
最新号の快楽天では特に推したい一作ですね。